2014年04月08日

+地元議員で「まち」を深く知る【置戸町を個人視察】

新年度を迎え、慌ただしい日々を送っている方も多いのでは?
新しい環境での仕事や暮らしは、新たな視点や可能性の始まりです。

月形町議会も3月末で事務局長が定年退職し、新年度からは新たな体制になりました。議員活動をする上で議会事務局の存在は大きく、まさしく両輪の関係。任期満了までの1年間でどんな活動ができるのか、議会事務局とも切磋琢磨しながら議会活性化につなげていきたいです。


さて、本題。実は先月末、道東方面に個人的な小旅行に行ってきました。いくつかあった目的の一つが「置戸町を訪ねること」。置戸町はオホーツク総合振興局管内で、北見市と隣接する人口3,200人の酪農や林業のまち。私の中で置戸町といえば「オケクラフト」「佐々木十美さんの学校給食」「人間ばん馬」そして「岩藤孝一議員」。

オケクラフト等は既に皆さんご承知のことと思うので、今回は省略(以前の日記で佐々木十美さんの講演を紹介)。
今回のテーマは「地元議員と巡る個人視察」。

置戸町の岩藤議員とは数年前にブログを通じて知り合いました。実際に顔を合わせるのは1年に1度程度ですが、お互い考えや活動をブログで公開しているので、議員としての視点が近いと感じられ、メールで意見や情報の交換を続けています。気心が知れているというか、信頼できる人であることが解るのはITのお陰ですね。
そうそう岩藤議員は自身で工房を持つオケクラフトマン(製作者)でもあります。


今回、岩藤議員には「置戸町を案内して欲しい」とだけ伝えたのですが、「議員の視点で見る置戸町」とでも題するような、有意義な視察にしてくれました。(たぶん)事前に周到な準備はしていないと思いますが(笑)、私が興味を持てそうなところに連れて行ってくれただけでなく、私の聞きたいことを即答! 日頃の議員活動があってこその対応は流石で、感心しました。

以下は置戸町の魅力ある場所とそれにまつわる政策の話し。一貫して言えるのは「教育」「人材育成」が政策の柱になっているということ。佐々木十美さんの給食のお話もそうでしたが、「人」を大事にする置戸町の取り組みと気質は素晴らしく、全てにおいて一貫性があることに感動しました。
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【置戸町生涯学習情報センター】
いわゆる図書館。コンセプトは「本のある みんなのひろば」

蔵書が12万冊もあり、年間の新刊購入予算が850万円! 他に、雑誌(86誌)と新聞(7誌)の購読に100万円!! まるで都市部の大型書店のような壮観さに度肝を抜かれました。

加えて、コーヒーやお茶の無料サービスがあり、最近流行の書店カフェのよう。館内のあちこちにテーブルとイスが配置され(本棚に隠れるように置かれたり、暖炉を囲むように開けた雰囲気であったり、窓辺に向いて独り没頭できたり・・・)、気分によって居場所を選べるゆとりが、ゆったりと過ごせる雰囲気をつくりだしていました。

職員は、図書館司書2名を含む4名+パートさん5名(交代で2名が窓口業務)。図書を中心に据えた企画が目白押しの他、ブックモービル(図書館車)による移動図書館や図書の宅配サービス、学校図書館との連携・・・ 他にもまだまだ様々な事業が展開されています。

なお「社会教育事業」は全て「公民館」が行っているとのこと。図書館業務とは明確に分かれているそうです。ちなみに、月形町では社会教育主事の嘱託職員1人が図書館に常駐し、社会教育活動のサポートもしています。図書館にはこの他に受付のパート1人のみ。年間の新刊購入予算(雑誌等を含む)は約150万円。人口はそれほど変わらない(置戸町:約3200人、月形町:約3700人)のに、図書館の予算と運営には大きな格差があります。

いただいた要覧の沿革には、昭和23年9月に図書貸し出しを始めてからの歴史と取り組みが刻まれ、昭和50年代には「住民1人当たりの貸し出し冊数全国1位」の記録が何度も登場。置戸町だけにとどまらず周辺自治体住民が利用している姿も垣間見られました。
また、生涯学習情報センターの位置付けや計画、重点目標、運営方針(もちろん予算も)明記されていて、「情報の公開と価値の共有」のための強烈なメッセージを感じました。

これらの運営には、一般町民が委員を務める「運営協議会」が深く関わっているとのこと。これもまた特徴だと思います。
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【置戸ぽっぽ絵画館/寄贈美術館】

廃線になった旧置戸駅の駅舎の2階を利用した、寄贈作品を展示する美術館。日本画、油絵、水彩画、抽象画、現代アート絵画・・・幅広いジャンルのたくさんの絵画(全て寄贈されたもの)が所狭しと展示されています。ほとんどのものがガラスカバーもなしに展示されているので、画家の筆遣いを極近くで観察できるほど。

芸術に疎い私ですが、絵画の迫力に圧倒され、会場を一回りする間に心が満たされていくのを感じました。(失礼な表現で申し訳ないのですが)こんなところでこんなたくさんの素晴らしい絵画を見られるとは! 驚きでした。

この「置戸ぽっぽ絵画館」は、開館1年とちょっと(一周年記念の様子が岩藤議員ブログに紹介されています)。まだまだ知られていないのが残念です。(公式ホームページ
車で約10分のところには話題の「山の水族館」もあるので、ちょっと足を伸ばして「置戸ぽっぽ絵画館」に行ってみてはいかがでしょうか。
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【オケクラフトセンター 森林工芸館】

オケクラフトの作品展示と販売をしている場所です。工房も併設されていて、オケクラフトの製作風景も見ることができます。

オケクラフトの魅力は、手に馴染みの良い完成された形状と軽さ、そして白木の色と質感。展示されているものはどれも芸術的で、質と品の良さを感じます。単なるお土産物ではなく、一生使いの道具のような雰囲気を持っていて、これもまた見ているだけで心が満たされていきました。

このオケクラフトの展示品の中でひときわ目を引くのが「給食用食器」。置戸町の給食は全てオケクラフト製の木の食器が使われているとのこと。ステキ!
それに平成25年度はオケクラフト30周年ということで、平成25年度生まれの赤ちゃんには「すくすくギフト」という食器セットが贈られたそう。このセットも魅力的です。孫でも生まれたら揃えてあげたいな〜。

そして何より驚いたのは、この森林工芸館が教育委員会の所管だということ!!

私の感覚では「オケクラフトは産業 → 産業課所管」でしたが、置戸では「人材育成」が基軸にあるので「教育委員会所管」とのこと。へぇ〜なるほど!
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岩藤議員の言葉が印象に残っています。
「月形町は札幌にも近いし、刑務所もある。色々な面で置戸町より優位だと思う。」
「札幌からも遠く離れ、人口も少なくて、大きな企業もない置戸は、やっぱり人なんだ。」

今回の個人視察は岩藤議員の知識や視点との相乗効果で、数倍の情報と思考ポイント、課題を得て月形町の現状と比較することができました。
岩藤議員、ありがとうございました。

《繫がっている》って素晴らしい。《繫がっている》って有り難い。

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