2010年11月16日

(社)北海道中小企業家同友会・南空知支部11月例会

11月15日(月)岩見沢市民会館「まなみーる」で(社)北海道中小企業家同友会・南空知支部の11月例会が行われました。会場は50名近い参加者でほぼ満員。(テーマの関係で)普段の例会より農業関係者が多かったようです。

今回のテーマは『これまでの農業、これからの農業!』、報告者は長沼町在住の駒谷伸幸氏です。駒谷氏は農業法人駒谷農場の代表理事会長であり、長沼町グリーンツーリズム運営協議会会長等たくさんの役職に就いている他、過去には、ながぬま農協組合長や食料・農業・農村政策審議会委員等、様々な場面でキーパーソンとして活躍している方です。

駒谷氏の報告は、穏やかながらとてもハッキリとした口調で進められました。「私が語るのは自分で経験してきたことだけです。」と言うように、旺盛なチャレンジ精神のもとで積み重ねられた経験とそれを基に組み立てられた思考は非常に論理的で、明解かつ自信に満ちていました。2時間があっという間に過ぎ、質問時間が足りないほど。とても有意義な時間でした。
(実はその後の懇親会にも急遽参加し、駒谷さんの行動原理をじっくり伺いました。共感することも多く、これからの行動の導として大きな力をいただきました。駒谷さん、同友会のみなさん、ありがとうございました。)

さて、私の印象に残った内容を以下に記します。仕事柄農政に関わる部分の記載が多いかもしれません。
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『これまでの農業、これからの農業!』
           報告者:農事組合法人駒谷農場 代表理事会長 駒谷伸幸氏

■人との出会いこそ人生(駒谷氏の考え方の基本)
・人ひとりの力はそれほど変わらない。人と出会い、繋がりで広がっていく。差がつく。
・発展のためには、信頼できるパートナーを探し見つけること。たった一人で良い。
 あとはその人に紹介してもらうことで広がっていく。類は友を呼ぶ。

■これまでの農業【農業政策の変遷】
[戦後の農政]・増田(昭和44年に減反政策が始まっても増田は続けられた)
       ・食糧の管理=食糧管理法(農協を中心にして、農家に農家を管理させる方法)
       ・品種改良、技術改良の推進
        (戦後すぐの収量 4俵/10a → 40年後には 8俵/10a)
       ・国民の6割が農業者 = 政治力があった
   ↓
 ○農家や農業団体は政治圧力を使い、米余りであっても米を作り続けた
 ○米価運動(生産者米価の引き上げ)により、生産者と消費者の対立を生む
   ↓
 ◇高度経済成長により生活が豊かに
 ◇他産業へ人口流失 =農業人口の減少(現在、人口の2.3%)→ 政治への圧力を失っている

[現状]・本来味方にすべき人達(消費者・国民)を味方にしていない
    ・農家に補助金を出す(税を使う)ことに国民は反対している

■農家と農業団体との関係
[販売]・販売が最も難しい
    ・農家は販売を農協にまかせてきた。このことから問題が起きている
      (農家は)消費者が何を求めているのか解らない → 自立ができない
    ・売ることはエネルギーを使う
      自ら販売 → 消費者ニーズに合うものを作る → 自立した農家が育つ
    ・販売活動とは「想い」を売ること

[有利販売をするために]
○作らない権利・・・売れないものを作らない。売れるものしか作らない(計画生産)
        ・農産物は収穫した時が最高の状態。時間の経過とともに悪くなる
          → 作ってしまったら、安くても売る方がいい → 足元を見られる
○北海道からは原料を出さない・・・加工することで売価も上がり、雇用も確保できる
○流通経路の簡略化・・・日本の農産物流通は外国に比べ複雑(平均 7段階)
          ・消費者の購入価格のうち、生産者の手取額は25%
           (道産農産物の場合は手取20%・流通コストが余計にかかることによる)
          ・生産者がパッケージまでして小売業者に卸せば、流通経路を簡略化できる
           (駒谷氏は生産業、倉庫業、卸業、パッケージまでを行い、
            生産した全ての農産物を全て自分で売っている。28年かかった。)
○有機農業・・・日本は国土・気候が良く、化学肥料がなくても米4俵/10aは収穫できる
                          (戦後すぐの農業で実証されている)

