2008年10月19日

第56回北海道女性議員協議会(DIG・その2)

今回のDIG演習は、佐々木先生が普段行っているものとは若干違ったようです。DIGを使って「身の回りにある危険に気づく」というより、「DIGの手法を使った、まちづくり・人づくりの可能性」に重心を置いた講義でした。これは、私たち参加者が全て議員で、地元に帰って「防災」「まちづくり・人づくり」を企画し主体的に進める役目を担っているからなのだと思います。

佐々木先生はDIGを説明しながらも、行政と住民の様々なギャップ(行き違い)とその解消法について、お話しくださいました。
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◆これからは地域住民(住民力)を育てるソフトの時代
◆災害は誰の身にも平等に起きる。防災をテーマにすることで住民全員、地域全体が同じ土俵で考えることができる(→まちづくりに応用できる)
◆防災をハードとソフトの両面から考えなければならない。行政は今までハードに力を注いできた(建物の耐震基準、備蓄品等)

◆情報は広がりにくい。聴く側への配慮が重要。
 例)避難所では情報が次々流れてくる。聴く側は「聞き逃したくない」という心理が働き、トイレにも行くことができない。→ 案)時間を区切って情報を出す。経時的に情報を貼りだす。
◆今まで起きてないから、これからも起きないだろう(正常化の偏見)=人間の心理
 → この考えを修正するには「知識が必要」→ 自分のものにするために「訓練が必要」
◆今まで行政は「防災ハンドブック」等、配ったところで仕事を終えていた(ハード的作業)
 →(活用してこそ生きる)→ 活用の方法(やり方)を教える(ソフトの充実)

◆DIGを行うには、1班4〜5人、作業台は事務机がベスト
 (コミュニケーションがとれる人数、距離) 
◆DIG演習時の地図使用、注意が必要(著作権)
◆災害時本当に必要なものは何か?
 ・厚底の靴(サンダル)を寝室に:夜の災害に備えて。暗闇での危険と不安を除くため
 ・ダンボール箱と厚手のゴミ袋 :いろいろ使える。水も運べる。
 ・避難所(体育館)へは毛布より座布団:床からの振動・冷えは心身の疲労を増す
 ・「落ち着きなさい!」という声かけ:気づかずに気が動転している
 ・「3日分の食糧備蓄」は住民のマナー

◆DIG演習を終えて気づいたこと
【避難時】・ペットをどうする?:心の癒し←→共同生活
     ・連絡先を玄関に貼る
     ・ブレーカーは高い位置に設置されているので、高齢者には手が届かない
      (独居の高齢者に配慮。若者とのペアリングで対処)
     ・入れ歯、薬、生理用品、ベビー用品(世代によって必要なものが違う)
◆災害時要支援者になりうる人
 ・障がい者、独居の高齢者、寝たきりの人、妊婦
 ◎小さい子どもが沢山いる家庭
 ◎消防署職員・公務員等の家族(災害直後からしばらくの間不在)
 ◎昼間独居の高齢者
 ※災害時助けて欲しいか?欲しくないか? 町内会等でアンケートを取ることによって状況把握
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佐々木先生の記念講演(DIG演習)は、とても濃密な3時間でした。様々な「気づき」もありましたし「可能性」も見えてきました。地元の町内会や行政区でやってみたい!!

防災に関する知識があるのと、体験するのは雲泥の差だと思います。大がかりな避難訓練は経費も時間もかかりすぐには対応できませんが、DIGならば様々な状況設定や対象者を変えて何度もできると思いました。
『知識を補完するのが体験、それを自分のものにするのが訓練』

月形町は様々な施設が多く特殊な環境だと思います。災害時に緊急招集されるのは、刑務所・消防・役場・病院・老人福祉施設・福祉施設の職員。地域のグループホームで生活する障がい者も増えているので、その方達とのコミュニケーションも重要です。70歳以上の方が1,000人(人口の1/4)。

ざっと考えただけでも危機管理の重要性は高いのですが、実際に準備はできているのか? 疑問と不安が残りました。議員として、地域に住む者として、家庭の一員として、私にできることはたくさんあります。今回得たことを積極的に活用していきたいと思います。

2008年10月18日

第56回北海道女性議員協議会(DIG・その1)

2日目の記念講演会は、北海道教育大札幌校准教授 佐々木貴子先生による講演&ワークショップです。

佐々木先生は「防災の視点から まち育て、人育て」をしようと、DIG(ディグ:Disaster(災害)Imagination(想像)Game(ゲーム):災害図上訓練)の手法を用いて、まちの力を高める活動を積極的に展開しています。
道内各地で講演会を行い、それをきっかけにDIGによる防災に力を入れた自治体が数多く出てきました。例えば江別市・岩見沢市では消防を中心に、十勝管内や深川市では保健師さんが中心になって取り組み、「防災予防」を意識してまちづくり、人づくりがなされています。

