2010年03月30日

月形町・これからの注目点(平成22年第1回定例会を終えて)

3月も30日となり、平成22年第1回定例会が終了して2週間になろうとしています。
今定例会の全ての内容(本会議・予算特別委員会・全員協議会)を公開しようと精力的にブログに書いてきましたが、日を分けて書くためにダラダラ感は否めず、本当に伝えたかったことがぼけてしまったのではないかとも思っています。

そこで今定例会で私が最も注目した点(2つ)について詳しく記します。この2点はこれからの月形町を運営していく中で、必ずポイントになってくることだと私は感じています。
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【光回線契約者数の確保】・・・ 一般質問から

[状況]
■月形町では平成23年4月の供用に向け、町内一円に光回線を巡らす工事が始まる。供用後は
(1)各戸に町からIP告知端末が無料配置され、町内の情報伝達に使われる。
(2)町民は通信会社と個別契約することにより光通信を利用することができるようになる。

■光回線は町の資産で、それを通信会社が(光通信用に)借りて事業を展開する。また、光回線の保守管理は通信会社に委託して行う。このため回線使用料と管理委託料とを相殺し、不足分をどちらかが支払うという構造。

■町が通信会社から得る回線使用料は、町民の光回線契約者数によって決まる。契約者数が多いほど収入が増える仕組み。

[課題]
◆町民に対し、光通信に関するきめ細かな情報(インターネット・地デジ・IP電話等の光回線を使ったサービス内容、料金体系、利用のための設備、他)が不足している。

◆この仕組み(光回線契約者数に乗じた収入制度)は、将来にわたって確実に収入が見込める町独自の財源。契約者数の確保(契約者数を伸ばすこと)は財源確保の観点から、町の投資的事業と言える。しかし(町長の答弁から)行政にその感覚が薄い。

[注目点]
●契約者数確保に向けて、どの様な情報提供を、どの時点(時期)から行うのか。
 (光通信で地デジを利用したい層向けには、早急な情報提供が必要)
●契約者数確保を投資的事業と捉え、将来的な財源確保に向けて有効な政策を打ち出せるのか。
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【国民健康保険会計、介護保険会計における基金の取り崩しについて】・・・ 予算特別委員会から

[状況]
■国民健康保険会計、介護保険会計とも平成20年度までは良好であったが、様々な状況の変化により平成21年度から各会計の基金取り崩しが増えている。平成22年度予算ではそれ以上の基金取り崩しを見込んでいる。
 
■平成21年は天候不良により農業者の所得が落ち、自営業者も不景気による収入減。このため、平成22年度の国保税率を据え置くと大幅な収入減になる。
(→ 税率を上げざるを得ない状況。不足分は基金の取り崩しで対応=基金総額が大幅に減少)

■介護保険会計:施設介護給付費が増えている(介護施設を利用する人が急増している)ことから、歳出が高止まり、もしくは増える傾向にある。介護保険料は3年に1度の改定(平成21〜23年は同額)のため保険料収入増は見込めない。
(→ 不足分は基金の取り崩しで対応。それでも不足する場合は、道の基金を借りる仕組み)

[課題]
◆月形町の一般会計は(臨時交付金により)健全財政を維持し、各種小規模工事も行われて地域にお金が回っている。一方、国保会計や介護保険会計は収支のバランスが崩れた状態になっていて、町民の負担も増していく。
◆一般会計の財政状況に比べ、国保会計・介護保険会計等の特別会計は見えにくく、また意識もされにくい。

◆町長は「医療・福祉・教育に力を入れていく」と言っているが、現状は負担感ばかりが強い。月形町の福祉分野における「きめ細やかな対応」は評価できるが、理解されない状況になるのではないか。

[注目点]
●町民の負担感軽減
●国保や介護保険は国の縛りや制度の関係で基礎自治体が対処できる部分は少ない。ならば国や道に対して、どのような働きかけをしていくのか。(制度改革のための情報発信)

2010年03月29日

第2回 アライグマ捕獲講習会

3月26日午後、役場大会議室にて「第2回 アライグマ捕獲講習会」が開催されました。

参加者は農作物を荒らされている人がほとんどで、既に捕獲オリを仕掛けた経験のある人も多く、より実効的な捕獲方法や新たな情報を求めて真剣そのものでした。参加総数は約20名です。

講習会の内容は、第1回と同様(詳しくはこちら)でしたが、新たに「夏〜秋(作物が豊富にある時期)のオリの仕掛け方=T字撒き」が加わりました。これは講師の今井さんが実践を通して編み出したもので、実績も上がっているとのことです。(今井さんが昨年1年間で捕獲したアライグマの数は約60頭!)

