2012年03月26日

『市民と岩見沢市議による(ゴミ処理に関する)意見交換会』

3月24日(土)の午後、岩見沢市友の家で「市民と岩見沢市議による(ゴミ処理に関する)意見交換会』が開催されました。

主催は「岩見沢のゴミ処理を見守る会」。昨年9月に発足したばかりの市民団体ですが、その前身は「岩見沢のゴミ処理を考えるシンポジウム」を開催した「新たなゴミ処理方法を考える市民の連絡会」(岩見沢市のゴミ問題の解決策を探るために集った市内7つの市民団体)です。生ゴミ堆肥化の勉強会開催や会報の発行、議会傍聴や要望書のとりまとめなど、活発な活動を続けています。


さて今回の意見交換会、主役は岩見沢市民と市議のみなさんですが、これから始まる広域ゴミ処理の一員として、月形町議会議員の私も声をかけていただきました。市議のみなさんと同じ席上で現状や今後についてお話しする立場です。

参加された岩見沢市議は、市議会5会派のうち【新政クラブ:伊澤市議、★堀市議、峯市議、宮下市議】【平成クラブ:牧田市議、★氏家市議、田中市議】【公明党:酒井市議、★斎須市議】【日本共産党議員団:★山田市議】の10名(そのうち★印が、ゴミを担当する民生常任委員)。

またアドバイザーとして北大大学院教授・松藤敏彦氏(廃棄物資源循環学会副会長)。
そして市民のみなさん約60人(うち男性2割)。主会場からあふれ、開放された隣の部屋から話を聞こうと身を乗り出す市民の姿に、関心の高さと熱心さを感じました。


意見交換会に先立ち主催者から、自分たちが1週間でどれほどのゴミを出しているのかの実例紹介がありました。ある会員家庭(50代・官舎で二人暮らし)の直近1週間分のゴミを、市の分別に従い袋に入れ重さも表示し、ゴミの分別や減量を進める上での課題や改善策などの提案がありました。

視覚的に訴えるゴミの現状はとても解りやすく、分別を実践している人だからこその意見や提案もあり、とても良い企画だと思いました。この市民団体が草の根的に、地道にそして純粋にゴミ問題を解決しようと活動していることが良く理解できる場面でした。


いよいよ本題の意見交換会ですが・・・

まずは市議から現状についての説明と疑問点があげられ、それに対して松藤先生が専門的立場からの解説や問題を提起し、市民からも意見が出されて市議が答える。私は広域ゴミ処理の中で示された情報を元に市議に質問し、市議が答える・・・のような感じで次々と話題は展開し、あっという間に予定された2時間が終了しました。

結果として、広域ゴミ処理の現状は(少なからず)市民に伝わった感はありますが、ゴミ行政や議会に対する疑問や不信感は残ったまま、もしかしたら一層深まったかも知れないと感じました。


最後に松藤先生から
「ゴミ処理に関してはイメージや思い込みで語られることが多く、間違った認識が広がっている。データに基づいて考えることが重要。ただし出されたデータは必ずしも実態を正確に表しているものではない。データは判断の根拠になるものであり、データの透明性を高めることで事業の中身が見えてくる。」
とのお話しがあり、意見交換会は閉じられました。
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意見交換会に参加した私の感想ですが・・・
岩見沢市議と私の「ゴミ処理」に対する現状認識(特に、岩見沢市におけるゴミ処理問題の認識と、広域処理における進捗状況の認識)の違いに唖然としました。

特に乖離(かいり)していたのは
■手続きによっては平成27年4月供用開始を遅らせることも可能(一部市議の発言)との認識
 ←→ 供用開始時期は、岩見沢市の現行最終処分場の容量が満杯になることから決定されたもの。
    現行最終処分場は平成27年まで保たすこともままならない状況と聞いているのに大丈夫か?

■新設される焼却炉は決定していない。まだまだ変更可能との認識
 ←→ 平成27年4月の供用開始には、今年の夏〜秋までに実施計画を策定し工事発注しなければ
    間に合わない。工事発注のための仕様書作成には3ヶ月でも短すぎると言われている。
    月形町も含め補助金申請の準備や予算組みがなされている状況。
    これら全てを鑑み、焼却炉の変更を論じる段階は過ぎているのでは?
    【参考資料:平成23年10月21日に交わされた基本合意に関するブログ

■新設される焼却炉は100t規模だが、市民の努力によって、もっと小規模にもできるとの認識
 ←→ 焼却炉の規模を100tと設定したのは平成27年度のゴミ量推計値から。
    岩見沢市の場合、様々な対策をとって減量化できて初めて達成できる数字ではないのか?
    【1人1日あたりのゴミ排出量(平成22年度)668g → (平成27年度目標)560g
                        岩見沢市議会議員 田中和宏氏のブログより
    「市民の努力で小規模にできる」ではなく「努力しなければ100t規模も難しい」のでは?

■岩見沢市が月形町などのