2017年12月29日

百聞は一見にしかず! 予算ヒヤリングは公開にしましょう!!【ニセコ町・予算ヒヤリングの傍聴】

今年もあと3日とは!
そんな中、昨日(12月28日・木)は日帰りで、ニセコ町の予算ヒヤリングの傍聴に行ってきました。吹雪の中を頑張って行った甲斐のある、実に有意義な視察でした♪

午前5時前、吹雪もようの月形を出発し、JR石狩当別駅で当別町議会議員の佐藤立さんと合流。始発に乗ってJR千歳駅へ。そこで恵庭市議会議員の柏野大介さんと合流したのは7時前。ここから車でニセコ町へ。

支笏湖を過ぎてトンネルを抜けると雪が降り始め、美笛峠を越えると本格的な降りになり、喜茂別町・留寿都村・真狩村と、ニセコ町が近づくにつれてスゴイ積雪に。道幅も狭く、豪雪地帯を実感する風景が広がっていきました。

9時前にニセコ町役場に到着。予算ヒヤリングの会場へ直行すると既に本日最初のヒヤリングが始まっていました(8:45〜企画環境課)。

会場には傍聴席(6席)と傍聴者用資料が用意され、壁面には2018年予算要求状況の一覧表が掲示(もちろん写真撮影OK)、自由に飲めるお茶もあって「公開」「傍聴歓迎」の雰囲気が伝わる場でした。

予算ヒヤリングでは、片山町長、副町長、総務課長、財政係長に対して担当課ごとに予算要求をするのですが、プレゼンの主体は各係長。係長が現状と課題・予算要点・財源などについて論理的かつ熱を持って説明を行います。町長等から観点を変えた質問や提案があると、検討経過を明らかにして取捨選択した根拠を示したり、ヒントとして検討項目に加えたり。新年度の予算要求の場でありながら、自治体運営の長い道のりの一場面という姿も垣間見られ、ニセコ町の底力(質の高さ)を感じました。

さらに財源に関しては、中央省庁の補助事業の動向など「いかに一般財源に頼らずに、目指す事業を実現できるのか」の視点が、全員に行き渡っていることに感心しました。小さな自治体(ニセコ町人口約5,000人)にとって、とても大事な感覚であり行動だと思います。

もう一つ。各担当課からヒヤリングを始める前に、財政係長から「2018年度の予算編成方針」が毎回伝えられていました(配付資料あり)。情報を共有して、誰もが納得して前に進むための丁寧で重要な場面と感心しました。
というのも、片山町長は「ヒヤリング段階では行政上の様々な課題を拾い上げる(見える化する)ことを目的にしているので、予算は自然に膨らんでしまう。それを編制作業の中で圧縮していく」仕組みをとっています。当然厳しい査定になるので、予算を削る際の明確な基準を提示し共有することが理解を深める(=納得する)と実践しているのでしょう。情報共有の重要性と難しさを語る片山さんを体現していると感じました。

午前中の2つ(企画環境課 8:45〜10:45、商工観光課 11:00〜12:30 定刻通りに進むのも素晴らしい)を聴いて、ヒヤリングの傍聴は終了。

午後は時折吹雪模様になる中、ニセコ町学習交流センター(図書施設)の「あそぶっく」を見学し、職員の方にお話を伺いました。多数のボランティアによる活動実態やニセコ町の図書事情など、直接聴くこと・見ることは大事ですね。

中央倉庫群(既に年末年始の休みで外観だけ)や道の駅「ニセコビュープラザ」などにも立ち寄ってから、午後3時前にニセコ町をあとにしました。
※ニセコ町のみなさん、お世話になりました。

吹雪の中、倶知安町・京極町と羊蹄山麓をほぼ1周して中山峠へ。札幌市街に入ると澄んだ空気の穏やかな夕方。午後5時前に地下鉄真駒内駅で解散し、地下鉄南北線とJRを乗り継いで石狩当別駅に着いたのは午後6時半。当別は吹雪だったらしく、吹きだまりの中からスコップで車を掘り出して一路月形に帰りました。

長い道中、様々な意見交換もできて楽しく有意義な視察ができたのも仲間がいたからこそ。柏野さん、佐藤さん、ありがとうございました。お疲れ様でした!
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視察を終えて・・・

現場を見るまで「予算ヒヤリングの公開」と聴いただけで「そこまでやって大丈夫なの?」と思っていましたが、現実は全く違っていました。傍聴を終えた今はむしろ「何でこれを公開しないんだろう?」と疑問に思う程です。「予算ヒヤリング」は「まち」の課題や行政の取り組みを知る絶好の機会であり、ニセコ町に限らず多くの自治体が実践したらいいですよね。
また、それを議員が聴くことも重要だと感じました。予算に上がらなくても大事なことはいっぱいあるし、過程を知ることで見えることもある。「まち」への理解を深めると議員活動にも役立つと思います。

「予算にかかわることを公開すると(予定価格等が漏れて)不正につながる」と心配する職員や首長がいます(私もそう言われて公開を拒まれることがよくあります)。全くのお門違いだなあと、公開の現場を見て感じました。「予算公開→不正」って事実や可能性を言っているのではなく、無知が作りだした不安や擦り込みであり、新しいことをしないための言い訳のようにも感じられました。気づいたら改善していきましょうよ。

公開することに不安な人、非公開に疑問を持っている人は、ぜひ、ニセコ町に足を運んでほしいです。目で見て、耳で聞いて、肌で感じればわかります。情報公開の素晴らしさが。
予算ヒヤリングはまだ始まったばかりです。

2018年1月10日、11日、12日にも開催されます。

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