2010年05月11日

産業建設常任委員会(2010.5.11)

今日の午前、委員会室にて産業建設常任委員会が開催されました。今回の調査内容は以下の通りで、所管は産業課です。

左の写真は役場横にある樺戸博物館の正面風景。春の芽吹きの中で、歴史を刻んだ風格を漂わせています。その前にあるのが今にも咲きそうなキタコブシ(右下の写真)です。例年より10日ほど遅れていましたが、いよいよ開花の時を迎えました。
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『公営住宅の建て替えの現状と住宅需要について(人口動態から見た住宅需要)
                          〜住宅マスタープラン〜』

1.公営住宅の建て替えと現状

 ・平成元年月形町営住宅審議会の答申を受け、
  公営住宅建て替え計画を作り、平成3年より実行
 ・平成14年までに155戸を建設、現在までに125戸を用途廃止
  (平成21年度末の管理戸数:218)

 ・建設された住宅の区分(建設整備事業別区分)
   ○公営住宅整備事業    :84戸(一般世帯向け住宅:すずらん団地、他)
   ○特定公共心態住宅整備事業:54戸(若年単身者向け住宅:こすもす団地、他)
   ○町営住宅整備事業(単費):17戸(中堅所得者向け住宅:さくらコーポ2F、他)

2.評価・・・住宅環境及び生活環境の水準は向上している

 ・住民ニーズに適応した様々なタイプの住宅建設
   高齢者向け、中堅所得者向け、若年単身者向け、福祉的住宅(オール電化)
 ・近代建築基準などによる住宅性能及び住環境の向上、および老朽化団地の解消
   ○水洗化 ○給湯化 ○高気密化 ○高断熱化 ○バリアフリー化
 ・教職員住宅の活用
   学校の統廃合により余剰となった教員住宅を町営住宅に移管

3.住宅需要

 ・管理戸数218戸(うち政策空き家2戸)は全戸入居
 ・待機者状況
   ○総数28名・・・町外待機者6、町内住み替え待機者22
 ・少子化により人口は減少しているが、高齢化などにより世帯数はさほど減少しない
   ○平成17年度に予測した人口推計より、現在の人口・世帯数とも減少は小さい
   ○高齢者向け住宅への住み替え需要あり(持ち家の維持管理困難)
 ・住宅需要は市街地区にある(今までは地域活性化をめざし分散型の配置)→ 供給手法の検討

4.月形町営住宅総合整備(ストック活用)計画=月形町住宅マスタープラン

 ・計画期間は平成18年〜27年(10年間)、構想機関は平成18年〜37年(20年間)
 ・現在218戸だが、老朽化住宅の用途廃止により平成37年の目標管理戸数は180戸
 ・今年(平成22年度)入居者ニーズや社会状況を考慮し、見直し(計画策定後5カ年経過のため)

5.平成22年度の整備状況

 【高齢者向け町営住宅建設事業(さくらコーポⅡ)】
  ・総事業費:6,000万円(うち地域活性化・経済危機対策臨時交付金 3,810万円)
  ・木造2階建て 1棟4戸(1F:1LDK×3戸、2F:2LDK×1戸)
  ・建設工期:平成22年3月24日〜9月30日
  ・建設費(契約金額):4,651万5千円 福井建設

 【市街地団地整備建設事業(仮称市北団地)】・・・福祉センター跡地
  ・総事業費(2棟分):7,260万円
            (うち地域住宅交付金事業 3,260万円(基準額×45%補助)
  ・木造平屋建て 2棟4戸 (2LDK+3LDK)×2棟
  ・予定工期:平成22年7月〜年内完成

6.その他

 ・民間住宅も空き家が少ない状況 → 年度初め(移動時期)は不足
 ・民間賃貸住宅建設は平成18年度1棟4戸の新築が最後
 ・定住化対策住宅建設費補助制度の活用促進として、
  障害者自立支援法に基づくグループホームも民間賃貸住宅として扱うことも今後の検討課題

[質疑応答]
Q 住宅建設に地域福祉計画が反映されていないようだが、どうなっている?
A この計画は平成18年開始なので計画時には含まれていなかった。
   今年度見直しを行うので、反映させていきたい。

