2009年10月31日

*・. 初雪 *・.

今日の午後8時、外は夕方から雨模様。
帰宅しようと乗り込んだ車。
真っ暗な中、ワイパーをかける。
と、フロントガラスの端にシャビシャビのシャーベットがどんどん溜まって・・・
そう、初雪です。
ここ北海道月形町では、例年なら10月半ばには降るのに、今年はずいぶんと遅いです。
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今年の秋はとても暖かく、今も路地や無加温ハウスで毎日、花を切って出荷しています。
(我が家は切り花生産農家。気温が下がると咲き足も鈍るので、例年なら隔日の採花となる。現在出荷しているのは『スカビオサ』と『ウインターグラジオラス(スキゾスティリス)』)


天気予報は「10月末から11月初めは寒気が入り平地でも初雪が観測されるでしょう。」と伝えていました。そこでこの1週間は花の出荷の傍ら、冬支度に追われました。

真冬は1.5mもの積雪になる月形では、根雪になる前に様々な冬支度が必要です。

外に出したままの道具を納屋にしまい、外に置いておくものは除雪の邪魔にならない場所に移動し、ひとまとめ。移動できないものは位置がわかるように目印の棒を立てて。
一番の大仕事はハウスのビニールはがし。越冬できる丈夫なビニールハウスを除き、ほとんどのハウスはビニールを剥がして骨だけにし、雪の中に埋もらせます。

これら全ての作業は根雪までに済ませればいいので、状況を見ながら少しずつ進めています。
ちなみに今日はハウスのビニール剥がしを6棟完了。初雪とは言え、まだまだ花は咲いてくれるので出荷を続けるハウスはそのままにしています。
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6、7月の低温と長雨による生育遅れは取り戻せませんでしたが、それでも晩秋まで収穫物が確保できるのは有り難いことです。農業が『お天気と共にある仕事』『自然の片隅で生きる職業』なのだと、今年は強く感じました。

社会が成熟し『全ての職業が経済の仕組みの中にある』という感覚にとらわれていた最近の私ですが、『自然』の大きさ、懐の深さ、驚異と儚(はかな)さ、慈悲深さ・・・自然の色々な面に触れて、農業の原点に帰れたような気がします。初雪さん、ありがとう。

2009年10月27日

道、徳富ダム建設を再評価。継続か、中止か!

今朝の北海道新聞朝刊1面に「道、25事業再評価へ」という大見出しが載っていました。

これは道が毎年度行っている公共事業の再評価(公共事業評価専門委員会による)で、来年1月末までに高橋知事が継続や中止の判断をするというもの。対象は事業決定や前回の再評価から5年が経過し、事業費が10億円以上の事業。徳富ダムも前回の再評価(2004年度)から5年が経過しているので対象となりました。

徳富ダムは今回の再評価の対象ではありますが、昨年度実施した公共事業一斉点検では継続となり、また国土交通省のダム事業見直し表明時にも道は継続の考えを示していましたし、先日の視察の折にも同様の説明がありました。事業継続と聞いて安心していたのですが・・・。

徳富ダムの費用対効果(治水事業の総便益を総費用で割ったもの。ダムの必要性を判断する指標の一つ)は、凍結が決まった八ッ場ダム(群馬)よりも低いとか。ただ、既にここまで事業が進んでいるのに(常識では)中止とは考えられません。

また月形町札比内地区のことを言えば、今現在使用している古くて小さな土盛りダムは既に老朽化が激しく、今現在もだましだまし使っているとのこと。徳富ダムの追加工事のため供用が1年遅れるという事態でさえ不安が募っているというのに、これで事業が中止となれば水の確保がままならず、水田として農地を利用できないのではないかという声も聞こえてきています。

事業決定が成されてから相当の時間と経費をつぎ込み、事業完成を想定して関連各所も対応してきています。費用対効果だけが指標ではないのでしょうが、それら資料やデータには載らない現場の状況も把握した上で結論を出していただきたいと思います。

八ッ場ダムしかり、徳富ダムしかり、一度動き出した公共事業を止めるには大きな影響があるのを目の当たりにしました。結局のところ、最初の判断(建設計画時)が最も重要だということでしょう。
社会に対する影響が最も小さくて話題にもならない時期の判断が最も重要というのも皮肉なものですが、その判断を下すのは他でもない、それぞれの【議会】なのです。

改めて『議会の重要さ』と、その一翼を担っている『議員であることの重み』を痛感する今日この頃です。

2009年10月26日

全員協議会「議会活性化」市町村合併

ひきつづき10月23日の全員協議会です。
こちらは継続的に行っている「議会活性化」で、今日のテーマは「市町村合併について」の2回目です。
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【市町村合併について】