■これからの農業
○価格維持を前提とした農業政策 → 価格に連動しない直接支払い制度
 ・民主党政権下での戸別所得保障制度とは発想の根本が違う
 ・現在、価格維持(農産物を高い価格で消費者が買う=消費者が負担)で農業を支えている
  → これからは、納税者負担による農業の維持
  (自由貿易で国産農産物価格は海外産と同水準まで下げる。基本の所得は税で補填)
 ・農産物価格に関係なく、農業者にも他産業と同等水準の所得を
  (現状では米農家の時給は230円台。農業生産を続けるには1俵1万2千円は必要)
 ・EUの場合、農家所得の8割が税金
  (世界で行われている農業政策を調査し、消費者にも情報開示を。消費者を味方にする。)
 ・農業の機能(国土管理、環境対策)と個人では対応できないもの(物価、天災、自由貿易)
  に対し、税で保障する・・・諸外国はGATTに影響しない範囲で自国の農業を守ってきた

○生産者・小売業者・消費者が3者得になる方法
 ・小売りには平均30%の経費がかかる。これを削るのは難しい。
 ・小売店に卸す場面で価格を20%下げる努力をする(流通の簡略化などで対応可能)。
  その20%を小売業者と生産者で分かち合えば、お互いに連携するメリットが出てくる。
 ・スローフード運動には対立の構造がない。
  (地域の気候・風土にあったものを食べられることは消費者にとっても利点がある)

○農業団体の問題・その他
 ・今まで農政に関わる会議には、農業者の代表(=農協の代表)として全農トップが参加してきた
  しかし、農業者の代表としての発言ではなく、組織を守る発言に終始。
  最近になって組織の代表でなく、農家個人が公募や推薦で参加するようになった。今後も重要。
 ・農協にも国の会計検査を入れるべき。農協組織は「守るべき対象」より大きくなった。
 ・農協はいかに原点に戻れるかが重要。
 ・今までの農業対策は直接農家には支払われていない。
  ライスセンターの建設等では補助金が下りるも、半分は農家の手出し。
  結果として償還金や固定資産税により、農家の支払額は増加した。

○グリーンツーリズムについて
 ・長沼町では6年目を迎えた。人気が高く、受入を断ることもある。
  今年は 33校 6,000人(宿泊 25校 4,500人、他には農業体験のみ)
 ・現代の子どもの母親は既に包丁を持たない世代。家庭での食文化の伝承は難しくなった。
  子どもの頃からの食文化・食生活が身体になじんでいく。 → 食育基本法の制定(原点)
 ・農家では後継者がいない=子ども部屋が空いている・・・ここに都会の子ども達を受け入れる
  (受け入れに際し、絶対に投資はしない。今あるものを工夫して、自然に)
 ・子ども達をお客さん扱いしない。『都会の孫や子どもが田舎に遊びに来た』と考える
  自分は『北海道のお爺ちゃん、お婆ちゃん。母さん、父さん』になろう!
 ・農業体験に全くメニューはない。その時やっている作業を孫に手伝ってもらう感覚。
 ・共同炊事が原則。また食材は町内で取れたものをできるだけ出すようにしている。
 ・余裕を持って接することが大事。忙しい時には受け入れない。
  受入側は毎回のことであるが、子どもにとっては『一生に一度』のこと。『人との出会い』
 ・行政や農協、町内業者、地域も協力。受入は1日1校のみ、町内無線で全町に連絡。
  町民が子どもの姿を見た時に気軽に声かけ。町全体で受け入れている雰囲気。
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駒谷さんは既存の組織や考えにとらわれず様々な提言や行動をしてきましたが、そのことで相当の軋轢があったことはすぐに想像できます。しかしそれでも信念が揺るがなかったのは「人の気持ち」を大事に思っているから。物事の判断の根本に「儲け」「名誉」などの「欲」がないからこそ、多くの人が心引かれ集まってくるのでしょう。
(駒谷さんの経営や役職変遷を一見すると、商売に長け・出世欲も強いように思うかもしれませんが、それらは結果としてついてきたものだと私は思います。判断の基準はそこにはないと感じました。)

「信頼できるパートナーを1人でいい、見つけることだ。」「類は友を呼ぶ。」

誰が信用に足る人なのか、こちらの審美眼を試されています。最善のパートナーを見つけるためには、自分自身も磨き続けなければなりません。その努力を重ねることで結果がついてくるのですね。


