2013年03月22日

理事者の考えは分かったけれど・・・【平成25年第1回定例会/一般質問】

昨日の吹雪と打って変わって、今朝は気持ちの良い青空が広がっています。思いのほか積もった新雪でまぶしい限り。積雪もまだ1.5m以上あるので、雪融けはまだまだ先ですね〜。春の訪れはいつもよりゆっくりです。

さて、今日は一般質問のご報告。

今回は3つのテーマで質問しました。
質問ごとに、質問主旨と答弁要旨、感想を掲載します。質問中に筆記したメモを使ってまとめたので、詳細な部分は多少違っているかもしれませんが、趣旨は合っていると思います。速報ということでご了承ください。
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平成25年第1回定例会/一般質問[宮下分]

1.「共生のまちづくり」の具体的な施策について

【質問】
「共生のまちづくり」という耳慣れない言葉に当初は戸惑ったが、昨年12月の一般質問答弁で示された概念(組織を越えた横の繋がりをもち、地域コミュニティを活かして育てる)は、古くて新しいスタイルの「まちづくり」の可能性があり、月形町の歴史や様々な取り組みとの合致し期待が持てた。
しかし、それを進めるための具体的な施策は平成25年度執行方針において示されていなかった。平成25年度あるいは任期の4年間を通じて、何をどのようにして「共生のまちづくり」を進めるのか、具体的施策あるいは構想を伺いたい。

【答弁:町長】
「共生のまちづくり」とは「町内にある5つの福祉施設と2つの矯正施設があることに感謝し、しっかり繫がっていくこと」であり、言葉で区切って進められるものではない。職員が意識し、認識を持って進めることが大事である。
町内では「共生のまちづくり」を意識した取り組みが展開されている。例えば新年交礼会(様々なジャンルの人が集う)、地産地消料理コンテスト(JAや商工会、雪の聖母園等が協力)、月形学園への町立病院からの医師派遣など。これらは職員が「共生のまちづくり」を意識した結果である。


【質問】
職員だけが認識していても「共生のまちづくり」はできない。町民にも解りやすく示し、協力を得て進めるものではないか。
そのためには明確なテーマ設定あるいは事業を示す必要がある。例えば「中心市街地」をテーマにすれば、中心市街地の設備や機能を様々な観点から結びつけることで地域コミュニティを活かした「共生のまちづくり」ができる。「地産地消」をテーマにしても良い。
町政の執行者として、目標やテーマを設定・提示して欲しい。

【答弁:町長】
中心市街地のように場所を限定するものではない。共生という想いがあるかどうか、職員の意識が重要。それに「共生のまちづくり」は4年間ではできない。将来にわたって積み上げていくもの。

《感想》
最後まで「共生のまちづくり」の具体策を聞くことは出来ませんでした。
私は「共生のまちづくり」を「組織を越えた横の繋がりをもち、地域コミュニティを活かして育てること=個人や組織が有機的に繋がり発展すること」だと考えていたのですが、町長は「町内にある5つの福祉施設と2つの矯正施設があることに感謝し、しっかり繫がっていく」と言い、「施設・行政・地域という枠組みを大事にしてまちづくりをしていく」という印象を受けました。
いずれにせよ「共生のまちづくり」という言葉は目新しく抽象的ですし、具体策がないので同じ目標に向かって進めるのかも疑問です。町長が事例として掲げたものは既に進められている実績がほとんど。将来的な構想や目標が何一つ示されなかったのが残念です。
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2.町立病院の経営改善について     

【質問】
月形町立病院は赤字補填(ルール分以外の一般会計からの繰り出し)が、5,000万円以上3年連続となり、入院・外来患者の継続的な減少も見られる。平成21年度から5カ年計画で「公立病院改革プラン」を作成したが、効果は見えない。
これらのことから町立病院は危機的状況と考えるが、町長は現状をどのように認識しているのか? また、なぜこのような事態になったと考えるか?

