2018年06月19日

ハッキリして良かったけれど、何とも微妙な心境です。【JR札沼線バス転換容認の月形町長記者会見】

昨日(6月18日/月)の午後3時、月形町長が記者会見を開き、JR札沼線(北海道医療大駅〜新十津川駅)のバス転換を容認すると発表しました。町民向けにはその前(午後12時15分)に、各戸に設置されたIP告知端末で写真のような画面が配信されています(3枚目の写真)。

配信後すぐに道新記者から取材があったので、この件に対する私の考えをお話ししました。(一部は記事になって道新空知面に掲載=2枚目の写真/2016年9月の町長選で敗れた元町議の宮下裕美子さん(51)は「早い段階で住民説明会を開けば多くの声を集められたと思う。議会も独自に調査し、町民に積極的に公開すべきだったのでは」と指摘した。)

夕方のテレビでは記者会見の様子を放送していたようですが仕事で見る機会はなく、今朝の北海道新聞で記者会見の内容を把握しました。

町長が決断をしたことについては良かったと思っています。ずっとJR問題が町政の一番大きな課題のように扱われ、「まちづくり」の方向性が定まらない状態になっていたので、これで区切りがついて前進できると考えるから。これまでおざなりにしてきた「町民の暮らしに直結する最重要課題」についても「人と金と知恵」を割いてもらえると期待しています。

その一方で、この決定までのプロセス(経過・過程)には ????? と疑問符が並んでいます。今回の決定に関してだけでも

■なぜ昨日「バス転換容認」を発表したのか?
・・・ 上坂町長は、5月29日町民説明会や6月7日町議会一般質問でも「もう少し時間をかけて、町民の話を聞く機会を設けていきたい」と言ってきたし、6月13日地域交通活性化協議会でも「要望があれば膝をつき合わせて説明する」と言っていた。さらに住民説明会では「JR札沼線は4町にまたがっている。月形町だけの判断で決めるわけにはいかない」という発言もあった。それらは昨日までに決着がついたのか?
6月15日の道新は「18日に記者会見」と報道。国や道の6者協議(6月17日開催)の結果を待たずして発表日時を決めていたのだとしたら、結局、意志決定に至るポイントは何だったのか? ただただ雰囲気を見ていたようにしか思えない。何が決め手だったのか、どうして昨日だったのか、説明が聞きたい。

■町民の意見や要望をどのくらい聞いたのか?
・・・ 町として町民の声は聴いたのか?
「出前町長室を申し込む町民がいない」「町民説明会や町政懇談会に集まる町民は少ない」→「町民の関心は薄い」「(団体の長や一部サークルの)町民の意見は聞いた」ということなのだろうが、広く町民の声を聴くための行動をしたのだろうか? 
町民説明会も最終版でたった1度きりだった。町民が比較的時間のとれる冬場に小集会を持ってもよかったし、町内会や各種団体の新年会や総会等にゲリラ的にお邪魔して話を聴くこともできただろうに。何もしないで時間だけが過ぎた1年半が残念でならない。

■どうして町長は、最初にマスコミに発表するのか?
・・・ 最近感じるのだが、直接町長の口からは何も語られないのに、マスコミから重要事項が流れてくる。まるで二枚舌のよう。同じ町内のともすれば数mの距離にいる町長からは何も聞かされず、電波や紙などを経由し遠く遠く巡り巡って現実を聞かされる町民の気持ちを、上坂町長は考えたことがあるのだろうか?
確かにマスコミ報道は同じ情報を一斉に伝える伝達性に優れている。でも一方通行だ。町内向けとは言えIP告知端末も同じ。事実を知った私たち町民の表情や気持ちや意見が町長に届くことはない。
今日の道新(全道面=1枚目の写真)に「(新十津川町は)25日に町民説明会を開き、熊田義信町長が存続に関する判断を示す」「(浦臼町は)7月上旬をめどに斉藤純雄町長がJRの支援内容を示す町民説明会を開く予定だ」とあったたが、これが行政と町民の一般的な姿だと思う。

■公約を信じた町民への説明は?
・・・ 私がこれを言う立場ではないのは重々承知しているが ・・・ 町長選挙公約に「JR存続」「町民の話しをきいて町政を進める」と盛り込んだ上坂町長。選挙時からJR存続が難しいことは町民も理解していたが「JR存続運動」に期待した町民は多かった。それ以上に「上坂さんは町民の話を聞いてくれると言うから投票した。(宮下さんは自分の考えでどんどん勝手に進めそうだから入れなかった)」という町民の声を多く聴いてきた。行政と町民との信頼関係をしっかりと築くためにも、その期待に対してキチンと説明してほしい。お願いします。
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さあ、結論が出たからには前に進まねば!