この日、同友会例会のあとの懇親会を終えて家路を急ぐ途中、あまりの美しい光景に車を止めて写真を撮りました。それが左の写真。月形大橋です。前日からの雪で辺りは白一面になって光を反射しています。夜遅い時間で車の通行もなく、雪が音を吸収してシーンと静まりかえっていました。

この月形大橋は石狩川に架かる町境の橋ですが、この北側には新しい橋が建設中で、あと2年もしたら取り壊されてこの光景も見られなくなります。
この美しさに出会えたのも一期一会。
この時、未来へ続く「希望の架け橋」のような感じがして・・・何だか心が騒ぎました。

2010年11月10日

月形の晩秋風景

今日は低気圧が発達した影響で、ラジオでは朝から
「暴風警報が出ています。強風に注意してください。」
「札幌は風も雨も強いです。気をつけて、いってらっしゃい!」
と何度も呼びかけていました。が・・・月形は夜が明けてからは雨もなく、午前中は風もほとんどなくて時折晴れ間も見える青空。

冬になると決まって現れる天候。

北風の時は札幌で雪、でも月形は晴天。
西風の時は札幌は晴れ、で月形は大雪。

地形の影響でたった50kmしか離れていない土地でも天候が違ってきます。それが如実に表れるのが、冬。間もなく本格的な冬なんですね。

そんな晩秋の晴れ間、月形の風景を写真に納めてきました。

右上の写真は、圃場近くのタモの並木。昔ハサガケ(刈り取った稲を竿にかけて天日干しすること)の竿をかけるために道端に植えたものとか。今はハサガケすることもなく、ただただ大きく育っています。もう老木なので強風で倒れるものもちらほら。
風当たりが強いので冬支度も進んでいますね。

左の写真は松(たぶんアカマツ)の実。今は空き家になってしまった近所の庭木。枝先には鈴なりに松ぼっくりがついています。
この木の隣にはトドマツもあり、いつもどこからか野鳥の鳴き声がしています。とても良い休憩所であり、隠れ家なんでしょうね。

最後の写真は円山。中央の黄色いモニュメントは、円山頂上にある月の形の展望台。今年の春に周辺の木々を整理して展望がきくように。お陰でこちら側からも展望台が確認できるようになりました。

その手前の濃緑の林は「北限のスギ林」。この季節になると周辺とのコントラストが際立って、図らずも月形の歴史が思い起こされます。遠い故郷に思いをはせる気持ち、よくわかります。
ちなみに、右手奥の白い建物が月形町役場です。

こんな穏やかな日もあとわずか。真っ白な世界が来たら、またお知らせします。

2010年11月09日

平成22年度 南空知国保運営協議会委員等合同研修会

22kokuhoyuni3.jpg10月28日午後、由仁町の健康げんきづくり館で南空知5町(栗山町、南幌町、長沼町、由仁町、月形町)の国民健康保険運営協議会委員と町職員事務担当者の合同研修会が行われました。月形町からは委員3名と事務局1名の計4名が参加、全体では40名ほどの研修会となりました。

研修は講演が2つ。1つ目は国保連合会の事務局長・大原氏によるもので今年で3年連続となります。もう1つは道職員国保担当から(写真)。いずれも現状制度の説明が中心でした。

22kokuhoyuni4.jpg研修会開始前の時間を活用して、会場の「健康げんきづくり館」と棟続きの由仁町介護老人福祉施設「ほほえみの家」の視察が行われました。「ほほえみの家」は特別養護20床、ショートステイ10床。もともとショートステイを主体にして約10年前に開設され、その後一部を特養部門に切り替えたそうで、2〜4人部屋が中心でした。今年度から指定管理を導入しています。

現在、「ほほえみの家」と道路をはさんだ隣接地に、民間の福祉法人が特別養護70床の施設を建設中です。これが完成すれば地域のニーズに概ね応えられるのではないか、それでも今後の高齢社会を見据えた時にはまだまだ充分とは言えない、とのことでした。
今後のニーズ把握と財政的負担、様々な視点から福祉は進めなければならず、悩ましい問題です。

さて、講演内容で注目した点を以下に記載します。最後に私の感想と意見も。
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『国民健康保険を巡る諸情勢について』
             北海道国民健康保険団体連合会 事務局長 大原幸雄氏

