2020年06月10日

1.新型コロナ禍での地域支援【令和2年第2回定例会】報告④一般質問

ここからは一般質問の報告です。
 
今回の定例会では以下のテーマで一般質問を行いました。
■1.新型コロナ禍での地域支援について
 (1)民間支援の方針
 (2)感染症対策支援(特に高齢者施設)
 (3)財源と人員の確保
■2.新型コロナ禍での学校教育支援(ICT環境整備)について
■3.新型コロナ禍での災害対策(避難所運営と通信環境整備)について

 
新型コロナ禍関連は緊急で身近な話題のため、いつも以上にみなさんに知っていただきたい内容になっています。なので、それぞれの項目に分けしてお伝えしていきます。長くなりますが、どうぞよろしくお願いします。

※ 写真は、庭で咲き始めたシャクヤク。眩しい赤が印象的♪
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《一般質問 1.新型コロナ禍での地域支援について/答弁者:町長》
 
(1)民間支援の方針
  
●質問:宮下●

新型コロナウイルスは様々な形で私たちの暮らしに影響を与えている。長期化する中で疲弊しつつある地域社会を守るため、国・道・町が分担しながら支援を行っているのが現状である。
現段階で町は、商業者を中心に売上減少率や対策の有無などを基準に支援金支給等を行っている。今後はより広範囲の業種に影響が出ると考えられるが、どの範囲のどの程度まで支援をしていく考えか。
 
◆答弁:町長◆
経済と生活の支援を行ってきた。これが全てではない。金銭+新しい生活様式のための対策に長期的に取り組んでいく。
これからは建設業や農業への支援も求められるだろう。ただ、事態を掌握していないのに闇雲に支援するわけには行かない。国や道と連携しながら、町民・商工会・JA・弱い立場の人たちとみんなで協議しながら進めたい。事業者をしっかり守りぬく。
 
●質問:宮下●
町長が地域を守っていくという意気込みは理解した。ただ、支援の原資は公的資金=税金である。新型コロナ禍は緊急事態であり多くの人が大変な状況だからこそ、行政の施策(支援)には公平性と透明性が強く求められる。支援資金(原資/税金)には限りがあるので、どこかで線を引くしかない。どんな意図を持って線を引くのかが方針。それを示して欲しい。
また、支援の目的は様々あるので、現象を整理して目的を明確化する必要がある。例えば
・感染防止策
・感染発生時対応=緊急事態対応=危機管理
・経済対策(生活維持対応、景気浮揚策)
・(憲法や法で与えられた)権利の保障=教育を受ける権利
等のように、施策の目的を明確にした上で支援内容や金額を示すことで透明性や公平性が確保できると私は考えるが、町長の考えを。
 
◆答弁:町長◆
公的支援には平等性の観点、つまり一律にならなければと考えている。個別の状況、個別のニーズに合わせてやっていきたい。
 
●質問:宮下●
一律に行うことが平等なのか? 公平なのか?
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(2)感染症対策支援(特に高齢者施設)
 
●質問:宮下●

現在の支援策は経済対策中心であるが、感染症対策にも支援強化する必要がある。特に高齢者施設はクラスター発生と重篤化のリスクが高いために対策に大きな負担を強いられているが、支援はない。月形町は高齢化率42%超という現実からも、高齢者施設が平常通りに運営できることが町民の安心にも繫がる。実際にデイサービスはほぼ通常通りに受け入れているし、クラスターも発生していないからこそ町内が回っている。高齢者施設への支援をどう考えているか?
 
