2019年11月26日

ひきつづき、将来に関わる2つの審議会を傍聴【②月形町未来を考える委員会(まちづくり推進会議)】

月形町には色々な組織があるのですが、1つの組織にいくつもの名称が付いていて混乱します。その最たるものがコレ。(条例名)月形町まちづくり推進会議=(略称)まちづくり会議=(名称)月形町未来を考える委員会。で、そこが「月形町総合振興計画審議会」も担っています。現在の委員は17名で、任期は2年間で今年の12月26日まで。ここで第4次総合振興計画後期基本計画を審議するのですが・・・ 任期との兼ね合いもあります。
 
さて、昨日2つめの審議会傍聴記録です。
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《令和元年度第1回月形町未来を考える委員会(17:00〜18:40/役場大会議室)》
 
冒頭に、町長から「行政主導ではなく、町民みんなの協力で、夢や希望を語り合って作りたい」とあいさつがあり、委員会に「第4次総合振興計画後期基本計画に対する意見を求める」との諮問を行いました。
 
第4次総合振興計画後期基本計画(令和2〜6年)は、第2期総合戦略を含んだ内容にするため、まず最初に、午前中の審議会でも説明のあった「町民アンケート結果」と、了承された「人口ビジョン改訂版」の報告がありました。
 
その後(総合戦略と同じように)役場内組織で作成された「達成度評価・ベンチマーク達成状況」「後期基本計画(案)」の説明がありました。
■達成度評価・ベンチマーク達成状況
・前期計画の主要施策ごとに達成度を職員が評価。達成度等を数値化して判断。
・前期基本計画で設定されていたベンチマークについても同様。
■後期基本計画(案)
・重点プロジェクト:当初5分野30施策だったが、前期で完了した6施策を除き、第2期総合戦略の10施策を加え、5分野34施策になった。
・SDGsマークを掲載:後期基本計画の分野ごとに「関連するSDGsの目標」のマークが加えられた。担当者から「町内では馴染みがないものの、国の動きと連動して取り入れていくことが必要と考えたから」との説明。
 
今回は説明で終了。
次回は12月の任期終了前に開催予定。後期計画の検討中であるから、次の任期も同じメンバーで継続できるよう、各委員の推薦団体には申し入れしているとのことでした。
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《私の所感》
・達成度評価の手法として、達成度を数値化して「見える化」するのはいいのですが、「その達成度を何点にするのか」がポイントなのに安易に等分しているのが気になりました。また、その数字を平均化し、その平均値から分野別の全体平均値を出したり・・・ こんな手法があることに驚き! この平均値の比較って意味があるんだろうか? 平均化して逆に見えなくなっているように感じました。

・後期基本計画からSDGsマークが「先取り」として取り入れられたのですが、入れるなら入れるで説明や理解が必要だと思うのですが・・・ あまりにも唐突すぎる印象です。現状では「だから何?」という印象。
一応17項目全てのマークが掲載されているのですが、最も多い
「No11:住み続けられるまちづくりを」
は23回も出てくるのに対して、
「No.5:ジェンダー平等を実現しよう」
「No.6:安全な水とトイレを世界中に」
「No.7:エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」
「No.13:気候変動に具体的な対策を」
は各1回のみ。なんだかなぁ〜です。

・先に出てきた第2期総合戦略の施策が後期基本計画に全て盛り込まれたことで、月形町の最上位計画はハコモノ建設とバラマキで彩られています。人口減少と高齢化が著しく進み、財政が厳しいというなかで、本当に大丈夫なのか不安です。

将来に関わる2つの審議会を傍聴【①月形町創生総合戦略審議会】

昨日のこと。午前10時〜は「月形町創生総合戦略審議会(←第2期創生総合戦略の策定)」、午後5時〜は「月形町未来を考える委員会(←第4次総合振興計画後期基本計画の策定)」を傍聴してきました。傍聴しただけなのに・・・ 相当消耗してしまって・・・ 他に何もできなかった1日でした。
 
以下、傍聴内容と私の所感を記します。
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《令和元年度第2回月形町総合戦略審議会(10:00〜12:10/役場大会議室)》
 
