2012年06月21日

石狩川水系幾春別川水防公開演習

6月16日(土)、幾春別川と石狩川の合流地点(岩見沢市北村幌達布地先)の北村地区河川防災ステーションで、平成24年度の「石狩川水系幾春別川水防公開演習」が行われました。

今回の公開水防訓練は、石狩川水系で繋がっている岩見沢市、美唄市、三笠市、月形町、新篠津村と北海道、国土交通省北海道開発局が主催するもので、出水期前のこの時期に実施されました。

このような公開水防訓練は、石狩川水系全体で毎年場所を変えて実施されています。(この場所での公開演習は当初平成23年に予定されていましたが、東日本大震災の影響で1年遅れになりました。)ちなみに、月形町の石狩川堤防内でも平成12年に実施されています。

今回の演習に参加している自治体は、過去に何度も水害に遭っている地域です(特に被害が大きかったのは、昭和37年、昭和50年、昭和56年)。それ以降、堤防の強化や排水機場の整備などハード面が改善されてきましたが、それと同時に今回のようなソフト面の強化も図られています。

この日は各自治体からの水防団/水防隊(消防団)を中心に、国交省関係者、自治体関係者、自衛隊、日本赤十字、建設業者など、総勢400人あまりの人が演習に参加しました。この他、来賓や一般の見学者なども多数来ていたので、実に大規模な公開演習です。

演習開始の合図と共に「台風上陸」の想定で刻一刻と変化する状況が会場内に伝えられ、正面の大型ビジョンに各所の展開が映し出されていきました。団員が会場内の様々な場所で水防工法を実施し、それらが同時進行で完成していく様は圧巻です。

その中で月形水防隊が担当したのは「木流し工(→)」「水マット工(↓)」「改良積み土のう工」でした。

「木流し工」は堤防の川側が弱くなったときに、木の抵抗を利用して堤防に当たる水圧を弱めようとするもので、木を工法資材とするためのロープワークと、設置した木がばたつかないように固定する技術が重要とのこと。

この作業を雨の降りしきる中、あるいは増水している最中に堤防内で行うのはとても危険だと、実際の場面を想像してドキドキしました。だからこそ、こうした訓練は重要ですね。

それから「水マット工」は、土のう用の土が確保できない都市部などで使う工法とか。専用のマットに水を注入して土のうのように小さな堤防を築いていきます。

この他「月の輪工」「釜段工」など、土のうの積み方にも様々な工法や技術があって、非常に興味深く見学させていただきました。

公開演習はこの後、大規模地震を想定した訓練も行われています。
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こういう大規模な公開演習は数年に1度ですが、この演習当日のために事前にどれほどの訓練や確認を行ったか・・・それを通して伝承されたり身についたりすることは非常に大きいと思います。特に水防団(消防団)の皆さんは、数十年にわたって活動する方が多く、数年に1度でもこういう機会があることは非常に意味があると感じました。

一方、役所(公務員、首長)関係者は短い期間で部署が変わるのが日常。今回演習当事者として経験を積んだ人でも数年の内には関係ない部署に移ってしまいます。大人数を束ねるのが役所の仕事ではありますが、実態を考えると、小さい範囲での日常の訓練が最も重要ではないかと感じました。

いずれにせよ、こういう地道な活動で私たちの安心・安全な暮らしが守られていると思うと、頭が下がります。皆さん、どうもありがとうございます。そして、お疲れ様でした。

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