今回の記念講演でもDIGをより理解しやすくするために、江別消防署から3名・岩見沢消防署から2名のファシリテーター(講習を受け取得した資格。DIGが滞りなく進むよう助言する役)の方々がボランティアで参加、DIG演習資材(地図、フィルム、マジック、付箋、シール、資料他)準備にもご協力いただきました。ありがとうございました。

さて、DIGの講演&ワークショップは以下のように行われました。
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【1. お誕生日ゲーム(アイスブレーキング)→ グループ分け 】

◆初対面の人達が打ち解け、その後のワークショップが円滑に進むように、コミュニケーションを取るゲーム
◆佐々木先生を先頭に(1月1日として)お誕生日順に右回りで並び、円を作る(佐々木先生が12月31日にもなる)。この時、会話はしない。身の回りのものを使ったり、ジェスチャー等で意思を伝え合う。
◆並び終わったら、最初の人から順番に自分の誕生日を言う(確認作業)
◆テーブルの数に合わせ順番に番号をかける。同じ数字の人が集まりテーブルに着く(グループ分け)
◆この一連の作業で全員声を出す機会が回ってくる。コミュニケーションしやすい雰囲気ができる。


【2. 災害シミュレーション】

◆グループ内で自己紹介
◆「あなたなら、どうする?」
 佐々木先生からの指示に従い、与えられた設定ごとに考えたことを付箋(ポストイット)にメモする。
 (1) 震度6の地震発生。直後の行動を3つ書く
 (2) 地震発生から3時間後の行動を3つ書く
 (3) 発生から12時間後、避難所に行くことになった。家を出るときにすることを3つ書く
 (4) 同じく発生から12時間後、避難所へ持っていくものを5つ書く
◆模造紙を4分割し、設問(1)〜(4)の場所を作る。各人の行動等が書かれた付箋を分類しながら貼り付けていく。同じ内容のもは重ねる、○で囲む等、グループ内で話し合いながら解りやすくまとめていく。
◆どのような考えが出てきたか発表(情報の共有。気づき)


【3. 地図上訓練】

◆地図の上にマジックで印を付けていく
 ・自宅(ピンクで塗る)
 ・避難場所(青。広場のようなところは青で囲い、建物があるところは塗りつぶす)
 ・病院(緑:一般病院は囲む。歯科は塗りつぶす)
 ・コンビニ、スーパー、食料品店(オレンジ)
 ・災害時要支援者のいる家に色別のシールを貼っていく
  (赤:妊婦、青:一人暮らしの高齢者、緑:寝たきりの人、オレンジ:障がい者・・・)
 ・交通渋滞が起きる交差点等に×印を入れる
◆自宅から避難所までのルートにマジックで線を引く(×印は通れない)
◆避難時の問題点を話し合う
 ・要支援者の介助は?

2008年10月17日

第56回北海道女性議員協議会(交流会)

総会に引き続き、交流会となりました。

交流会には岩見沢市議会 安田議長にご参加いただきました。安田議長は華やかな会場に吹き込む爽やかな風のようで新鮮でした。
また余興として岩見沢市在中のオカリナ奏者 斉藤かすみさんが、オカリナの澄みきった音色を響かせてくれました。途中、曲の解説と共に9月に演奏した「樺戸監獄物故者追悼式」の様子や月形町の歴史にも触れていただきました。思いがけないところで月形の話を聞くことができて嬉しかったです。

交流会ではどこのテーブルからも会話が絶えることなく、とても賑やかに経過しました。みな女性議員ということもあって今日の議案審議の議論の続きや、普段の議会での疑問や課題、揺れ動いている政局、これからの取り組みなど、少し耳を澄ますとあちらこちらから堅い話が聞こえてきます。みな真面目で真剣に議員の仕事に打ち込んでいる様子がこんな場面からも感じることができました。

さて、最後は「お楽しみ抽選会」。役員がそれぞれの自治体から持ち寄った特産物を景品に、各自治体のPRも兼ねて楽しく行いました。各自治体からの提供された特産品は以下の通り。それぞれの特徴が良くでていて、当たった人も大満足!

◆岩見沢市:キジラーメン(岩見沢名産キジ肉を使用。障害者支援施設「岩見沢清丘園」製造)
◆江別市 :寒干ラーメン(江別で取れた小麦を使い、江別で製粉、製麺したもの)
◆三笠市 :梅干し   (三笠市内にある道内最大の梅園「邦梅園」の梅を漬けたもの)
◆滝川市 :菜の花ドレッシング(滝川市名産のナタネ油を使ったドレッシング)
◆美唄市 :お菓子の詰め合わせ(美唄は菓子どころ)
◆長沼町 :トマトジュース&ミックスジュースの詰め合わせ
            (ミックスジュースはトマト・ニンジン・リンゴ入り)
◆南幌町 :キムチラーメン(特産のキャベツキムチから展開されたラーメン)
      瓶詰めセット(南幌特産の三升漬、南蛮みそ、ブルーベリージャムの詰め合わせ)
      ※キャベツキムチ(交流会の席でいただきました。辛くて甘くて美味しかった〜!)
◆栗山町 :手作りクッキー(農家のお母さん手作りの野菜入りサックリクッキー)
      きびだんご (味は3種類。プレーン、メロン、ミルク)
◆月形町 :トマトジュース(月形産桃太郎を使った自慢のトマトジュース)
      トマトゼリー (新作。凍らせてシャーベット状でなおさらGood!!)
      