■ 第1期月形町創生総合戦略の平成30年度の効果検証

今年7月30日に第1回会議があり、その時に諮問された「創生総合戦略の平成30年度の効果検証」について、7月30日の議論を基に事務局が答申(案)を作成。
①人口ビジョンは実態を反映したものに改定すること 
②第2期総合戦略では「町外からの通勤者・通学者の移住定住」「子育て世代の移住定住等」に重点的に取り組むこと 
が盛り込まれた答申が了承された。
 
■ 人口ビジョン改訂と第2期総合戦略の策定

この日、町長から新たな諮問「人口ビジョン改訂と第2期総合戦略の策定に対する意見」を求められた。
●まずは、今年7月に町民に実施したアンケート結果の報告。
・アンケート回収率31% ・・・ 「回収率が低いのではないか」との指摘に「全国的な傾向と比較すると低くない」との回答。3割あれば統計的な検討ができるとの専門的な助言もあった。
・アンケート全般を通して、30代の不満(満足度や愛着度が低い)が突出していた。委員から「低い理由の分析を」求められたが、事務局からは「理由を聞いていないのではわからない」とのこと。
・委員から「記述式に厳しい意見がある。少数意見でも重要視すべき」「記述式を見ると、30代は客観的に町を見ているのではないか」「日常生活は様々な地域活動で成り立っているが、それらが(参加していない)町民には見えていない、伝わっていないのではないか」

●このアンケートを基に、役場内部に設置された組織(策定委員会、プロジェクトチーム・策定事務局)が検討を重ねて「人口ビジョン/改訂版」と「第2期月形町総合戦略」の原案を作成した。その原案に対して
・人口ビジョン改訂版(案)に対して委員から「国勢調査は受刑者も含まれる。住基データのみで人口動態分析をしたい」との声に「人口ビジョンの基本は国勢調査なので外すわけにはいかない。説明を加えながらおこなっていく」
・原案全体に対して委員から「街のにぎわいが数字的に達成できているというが実感が伴っていない」「戦略を見ても具体的に何をするのか見えない」「高齢者人口はすでに41%、危機感を持つべき」「この戦略内容では、あえて月形町を選ぶ行動につながらない。思い切ったことをやるべき」「教育関係や教育環境に力を入れては」「目に見えない住民活動(人間関係)を前面に出すような計画に」「各種施設が住民財産だと思えるようにする」「町外から町内の職場に通勤する人を定住化させるには、当事者の意見をどう吸い上げ計画に盛り込むかが重要」「話し合いの時間がもっとほしい」
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《私の所感》

・審議会では、町民目線の活発な意見が次々出されていました。これら委員の意見がどれほど盛り込まれるのか・・・ 次回(12月)の審議会が楽しみです。とはいえ1月には答申するスケジュール。議論はあと1回で大丈夫? このスケジュール管理がいつも不満です。

・月形町の人口を語るとき、刑務所の存在がネックになっています。国勢調査では人口に受刑者が含まれ、それが国の様々な分析の基礎になっているから。受刑者の多くは20〜40代の成人男性で約1000人。住基人口が3200人の町に、働き盛りの男性が1000人も上積みされるのだから「働き手がいる」「若い女性がいれば出生率が上がる」とされるけれど、現実には高齢化率41%で地域活動も職場も「担い手不足」が深刻な危機的状況なんです。
人口ビジョンは町の未来を見据えるために作るものなのだから、実態を惑わすデータや分析は必要ない。もしももしも必要なのだと考えるなら、もう少し作り方を工夫すれば良いのに。今回作られた資料では、この事情に精通した人でない限り危機感を共有できないので。

・町長が冒頭のあいさつで「弱い人の立場に立って・・・」といつものフレーズでお話しをされたのだけれど、だとしたら資料や各種計画の作成にも配慮を。それこそがトップの仕事だと思ってます。

・第2期総合戦略の具体的施策には、なぜかハコモノ建設と子育て世代への補助金バラマキが目につきました(言葉が悪くてゴメンナサイ)。審議会が求めた「第2期の重点施策(町外からの通勤者・通学者の移住定住、子育て世代の移住定住等)」が、ハコモノやバラマキで達成できるとは・・・ 私には思えないです。原案はアンケートを基に役場内部の組織で作成されたのだけれど、これが町民の声なの? アンケートを読んだけど・・・ あそこからここに来るのかなぁ? 人口ビジョンで人口減少の厳しさを共有できたと思っているのに、それがハコモノ建設につながるとは意外です。

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