2009年01月18日

臨時会を終えて思うこと

今回の臨時会は午前10時の開会後すぐに「暫時休憩(→全員協議会)」となり、再開されたのが午前11時40分頃という異例の事態となりました。これは午前9時から開催された全員協議会での「議案の事前(補足)説明」が紛糾したためで、議長判断でした。

月形町議会では通常、定例会、臨時会とも、本会議での議案の審議前に全員協議会が開かれます。町側から「議案の説明(条例提出の意図と背景、議案には載らないような細かな点、今後の施策の展開などの説明)」があり、それに対して各議員が質疑や追求をし、ある程度の方向性が見えたところで本会議に移ります。このため、本会議場では儀礼的な説明と審議で可決されます。

これは本会議場での審議が「会議規則」のよって縛られているため、自由な質疑や追求ができない(と考えられている)ので、このような体勢がとられています。このやり方は多くの地方議会で行われていることですが、議論が住民の見えないところで展開する(※)ため、「議会の問題点」として指摘されています。

※今まで議員協議会は非公開の議論の場でしたが、地方自治法の改正にともない「全員協議会」と名称を変え、公開となりました(月形町議会でも1月14日午後に全員協議会規定が確認され、平成20年12月8日にさかのぼって公布)。これにより傍聴も可能になりました。
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今回の議案(特に交流センター条例)は私にとって到底納得できるものではありませんでした。住民の交流の場として建設が進められている「交流センター」において、その運用の柱(条例以外の詳細部分も含めて)が住民主体でないと感じられたからです。全員協議会で議論を交わすうちに妥協策が見えることもありますが、今回は質疑を繰り返しても回答は変わらず、議論として成立しなかったため「否決」することにしました。

議会は多数決の議決機関であり町政のチェック機関、そして会派制のない月形町議会では採決は議員個々人の判断に任せられているので、議案に反対であれば「否決」することは何ら問題ないことです。しかし月形町に限らず多くの議会が「議案を否決=首長の不信任」と捉える向きがあります。本当におかしい考え方です。

首長(町長)を応援する(イエスマンになる)ために私たち議員がいるのではありません。施策が町民にとって有益かを判断するのが私たちの仕事です。であるならば、一つ一つの議案を審議し賛否を表明することは、もっと日常的であって良いはずです。「議案の否決=不信任」と考えて判断が妨げられるようであってはいけません。


「議会の目的は議案をスムースに通すことではない」
「議会は政策をめぐるセリ(政策闘争)」

これは昨年「北海道自治体学会フォーラムinえにわ」で片山善博氏(前鳥取県知事)と中島興世氏(恵庭市長)のトークセッションで聞いた言葉ですが、私の心に深く残っています。それは議会の本質を突いた言葉を議員が言ったのではなく、現役の首長や首長経験者が言っていたからです。

議会が議論の場として正当に機能するためには、首長との関係を正しく認識しなければなりません。それは議員一人ひとりにとってもそうですが、議員の合議体である議会もそうですし、首長および行政職員側、そして町民にもです。
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臨時会を終えて、私は少々凹みました。

一つには、反対討論で充分な趣旨説明と議場の皆が納得し意見を変えるような討論(演説)ができなかったことに対する自分自身への悔しさ、情けなさ。
もう一つは、もし私が誰もが納得するような反対討論ができたとして、果たして何人の人が「否決」に回ったか・・・。結論は既に決まっていたのかもしれないという懐疑心と無力感。

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