■ 社会保障給付費の推移(国全体としての傾向)
・国の社会保障給付費総額は年々伸び続け、平成21年(予算ベース)には99兆円に達した
・給付費の内訳:年金5割、医療費3割(年金の伸びが大きい。医療費も若干の伸び)
・この給付費を賄うため、保険料(個人や事業所の支払い分)で約6割、公費(国や地方)で約3割
  などの組み合わせで支出する。
・社会保障に対する国庫負担は25兆円を越えている。これは一般歳出の48%に当たる。
◎スウェーデン、仏、独、英、米との比較では、社会保障給付費と国民負担率はほぼ比例。
  ○高い順に スウェーデン > 仏 > 独 > 英 > 日 > 米
  ○日本の特徴:高い高齢化率により、年金・介護の割合が高い
         (ただし、福祉全般に対する支出はかなり低い)  

■ 国民健康保険の現状 
・年齢構成:0歳〜64歳(若年〜生産世代)の加入者は年々減少
      65歳〜74歳(他に比べ医療費が高い世代)は増加し、平成20年度で約3割
     (75歳以上はもっと医療費が高いが、後期高齢者保険により除外)
・加入世帯の状況:所得なし〜年収200万円未満の加入者が大部分を占める
・市町村国保の保険料(税)収納率:平成20年度現年度分の全国平均 88.35%

■ 平成22年度 国保制度の見直し(抜粋)
・市町村国保の運営の広域化 → 都道府県による広域化等支援方針の策定など
・市町村国保の保険料のあり方の見直し → 賦課限度額の引き上げ(59万円→63万円)
 ※国保の賦課限度額は、社会保険に比べ低い(例:協会健保 93万円)。今後も上げていく。
  ただし、中間層の負担は大きい(同所得の場合、社会保険の約2倍の負担)

■ 新しい高齢者医療制度(後期高齢者医療制度の廃止後の展開)
・現行の後期高齢者医療制度は都道府県単位、個人として加入
 (一般の国保は市町村単位、世帯が加入)
・後期高齢者医療制度は廃止し、
 平成25年度から新制度創設の見込
・新制度では75歳以上もそれまで加入していた保険(国保や
 被用者保険)にそのまま加入。ただし、74歳以下は市町村
 単位の財政運営、75歳以上は都道府県単位の財政運営
 (国保=保険料は世帯主からの徴収 → 滞納増の可能性から、年金天引き継続の考えもあり)
・将来的には、国保部分は全年齢を対象にした都道府県単位の財政運営にする

【課題】・都道府県単位の財政運営対象を75歳以上のままか、65歳以上まで引き下げるか
    ・都道府県単位の運営主体をどこが担うのか(現在、都道府県の多くが受け入れに反対)
     市町村との事務分担をどうするか
    ・医療保険制度間の財政調整をどうするか。被用者保険間の具体的な按分方法は?
    ・公費負担のあり方は?
    ・新たな特定検診等の推進方策は?(現在は後期高齢者支援金の加算・減額で対応)
    ・前期高齢者(70〜74歳)の患者負担をどうするか(現在は暫定措置で1割負担)
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『北海道の国保の状況について』
        北海道保健福祉部健康安全局国保運営グループ 主査(調整) 小林秀己氏

■ 広域化に向けた取り組み
・国保の広域化は、市町村合併や広域連合制度
 (全国に4つ、うち道内3つ)により実施されてきた。
・平成17年度の国保法改正により都道府県調整交付金が創設
 され、都道府県の役割と責任を強化
 (広域化に向けた第一歩。
  ただし市町村の事務手続きが煩雑・複雑化)
    ↓
 再保険(保険財政経堂安定化事業の充実)、広域化(算定方式の統一)により平準化を目指す

■ 広域化への課題
・市町村毎の加入率、構成割合、算定方式(2方式・4方式)の違い
・医療環境 = 医療機関が集中している自治体は、総じて医療費が高くなる
【保険料格差の要因】・保険料の算定方式の違い
          ・保険加入者状況の違い(所得の違い)
          ・医療費適正化の取り組みの違い
          ・未収金の割合(収納率の違い)
          ・法定外の繰り入れの実施
■ その他
・道は国の方針に従い、平成22年12月末までに「広域化等支援方針」を策定予定であるが、
 将来的な「国保の運営主体」となることの受入は反対している。
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市町村が国保運営の主体であることの最大の問題点は、
(1)人口規模が小さい(財政規模が小さい)ために、医療費負担の振れ幅が大きく安定しない。
(2)様々な財政措置により市町村間の平準化を図ろうとするも対症療法的な対策なので、
   制度が複雑。また事務手続きが煩雑で負担が大きい。
にあると思います。
このうち、(1)については何年も前から課題として取り上げられてきました。しかし(2)については問題としての認識が薄いように思います。

