2009年01月03日

私は月形が好き! それは・・・

最近の日本社会を見回してみると、経済は先行きが見えず、実体経済よりも精神的にあおられて不況に向かっているような気がします。政治もしかり。思惑や想像が勝手に一人歩きし、世の中を動かしているかのように見えますが、実際は何も動いていない・・そんな空虚な感じです。

バブル以降(それ以前からかもしれませんが)、物事の価値がイメージや発想などにばかり重きを置くようになってしまったと思います。イメージや発想が大事なことは私もわかっていますし、重要だと理解していますが、それらを「形」にしなければ真の評価は得られません。実体の行動や生産とイメージや発想が互いに結びついてこそ価値が生まれると思うのです。

月形町は北海道の田舎町です。ちょっと前の景気の良いといわれていた時期も、さして良くはありませんでした。そして今「100年に一度の未曾有の時」といわれていますが、それほどのダメージは現れていません。もちろん倒産や減収などもあります。しかし、餓死したり、明日に絶望して自暴自棄になっているとは聞きません。昔ながらの心のふれあいや助け合い、地縁や血縁、知恵や知識、そして食糧を生産できる土地と地に足のついた生活、つまり「豊かな風土」が存在しているからです。
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私は山が好きです。登山というには恥ずかしいのですが、登山道が整備されたような普通の山に登るのが好きです。山の景色はとても素晴らしく、そこに行けば五感でその全てを感じることができます。これは説明のしようがなく、体験したことのある人にしかわからないでしょう。

この山登りの感動は、歩幅1m足らずの自分の足で積み重ねていって初めて手に入れることができます。こんな歩き方で、こんな一歩で、いつになったら目標に到達できるのだろうかと不安と投げ出したい気持ちに駆られることがあります。それでもふと振り返れば、着実に登ってきた道が見え、周りの景色は変化していたと気付きます。そしてまた登り始めると、いつの間にか別天地にたどり着いているのです。

思いを成し遂げるために、自分の身体を使って、着実に到達できる「山登り」。こうして山に行くと、心が満たされます。

これと同じことが、この月形の暮らしの中には存在します。「豊かな風土」がそう感じさせるから、私は月形にひかれ、守りたいと思うのでしょう。
地に足のついた生活は、自分の身の丈以上のものを与えてくれない変わりに、それ以上のものも奪いません。想像や思惑の入り込めない、実体がここにはあるのです。

私は月形が大好きです。

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