野生動物が相手なので必ず捕獲できるとは言えませんが、生態を知り、より確率の高い方法で仕掛けることで被害を防げるかもしれません。実際、昨年の講習会を受けた方が捕獲頭数を伸ばしたということ、あわせて町内の被害総額も減っているということからも推察できます。

それから、アライグマを捕獲しようと仕掛けたオリにタヌキがかかることも多いそう(アライグマとタヌキは生息域や生態が似ている部分もあるため)で、今井さんの場合でもアライグマと同数以上のタヌキが捕獲されているとのことです(タヌキは野生生物保護により逃がしている)。
他に、餌にドッグフードでなくキャットフードを使った場合はネコがかかってしまうことなど、現場に携わっている人ならではの情報が盛りだくさんでした。

講習会最後、参加者との意見交換・質疑では、

◆シカの数が増え、被害も増している。猟友会によるシカ撃ちだけでなく、被害が出ないように農家等各戸が対応できる対策を検討、情報提供して欲しい。

◆アライグマだけでなく、タヌキやキツネ、カラスの食害やイタズラもある。アライグマだけを捕獲しても被害は無くならない。何とかならないのか。

◆有害鳥獣による被害や捕獲状況の統計情報が欲しい。出没や捕獲の場所や時期など、きめ細かな情報を行政と町民が共有することで総合的な対策ができるのではないか。
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参加者の発言から「(猟友会や行政の取り組みは理解しているが、それだけでは限界があるので)自分も何かしたい! させて欲しい!」という切羽詰まった状況が見て取れます。今以上に「協働」を意識した展開を町民が求めていると感じました。

また、野生生物保護により被害が出ても何もできない現実に疲弊しているのも感じました。保護の重要性も認識していますが、制限を設けるなどして規制緩和できないものなのか・・・

いずれにせよ現場は常に変化し人知の先を行くため、対策や講習会も常に工夫が求められています。

2010年03月28日

平成21年度第2回月形町土地開発公社理事会

3月25日午前、役場第1会議室で土地開発公社の理事会が開かれました。

議案は平成22年度の事業計画と予算で、例年通り「北陽団地」「白陽団地」「優良林間住宅地プロバンシャル月ヶ杜」各1区画の販売と、それに伴う収支と管理費等の予算化です。
現実的に土地の販売はかなり厳しい状況ですが、計画達成に向けてPR活動(HP・雑誌広告・ポスター制作・大阪でのプロモーション等)を積極的に行うことなどを確認しました。

〈その他〉として【第三セクター、地方公社及び公営企業改革の推進について】の意見交換がありました。
これは平成19年に施行された「地方公共団体の財政健全化に関する法律」を基に総務省から通達があったもので、「地方公共団体が主体的かつ早期に、第三セクター等の存廃を含めた抜本的改革の推進を支援すべき」としています。具体的には、保有土地を時価で評価し経営状況を判断することや、債務処理に地方債が発行できる等です。

月形町土地開発公社の場合、土地造成に民間金融機関の資金は借りていないので金利は発生していませんし、公社の扱っている土地は宅地であるため小規模で地価の変動も少ない状況です。理事会では平成22年度をかけて様々な検討を加えることになりました。
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景気動向を見ても、宅地を買い家を建てる状況になく、土地開発公社の事業は厳しい状況だと言えます。ただ実際に売買は成立していないものの見学者は訪れているということ、平成23年4月からは光回線が共用になるなど、明るい話題もあります。

【札幌から1時間圏内】という立地、
【光の整備された情報都会】というインフラ、
【救急対応の町立病院】の存在、
【新鮮で多様な農産物が豊富】【広い土地と豊かな自然】という環境、
そして【歴史と面倒見の良さ】という目に見えない財産。
加えて【保育園・幼稚園・学童保育所・小学校・中学校・高校、そして地域力】という子育て環境の充実も、大きなアピールポイントです。

月形は良いところですよ。

2010年03月24日

強風と農家と家族

先の連休は全国的に強風が吹き荒れ、北海道内でも農業用ハウスの倒壊等、局所的に被害が発生しました。ここ月形もひどい風で、3月21日(日)の最大瞬間風速は25m。既に春作業(苗作り等)を始めている農家もあるので被害もあったようです。

我が家では一番大きな越冬ハウスの天井フィルム(農PO)が裂けてしまいました。幸いにもハウスの中に植わっているのは寒冷地の宿根草で、この時期の外気にさらされても大丈夫。それに太くて頑丈なパイプだったので骨格には被害が無くて、ひとまずホッ。

翌22日は振り替え休日。少し風がおさまったのを見計らって、家族4人でハウスの補修へ。と、みるみるうちに雪が降り出し、風も付きだして地吹雪模様に。結局この日は補修するための道具と資材を破れたハウスに運び込んで終了。作業時間:約1時間。

翌23日。今日こそはと多少の風と雪の中、夫と二人で作業開始。破れた場所を修復するためには5m以上もある屋根に上らねばならず、夫は上に登ったまま、私は下からサポート。大きく開いた穴に蓋をかぶせるように落ちたフィルムを引き上げ、風の入り口をふさいでいると・・・雪がバサバサと降り出し、みるみるうちに積もり・・・一気に作業できなくなりました。修復完了まであと半分。作業時間:約2時間。