将来的な道筋が明解でないまま、三位一体改革や地方分権の名の下に「国から道」に役割の一部が移され、複雑化・煩雑化がどんどん増してきています。国保をどうするかを考える時には、この事務の繁雑さを解消すべく制度自体を根本から変えていかなければ、一部のお役人しか理解できない、何が正しくて何が間違っているのかも容易に理解できない「闇の制度」になってしまうのではないでしょうか。これから後期高齢者制度が廃止され、また新たな制度ができるとのことですが、その時も今以上に繁雑な事務が待ちかまえている雰囲気がプンプンと匂っています。

今回、道職員から「道の立場」が説明されました。国の方針に従い「広域化等支援方針」を策定するとしながら、「将来的な運営主体にはならない」と行っていること自体、大変疑問です。

将来に繋がらないのに、より複雑になる制度を受け入れなければならないなんて!
今回の研修会、私は終始気持ちが高ぶってしまいました。

2010年11月07日

広報特別委員会(2010.11.4)

議会だよりNo.2の発行に向け、広報特別委員会が動き出しました。
11月4日(木)の委員会では、紙面の構成検討と文書依頼(一般質問者各位と各常任委員長)などを行いました。

議会だよりNo.2の今回は9月定例会について、一般質問(宮下、宮元、楠、笹木)と常任委員会報告(総務民教、産業建設)、議員派遣先一覧などを全6ページに記載し、12月5日発行の町報「花の里つきがた12月号」に折り込む予定です。

8月発行のNo.1編集作業では、「議会として伝えたいこと」がまずあり、それに合わせて書式や内容を検討していったために、基本的なルール(文書を誰が書き校正するのか、文責はどこにあるのか、書式や文章量をどうするか・・・)は後回しでした。
そこで今回は、町村議長会主催の広報誌研修会に参加した楠議員からの報告も参考に、手順を踏みながら進めています。前回より完成度の高いものになるよう、広報委員全員で取り組みたいと思います。

No.2発行まで、今しばらくお待ち下さい。
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上の写真は役場前の植え込みです。手前の黄緑色がキタコブシ、奥の三角形はメタセコイヤ、右側の濃緑がオンコ(イチイ)、左側の黄色い木の樹種は残念ながらわかりません。随分と色づいてきています。

この場所は役場庁舎(鉄筋コンクリート3階建て)に守られ風も当たらないのか、町内の他の場所より木々の冬支度が遅いように思います。我が家の圃場近くのタモやシラカバなどは、すっかり枯れ枝だけになりました。何もない田んぼの一角で、風当たりが相当強いからでしょう。

右の写真はキタコブシの先端のアップ。春に花が咲いていた部分です。毛の生えた厚い皮に覆われているのは冬芽?
キタコブシの実がなるものと思って、夏からずっと観察していたのですが・・・
5月初旬・花7月下旬・爬虫類様の実?/8月末・実?)

これから一体どの様に変化するのか、益々目が離せません。観察を続けます。

2010年11月06日

産業建設常任委員会(2010.11.4)

11月4日(木)午後、産業建設常任委員会が開かれました。
今回は「JA月形町との懇談」という形を取り、役場3階の委員会室にJA月形町の柴田組合長と山本副組合長を招き、月形町の農業の現状や戸別所得補償、農産物の賦課価値化などについて意見交換しました。

産業建設常任委員会委員(金澤議員、笹木議員、金子議員、堀議員、楠議員、宮下、オブザーバーとして吉田議長)のほとんどが農業者であり、その農業形態は様々(法人、産直市場開拓、新規就農者・・・)です。それぞれに何らかの形でJAとの関わりがあり、また農業に対する考え方もかなり違っているので、この懇談によって月形町農業の方向性を突き詰めるということはできませんでした。

しかし、JA月形町幹部の考え方や月形町農業の現状について、情報の共有はできたかと思います。まずは議会が積極的に情報収集することが重要で、今回の懇談をきっかけに、様々な産業分野と積極的な意見交換の場を持つことが必要と感じました。

