2007年09月30日

「農家の友」の連載完了

私事ですが、この1年間(と言っても3人で順番に書いていたので、私は4回分です)、月刊誌「農家の友」の「カントリーライフにご招待」というコーナーの連載が完了しました。この雑誌は北海道農業改良普及協会が道内農家向けに発行しているもので、ほとんどが郵送で配布されるので一般の書店にはありません。

思い起こせば去年の暮れ、お話しをいただいたときは驚きました。
私の文章が雑誌に載るなんて!

私は国語が苦手でしたし、卒論も研究報告書もデータには自身があっても、その表現に苦労したものです。ただ常に「伝えたいこと」は頭にあったので、がむしゃらに書きつづっていました。
そんな私が書くことの楽しさを感じるようになったのは、「手紙」と「ブログ」と「意見チラシ」を通してです。(意見チラシとは、数名でグループを結成し、問題となる出来事について様々な角度から検証・データ収集・議論を通して方向性を導き出し、それらをまとめてチラシを作り、新聞折り込み等で町内に配布する。今までに「未来通信」「ふきのとうだより」「地球を愛する会@月形・広報誌」などの発行に関わってきました。)
自分が意見(考え)を発表する(伝える)ことで様々な人から反応があり、もう一度検討し、問題や自分自身ををより深く理解することができたのです。それに、私自身を知ってもらうのにも多いに役立ち、多方面に友達が増えました。書くことからこんなにも関係が広がるとは以前には想像もできなかったことです。

さて、この「農家の友」ではどうでしょう。これからが楽しみです。
ちなみに私の文章が掲載されているのは、
2007年2月号(地域と仲間・・・月形ポパイズとNPOふきのとう)
   5月号(花作り・・・多くの人の手で育てられる花)
   8月号(自然の恩恵を受けている人間のメッセージ・・・地球を愛する会)
   11月号(家族・・・山登りの楽しさ)・・・10月末に発行予定

興味を持たれた方、読んでいただけたら幸いです。

2007年09月27日

月形小学校 研究授業

今日の2校時に自校教員のみの研究授業が行われ、私も見学させていただきました。

研究授業は4年生の国語の授業で行われ、説明文の要約が課題です。
音読をした後、段落ごとにキーワードを抽出し、100字を目標に要約文を書いていきます。最後に数人が発表し45分の授業が終了しました。
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字数制限のある要約文の作製は大人でも難しく、高度な授業に驚きました。
午後の研究協議で教職員同士の議論や指導主事からの助言があるそうで、どんなやり取りがあるのか(私は参加できないのですが)興味深いです。

先週は複式校、今日は単式の授業、様々な形態の授業を見る機会がありました。教室は子供と教師の密室で、ともすれば担任教師の独りよがりになってしまう可能性がある授業を、このような研究授業を通して高め合っている学校や教育行政に好感を持ちました。
また、教職員だけでなく保護者や地域の教育力や地域力向上のために、同じ町内に形態の違う学校があることを最大限活用していけたらと思います。そのためにも教育委員会や議会、保護者の役割は重要だと感じました。

私はこの教育環境をより良く発展させるため、関係者や一般の人達が、地域(学校区)の枠にとらわれることなく各学校を気軽に行き来できるような仕掛けを考え、実践していきたいと思います。まずは子供達の交流がポイントになるでしょう。

2007年09月26日

2007年度地方自治土曜講座 9月22日第5回講座

テーマ『格差を超える』

■ 第一講 「『格差社会』の現実と背景」 ジャーナリスト 平舘英明氏
・ 郵政民営化に見る格差社会 
  過疎地域の集配局集約で、身近な局が無集配の窓口局に
   → 配達距離が長くなることにより役場の支所的役割ができなくなる
      → 利用減 → 廃止 → 住めない
・ 交通(国鉄民営化での廃線)、教育(道立高校の統廃合)、医療(公立病院)も
  同じ構造(公益性より効率、収益)で進んでいる
・ 労働市場に広がる賃金破壊
 (スポット派遣、ワーキングプア、ダブルワーク、自営業者、農業者)
・ 「小さな政府」は社会保障制度の解体
 (生活保護、母子家庭加算、就学援助、障がい者自立支援法)
・ 社会保障を縮小させる「小さな政府」の一方で、増殖する「大きな政府」
  ——市場原理主義、国防強化、警察の増大

■ 第二講 「地域格差社会を超えるための自治体の役割」
              北海道大学大学院法学研究科 宮本太郎氏
・ 格差:今ここにある不公正 = 空間的不公正+歴史的不公正
・ 日本には福祉国家と違った、格差を生まない仕組み(日本型生活保障)があった。
  これが崩れ、保証が薄い若者に大きな影響が出た → 格差
・ 格差解決のイメージ)地域社会に架ける「4つの橋」:北欧との比較
  日本は危うい橋で一方通行。北欧はしっかりとした橋、行きつ戻りつできる。
・ 人と人との結びつきこそが問題解決の糸口
  信頼関係が強くなればコストがかからなくなる(例:警察)
・ 所得保障より、みんなが働ける環境を作ることが大事では