◆答弁:町長◆
元(障がい者)福祉施設長だった経験から目配せしている。新型コロナ禍で通常より手間と経費がかかっているので、今回の補正予算で、町内の入所施設(高齢者と障がい者)5箇所全てに、使途を限定しない支援金一律20万円を支給する。また別に衛生資材(マスク・フェイスシールド・ガウン・消毒薬等)も配布したい。
 
●質問:宮下●
入所施設全般への目配せは大事だが、新型コロナ禍において最もリスクが高い高齢者施設の重要性をより強調したい。それを踏まえて・・・
クラスターが発生した場合、各施設の通常備蓄ではすぐに底をつく。発注をかけて入荷するまでの間、町の備蓄品を提供する=町がストックヤードとしての機能もって対応することが必要だと考える。町はこれまでの緊急事態の想定を超える備蓄品を準備し、必要とするときに必要とする量を供給する体制にしてはどうか。
 
◆答弁:町長◆
それぞれの施設では以前からインフルエンザやノロウイルスなどの感染症があり対策や備えをしっかりやっている。だから現状で上手くいっている。とはいえ、クラスター発生も想定しながら、備蓄も考え、しっかり対応する。
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(3)財源と人員の確保
 
●質問:宮下●

新型コロナの影響は今後も続き、少なくとも今年度中は地域支援が必要だと考える。その際の財源は、国や道からの交付金等はもちろんのこと、町独自に確保しなければならない。
そこで提案したい。新型コロナの影響で延期や保留にした今年度実施予定の事業は基本的に中止の決断をし、即刻減額補正をして新型コロナ対策基金(新設)に積み上げてはどうか。財源が明確になることで対策規模や範囲を町民と共有できる他、透明性や公平性を担保できると考える。また、事業の再検討に係る事務を減らして人員(職員の余力)を生み出すことができる。
 
◆答弁:町長◆
令和2年度の事業のうち「実施できない」か「縮小」しなればならない事業予算は新型コロナ対策に振り向けるよう、対策本部会議の中で既に指示している。今後も状況を見ながら、基金に積むという考えには縛られることなく、しっかり対応していきたい。
人員については・・・ 平時でも少ない職員数で一生懸命に仕事をしている。例え事業を中止にしても余力の発生には至らない。対策に全力であたりたい。
 
●質問:宮下●
既に予算を振り替えているということだが、全く解らなかった。だから私たち議員や町民にも解るように基金化するよう提案した。基金化しないのであれば、何がどうなるのか知らせて欲しい。現状では全く伝わっていない。
人員に関しても、余力がないからこそ仕事量を調節するのが上に立つ者の仕事では?
 
◆答弁:町長◆
今、本当に大変なときだからこそ、他人への尊敬とか信頼が社会の土台になる。
町民へのアナウンス不足は以前から宮下議員に指摘され続けてきた。足りないかもしれないが、町民の命と暮らしを守ることを、任期満了の10月2日までやっていく。
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《宮下の所感》
いつものことながら、最後は精神論で終わるのがとても残念。「命と暮らしを守る」のは町長としての当然の使命で、それをどうやって果たすのかという方法論を聴いているので、そこを答えて欲しかった。
 
これを別のたとえで説明すると・・・
料理人「私はお客様を、美味しい料理で幸せにします。」
私  「それはどんな料理ですか?」
料理人「誰もが幸せな気分になる美味しい料理です。」
私  「?? それはどんな材料を使いますか? どんなレシピで作るのですか?」
料理人「ここにある材料で、一生懸命に作ります。」
私  「どんな料理が出てくるのか全然想像できないです。それは本当に美味しいんですか? それで幸せな気分になれるんですか?」
これでは期待もできなければ、信用もできないです。
 
(1)の答弁中「公的支援には平等性の観点、つまり一律にならなければと考えている」とあった。こういう考え方から「町民全員に1人30枚のマスクを郵送する」という施策が出てきたのか(ガッテン!) 
でも私は、この考え方は間違っていると思う。これは「ほどこし」からの発想で、自治体運営ではないと考える。私たちが生きているのは物と金が自由に流通する社会であり、その中で各個人が自分で選択する自由を与えられている。その前提をふまえた上で公共(=行政=町)が担うのは、社会の仕組みからこぼれてしまう部分のサポート(=セーフティーネット)。つまり、支援を必要とする人に対して、その人が求める支援を一定の枠の中で提供することだと考える。だから社会の全員が一律にはならないし、支援の基準も必要になる。そして検証できるように透明性が必要なのだ。
これが現代の社会保障の基本だと私は考えている。
 
これら基本的な部分を町長と共有できていないのは、とても悲しい。

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