2013年12月15日

方向性決定までのタイムリミットは3ヶ月!【一般質問/月形町の幼児教育問題】

先の定例会(平成25年第4回)で私が行った一般質問のうち【月形町の幼児教育問題】についてくわしく報告します。様々な要素を含んでいる問題なので、まずは背景から。

※なお、一般質問答弁内容は私が書き留めたものを元に記載しています。速報ですので表現に若干の違いはあっても趣旨はとらえているつもりです。私の責任において記載します。
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[背景]

 月形町内には公立の認可保育園[花の里保育園]と私立の幼稚園[大谷幼稚園]があり、長年月形町の幼児教育を担ってきた。特に大谷幼稚園は来年創立60周年を迎える程。戦後、幼児教育の必要性を感じ、いち早く円福寺の境内で住職の奥さんが始めたのが起こりで、町民の愛着は深い。

 月形町は人口3800人の農業を基幹産業にした町だが農業形態は様々。時代に合わせた大規模経営もあれば小規模な労働集約型農業もある。また、収容人員が1800人にもなる月形刑務所があり公務員の数が多いのも特徴で、町内の子ども達の一定割合が公務員の子どもでもある。他に福祉施設も多数、もちろんサービス業や建設業なども。よって、保護者の労働形態は多様で所得の幅もある。

 全国的な傾向だが、少子化により一人の子どもに対する保護者の関心は高まっている。また、町内に住む刑務官家族は町外出身者や転勤族が多いことから他の地域との比較ができ『保育(教育)の質』に対する保護者の欲求は近年高まっている。

 なお、町内にはNPO法人ファミリーサポート聖十字広場が主催する認可外保育施設・ちらいおつ遊び塾「わくわくの杜」がある。廃校になった小学校(月形町から無償貸与)を活用し特徴ある保育内容で人気を集め、近隣(岩見沢市、美唄市、当別町)から通園バスで子ども達が通ってきている。現在、月形町内の子ども達は入園対象地域から外れているので入園できない。
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[大谷幼稚園が閉園することが公表されてからの状況]・・・私が把握している分

■平成25年11月12日:町政懇談会の初日、場所は交流センター。
町長「平成27年度末で大谷幼稚園が閉園すると、幼稚園理事者が11月1日に来庁した。」
※私はこの時、大谷幼稚園が閉園することを初めて知った。それ以外の情報はなし。

■平成25年11月25日:まちづくり常任委員会の教育委員会所管事務調査。質疑で
金澤議員「大谷幼稚園は平成27年度で閉園するとのことだが、今後はどうなる?」
教育次長「11月1日に大谷幼稚園の理事者が来庁。平成27年度末で閉園と伝えてきた。
     11月12日〜14日の町政懇談会で、町長から町民に知らせた。
     対応については教育委員会でも検討中。遊び塾とも話し合いを持つ。」

■平成25年11月27日:町政懇談会最終日、札比内コミュニティーセンター。質問で
某区長 「幼稚園の閉園をいつ聞いたのか?」
町長  「11月1日に初めて聞いた。」 
教育長 「・・・」
会場内にいた幼稚園関係者
    「今年の春には教育委員会に話しを持って行っているはずだが?!」
町長、教育長「・・・」
某区長 「月形に幼稚園がなくなることに不安を持っている。認定こども園は?」
教育長 「認定こども園の窓口は住民課。」
住民課長「認定こども園について検討している。」

※ここまでの段階では、大谷幼稚園閉園に関して断片的な情報が提供されるだけで、閉園に至る経過や行政との関わり、そして何よりも大谷幼稚園閉園後の月形町幼児教育をどう整えていくのかは明らかにされていない。
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【一般質問】

Q)大谷幼稚園が閉園するにあたり、行政はどのように関わってきたのか? 経過も含め説明を。また、大谷幼稚園閉園後の幼児教育環境をどのように整えていくのか?
A:教育長)
・閉園の話しは(11月1日に)突然聞いた。
・平成28年度以降については、閉園までの2年3ヶ月を使って、これからできる[子ども子育て会議]の中で保護者等の意見も聞きながら整えていきたい。
・月形町内に幼稚園の場を確保するよう努力する。
A:町長)
・教育長と同様の見解。平成28年度以降のことはまだ明言できない。

Q)閉園にあたって、大谷幼稚園側は以前から問い合わせや相談をしているのでは? 
A:教育長)
・昨年11月に最初の話しがあった。その後、今年の1月にも9月にも会っている。
・話し合う度に閉園に向けた内容が変わっているので、閉園すると思っていなかった。
・最初の時も9月の段階でも「公表しない方が良い」と伝えた。閉園という内容だけに、正式に決定していない段階で公になることは混乱を来すと考える。当然のこと。
・閉園の正式決定がなければ準備は進められない。閉園を認識したのは11月1日。それから(今後に向けて)動き出した。
A:町長)
・今年2月に閉園の話を聞いた。4月か5月の時は「数百万円の補助があれば続けられる」との話しで、しっかりとした結論を持ってきて欲しいと伝えた。
・10月23日、町がお金を出すのであれば幼稚園の収支予想などが必要と伝えた。本気で閉園すると思っていなかった。
・11月1日に文書で意志を受け取った。けじめの日が11月1日。

Q)正式でないとは言え、閉園の相談を受けているのに今まで何も動かなかったのはなぜか? 閉園の情報を聞いた段階で内々に調査は進められる。何もしないのは問題ではないか?
A:教育長)
・閉園が正式に決定していない以上、動けない。
・大谷幼稚園が(閉園せずに)長く続けられるよう、外国人英語助手の派遣や補助金の支給などのアイデアを提供した。対応はしている。