Q 住宅需要予測(ストック活用計画)と現状(年度当初に不足)にズレがあるのでは? 
A 待機者もいるが多くは住み替え需要。過度な供給は×
  予測の数字や住民ニーズの捉え方等、変更も考えて進めて行きたい。

Q 町営住宅と民間住宅を総合的に考える必要あるのでは?
A マスタープランでは共存を考えている。

[意見等]
●高齢者が増えているのは現実。地域福祉の視点は重要。
●高齢者の市街地への集団移住も検討課題(住宅問題だけでなく、ケア=福祉の観点からも)
 モデル地区があってもいいのは?(白樺団地はバランスのとれた団地)
●子どもと一緒に住まない高齢者(=独居高齢者)への対応必要。
 状況を受け入れ、対応をした方がいいのではないか。
●独居高齢者の持ち家をどう対処していくのか → 今後の課題
●住宅政策には様々な視点(高齢者、障害者、福祉で働く人の定住化、他)で考える必要ある。
 月形町の場合、【福祉】がキーワードになるのでは。
●福祉関係のニーズは今後減ることはないであろう。
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住宅建設は多額の費用をようするため慎重にならざるを得ませんが、「住」は生活の基本であり、地域への愛着の第一歩でもあります。所得が上がらず、個人の住宅建設が難しい現況では「公営住宅」の役割は非常に重要です。ニーズがどこにあるのか、固定概念を捨てて素直に現実を見極める目も必要だと感じました。

特に高齢者の住宅問題は今後の課題として大きなウエイトを占めると予想できます。単なる住宅問題としてだけでなく、福祉の問題(介護の必要性、グループホームや老人施設との兼ね合い)とも絡めて検討する必要があり、今までより一層(行政の中の)横の繋がりが重要だと認識させられました。

月形町の今後は【福祉】が重要なキーワードになることを再認識した、産業建設常任委員会でした。

2010年05月08日

農政の問題点(口蹄疫からの考察)

宮崎県を中心に口蹄疫が拡大している。

現場で懸命の対策がなされても終息する気配なく、むしろ拡大している。5月7日現在で43例の疑似患畜が確認され、処分頭数(豚・牛等)は計5万8876頭にもなったとのこと(農水省HPより)。
現場では患畜・疑似患畜が出た農家はもちろんのこと、そうでない農家も精神的に追い詰められているだろうし、蔓延を防ぐために活動している関係者も息つく暇もないと思う。想像することしかできないが、居たたまれない気持ちになる。

しかし、これ程ひどい状況になっているのに報道は少なく、農水大臣の会見がないのもどうか。

移動や取材に規制が引かれているのは充分理解できる。でも状況報道は出来るのではないか! 
風評被害を防ぐためにも、蔓延を防ぐためにも、そして現場で頑張って対策している人を励ます意味でも、現場の状況を全国民が理解することは必要だと思う。知ることで協力できることもあるのではないか。

また口蹄疫が終息したあとのことを考えれば、消費の拡大が関係者への何よりの手助けになると思う。そのためにも関係者が懸命に努力している現状を伝え、広め、理解して貰うことは重要に思う。現場に行けなくても、映像がとれなくても、農水省やマスコミに出来ることはたくさんあるはずだ。
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口蹄疫は感染力が強く伝播方法も明解でないため、疑似患畜は全て殺処分される。1頭でも症状のある家畜が存在したら、その農家の全ての家畜を殺処分しなければならない。それは口蹄疫(伝染病)の蔓延を防ぐためには必要で有効な手だてではあるけれど、農家の心情を考えると本当にやりきれない。

実際に、ある農家では5032頭の豚を飼育していて、口蹄疫の陽性反応が出た豚はたった1頭だった。それでも全ての豚を殺処分しなければならない。飼育している豚の中には種雄豚(父豚)や繁殖豚(母豚)も数多く含まれていることから、今まで何年もかけて育て上げた優良な遺伝子までも失うことになるわけで、殺頭数以上に被害が大きいように思う。
またこの地域は養豚が盛んであり、5000頭以上も飼育している養豚農家が数多くある。今回の場合、大規模になればなるほどリスクを抱えることになってしまった。