[これまでの流れ]
◆全員協議会「議会活性化」市町村合併のテーマで行われた議論は、H16年2月の住民投票を中心にした町民運動と議会の関係について、総括および反省ががほとんどだった。
◆市町村合併について議会として今後どのように取り組むべきか、具体的な検討はまだできていない。
◆9月定例会での金子議員の一般質問に対し、町長が「自立」を宣言(方向転換:合併→自立)
◆状況が変化したことをふまえ、議会は何をすべきかが今回の主題。

[議論内容]
◆町長が方向転換したことに対して、今まで「合併」と主張してきた議員はどう考える
 ○既に状況は変化している。以下の理由から町長の方向転換も理解できる
  ・第29次地方制度調査会の答申(強制合併の時代は終わった。今後は進めない)
  ・市町村合併機運が盛んだったH15年当時とは様々な面で変化した
   (合併特例法の旧法および新法が修了。政権交代。自治体連携方法の多様性)
  ・財政の見通しが立った(30億の予算で何とかやれる)
  ・地方分権の推進
  ・近隣市町村との関係(今は合併できない状況、雰囲気)
    
◆町をどうしていくのか、自立を主張した議員に聞きたい

◆今後どのような形でまちづくりをするのか、町長を交えて議会で議論する場を持つ(次回実施予定)
◆テーマを「市町村合併」→「まちづくり」に変え、議論を深める
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議会において、【市町村合併】の議論になると真っ先に指摘されるのは
「宮下は住民を巻き込んで町政を混乱させた」
「宮下のとった行動は本当に町を思ってやったことなのか。パフォーマンスではなかったか。」
ということです。

確かに私は住民運動の主たる立場で、当時の町長や議会の(自立の)決定に対し反対の立場をとりました(私は合併を支持)。それは行政から出てくる様々な資料を自分なりに分析し、
「今のままでは自立は難しい(財政と統治状況から)」
「地方分権が進むこれから、(当時の)行政組織や議会では受け皿になり得ない」
「合併することで新たな連携が生まれ、活力あるまちづくりが出来るのではないか」
と言う考えに至ったからです。

私が議員になろうと思ったのも、市町村合併を通して議会の重要性に気付いたことと、議会改革が必要だと感じたからです。議会は町民と共にあるべきなのに、議会の考えを町民に押しつける(あるいは議会の意志が絶対である)考え方に失望したからです。

結局のところ、旧法下での合併を答う住民投票(住民は合併を支持)の結果も成果には結びつかず、時は流れ現在に至っています。そして今、状況を追認するような形で町長は「自立」を宣言しました。
確かに、当時町政は混乱しました。けれど町民が「自治」や「議会」に関心を持つようになったのも事実です。大げさいにいえば、月形町にとっての「民主主義の夜明け」だったと思っています。
混乱やマイナス面にばかり気をとられていては何も生み出しません。そこから生まれた新たな光に着目し、それを育てることで経験をプラスに変えることが出来るのではないでしょうか。

実際に議員になって内側から議会を見た時、ある部分ではキチンとした議論が行われていて正当な議会であることもわかりました。しかし「議会は町民と共にある」という部分ではまだまだ遅れていますし、「二元代表制」の本質についても理解されていません(これは議会だけに限らず、行政側も町民も同様です)。

これからの【まちづくり】の議論の中で、必然的に【議会の役割】が問われることでしょう(そうありたいと思っています)。 

2009年10月25日

全員協議会(2009.10.23)

「議会活性化」の議論のために招集された全員協議会で、町側からの協議報告事項がありました。
平成21年度緊急経済対策に伴う事業について、政権交代により影響が出ているので、現状と見通しについての報告と協議です(以下の項目、1〜4まで。5は議会内での協議)
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1.子育て応援特別手当事業について(中止)
 ・子育て応援特別手当(3〜5歳の幼児に3万6千円を支給、今年度のみ)の事業費(263万円)は、
  9月定例会で既に補正されているが、中止(厚労省からの指示)
 ・12月定例会で減額補正

2.学校情報通信技術環境整備事業について(予定通り実施)
 ・校内放送設備の更新および地上デジタルテレビ、電子黒板の導入事業
  (総額2,661万8千円。8月臨時会で補正済み)
 ・電子黒板の必要性について文科省で協議、既に内示のあったものは予定通り執行との判断。
 ・月形町は既に内示を受けているので、予定通り執行

 Q 電子黒板を使いこなせるだけの準備は整っているのか?
 A しっかり研修させる。使いこなす努力をする(教育委員会)
 Q 公共投資臨時交付金が圧縮された場合はどうする(町の負担が増えた場合)
 A 再度議会にはかる
 Q 9月定例会で札比内小学校の統合が示された。町内の学校体制が変化している。
   この部分を勘案・協議し、キチンとした説明を。(回答は後日)

