2014年03月23日

【平成26年第1回定例会/報告2】平成26年度、予算はこう使われる

今回は、平成26年度予算特別委員会の報告です。

月形町議会の予算特別委員会は一般会計と5つの特別会計(国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療、農業集落排水、町立病院)について、議長を除く全議員(9名)が参加して審議を行います。会場は本会議場です。今回の委員長は金子議員で、議長席下に特設された委員長席で委員会を仕切りました(議長はオブザーバーとして、代表監査委員や出納室、財政係とともに会場の一角に位置)。

本会議と違うのは、審議する予算項目ごとに説明員(町側の出席者)が入れ替わるところ。所管する課の係長以上が説明員となる(=質疑の答弁をする)ので、予算の根拠となる数字や経年変化、現場の状況など細かいことも確認できます。
町長と副町長および教育長は審議される予算項目に関係なく(基本的に)全日予算特別委員会に出席し、細かな質疑に耳を傾けながら必要があれば発言します。

予算特別委員会の最終日に行われる「総括質疑」では、個別事業の質疑を終えて議員側が内容を理解した上で、予算の提案者(町長、教育長)に対し、予算の執行に関係する全体的な課題や今後の展開、執行方針の内容などに対して質問を行います。

4日分の内容をまとめるのは難しいので、私の気になったところをいくつか報告します。この他、何かありましたらお問い合わせください。

※ 上の写真は「平成26年度月形町各会計予算書」と「平成26年度一般会計予算説明資料」。予算審議をする上で重要なアイテムで、事業ごとに細かな金額(予算額と財源)が書かれています。毎年発行されるので、過去のものと見比べることで事業の流れを見ることができます。
 
左側の写真は、私の今回使用した平成26年度の予算書(上の写真にある分厚い冊子を開いたところ。細かな数字が見られないように加工をしています)。見開き2ページ単位で、項目別の分類と予算額、前年度当初予算額との比較、財源、使途別分類と事業ごとの金額が黒字で印刷されています。

その余白に私が赤字や黒字で、前年度の事業別予算額(時には過去数年に遡ったデータ)や疑問点、質問項目などを書き込んで予算審議に臨みます。その後、予算特別委員会での質疑と答弁で明らかになったことも書き込んでいきます。こうすることで決算審議の時にも、次年度以降の予算審議の時にも、問題点や疑問点を共有することができ、より深く事業を理解して審議ができます。
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平成26年度月形町一般会計予算【36億2700万円/前年度比 +2億6200万円】

《一般会計予算が大きく膨らんでいる》
■平成25年度に比べ、2億6200万円も予算規模が膨らんでいる。新たに発生した要因は樺戸地区国営土地改良事業負担金(1億950万円)くらいで、民生費(福祉関係予算)の経常的な伸びと各事業予算の積み上げによる(次項参照)。
■地方交付税は平成25年度と同額を見込んでいるが、町税等税収は若干減る見込。不足分を財政調整基金から繰り入れる( 2億700万円)。
[ゆみこの視点] 新たに取り組む事業がない中で予算規模が7.8%も膨らむこと、財政調整基金から2億円も繰り入れなければ予算が立てられないこと、いずれも問題だと感じる。

《歳出のうち全般的なこと》
■燃料費、光熱費は実勢価格の上昇により増。
■4月から消費税が 5 → 8%になることから、多くの委託事業で、金額アップ。理由は「消費税3%アップ分」との説明だったが、質疑を繰り返すうち、人件費のアップもその中に含まれていた。
[ゆみこの視点] 人件費のアップは固定費の増大に繫がるので慎重にすべき。政策的な意図があって人件費を上げるのであれば理解するが、積極的説明はなく、指摘を受けて説明するのみ。

《本会議場に中継用カメラを設置》
■長らく議会内で検討されてきた「本会議場のテレビ中継」に予算が付いた。本会議場内に2台のカメラを設置し、役場内のテレビ(町民サロンや役場ロビーなど)で議会の様子を見ることができるようになる。
[ゆみこの視点] 開かれた議会への第一歩。町民サロンに中継されれば、今よりずっと気軽に議会を見てもらえると思う。議会に対する意見や要望が上がってくることを期待している。ただ、実際に中継を始めるまでには検討項目がいくつもあり、議会内でまだまとまっていない。早急に対応を始めたい。