これからの月形町を見据えて新たな「まちづくり」が始まります。
これから先は町民も交えた中で、月形の新たな「まち」の姿を構想しましょう。町にお任せではなく、頼るのでもなく、町民として自ら参加しましょう。もちろん議会も。

多様な視点を持ち寄って、より良い「まち」にしていきましょう。

2018年06月15日

プロセス【6月15日の北海道新聞朝刊から/JR札沼線問題】

今朝(6月15日/金)の北海道新聞(4面/全道版)に「札沼線の一部廃止・バス転換容認 月形町長、18日にも表明」と大きく掲載されていました。昨日、非公開で月形町議会全員協議会が開催されて表明したとのこと。


先月末の町民説明会からずっと感じていた「町長の言動を現場で見聞きしている私の感覚」と「道新の報道」の違和感。プロセスが大事だと考える私との違いなのか? これが政治なのか? 考えさせられました。


2018年06月14日

ホンネはどこで?【月形町地域公共交通活性化協議会・傍聴】

昨日(6月13日)午後、月形町地域公共交通活性化協議会(=町内の公共交通をどうするのかを話し合い、新しい交通体系・交通網の計画を作る会議)を傍聴してきた。

この協議会は法定協議会(=条例で位置付けた会議)として今年2月に発足。今回が実質的な協議の初回。もっとも、委員29人のうち10人は4月の人事異動により変更になり、新たに近隣の浦臼町職員と当別町職員も加わったので初顔合わせの雰囲気だった。

会議は
1)月形町地域交通網形成計画の策定スケジュールの確認
2)月形町の公共交通の現状調査・課題等
3)住民アンケート(案)
4)部会の設置と委員の選出

という内容だったが、委員からの意見や質問などの発言は皆無(1度だけ町職員委員から要望が上がったが・・・)。協議会と言いながら、町からの提案を承認する機関のようで、とても不安になった。

以下、詳しい内容と私の意見等を記す。
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■1)月形町地域交通網形成計画の策定スケジュールの確認
《内容》
町民アンケート(7月)、バス・JR・タクシーの利用実態調査(7月)、ワークショップ形式の住民意見交換会(9月下旬〜10月)、課題分析&第2回協議会開催(10月)、計画素案作成&第3回協議会(12月)、計画案作成&第4回協議会(2019年2月)

《ゆみこの視点》
今年度末に計画策定するためのスケジュールはとてもタイト。こんな短時間で実態が把握できるのか不安。というのも、特に公共交通を必要とするのは降雪期。7月のアンケートや調査では全体像が見えないと思う。また、ワークショップ形式で町民の意見を聞くのは良いが、その開催時期が9月下旬〜10月とは! その時期はちょうど稲刈りの最盛期。農家でない人も何かと忙しい時期に住民が集まるのだろうか? これでこれから先の地域交通網が決まってしまうのかと思うととても不安。

■2)月形町の公共交通の現状調査・課題等
《内容》
計画策定までの調査や集計は「日本データーサービス株式会社」が実施。国勢調査を元にした住民情報の分析のほか、これから行う各種調査やアンケートの概要が示された。

《ゆみこの視点》
最初に示された「月形町における人口変動」で「月形町の高齢化率は32%・・・」と、国勢調査データを元にしていたことに驚いた。国調には月形刑務所の受刑者(生産人口世代の男性1000人)が含まれ実態を反映していない。高齢化率はすでに41%。委員には町民以外の人も多く、危機的状況の共有が前提だと思うのだが・・・

■3)住民アンケート(案)
《内容》
移動手段の現状調査が主。さらに「JR札沼線存続の場合」と「JR札沼線廃止の場合」と続く。親族の場合の設問は準備されていたが、廃止の場合の設問は現在検討中とのこと。
これに、北大の岸邦宏先生が考案された心理学に基づくアンケートも加えられる。

《ゆみこの視点》
示されたアンケート(案)は町民の現状を聞く内容が多いが、新しい交通網が本格化するのは数年先。その時にズレは出てこないか? デマンドバスについての簡単な説明があるがイメージできないと思う。このアンケートから何を導き出すのか、分析が難しいと感じた。

■4)部会の設置と委員の選出
《内容》
協議会は29人で構成され公開の場なので議論がしにくいとのことで、一部の委員(16人)だけによる非公開の専門部会を設置し、協議会の前に少人数で議論する。