第56回北海道女性議員協議会(総会)

いよいよ始まりました。8ヶ月に渡って準備したものの本番です。
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第56回北海道女性議員協議会は10月16日、17日の2日間、岩見沢市のホテル サンプラザで行われました。
大会のテーマは『女性の視点で変えよう まちづくり』
       〜つながりを深めるまち育て、人育て〜

この協議会は道内の道市町村女性議員(総数228名)が対象で、
1)超党派的立場で諸活動を推進し、女性議員の資質の向上を図る
2)各自治体ひいては北海道の発展に寄与すること
を目的に設立されました。

第1回大会は昭和27年札幌市で行われましたが、その時の女性議員は全道で7名だったそうです。今回は対象女性議員のうちの約3割、62名が参加しました。

大会の日程は以下の4部で構成されています。
第1日目 ・総会(議案審議)
     ・交流会
第2日目 ・記念講演会(DIG演習)
     ・オプショナルツアー(岩見沢市内施設見学)
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まずは総会の議案審議からです。

この議案は事前に参加者(提案者)から提出されたもので、総会の席で審議され、可決されれば国や道の関係各機関に提出することになっています。なお、可決には総会参加者全員が一致し賛成しなければなりません。参加者は超党派であり、道議から村議まで立場も環境も異なる女性議員なので、活発な議論が展開し時間も忘れるほど白熱したのは言うまでもありません。

今回は6本の議案が提出されましたが、審議の結果、以下の4本が可決されました。
1. 介護保険制度の改善を求める要望
2. 支庁制度再編の条例を撤回する要望
3. 原油高騰から住民のくらし・地域経済をまもる要望
4. 脳脊髄液減少症に関する要望
これらは役員会で形式を整え、それぞれ関係各機関に提出することになっています。

※ 昨年度の可決議案は、2008.3.27に昨年度の役員(旭川議員団)によって関係機関に提出されました。
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初参加だった昨年は審議中の議論や展開に圧倒され、何がなんだか分からないうちに終わってしまったという感じでした。しかし1年たった今回は、議事の進行にも慣れ、議案に対する事前準備もそれなりにできていたので、議論の展開を理解しながら参加することができました。

今回は役員として総会の司会を担当したり協議会の運営に携わったりと、一般参加者とは別の角度から協議会を見渡すことができました。昨年の圧倒された感じとは明らかに違い、「自分たちで作り上げた自分たちの協議会」という地に足のついた感覚を得ることができ、この経験が私の血となり肉となるのを実感しました。

今回の役員は3人の常任役員(会長:平出陽子道議、副会長:高本みさ子根室市議、荻野節子浦河町議)の他、開催地の岩見沢市から副会長:山田由利美市議、理事:酒井和子市議を中心に、江別市議会から3名(鈴木真由美市議、高橋典子市議、吉本和子市議)、砂川市議会から2名(中江清美市議、吉浦やす子市議)、滝川市議会から2名(大谷くみ子市議、窪之内美知代市議)、美唄市議会から吉岡文子市議、三笠市議会から岩崎龍子市議、栗山町議会から重山雅世町議、長沼町議会から吉本テツ子町議、南幌町議会から熊木恵子町議、奈井江町議会から笹木利津子町議、浦臼町議会から折坂美鈴町議、そして月形町議会から私、宮下裕美子が参加し、総勢20名(15議会)となりました。

2008年10月13日

平成20年度 町民歩け歩け大会

雲一つなく爽やかで、本当に秋らしい気持ちの良い今日、体育の日の午前中、町民歩け歩け大会(月形町体育協会主催)が開催されました。天候の良さも手伝って参加者は約120人(例年の3割増)。高齢の方から子供たち、グループホームで暮らす障がい者の方たちなど老若男女が参加、「誰もが参加できる体育のイベント」として大成功だと思いました。

さて、この「町民歩け歩け大会」を少し紹介します。
歩くコースは皆楽公園の排水機場を出発点に、市街地を通って円山公園をぐるっと回ってまた排水機場に戻るもので、約6kmと約9kmの2コースが用意され、参加者の希望で選択できます。この大会にユニフォーム姿で参加した月中野球部の子供たちは、トレーニングの一環で強制的に9kmコースへ。「大変だ〜」と言いながらもとても楽しそうでした。

コースの途中には15のチェックポイントが設定され、それぞれにクイズが用意されています。その答えを集めるのも大事なルール。オリエンテーリングの要領です。

そしてゴール地点では「豚汁とおにぎり」が参加者に振る舞われます。
みんなそれを楽しみに(?!)さあ、ガンバレ〜〜!!

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