現在の農業は(畜産に限らず)「効率化と収益性」の追求から「大規模化」や「単一化」へと導かれてきた。農地の集約化や大規模農家へ手当、所得補償制度など、様々な手段で。それとあわせて共済等リスクに備えた仕組みも作られている。

しかし、共済や保障だけでは全ては解決できない。

口蹄疫で損害が出た農家に損失分(殺処分した家畜から得られたはずの利益)の何割かが補填されたとしても、その遺伝的な価値が保障されるわけではない。農家はまた一から事業を興すことになる。その気力と労力を考えると、大規模ゆえのリスクの高さが際立って感じられた。

もし農政が「農業の多様性」を認め、「リスクの分散」に目を向けていたら・・・

農業は自然相手の職業である。口蹄疫のような病害の猛威も受けるし、気象の影響も大きい。人の力で対処できる部分は、実は少ないと言える。そう考えると「リスクの分散」が大きな課題に浮上するのではないか。
小規模経営、多種多様な作物や生物を混合生産する複合経営、究極のリスク分散としての兼業農業・・・効率的でなく、今の時代には合わないとされた形態だが再考する価値があると考える。
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口蹄疫対策が功を奏して、早急に終息に向かうように願っています。
どうか早く終わりますように。

2010年05月06日

普天間基地移設問題における議員の役割

普天間基地移設問題は、「5月末までの決着」という期限まで1ヶ月を切って混沌としている。

日米の外交問題・防衛問題、諸外国との地理的条件、地元沖縄の生活・安全問題、日本全体における負担の不均等、歴史的な問題・・・と、『普天間基地移設問題』を取り巻く様々な側面があり、またそれぞれの立場における『正義』が存在している。

私のような中途半端な情報しか得ていない者がこの問題について考えを述べるのはおこがましいが、「もし私の住む月形町に米軍基地が移転するとしたら」と仮定して、議員の役割を考えてみた。
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月形町に米軍基地が移転するとなれば、まずは大規模な反対運動が起きると思う。それは沖縄で過去から現在まで続く数々の事件や事故を知っていれば当然のことだと思う。
こうなった時、私は町議会議員の役割として町民の意思確認をするだろうし、その意思を持って様々な活動をするだろう。(しかしこの時、自分の意思は反映できるのだろうか・・・)

これに対し、道知事はどう対応するか・・・。
「道民(月形町民)の意思を尊重し、道内への移設は受け付けない!」と突っぱねるか、
「沖縄県民の負担を減らすためには、誰かがそれを担わなければならない。道民(月形町民)の心情は理解するが、国(道)全体を考えて受け入れて欲しい。」と地元心情に理解を示した上で要請してくるのか。
どちらを選択するかは知事の判断であるが、その時に道議会議員はどの様な対応をするのだろう?

  自民党議員は同じ党の知事の選択を擁護するように動くのか?
  民主党議員は政権与党として、政府の意向を推し進めるのか?
  地元空知選出の議員は「地元側」の発言をするのか、「道側」の発言をするのか?

そして国会議員。
北海道は民主党議員が大部分を占める状況で、それぞれどの様な立場で発言するのだろうか?
地元選出の国会議員は民主党だが、その議員の発言は・・・
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この仮想状況と、沖縄の現実(既に基地を抱え、移設先も県内になろうとしている状況)とは全く別で、沖縄県議会議員や沖縄選出国会議員の発言を単純に比較や参考にはできない。しかしながら、その他大勢の当事者でない国会議員の「言動」や「姿勢」は参考になる。

皆「総論賛成、各論反対」で、議員としての主軸がどこにあるのか解らない。

政府や民主党が右往左往している状況で、自民党はうかうかしていていいのか?
もしこの件が頓挫し政権がひっくり返った時、次の政権を担う党はどこに落としどころを求め、どのような態度に出るのか?
今は批判ばかりで「代案」は見えないけれど、すぐ次は自分の番ではないのだろうか?
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国会議員は「国」全体の、都道府県議会議員は「都道府県」の利益に従って答えを導き出すのではないか。例え地元が反対したとしても(もちろん賛成したとしても)、それぞれの立場で「正義」があるとすれば、そういう行動をとることが議員の役割だと、私は考える。