3.上記以外の緊急経済対策関連事業は予定通り執行の見込み。

4.地域情報通信基盤整備(光ファイバー、IP告知網の整備)事業(追加)
 ・地域情報通信基盤整備推進交付金(ICT交付金:全事業の1/3分)は交付確定
 ・公共投資臨時交付金(残りの2/3の90%分)はまだ確定していない
  → この交付金の見通しがついてから補正(11月臨時会か12月定例会)
 ・月形町と新篠津村との共同事業で実施したい
  ○事業費の縮減を図る
  ○縮減分で月形町はIP告知端末の無停電装置(約5,000万円)の設置

5.12月期の期末手当(議員分)について
 ・4.4ヶ月分 → 4.15ヶ月分(−0.25ヶ月分)を了承
 ・「議員、常勤特別職、職員は同率」の基本を守る
 ・議会活性化での報酬・期末手当の議論とは分ける(今回の減額は人事院勧告を踏襲)
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政権交代に伴う様々な影響が出ています。といっても、必ずしも悪い影響ばかりではありません。麻生政権時代の大盤振る舞い的な臨時交付金は、私達小さな自治体にとって「泡銭」のようで、充分精査しきれない事業にも「お金が出るのだから」と予算付けしていたようにも思います。

うちの町で事業仕分けはしていませんが、そのようにすればきっともっと削られるでしょう。(個人的に「電子黒板」は、うちの町では宝の持ち腐れになりかねないのではないかと危惧しています。=あえて都会と同じ機材を使わずとも、それに変わる資源が田舎にはあると思うので。それに同じ機材を使ったからといって同じ効果が得られるとも思えません。準備が不足していると感じています。)

その一方、光ファイバー全町敷設は私のたっての願いです。6月の一般質問でも指摘している「地方都市でのデジタルデバイド解消」は、行政の力なくしてはあり得ません。今回の臨時交付金の恩恵を強く感じる事業です。

何かが変わると言うことは影響も大きいし、考えの幅も広げなければなりませんね。でもピンチはチャンス。ただし余剰は怠慢を生みます。

2009年10月24日

徳富(とっぷ)ダム視察

10月20日、お隣の新十津川町に建設中の徳富(とっぷ)ダムを視察してきました。

この視察は、徳富ダムの水を月形町札比内地区の灌漑用水として利用することから行われたもので、今回の参加者は役場職員や議員など約20名。徳富ダムの工事が約9割完成し、湖底など全容を視察できる最後のチャンスということで、この時期に設定されました。

徳富ダムの概要に関してはこちら(空知支庁HPの専用ページ)。

徳富ダムは工費を抑えるため、コンクリート以外(築堤のための石や砂利や砂、水など)はほぼ現地調達で建設されています。様々な取り組みの結果として当初予算とほぼ同等の金額で建設できているとのことです。工期は当初予定から1年遅れたものの(平成22年から試験湛水、平成23年完成)、それによる工費の増大はほとんどないとのことです。(徳富ダムを含む灌漑・水道・頭首工など関連工事を含め、総工費約1,000億円)

私は今回2度目の視察で、約1年半ぶりの現地でした。前回は湖底部分に採石プラントがありましたが、今は全て撤去され、また堤防本体や周辺の道路、トンネルなども完成し、9割方進んでいるというのを肌で感じることができました。
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民主党政権になり様々なところで「ダム建設中止」の動きがあります。この徳富ダムは道の事業ですが国の補助があるということで、一度は検討に上ったそうです(既に完成間近なことや必要度から予定通り執行)。

この徳富ダムは昭和54年に計画され、工事が始まったのが昭和62年。実に長い年月が費やされてきました。そして現地では実に大規模に自然に手を加えているのを目の当たりにしました。
人の力、機械の力、お金の力、政治の力・・・様々な「力」を見せつけられた感じです。

人が暮らすためには「水」は必要不可欠で、この徳富ダムの完成を心待ちにしている地域の人の生活が想像できます。その一方で「無駄な公共工事」として洗い出しをしている国の政策も理解できます。それだけ全国には「計画当時と状況の変化したダム」「甘い建設計画のダム」が存在するのでしょう。

結局、何事も「最初の決定」が最も重要、そして「各段階での見直し」も。

私は議員として、その「決定」をする立場です。直接決定を下さなくても、調査し、発言することのできる立場です。ダム建設現場を視察して、今まで以上に「議員の重責」を感じました。そしてもっと精進しなければとも・・・

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