2009年03月31日

リサイクル工場見学会・古紙再生利用施設(2)

私の乗った1号車はまず「リサイクルプラザ紙遊館」で紙(パルプ紙・再生紙)のできる行程の説明と古紙リサイクルの注意点、工場の概要等を聞きました。

説明をしてくれたのは高津さん(←写真)。ちょっと砕けた感じで親しみやすく、はっきりした声でわかりやすく説明してくれました。「さすがプロの技だ!!」と感心していたのは私だけではなかったようです。以下に説明の要点を記します。

◆紙はLパルプ(広葉樹:短繊維)とNパルプ(針葉樹:長繊維)を混ぜて作られる。

◆紙の原料には以下の3種類がある。
・化学パルプ(木材をアルカリ溶液と高熱で処理したもの)
・機械パルプ(木材の中心部を機械で磨りつぶしたもの)
・古紙パルプ(古紙を溶かし取り出したもの)

◆紙を作るには、大量の木材と水と薬品(アルカリ溶液や漂白剤、他)を使用する。
 環境に与える負荷も大きいので、様々な工夫が施されている。
・木材)道内の建材にならない木を利用。曲がった木、中心が腐った木、細い木、端材など
    他に、生育の速い「ユーカリ」を暖かい海外植林地で栽培。計画的に採取。
    木材資源保護のため、古紙も積極的に活用している。
・水 )工場独自に浄水場と処理場を持つ。管理体制を強化。
・薬品)廃液の浄化はもちろん、漂白剤も塩素系→酸素系へ切り替えが進んでいる。
    また、薬品使用の少ない「機械パルプ」の製造も手がける。
・電気)バイオマスボイラーを導入し、廃棄物を燃料に利用。消費電力の90%を自家生産。
    燃料になる廃棄物=樹皮、古紙から除去したインク、製造過程で出る廃液(黒液)等

◆古紙再生のために覚えてほしいこと
・異物(ホチキス、クリップ、ビニールやテープ、プラスチックゴミ)などは取り除いて
・古紙の分類に従い分別をしっかり。代表的な分類は
  ・新聞紙&チラシ(糊などついてない紙のみでできているもの。コピー用紙も可。
           ピンで留めてある雑誌も可=ピンは外して出すとGood!)  
  ・ダンボール(内部に波形の構造。「ダンボール」のリサイクルマーク有り)
  ・雑誌   (背の部分が糊付けされているモノ)
  ・雑紙   (菓子箱など「紙」のリサイクルマークがついているモノ)
☆粘着部分=紙がベタつくところ=糊成分が残っているところ(ガムテープ・セロテープが貼ってあったところ、宅配便の宛名シールをはがしたところ、封筒ののりしろ、など)は、古紙再生の際に糊の成分が溶け出し、混じり、その糊成分が機械に張り付いたり、焦げたりして重大なトラブルを引き起こす。できるだけ古紙に混ぜずに取り除く。(月形の場合、取り除いた部分は一般ゴミへ)

◆これだけあれば・・・
・牛乳パック 6枚 → トイレットロール 1個
・牛乳パック 10枚 → ティッシュ1 箱
・割り箸 3膳   → A4用紙 1枚
・新聞紙 10kg → 再生紙 8kg = A4用紙 2,000枚
__。__。__。__。__。__。__。__。__。

この後、バスに乗って工場見学。この工場は通常24時間3交代で紙を製造しています。
原料の木材置き場から順に、木材チップ(小さく破砕したもの)置き場、古紙置き場、機械パルプ用の裸木材置き場を通って工場へ。バスに同乗した紙遊館の館長さんが、それぞれのポイントで解説してくれました。

工場内部はバスを降りて徒歩で見学。紙を乾かすドラムの発生する熱で工場内はかなり暑く(夏場は・・・大変!)、音も大きい。床に引かれた2本の白線内を歩きながら、大型の機械の間で説明を聞くもなかなか聞き取れません。それでも紙遊館で前もって説明を聞いていたのでほぼ理解できました。
 
この後はまたバスに乗り、超大型のバイオマスボイラーの横をかすめ、紙コップ用の製紙工場(衛生面を考慮し窓は全てふさいである=虫の侵入を防ぐため。内部の灯りはわずかな赤色光のみとのこと。「なるほど〜」と関心!! もちろん見学はできない。)の脇を通って出発地点に戻ってきました。

「不景気の影響で紙も売れなくなり、明日から生産調整に入ります。」ということで、通常なら翌日の原料を搬入する時間にもかかわらず、閑散としていたのが印象的でした。

comments

コメント・フォーム

(ゆみこの日記 にはじめてコメントされる場合、不適切なコメントを防止するため、掲載前に管理者が内容を確認しています。適切なコメントと判断した場合コメントは直ちに表示されますので、再度コメントを投稿する必要はありません。)

コメント・フォーム

▲TOPへ戻る