2020年05月05日

特別定額給付金の申請方法/茨城県五霞町のオープンデータ【新型コロナウイルス対策】

各地で1人10万円の特別定額給付金のオンライン申請が始まっていて話題になっていますね。
月形町は準備中です。5月8日(金)に臨時会が開かれますので、そのあとになると思われます。

さて、特別定額給付金の申請方法には郵送とオンラインの2種類あるのですが、ちょっと解りにくいですよね。ネット上にとても解りやすいポスターをみつけたので添付します。

このポスターは、茨城県五霞町が作成し、自由に使えるようにオープンデータ(※)にしています。素晴らしい取り組みですし、とても解りやすいポスターですよね!

※ 著作権は、原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示することを主な条件とし、改変はもちろん、営利目的での二次利用も許可される最も自由度の高いCCライセンス。
【茨城県五霞町のオープンデータから】
https://www.ibaraki-opendata.jp/opendata.php?mode=detail&code=43&odcode=524&fbclid=IwAR0cnMcE79lHxFOoXVmfVyyyuhe0JigaVmA9jVTcAUH2GnWRgSAg9Peu0DE

申請案内に一緒に入れてくれたらイイなぁ〜

オンライン申請って効率的なのか思ったら・・・/10万円特別定額給付金の舞台裏【新型コロナ対策】

首相を筆頭に「オンライン申請で最短給付」と言うから、私は勝手に「オンライン申請すれば行政が持っている様々な情報とコンピュータ内で紐付けできるから、行政側の手間も省けて最短給付ができる」のだろうと考えていたけれど、実際は全然違ってた!
 
滋賀県湖南市 谷畑英吾市長の発信を読んで愕然。(以下引用)
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 マイナポータルからの申請は、連絡先メルアドと電話番号を登録し、マイナンバーカードにある氏名、生年月日、住所データを引き出し、さらに世帯員氏名と振込先口座を打ち込んだあと、口座の通帳かキャッシュカードの画像を添付して、個人認証をして送信します。(中略)
 無事、マイナポータルを通じて電子申請がされたとしても、役所側では独立した電子データを受け取ることになります。このデータでそのまま銀行振り込みされるわけでなく、ここから人の手で1件ずつ処理されていくことになります。世帯主のマイナンバーカードで確定するデータは世帯主の氏名、生年月日、住所だけだからです。
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国が決めた政策がこんな仕組みだったとは!
実際に給付金を支給する現場(市町村役場)はこんなにも大変で、こんなにもアナログ。オンライン申請と言っても「紙申請」と何ら変わらない作業をしなくちゃならないなんて! 
 
これと同じことが全国の市町村、つまり月形町役場でも行われるということ。職員は大変だわ!! 
職員のみなさん、本当にお疲れさまです。


Facebook 谷畑英吾/5月3日 17:02
【休日も特別定額給付金】

 昨日はさすがに疲れ果てましたので、休息を取りました。せっかくの暑いくらいの陽気だったようですが、一日横臥していました。

 今日は午後から市役所を覗きました。日直の職員に声をかけて庁舎に入ると、ゴールデンウィーク中ですが、結構な数の職員が出勤していました。障害福祉や生活困窮、子育て支援、住民基本台帳、税務、国民調査、人事、総務、財政など、特別定額給付金以外の部署でも職員が黙々と働いています。

 新型コロナウイルスで2班体制としたことによる仕事の滞りもありますが、相変わらず国からの平時の調査物の期限との格闘もあります。そこに、新たに特別定額給付金と子育て世帯臨時特別給付金の事務が国から与えられ、しかも早くしろというので、現場にはかなりの混乱をもたらしています。それを粛々と現場の職員はこなしていきます。

 特別定額給付金については、昨日からマイナポータルを通じた電子申請を受け付け始めました。総務省肝入りのマイナポータル利用です。湖南市ではマイナンバーカードの交付は6576枚ですが、そのうち何枚が世帯主なのかはわかりません。そして、昨日からの1日半で130件の電子申請がありました。

 マイナポータルからの申請は、連絡先メルアドと電話番号を登録し、マイナンバーカードにある氏名、生年月日、住所データを引き出し、さらに世帯員氏名と振込先口座を打ち込んだあと、口座の通帳かキャッシュカードの画像を添付して、個人認証をして送信します。

 慣れていれば5分ほどでできる手続きですが、慣れていなければいつまでも進みません。無限ループに入り込んで抜け出せない人もいるのではないでしょうか。運良くすべての事項を打ち込み、画像添付をして個人認証まで来たところで、認証番号で挫折した人も多いでしょう。