《花の里保育園の指定管理者の指定と指定管理料》
■花の里保育園の次の指定管理期間は2年間で、札親会を指定管理者に指名する。指定管理料は7767万円(平成21年〜23年:7150万円、平成24年〜25年:7512万円)
[ゆみこの視点] 指定管理期間を2年間にしたのは、平成28年度から花の里保育園を認定こども園にする方針からだが、その方針は執行方針の中でも、この審議の中でも理事者から伝えられなかった。なぜ積極的な説明がないのか? 不信感が残る。また、指定管理料は右肩上がり。利用者増や子育て支援の充実などの理由だが、指定管理制度の基本は? 

《臨時福祉給付事業、子育て世帯臨時特例給付事業》
■消費税増税に伴う負担軽減のため、町民税非課税世帯や子育て世帯に対し、1万円/人(一部5千円)が支給される。全額国から。

《第4次総合振興計画策定にあわせて、各種計画も策定》
■月形町の今後10年間をどのようにしていくのか、平成27年度から始まる新たな第4次計画を策定するため、昨年度からアンケートなどが実施され準備が進んでいる。
■これにあわせるように、平成26年度は国土利用計画、住宅マスタープラン、保健福祉総合計画などの他、子ども・子育て支援事業計画も策定することに。
[ゆみこの視点] 計画に月形町の実態と町民の意見がどれくらい反映できるか、行政の腕の見せどころ。

《町立病院への操出金》
■これまで当初予算では赤字補填分として2500万円の定額を繰出していたが、今年度からその方法を見直し、実態に合わせた数字で(町立病院の)予算を立て、歳入不足分にあわせて一般会計から補填する方法に切り替えた。そのため今年度の当初予算における赤字補填分は6755万円となった。
[ゆみこの視点] 操出金が大きくなったのは会計処理の考え方を変更したことよるもので、すぐに問題になることではない。病院は独自プランを立てて経営改善に取り組んでいるので、赤字補填分を小さくできるか、今後の病院会計の推移を見守りたい。

《スポーツを中心とした社会教育の充実》
■平成25年度に北翔大学と結んだ包括的連携協定を生かすため、社会教育指導員を1人配置し、総合体育館のトレーニング機器を使った事業を展開する。保健福祉課の健康増進活動とも連動させる予定。なお、トレーニング室の使用料金は、町民に限り当面の間無料とのこと。
[ゆみこの視点] この事業が(理事者から特別なアピールはなかったが)平成26年度の目玉の事業ではないかと考える。大学との連携だけでなく、行政の横のつながり強化にも期待したい。一方、トレーニング室の使用料金を有料にすることは、既に利用者との合意形成ができていた。にもかかわらず無料にすることは受益者負担の原則に照らしてどうなのか? 今後の利用状況なども注視していきたい。
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特別会計は以下の通り。

■平成26年度国民健康保険事業特別会計予算【5億0482万円/前年度比−2434万円】
■平成26年度介護保険事業特別会計予算  【4億6719万円/前年度比+1210万円】
■平成26年度後期高齢者医療特別会計予算 【  6120万円/前年度比 + 840万円】
■平成26年度農業集落排水事業特別会計予算【1億2252万円/前年度比 + 932万円】
■平成26年度国民健康保険月形町立病院事業会計予算
                   【収益的収入および支出 8億2098万円】
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町政執行方針や教育行政執行方針は新年度予算と連動し、月形町がその年どんなことを行うのか、将来的にどのような町になるのかを町民に知らせるものです。執行方針を読むだけで素直に伝わってくることが重要だと私は考えています。

ここ数年来の執行方針は総花的で、どのようなことが重点的に行われるのかわかりにくい状況が続いています。それは目玉となる事業がなかったり、目標やテーマを決めてまちづくりを進める手法を取らない理事者の姿勢だったり、そうなるべくしてそうなっていたと言えるでしょう。

「まちづくり」や「町政執行」にはパッション(情熱)が必要ではないか?
パッションは人を突き動かします。人が動かなければ何も始まらないのです。

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