Q)閉園後の幼児教育について現状では何も決まっていないとのこと。行政は悠長に構えているようだが、そんな時間はない。行政は以下の状況に置かれている。
◎ 町内にある、ちらいおつ遊び塾「わくわくの杜」は認可外保育施設なので、幼児教育の観点から現状では幼稚園の代わりにはならない。仮にどこかの幼稚園を受入先にするなら、入園説明会が始まる前=来年夏までに決定すべき。
◎ しかし最も重要な問題がある。花の里保育園の指定管理期間は今年度末まで。
通常5年の契約だが、もし平成28年度から認定こども園とするならば契約内容を見直さなければならない。また、認定こども園ともなれば担い手は必ずしも札親会(現在の指定管理者)だけではない。よって、次期の契約期間を何年にするのか(=認可保育園を認定こども園にするのか。いつからするのか)の判断を、今年度末までに決定する必要がある。
つまり月形町幼児教育の方向性を今年度中に決定する必要に迫られている。どうする?
A:町長)
・花の里保育園の指定管理協定は単年度でも更新可能。その間に検討し結論を出す。
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Q)幼児教育を担う保育園の指定管理を単年度契約にするとは! 技術的に可能でも問題。そもそも閉園後の受入先が未定だから保護者は不安に思っている。今後の方向性を示さないまま先送りしても何の解決にもならない。早急に保護者の意向を調査し方向性を決定する必要がある。
A:町長)
・ならば、認定こども園を開設するかどうか、今年度中に方向を出せるよう努力する。
・保護者の意向調査を今年度中の早い段階で開けるように検討する。
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[一般質問を終えて/私の感想]

■大谷幼稚園閉園に対する認識
 町内に唯一の幼稚園が閉園するということは、私立公立の枠を越えて早急な対応をしなければならない場面。閉園が正式かどうかより、情報が入った段階で対応策を考え対処していくのは行政として当然の責務。もし、最初の相談(去年11月)から動き出していれば、閉園公表と同時にそれ以降の見通しも示せたはず。保護者の不安と不満は相当軽減できただろう。この問題に対する町長と教育長の認識の甘さに驚いた。

 私の独自調査では、大谷幼稚園側は「月形町の幼児教育の道筋をつけてから閉園したい」と強く願っていた。1年前、立て続けに3回も行政と面談している事実からもその意志は汲み取れる。それに対して行政側の対応と感覚は・・・正直呆れた。この1年間、時間だけが過ぎてしまったことがとても残念でならない。

 また、町政懇談会の席で「(閉園の話しは)11月1日に初めて聞いた。」と答えた件。正式な閉園の話しを11月1日と捉えていたとしても、会場から「春にも行っているはずだが・・・」という問いかけがあった時に状況を説明しても良かったのではないか? 行政と町民の信頼関係に影響があったと思う。

■対応の鈍さ
 正式決定がないうちは動けない・・・このことを言い訳に動かなかったことが問題。百歩譲って、けじめの11月1日を基点としても行政の動きは鈍かった。私が一般質問するまで1ヶ月以上の時間があったのに、問題点の整理(保育園の指定期間の問題。決定を急ぐ必要があるということ)ができていなかった。
 今回、私が幼稚園閉園の情報を初めて知ったのは11月12日だったが、何か問題がありそうだと感じたのは11月25日。それ以降、一般質問までの2週間の調査で課題は見えた。行政ならもっと専門的な情報も集められたはず。この問題に真剣に向き合っていたのか? 指示はあったのか?

■幼児教育環境に対する認識
 教育は長期展望のもとに進める必要がある。今、何も決まっていないからといって保育園の指定管理期間を単年度にするという発想そのものが、教育を受ける側(幼児側、町民側)に立っていない! 

■主体的な決意の言葉が欲しかった。
 最終的に町長からは「今年度中に方向を出せるよう努力する。」「保護者の意向調査を今年度中の早い段階で開けるように検討する。」との答をもらったが、いずれも決意の言葉ではなく、主体性を感じなかった。言われたからやるのではなく、自ら「やらなければ」と感じて発する場面ではなかったか。
「今日指摘を受けて状況は理解した。契約更新まで3ヶ月あるから、その間に最大限努力して結論を出す。」と、行政側から言って欲しかった。
町長は執行の責任者=単独で物事を決められる立場なのだから。

■町民の関心の高まりに期待
 今回の件では、私が一般質問で取り上げることを知った町民のみなさん多数から、声を掛けていただいたり問い合わせもあった。当日の傍聴も多く町民の関心が高まっているのを感じる。身の回りの課題を行政任せにせず、自ら行動することは住民自治の基本。最終決定は行政にあるとは言え、当事者が主体的に動くことは重要で期待が持てる。

 思い返せば、私が行政に関心を持ったきっかけが「認可保育園と学童保育の開設」。今から15年以上前のこと。その時、必要に迫られたお母さん達が集まり勉強し活動した結果、今の形がある。やはり当事者の想いは強い。
 今回の件でも当事者のみなさんにはぜひとも頑張って欲しい。自分たちの想いを行政に伝え、月形の未来を創っていって欲しい。もちろん私もバックアップするので、一緒に頑張りましょう。
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※しばらく前から、海外からの迷惑コメントが多く入るようになりコメント欄を停止していました。しかし今回の件は町民のみなさんの関心も高く、早急に結論を出さなければならない事例です。多くの意見や感想を聞かせていただきたいので、コメント欄を開くことにしました。

どうぞ、ご意見やご感想をお寄せください。
もちろん町内にこだわらず、どなたでもOKです。
よろしくお願いします。

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