《ゆみこの視点》
今回設置される部会は「幹事会」のようなもの。少人数で非公開にしなければ議論できないのだろうか? 
そもそも、協議会の進め方がイマイチだと感じた。総論的な資料を出して「みなさん、どうですか?」と聞いても意見が出るはずもない。全体像を説明したあと、特に重要な部分について掘り下げた話題と資料を提供し、個別具体的な議論から全体像に結びつけるようなファシリテーターが必要だと思う。結局、見えないところで決まっていくのかと思うと悲しい。

2018年06月10日

色々ありました。【月形町議会第2回定例会の概要/傍聴報告】

平成30年第2回定例会は、予定通り6月7〜8日で終了しました。一般質問と修正案以外でも重要なことが決定しています。私が重要と思ったことをまとめました。

■国民健康保険税の改定
毎年この時期に今年度の税率が確定するが、今年は国民健康保険の主体が町から道へ移管された最初の年。保険税に大きな変更があった。

◎ これまで、保険金額を決めるのは【所得割】【資産割】【均等割(1人当たり)】【平等割(世帯あたり)】の4種類だったが、今年からは資産割を廃止して3種類の基準で税額が決まる。

さらに、今年は特殊な事態になっている。それは・・・
◎ 今年の税額を決めるのは平成29年の所得。平成29年は農産物の出荷好調で、農業者を中心にした国保加入者の所得がとても高かったとのこと。そのため、資産割を撤廃したにもかかわらず、基礎課税額の所得割は9.5%→5.9%、平等割も1世帯44,000円→24,000円まで抑えられた。単純平均値で見ると、昨年1世帯21万6千円→19万3千円(-2万3千円)。特に低所得世帯や定額所得者には恩恵が大きい。

■保育料の一部改定
国の幼児教育無償化が段階的に実施され、平成30年4月1日から保育料の国の基準が一部引き下げられた。月形町花の里こども園は国の基準の7割に設定しているので、国に合わせて変更した。
例)1号の第3A階層が5,200円/月→2,100円/月。一部の階層が対象。
なお、財源は「全額国から地方交付税の一部として交付」とのこと。
※ とても良いことだけど、財源が本当に保障されるのか不安。消費税10%が実施されなかったら・・・など考えてしまった。

■北海道に、種子条例を制定するよう要望する意見書
国の種子法が改正されたことを受けて、北海道として以前の種子法と同様の条例を作るように要望する意見書を採択し、全会一致で可決した。 
※ 月形町議会もやっと動いた!

■株式会社月形町振興公社の経営状況の報告
振興公社の大株主である月形町に提出された[第25期(平成30年度)事業運営計画][第25期予算書][第24期決算報告書]が、例年通りに議会に報告された。今年はこれまでと全く状況が違っていた。

◎ 平成29年度に銀行からの短期借入金1500万円。初。(年度が替わって今年度の指定管理料が入ったことで返済を完了したが・・・ 不足分が解消されたわけではない。今後、指定管理料を上げるなどして町からの補填に発展するのでは?)
◎ 指定管理料は年々増額。平成29年度は7692万2千円。
◎ 人件費が5倍!1282万円 → 6017万円(科目変更等もあるようだが、派遣社員等を使うなど高額な人材を使用。費用対効果は?)
◎ パークゴルフ場の経営に疑問。利用料収入102万円に対して863万円の経費(ほとんどが管理のための委託料)。これほどまで経費をかける必要は? 収支のバランスは誰がとるのか? 売り上げを上げる=利用者が増える工夫は? 
◎ 皆楽公園の経営も。利用料収入144万円に対して経費は1329万円。公園の維持管理にお金がかかるのは理解するが・・・どこまで必要か?

この経営内容に苦言を呈したのは笹木議員のみ。
Q)指定管理料は手一杯出している状況、そろそろ点検が必要な時期では? 将来的に切る必要が出てくるのではないか?
A)現在、皆楽公園全体をどう活かすかの計画を策定中。それが出てから。皆楽公園は月形の観光名所、しっかりやっていく。

う〜ん「しっかりやっていく」ではなく、支出上限などの経営判断を聴きたかった。凄いスピードで悪化しているのだから。
それにしても、この危機的状況を他の議員は把握できているのか? 議員が何らかの苦言を呈してもいいと思うが、振興公社の管理する施設で事業をしている議員がいることで発言できなくなっているのか? とても心配な状況。過去の報告書との比較によって詳細な分析をしてみたい。