もちろん「正義」には色々ある。
普天間基地移設問題にしても、そもそも米軍基地が日本になければならないという前提だから移転も必要になるが、それさえもいらないという論理があってそこに「正義」が見いだせたなら、移転でなく撤去もあり得る。

結局の所どの様な立場にある議員であっても、常に判断を迫られる政治家は「自分の進むべき道」とその先の「正義」を示し続けていかなければならない。その姿勢が政治家としての必要条件であり、役割なのだと思う。

もし自分の「進むべき道」と「正義」が時代に合っていなかったり、住民に理解されなければ、次の選挙で落選し「議員の役割」から外されるだけのこと。落選した人の道や正義では「議員の役割」を担えないと判断されただけのことだと思う。


2010年05月03日

この時期の仕事は・・・農作業(定植と草取り)

今日は議員活動から離れて。

ゴールデンウィークまっただ中ですね。役場もお休みなので、公的な議員の仕事もほとんど無いこの期間、私は農作業に精を出しています(我が家は切り花生産農家)。

ここ最近の仕事は、お盆用輪菊の定植(育てた苗をハウスの中に植え付ける作業)と、苗床の草取りです。写真はハコベ(雑草)に覆われてしまった小菊の苗を救出しているところ。3週間前にも1度草取りをしているのですが、生育旺盛なハコベは陽光と気温の上昇を受け、取り残した小さな芽から巨体を作り上げていました。

小菊の苗は摘芯(成長点を摘んで脇芽を育てること。1本の苗から数本の切花を採ることが出来る。)してあるので、小さな脇芽が育ち始めています。その脇芽を欠かないように株間に慎重に手を入れ、ハコベの根までしっかり抜き取る作業はかなりの集中を要します。でもこれが快感!!
 
無心で目の前の課題に取り組める至福のひとときです。

「無心」と言いつつも、身体と頭は意外にも切り離されているんですよね。
そんなわけで農作業のお伴はラジオ。時事ネタから人生相談、川柳や流行曲まで、結構情報通です。一緒に作業しているパートさんと笑ったり、文句言ったり、考えたり。
思考を巡らせるにもいい時間・・・今月末に迫ったシンポジウムのテーマを思案したりして。
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農業をしていると必然的に視野が広がります。農作物を作るだけでなく、稼ぐことも考えねばならないし、政治にも翻弄されるから。

大変なようで実に楽しい。新たな課題は目の前にゴロゴロ。日々変化。
終わりがないから楽しい。終わりがないと言っても、毎日ちょっとした達成感は与えてくれる。
身体はきつい、けど楽しい。生きているんだなあ、身体を使っているんだなあと実感できる。
自然を全身で感じられて楽しい。風の匂い、空気の重さ、太陽の力、鳥のさえずり、虫の変態、水の潤い、雲の流れ、月の満ち欠け、星の瞬き・・・

農業を始めて良かった。
農業のお陰で自由に発想できるようになった。
農業のお陰で「繋がり」の大切さが身にしみた。
農業のお陰で自分に自信が持てた。

2010年05月01日

融雪期の須部都川(大水注意)

5月の声を聞いて、いよいよ暖かくなってきました。と言っても最高気温は10℃前後、まだ平年より3℃ほど低く、10日〜2週間ほど遅れていますが・・・。

とは言え、ここ数日の雨とプラスの気温で山の雪がずいぶんと融けたようです。須部都川には雨水と雪融け水が一気に押し寄せ、大水が出ていました。
 
写真左:今日の夕方撮影。 写真右:10日前に撮ったもの。

いつもの川筋は柳の木が並んでいるところ。うねうねと蛇行し、川幅は3〜5mくらいでしょうか。その縁から堤防までは牧草地となっていて、水に浸かることはそう滅多にはありません。

もっとも、写真を撮ったこの場所は、石狩川との合流地点から約1km、須部都川を遡ったところ。石狩川の増水の影響を受ける地点でもあります。今日は午前中、石狩川の上流部(上川や空知北部)で洪水警報や注意報が出ていたので、その影響もあったかも・・・。

とにもかくにも、湖面のように水をたたえた風景はこの時期ならではのもの。警報が出るほどの大水は勘弁ですが、今日の様な光景は『春』を感じさせる風物詩です。

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