2009年07月01日

総務民教常任委員会(2009.7.1)幼児教育の環境

本日午前から午後にかけ、総務民教常任委員会が開かれました。

今回の調査項目は「幼児教育の環境等」と「学校給食の運営状況等」の2点で、住民課と教育委員会の所管です。まず現地視察(花の里保育園、大谷幼稚園、学校給食センター)で現場の状況確認と関係者からお話を伺い、その後委員会室で担当職員から説明を受け、それをふまえて委員間で審議するという充実した内容でした。

視察先が十分な準備と資料を用意されていたこと、午前開会で時間に余裕があり審議が十分にできたことも充実した要因だと思います。今委員会に関係した方々のお陰で今までより深い議論ができました。関係者の皆さん、ありがとうございました。

さて、調査内容の要旨は以下に記します。
なお、「幼児教育の環境」については、7月6〜8日に行う「認定こども園」の先進地視察(美深町、中川町、中頓別町)の事前研修も兼ね、月形町の現状を確認する意味合いも含まれています。
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1.幼児教育の環境等について

町内には公立(指定管理者:札親会)認可保育園「花の里保育園」と私立大谷幼稚園があり、幼児教育をになっている。それぞれに特徴のある教育を行っているが、近年の急激な少子化と保護者のニーズの変化などでともに定員割れしている。

【花の里保育園:所管 住民課】
◆平成11年4月開設。子育て支援センター機能を併設。
◆指定管理者は、社会福祉法人 札親会。
 指定管理料は7,150万円/年(H21年度からの5年間)
◆今年度から定員を40名(昨年まで45名。少子化による変更)としたが、
 7月1日現在、入所児童数は34名
 就学前児童数に占める入所児童数は32.32%であり、あまり変動がない。

◆職員:園長1,保育士12(保育士資格および幼稚園教諭免許を有する者8),環境管理1
◆保育時間:午前8時〜午後6時(月曜日〜土曜日)
◆入園対象:生後6ヶ月〜就学前までの児童
      (入園条件は以前より緩和されている:国の規制緩和)
◆特別保育:
     ・乳児保育(生後6ヶ月の乳児から受け入れ)
     ・延長保育(午後6時〜午後7時、月曜日から土曜日)
     ・一時保育(週2回程度の利用 → 最近は利用者少ない)
     ・障がい児保育(障がい認定を受けた児童)
◆子育て支援事業(主なもの):
     ・就学前の在宅家庭の親子を対象(2歳児以上)
      毎回約10組が利用(定員15組)、月2回(年間18回)開催
     ・相談業務(担当保育士が希望者と面談、電話やfaxでも対応)
     ・絵本の貸し出し(蔵書数:約2,500冊)

◆その他(質疑応答も含む)
 ・保育所保育指針が改定され、今年度新たに「保育課程」を作成することになった
 ・社会情勢を反映し、制度が動いている → 保育所として、小学校や地域との連携強化
 ・現在の保育園施設は最大何人まで利用できるのか?
   → 施設だけでなく人員の問題もあるが、過去に56名まで入所していた実績がある
 ・交付税のうち保育園設置分はどれくらいあるのか?
   → 入所者数により変動する。H18年の場合、46名で約1,000万円


【私立大谷幼稚園:所管 教育委員会】
◆円福寺住職婦人の日曜学校が始まり(昭和10年頃)。
 昭和30年、住職婦人と月形大谷婦人会有志の基金調達により幼稚園開設
 昭和57年、学校法人 月形大谷学園 認可
 昭和60年、園舎の老朽化により現在地に新築移転、町から補助を受ける
◆町からの補助金(H21年度) 計374万5千円
     ・幼稚園就園奨励費補助金、事務取扱
     ・私立幼稚園運営費補助金(スクールバス運行費補助)

◆目的:学齢未満の幼児を保育し、適当な環境を与え宗教教育を施し、心身の発達を助長する
◆定員80名。H21年度の在園児数18名(4,5歳児のみ)
◆職員:園長1,教員2(両資格を所持),事務員1,運転手1,補助1
◆保育時間:午前8時30分〜午後1時30分(月曜日〜金曜日)
◆入園対象:3歳〜5歳児まで
◆預かり保育:毎週月・水・金(年間40日間) 午後2時〜5時
       料金 300円/日 + おやつ代 100円/日
◆少子化対策支援事業:未就園児のために幼稚園開放
           登録者13名(H20年度)、年間20回開催、費用300円/回

◆その他(質疑応答も含む)
 ・幼稚園を選ぶ理由 → 子供を手元で育てたい。
             スクールバスがあるから(自宅前まで送迎)
 ・預かり保育のニーズの変化
   → 働くお母さんからの要望により開設したが、保育園ができてから利用が減った。
     最近は「遊ぶ友達がいない子供」の利用が多い


【幼児教育全体に対する質疑応答・審議】
◆保育園は(制度として)学校教育との関わりが増えているようだが、町としての対応は?
 → 制度に合わせて対応していきたい
◆昨年5月にも「幼児教育のあり方」をテーマにしているが、その時から進んでいないように感じる
 → 現状把握に努めた。幼保一元化など、制度などの情報収集を進めたい
◆利用者の利便性を考え、窓口の一元化を考えられないか
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今委員会の正式報告は9月の定例会に提出されます。

私の感想は、

月形町の少子化は急激に進んでおり、幼児を取り巻く環境や制度は急速に変化していて、(保育園現場のお話から)保育が教育に近づいているのを強く感じました。厚労省と文科省の垣根はまだあるものの、現場では実態に即した動きをしているようです。

それに対して、行政は未だに縦割り感が強く、少々がっかりしました。今はまだ現場に動かされて展開しているようですが、現状を見れば先手を打つ必要があると考えます。様々な選択肢(現状の体制維持、幼保一元化の認定こども園の開設など)のメリット・デメリットを、子供の教育環境や町の財政支出、保護者の利便性や費用負担等、様々な観点から町民に示す必要があると考えます。それを示した上でどのように展開したらいいのか、町民に選んでもらうくらいの準備が必要です。

私自身は幼保一元化を実現させるべきと考えていましたが、今回の調査でそう簡単ではないことに気付きました。私立の幼稚園と公立の保育園の一元化だから難しいのではなく、大谷幼稚園は宗教教育を根幹にした教育をしているということが解ったからです。幼保一元化の認定幼稚園(公立)になれば宗教教育はできないでしょう。そうなれば大谷幼稚園の存在意義もなくなってしまうのです。

私は単純に「保育に欠ける・欠けない」の分け隔てなく、子供たちが充分な幼児教育を受けられるようにする方法はないかと、幼保一元化の可能性を模索してきました。しかし、これは保育所的な考え方だったのかと。

来週の視察(美深町、中川町、中頓別町)で認定こども園を調査してきます。月形町の現状と照らし合わせ、しっかりお話を伺ってこようと思います。

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