《余談》
役場3階、議場の奥に設置してあった「喫煙室」が突然閉鎖されていてビックリ! あ〜 ヘビースモーカーの管理職数名が定年退職したからか?! まあ理由はともあれ、良かった。

2018年06月08日

これが修正案可決までの経過と中身【月形町議会第2回定例会・傍聴】

今日は定例会2日目、議案審議。そこで思わぬことが起きた。月形町議会で2例目の修正案が可決されたのだ。以下、その経過と修正案の中身を詳しく紹介する。

議案は「国民健康保険月形町立病院使用料及び手数料条例の一部を改正する条例の制定について」。

今年4月から新しい医師1人体制になった町立病院は、10月1日から新たに在宅訪問診療を行うことにした(新しい医師が訪問診療の専門らしい)。そこで「在宅訪問等交通費=訪問診療時にかかる往復の交通費」を患者が負担することとし、その金額を盛り込んだ改正条例が提案された。

■町側の説明によると・・・
1)交通費は他の公立病院の実態を参考にして設計。
2)金額は、社会福祉協議会が運行する福祉タクシーと同じ基準で設定。病院に配置された公用車2台で対応するが、出払っているときは登録された職員の車を使うこともできる。
3)それでも移動手段がないときは営業車(タクシー)を使用する。その場合の交通費は実費とする。(←滅多にない事例だと思うが、ないとは言えないので規定した。)

■ここで議員から質疑!
・病院側の都合でタクシーを使うのに、その費用を患者に請求するのか?
・町の外れに住んでいる人のところにタクシーで行ったら5000円以上かかる。公用車のときと金額が違いすぎている。不公平ではないのか?
・全てを基本の料金にできないのか? 
・営業車の利用が滅多にないなら、差額は病院が負担してもいいのでは?

傍聴席の私は、町民目線で考えて至極当然の質問だと思った。

■これらの質問に明確に答えられない町側の状況を見て、議長が審議を止めて休憩に入った。議長と町長や病院事務長など関係者が別室に向かう。再開時刻になっても話がまとまらないようで、数回休憩が延長され、そのまま昼休憩に。

■午後1時30分。再開と同時に楠議員から修正動議の声がかかり、修正案の審議へ。議案の別表中、在宅訪問等交通費の「営業者を使用した場合はその実費」を削除する一部修正案が提出される(賛同者3名)。審議の結果、一部修正案は全会一致で可決。修正部分以外は原案を可決して終わった。
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質疑の時点で多くの議員がこの改正条例に不満を持っていたので、このままの議案で通すわけにはいかないという雰囲気に。休憩中の雑談では以下のような案が話題に出ていた。
1)今回は否決、町側が9月定例に出す直す(←否決した前例ナシ)
2)一旦議案を取り下げ、町側が修正したものを追加議案として今定例会に提出する(←過去に1例アリ)
3)「運用で対応するから」という口約束をした上で、このままの議案を可決(←うちの議会では常套手段)
4)議会が修正案を提出する(←数年前に1例アリ)

● 審議の状況から言って(4)がベストの対応だけれど、修正案を可決した当時の関係者は誰一人として今の議会にはいない。やり方が解らない中で、短時間で修正案を作って提出するのは難しいんじゃないかな〜。やっぱりいつも通りに(3)か、それとも(2)か・・・
そんな雰囲気が漂っていた中で(4)修正案が提出されたことに驚くと共に、それを実現できた月形町議会と議会事務局にあっぱれ!と嬉しくてしょうがなかった。

● というのも、実は過去に可決した修正案を提出したのは私。
当時、孤軍奮闘していた私に賛同する議員はほとんどなく、修正案すら提出できない状況が続いていたが、ある時「商工会への補助金の改正条例」に問題が見つかり修正案が必要に。賛同が得られそうな雰囲気になったのと、3月の当初予算審議時で会期が長かったことも功を奏して、初めての修正案づくりをした。
何もわからないけれど修正しなければとの一心で、議事については当時の議会事務局長(金澤さん)と係長(渡邉さん)が調べ、議案は私が議会事務局研究会に問い合わせて完成させた。それを当時の議長(笹木議員)が理解・協力してくれて・・・多くの力の結集があって修正案が提案され、そして、予算特別委員会、本会議と、月形町議会初の修正案可決となった。

このときのことが月形町議会の記録として残っていて、
今回の修正案提出に大いに役立ったそう ・・・ ヤッターーー!!

★ 先例を作ることの意義を感じられた今日、最高にHappy♪

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