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  • 議員の責務

 地方議会議員のバイブルである「議員必携」の議員の職責の項には、

 議会が持つ二つの使命、すなわち「具体的な政策の最終決定」と「行財政運営の批判と監視」を、完全に達成できるよう議会の一員として懸命に努力すること。

とあります。

 では、どのような判断基準で政策の決定や行財政運営を批判・監視していくべきなのでしょうか。
 それは、憲法15条に「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕ではない」と定められているように、住民全体の立場に立って判断することが求められます。

 さらに、議員の役割として「議員必携」は以下のように記しています。

 議員は単に住民の声と心を代表し、代弁するだけの役割に終始するだけではなく、一歩踏み出して、常に住民の中に飛び込み、住民との対話を重ね、住民の悩みと声を汲み取りながら議論を重ねて調査研究を進め、住民全体の福祉向上と地域社会の活力ある発展を目指して時には住民に訴え、時には住民を指導して、その実現に積極的に努力することが大事である。

 つまり、議員は単に住民の代弁者であるだけでなく、時には指導者的な立場になり得ることを示しています。

  • 議員に求められるもの

 議員の責務を果たすために求められるものは何でしょうか。

 その一つは住民の声を聴くことです。

 「議員必携」には住民の声を聴く場合の心がけとしてとても大切な注意点が記載されています。

 議員は、住民の代表者である。それは住民が考えていること、思い願っていることのすべてを代表するということである。大きく叫び、強く訴える組織やバックを持った住民の声は容易に把握できるが、地域社会の片隅にいる弱者の声、組織を持たない住民の小さい声、特に声なき声やため息は聞き取りにくい。住民と行政との橋渡しをすべき議員は、そうした大きな声、小さな声、声なき声、ため息すべての声を把握してこれを代表し、住民の心情をつかんでその心で物事を考えることが大事である。

 「大衆は大知」という言葉があるように、住民は案外よく知っており、行政についても色々と思い、考えており、また学ぶべき知恵や知識を持っている。

 議員は常に住民の中に飛び込んで、住民の声や心や知恵をつかみ、それを議員の声、心、そして知恵として力強く代表する心構えが必要である。

 住民とともに喜び、住民とともに涙する血の通った信頼される行政ができるかどうかは、このような議員の活動に待つところがきわめて大きい。

 サイレント・マジョリティ-(もの言わぬ多数派)という言葉があるように、多くの人は積極的に発言することはありません。組織の声や大きく叫ぶ人の声は容易に把握できますが、組織に属さない小さい声は意識して把握に努めなければなりません。、大原則である「全体の奉仕者であって、一部の奉仕者でない」を貫徹するためには、住民とよりきめ細やかな対話が必要です。そして、議員が独断で考えるのではなく、大知である住民の声に耳を傾け、ともに考え、政策に活かしていく。これこそが住民自治の基本であると言えます。

 また、議会は町側から提案があって初めて施策の中身を知ります。つまり、政策の形はほぼできあがり、すぐにも実行できる状況で知ることになります。ですから審議の回数はせいぜい1~2回と実に短時間です。また提案される内容も非常に広範囲で、新しい考え方が含まれることもあります。

 このような状況下で問題点を洗い出し、町民にとっての最善を導き出せるかは、議員力(知識、経験、情報収集)にかかっていると考えます。議員は自身が置かれた状況のもとで、少なくともなにがしかの意見や情報もしくは提案を発言できなければ、議員としての仕事を果たしていないとも考えます。

 現代は情報が氾濫し、必ずしも多数が正しいとは言えない世の中になっています。感情や流行に流されず、事の本質を見極め、正しい方向に住民を導いていく、そんな「事の本質を見極める力」もこれからの議員に必要です。

 議員数が減り、また地方分権・地域主権が方向付けられている時代にあって、議員一人一人の力(議員力)が町政に大きく影響すると感じています。

 この現実を踏まえ、議員は常にアンテナを張り巡らし、研鑽を積み、「その時」に備えなければならないと考えます。加えて積極的な言動も議員としての重要な要素だと考えます。最高決定機関(議会)の一員である私達議員に、「あの時こうしておけば良かった」は通用しないと思うからです。

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