以下、懇談の内容の一部です。(今回の懇談は将来的な展望を含め、不確定な事項も話題に上りました。誤解受ける可能性や差し障りのある部分は非公開にさせていただきます。)
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1.農産物の出荷状況(平成22年10月20日現在)

※ 全ての農作物が記録的猛暑などの影響を受け、ほとんどの品目で品質の低下や収量の減少など、マイナスの要因に働いている。農家にとっては厳しい年となった。

【米】・タンパク値が上昇(8%以上が全体の75%)
    ただしアミロースは極端に低い(15%前後)  → 「食味はいい」のではないか 
   ・小売価格が下落。昨年に比べ品種により ー1,000〜 ー3,000円/60kg 非常に厳しい状況

【麦】・品質的に良くない。(昨年ほどではないが)収量も低い。
     → 作付者のほとんどが共済の対象になる。

【大豆】・品質悪い(皮切れ、しわ) → 等級落ち

【花き】・量、品質とも良くなかった(特に高温障害の影響)

【果菜】メロン・・・大きく育ちすぎ(4玉入りが主流) → 価格が下がる
    ダイナマイトスイカ・・・のみ販売量、販売額とも 20%増

【カボチャ】収穫量は多かったものの、腐れが多い
      (集荷段階では見抜けないものが多く、クレームの対象に)

【生食トマト】・生産者が 大玉トマト → ミニトマト へ移行
       ・ミニトマトは収量(販売量)、販売額とも増、良好。


2.戸別所得補償制度米モデル事業 と 貿易自由化交渉の影響

[戸別所得補償制度米モデル事業]
 ■定額部分:15,000円/10a(12月24日までに入金)
 ■変動部分:過去3年(平成18年産〜20年産)の全国平均販売価格(11,978円/60kg)をベース
       に、全国平均反収(530kg)を掛け合わせ、10aあたりの標準的な販売価格を算出。
       今年の販売価格が下回った場合にその差額が交付される。
         ↓
[貿易自由化による影響]
    ●自由化が進むと農産物価格が下落
      = 変動部分算出の基準となる販売価格(3年間の価格の平均)が下落
         ↓
    ●基準が下がるので変動部分も少なくなり、農家の手取り減少
      = 現状の戸別所得補償制度下での貿易自由化は、農業情勢を悪くする

[現行の戸別所得補償制度の課題と対策]
・月形町は転作を進めるため、施設園芸に特化した。町内農家戸数の半分以上(特に小さな農家)
 が施設園芸を行っている。農産物の単価が下がっている現状で、投資が回収できない。支援必要。
    ↓
・戸別所得補償制度から漏れている作目に対し、激変緩和措置が行われている。
 また、平成23年からは「産地資金」に名称を変更し継続(ベースは1万円/10a)、
 水田協議会の中で振興資金として加算を検討。

・花きは自給率に寄与していない。しかし自給調整には貢献している。



3.農産物の付加価値化、課題解決

■6次産業化:JAとして現段階で検討していない。
■法人づくり:高齢化で営農できない場面増。
       法人による「農地の集積」や「地域の核としての役割」に期待。JAとして支援。
■土地改良事業:土地利用の効率化、農産物の安定供給の原点。将来に繋がる事業。法人化に必須。
        町も負担し、支援している部分。
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農業問題は様々なケースがあり、1つの手法で全てに対して有用な手だてが取れないのが問題です。

戸別所得補償制度は今年からモデル事業が始まったところですが、「自給率を上げる」という数値目標にばかりとらわれ、「農業の本質」や「国民の食」には意識が薄い政策で残念に思います。食料安全保障という観点から捉えても、自給率という数字だけを上げるのではなく、国民の食卓を確保すること(自給率にはあまり関与しない野菜や果物、乳製品など、食のバラエティーや栄養素の確保)が、重要なのではないかと私は考えています。

最近にわかに浮上したTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)についても、現行の制度内ではとても受け入れられません。現状は「ある程度の農産物の価格維持」が前提にあり、それを基に制度設計されているからです。価格が壊滅的に下落した場合でも、自国で食のバラエティーが確保できるには・・・そのような視点での政策展開を望みたいです。

社会的情勢が変化しようとも、農業者(あるいは田舎暮らしの人)は自分の食料の幾ばくかを自分で確保することが可能です(作らないまでも、手に入れる労力は都会より容易です)。日本の政策がこのまま進めば、田舎ほど豊かで生きやすい場所になるのではないでしょうか。

        

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