そして今日。朝から晴天。日が高くなると共に表面の雪がとけて作業が進むと思いきや、またも風が! こんな日は作戦が重要。いかに安全に無駄のない動きで作業できるか、状況変化に対応して作戦を変更しながら、作業を進めること3時間。補修完了!!! 
天井に開いた穴は完全にふさがり、風にも強く補強されました。
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今回の強風被害を修復するために、大人2人で都合6時間(+子ども2時間分)。どんなに大変でも生産するためには直さなければなりません。今までもこうして2人で直してきました。農家の宿命です。

毎回状況が違うので作戦もその都度違い、疲れや見解の相違でケンカになることもありました。経験を積んで、お互いの一歩先を読みながら、効率的に何とか動けるようになったかな。それでも今回のように天候急変で中途で止める場面もあります。思うようにいかないのも農家の宿命。

今回修復した越冬ハウスは、私たちがここで農業を始める以前から建っていました(元の農家が建てたもの)。私たちが引き継いでから、強風や台風、吹雪で何度か被害が出ているのですが、それが決まって休日。毎回、家族の記憶に残る出来事です。

そして今日、終業式を終えて帰宅した子ども達に「ハウス、きれいに塞がったよ。」と報告すると「え〜、スゴイ、良かったね。」とねぎらいの言葉が返ってきました。補修の大変さを知っているからこその共感。

ハウスの被害は残念でしたが、修復完了の達成感と、自分もやればできるという自信、そして家族と共感できる幸せ。ああ、農家で良かった!



3月も下旬というのに月形にはまだ1mくらいの雪が残っています。いつもより寒い日が続いてるからですね。ちなみに、この冬の降雪は約10m、平年より少し多かったくらいでした。

関東方面では桜が咲いたと聞きます。
あ〜、月形の春はまだ先かな〜。

全員協議会(2010.3.5〜18)

第1回定例会に合わせて随時開かれた全員協議会は、以下の内容が報告・協議されました(順不同)。

1.議案説明と会議等出席議員報告
 ・議会運営委員長・議会事務局より定例会の日程と一部議案の説明
 ・一般質問の取り進め方の確認(内容と制限時間)
 ・意見案と追加議案について
 ・各組織に派遣されている議員から活動報告

2.月形町・新篠津村地域情報通信基盤整備事業について
 ・臨時交付金の金額決定(当初予定より大幅増額)
   ●総事業費(月形町+新篠津村) 13億0350万円
   【月形町分】総事業費 8億8950万円(うち補助対象:8億8800万円+単費分150万円)
       ・国庫補助金:ITC交付金(地域情報通信基盤整備推進交付金) 2億9600万円
             :臨時交付金(地域活性化・公共投資臨時交付金) 5億4400万円
       ・起債   :過疎債(補助残の95%適応)           4560万円
       ・一般財源 :起債残+単費分                  390万円
   ●工事内容(月形町分):光ケーブル 延長108km、局舎整備 2カ所、
               IP告知端末機設置 1770台
   ●プロポーザル方式による応募:NTT東日本ー北海道1社のみ(2月22日決定) 

   ●月形町は通信会社より、光ケーブル使用料を得られる(光回線加入戸数×単価/月)
    ・対象世帯の2割(約350戸)が加入すれば、約300万円/年の収入
    (維持管理費の一部として繰り入れ → 月形町の維持管理費の最終的支出は40万円弱)

3.平成21年度一般会計補正予算
 ・既に補正した地域活性化きめ細かな臨時交付金だが、増額されたので再度増額補正
  (8796万5000円 → 1億0165万円)
 ・増額になったが項目は増やせない → 計画に追加工事で対応(追加議案)

4.月形町耐震改修促進計画(平成22年度〜27年度)
 ・計画策定:市町村は努力義務(国・道は必須)、策定費用は補助率100%(平成21年度)
 ・計画は地域防災計画、マスタープラン等に反映される
 ・町内の全建物が対象。町内の耐震化率は現在58.6%(推定)→(目標)90%
 
5.月形町振興公社から(はな工房食堂部門の委託事業について)
 ・既存の事業者撤退の意向(平成22年4月を目途に)
 ・今後の事業展開について議論
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光回線整備に対する国からの補助金(交付金)がやっと確定しました。
この補助金はもともと麻生内閣時の補正予算に組み込まれていたものですが、政権交代や事業仕分け等があり、金額が確定するまでに半年以上の月日が流れました。工期の関係もあり、補助が確定しなくても事業準備を進めなければならなかった担当者は、きっとホッとしたことでしょう。

それに加え、確定した補助金は補助率が大変よく、これだけの大きな事業のほとんどを国の費用で賄うことができたことは、今まで『情報インフラは国が行うべき事業』と主張していた町長にとっても朗報だったと思います。

今後はこのインフラをいかに活用するかが勝負です。道内でもいち早く光回線化になるのですから「先んずれば制す」のごとく、地域ブランド化、過疎地域や高齢者のネットワーク構築、医療・文化・教育面での活用等、アイデアを活かしていければ・・・

また一般質問でも触れましたが、この事業は月形町に収入をもたらす投資事業でもあります。この時代、自治体の収入源が税金以外にあるというのは心強い限り。町民にとっても行政にとっても利点がありウインウインの関係が築けるよう、まずは相互理解を深めることから、と考えます。

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