■ 第3講 パネル討論「北海道における脱『格差社会』への戦略」
  司会 :樽見弘紀氏(北海学園大学教授)
  討論者:平舘英明氏、宮本太郎氏、高原一隆氏(北海学園大学教授)
・ 地域を元気にする=社会関係を強化することがより良くなるポイント
  信頼関係の厚い、地方の方がポイント高いのではないか
・ 地域施策の主体は誰か?
  公が作った案にNPO等を乗せるのは上手くいかない
・ NPOの認識が薄い → NPOの幻想を取り除かなければならない
  特に自治体職員の意識改革(NPOは安上がりの行動隊ではない)
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今回の講義の中で「信頼関係が強くなればコストがかからなくなる」という発言がありました。田舎に住んでいる私としては、全ての生活コストが押さえられるのを実感します。治安コストは言うまでもなく、食糧コストは物々交換で、運搬コストは乗り合わせで、他にもたくさんあります。ですから、「地域格差」を感じる場面はあっても、実際は数字よりも少ないのではないかと考えられました。価値観の違いで解決できる場面もあるのではないかとも思います。
それに引き替え、同じ地域内での格差はより深刻さを増しているように感じます。同じ価値観で生活していれば価値の違いは歴然で、物質的格差+精神的格差が生じるためだと思います。
「格差」と一括りにせず、格差の原因を慎重に見極める必要性を感じました。よって格差是正の施策も場面によって異なり、オリジナリティーの必要性があると考えます。何事も中央集権的でなく、地方分権の時代になっていくのでしょう。

2007年09月25日

2007年度地方自治土曜講座 8月25日第4回講座

テーマ 『自治体財政破綻からの脱出』

■第一講 「財政危機からの脱出と地域の再生」  京都女子大学教授 橋本行史氏
・国が地方を助ける方法は、公共事業以外にもあるのではないか
・夕張市の財政破綻の原因は?
 (首長、職員、監査委員、議員、住民、マスコミ、学会、金融機関、道、国)
 全てのプレーヤーが地域振興を望み一体化(利害の一致)してしまった。
  → チェック機構が働いていない。ガバナンスの欠如。
    皆が関わっていると守りきれない。
・市民運動だけで地域を支えることはできない
 (ボランティア団体が活発化し、意識改革には良いが力不足 → 行政の役割が重要)
・今後の自治体経営とは、方向性(ビジョン)を示すこと。
 小さな資源のつなぎ合わせ、小規模成功の積み重ね、暮らし都市や生活都市の発想

■第二講 「政策選択と予算配分ー政策財務の視点から」 法政大学講師 加藤良重氏
・決算カード(決算状況のわかるもの。総務省HPから見ることができる)
・横並び主義(先送り体質)を脱却しないと経営改革はできない

■第三講 パネル討論      ※ 所用のため不参加

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今回の講義の中で最も印象に残ったのは、夕張市の財政破綻の要因分析で「そこに関わるオールプレーヤーの利害が一致してしまうとチェックできない、守れない」という点です。議会の一員として行政を監視する立場である私も、ともすると陥ってしまう危険があるのだと気付きました。常に様々な視点で物事を見つめ、素直に声に出していかなければと、再認識し、気が引き締まりました。

2007年度地方自治土曜講座 6月30日第2回講座

テーマ『市民の安心、安全をどう守る ーー自治体福祉政策の課題』

■第一講「医療・福祉制度改革と市町村の役割」 新潟大学法学部教授 加藤智章氏
・年金=規模の利益、できるだけ大きい方が良い
・医療や介護=小さなレベルできめ細かく。組織体としては小さい方が良い

・日本は世界の中で比較的早い段階で健康保険の制度を取り入れた。
 その後、制度改正を進めるうちに複雑になっていった。
・制度構造の急速な変化(1.総人口減少と少子高齢化、2.非正社員化)により
 他の国では経験していない問題が発生 → 新しい制度等の必要性

■第二講 「北海道における医療と介護問題ー自治体の課題をめぐって」
                北星学園大学社会福祉学部教授 杉本直人氏 
・北海道の医療、介護などの現状報告
・小規模多機能型居宅介護のモデル紹介

■第三講 事例発表「行政と社協が連携した地域福祉ー権利擁護事業」
                南富良野町保健福祉課課長補佐 東 啓二氏
・町の現状(過疎化、高齢化)から、地域福祉を担う社協への支援が不可欠
・行政が地域福祉計画を、社協が地域福祉実践計画を策定し、役割を明確化
  → 地域福祉のソフト面の充実を計る
・成果事例として権利擁護事業(南富良野町生活サポートセンター)

■第四講 パネルディスカッション「地域に根ざした医療・福祉とは」
 司会)   杉本直人氏
 パネリスト)加藤智章氏、東啓二氏、白戸一秀氏(北海道社会福祉協議会事務局次長)

・これからの社協の方向性は、個人のニーズを中心に社会的な援助を組織化すること
・「公私分担」から「地域協働」へ、住民視点の地域福祉で
・東京(中央)の論理と、過疎地、地方、中山間地の現状とは違いがある。
 ニーズをしっかりつかめ。地域の中での協議が大切だ。
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医療・福祉・介護は地方の小さな自治体にとってはとても重要な事項ですが、制度が複雑なので何ができるのか、どこをどのようにすればニーズに合った施策ができるのか、戸惑うことが多々ありました。そんな中、今回の講義の中で南富良野町の実践例が報告されたり、後期高齢者医療制度の話題が出たり、私にとってタイムリーで(今年から国民健康保険運営協議会委員になったので)興味深い講座でした。

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