2011年03月18日

声をかけ合おう[東日本大震災から1週間]

あの大地震が発生して1週間。
まだ1週間しか経っていなかったのか・・・
それほどこの1週間は重くて、悲しくて、たくさんのことが在りすぎた1週間でした。

地震発生からの3日間、ちょうど週末だったこともあって、私はテレビに釘付けでした。津波が日常を飲み込む様には心が凍りつき、そのあとの惨状には驚くばかり。私は家族と共にそれまでと同じ生活をしているにも関わらず、会話は減り、家事もしたくない状態。日常の当たり前のことが全く手につかず、すっかり心を奪われていました。

そんな私を辛うじて現実の世界に引き戻してくれたのは「議員としての仕事」。定例会の会期中だったからこそ、ほんの少しだけ我に返る時間が持てたように思います。

それでも日を追う毎に気持ちは沈み、何とも言い難いよりどころの無さ。

そんな時に目にしたのが・・・
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【精神科医・香山リカさんのコラム(一部抜粋) 北海道新聞3月16日朝刊】

 * たとえ直接、大きな揺れを感じたり津波を目撃していない人でも、
    かなりリアルな「疑似体験」をしている。
 * これからは日本中がお互いを支え合い励まし合って、立ち直っていかなくてはならないのだ。
    そのためにも、まずすべきことは、自分で自分を守ること。
 * ゆっくり体を休め、食事をきちんと取り、お風呂に入って体をあたためる。
 *「あなたの力が必要」と言われるその日に備え、自分の生活と健康を守る。
    それが今、私達にできる最大限のことなのではないだろうか。
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確かにそう、焦っても何もならない。
被災した人とは比べものにならないけれど、振り返ってみたら適当にしか食べてなかった。
子ども達にも、ちゃんとしたものを作ってなかった。
目の前にいる大事な家族や自分をないがしろにして、何も始まる訳がない・・・

ちょうどその頃、無性におしゃべりしたくなってママ友(子どものお母さん友達)のところへ。
彼女も同じ記事を読みハッとした、と。他にも、避難所で中学生が作った「がんばろう高田。命あることを喜ぼう」というポスターに感動して涙した、と・・・
同じ気持ちでいる人が身近にいたことが、おしゃべりをしにいつでも会いに行ける友達がいることが、どんなに心強いことか。少しずつ前向きになれている自分を感じられるようになってきました。

ああ、人と声をかけ合うことでこんなにも元気が出るんですね!

そして今日届いたメールマガジンにもこんなエピソードが・・・
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【河合薫:大震災 孤立して諦めかけた私を救った“声の力”  日経ビジネスON LINE】

内容は・・・仕事のあと水戸駅で被災した筆者。見ず知らずの土地で、何も解らない中に放り出されてしまった状況にあって、その不安と孤独感で諦めかけていたところを現実に引き戻してくれたのは、周りの人の何気ない「声」だった。

 立ちすくんでいる人、困っている人がいたら、「大丈夫?」と声をかける。どう声をかけていいか分からなければ、ただただ声を出して、たわいもない話題を共有する。たったそれだけでいい。それだけで、「人」がそこにいる意味が生じ、「人」を助けることができるのではないか。
 声を出す。簡単なことだ。見知らぬ人に声をかけるのは勇気がいる。でも、声を出せば、そこでつながりが生まれることだってあるはずだ。
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ちょっと身内の話ですが・・・

私の実家は栃木県。東北地方程ではないものの大きな揺れを記録し、母とは3日目でやっと連絡が取れました。
母は宇都宮市内の公共施設ホールで震度6強の揺れを体験し、天井から埃や物が降ってくる中脱出。友達と一緒に急いで車で帰宅途中、大きな余震が何度もあって「運転していて大丈夫か」と何度も思ったと。
この体験をしてから2日以上経ったときに初めて電話が通じたのですが、その時の母の声は暗く沈んで震え、その時の恐怖感がそのまま。父も一緒に生活しているし、弟夫婦も近くにいるのに、「何も考えられなくて」「何もやる気が出なくて」と。木造築60年以上の自宅の被害は、食器がいくらか割れた程度だったけれど、余震が続いている中の生活は不安がいっぱいだったのでしょう。

それから母に電話をしたのは、計画停電が実施された時、原発事故が拡大した時。話し始めは不安そうな声も、近況やコラムの話しをしているうちに声が明るくなってくるのがわかりました。

そして今夜、震災後初めて母から電話がかかってきました。
「明日、福島県から原発事故の影響で避難している人が、地域ごと700人近くが近所に避難してくるから、炊き出しの手伝いに行ってくるね。」
「裕美子が言ってたように、ちゃんと食べて、ゆっくり休んで良かった。必要とされる日が来るんだね。頑張ってくるから。」
その声は明るさと元気を取り戻し、いつもの母になっていました。
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地震発生から1週間。
被災した皆さんは体力的にも最もきつい時期ではないでしょうか。直接手をさしのべられない今の状況にもどかしさを感じ、ただただ良い方向に向かうことを願うばかりです。
また支援や救援に取り組んでいる方々、原発事故を少しでも食い止めようと頑張っている皆さん、本当にありがとうございます。皆さんの活動を心に刻みます。
そして犠牲になった方々、ご冥福をお祈りします。

私に今できるのは、まずは「必要とされる日」のために、しっかり体調を整えること。今、目の前で展開されていることをできるだけ記憶すること。
そして『声をかけ合うこと』。
『声の力』を実感した私だからこそ、素直に、積極的に、身近な場面で声をかけようと思います。

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