【答弁:町長】
危機的状況と認識している。
その要因の第1は医療法の改正であり、第2は最近の医療費高騰と言える。1次救急、1次医療にはお金がかかる。


【質問】
町長は「ほとんどの公立病院が赤字だ」と言っているが実態は違っている。医療法や医療費の問題はあるものの、全国の公立病院の経営はここ数年で改善されている。総務省のホームページによれば、全国で平成23年度に経常収支が黒字の病院は全体の53%(平成20年度は30.2%)。小規模病院でもほぼ同様の割合で黒字化になっている。(ただし、道内の公立病院の黒字化は全体で38%)

同ホームページには公立病院経営改善事例集が掲載され、黒字化の要因があげられている。
◆患者満足度の向上(病院理念・経営スローガンの浸透、接遇研修、投書箱の設置)
◆医師の確保(大学とのパイプ強化、奨学金・研修費の助成、魅力ある病院づくり)
◆地域医療福祉ケアの実践(地域医療福祉ケアシステムの導入、地域完結型の医療)

各地の公立病院は黒字化に向けて様々な取り組みがなされている。月形町立病院はどうか? 設置者として、今後どのような取り組みをしていくのか?

【答弁:町長】
どういうことで黒字化になっているのか分からない。道内で黒字化になっている病院は少ない。医師が足りないことが要因。医大が3つしかなく、定数を確保できない。

平成25年度から町立病院では、札幌医大からの派遣医を、隔週1日から毎週1日に増員していただく。また、理学療法などの医療スタッフが地域のサークルなどに出向き、保健と連携した取り組みを進めていく。

《感想》
今回の質問をするに当たって全国の公立病院の経営状況を調べたところ、多くの病院がここ数年で経営改善に成功していて、正直驚きました。これまで病院経営に対し町長からは「公立病院の赤字は仕方ない」「改善を国や道に要請している」という答弁しか得られず、甘んじて受け入れてきたことを反省しました。

黒字化している小規模病院の多くは、接遇改善や地域医療福祉ケアシステムの導入など、独自施策でできることをどんどん進めています。月形町も一歩踏み出せば出来るような環境は整っていると考えます。
答弁で赤字の要因を延々と聞かされるより、「黒字化した要因を解析し、検討します。」のひと言さえ聞ければどれほど期待が持てたことか。いつまで先送りしていても状況は悪くなるばかり。  
“いつやるか?” “今でしょ!”  流行語にあやかりたいものです。
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3.学校教育における「地域」との関わりについて

【質問】
「いじめ」や「体罰」など学校教育を取り巻く問題が社会問題化している中、その改善策として、昨年9月の一般質問で教育委員長から「学校・地域・家庭が一体となった三本柱の教育を」の答弁を得た。この言葉から、「学校現場に家庭や地域がもっと関わりながら子ども達を教育する=開かれた学校」が実践されると期待した。
しかし、平成25年度教育行政執行方針では、学校教育分野に地域との関わりや「開かれた学校」を感じさせるものはなかった。
今後、学校教育における「地域」との関わりをどう醸成していくのか?

【答弁:教育長】
学校支援ボランティアなど多種多様な形で地域の人々の関わっていただいている。また、学校に施錠はしているものの、いつでも授業を見せたり、茶話会の会場を提供したりして受け入れている。

《感想》
教育長との一般質問は、いつも一般論を展開されて終了です。答弁がきれいにまとまっていると見る向きもありますが、私は徒労感しか残りません。私は目の前で展開されている教育現場の話しがしたいのであって、一般論はネットで充分知り得るからです。

昨年、札比内小学校が統廃合され、地域に根ざした良質の教育現場が一つ消えました。小・中各1校体制になったことで、今まで以上に地域との関係を持たなければ(関係を持つ工夫をしなければ)、学校は地域から離れて行ってしまうでしょう。
加えて少子化が急速に進行している現状では、関係する保護者の数も減ってきています。以前はあった親子レクが無くなったり、学校を会場にした雪祭りは数年で終了しました。勤務している先生の多くが通勤であり、町内に居住している管理職(校長・教頭)を町内行事で見る機会は年々少なくなっています。

この現状で「学校現場と地域は繫がっている」とハッキリ言えるのでしょうか?
学校を核にした地域の繋がりは明らかに減ったと感じるのは私だけなのでしょうか? 
多少なりとも工夫の余地はあるのではないかと思うのですが、いかがでしょう?

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