 実は、4ケタのパスワードだけでなく、16ケタの個人認証番号も必要なのを多くの人が忘れていると聞きます。そこで、5回間違えるとロックされてしまい、住民基本台帳担当窓口で再度番号を登録し直さなければなりません。5月1日から電子申請を受け付け始めた市役所では、再登録の市民が押しかけたと聞きます。

 無事、マイナポータルを通じて電子申請がされたとしても、役所側では独立した電子データを受け取ることになります。このデータでそのまま銀行振り込みされるわけでなく、ここから人の手で1件ずつ処理されていくことになります。世帯主のマイナンバーカードで確定するデータは世帯主の氏名、生年月日、住所だけだからです。

 世帯員については、様式には続柄と生年月日を打ち込む欄がスペース的に設けられているものの、氏名だけしか打ち込まずに電子申請が完結するので、それが正しいかどうかを人の目で突合しなければなりません。せめて生年月日があればすぐに確からしいと確認もできるのですが、氏名だけで住民基本台帳と突合することになります。

 例えば、複数世帯が同居している場合、どちらかの世帯主が電子申請をしようとして、両世帯の世帯員を混同したり一括して申請フォームに打ち込んで申請してきた場合、その人が別世帯なのか、申請に世帯員が揃っているのかなどは、やはり人間の目で確認していかなければなりません。

 また、極めて厄介なのは、振込先口座を確認するために、預金通帳かキャッシュカードの画像データを添付することにしていることです。手続きを簡略化するために写真があればいいんじゃない的に設けたのでしょうが、最近のスマフォは画素が半端ありません。データ量がかなりなものとなっており、これを申請データと突合するために画面表示や打ち出しをするだけで、ものすごい時間的ロスを生じます。

 1日半で130件の申請を受け付けた湖南市ですら大変なのですから、これが大津市のような中核市や京都市のような政令指定都市ではどれだけのデータ量が集まり、確認作業が生じるのかと思うと、とても心配になります。そして、このデータと郵送申請のデータ、さらにはDV等で他市に避難している人のデータとの突合作業も待ち構えているのです。

 郵送申請については、湖南市はすでに申請書や封筒の印刷と封入封緘作業を委託し、5月5日に納入、それを甲西中央郵便局に無理をお願いして持ち込んで仕分けをしてもらい、連休明けの5月7日から配達してもらえる最速の対応をしています。他の自治体では封筒が手に入らず、封入封緘から足踏みしていると聞いています。

 さらに、DV等で他の自治体に避難している人については、避難先の自治体に申し出ることになっていますが、その情報は都道府県を通じて5月7日に届くことになっています。そのデータを受けて、支給に際しては避難者分を分離するべき世帯について手作業で止めて対応する必要があります。また、避難してきている人の分は別に支給する準備が必要になります。

 こうした複雑な手作業の交差を膨大に積み重ねながら、支給については、電子申請分を5月7日から、郵送申請分を5月16日から、順次開始していくこととしています。電子申請分はDV調整があるのでこれ以上早めることはできませんが、郵送申請分はさらに早める努力をしたいと特別定額給付金班員たちは意気軒昂に休日出勤しています。

 なお、子育て世帯臨時特別給付金については、内閣府から「例えば次回6月児童手当の支給に合わせるなど、できるだけ速やかな開始」を求めていますが、市町村は一般支給対象者に「支給の申込みを行う」こととされたうえで、「一般支給対象者が、子育て特別給付金の支給を希望しない場合」に「子育て特別給付金受給拒否の届出書」を提出させることとされています。

 できるだけ速やかな支給開始をするなら一方的に対象者に児童手当上乗せで支給すればいいものを、いったん、支給させていただいてよろしいでしょうか、いやなら支給しませんので受給拒否届を出してください、とはどういうオペレーションなのでしょうか。そのおかげで拒否届を待つ期間を置くため、速やかな支給をどう担保しようとしているのか不思議です。

 まあ、システム改修の時間的余裕もあまりないのですが、湖南市ではそれも間に合いますし、受給拒否届の受付期間も含めて何とか6月支給に上乗せできそうです。しかし、そこまでスピード感を持って準備できなかったり、規模が大きすぎて物理的に対応できない自治体では、ストレスを抱えた市民からの窓口でのトラブルが増えそうです。

 東京で制度設計をする人たちは、そうした現場の状況を把握した上での事業の立案をお願いしたいと思います。官邸が指示したからというだけで、それをそのまま現場に落とされても、回れればよいのですが、回れなければ国民の不安と不満に直結します。大東亜戦争で大本営作戦当局が犯した現地軍に対する観念的作戦指導という過ちを繰り返しませんように。

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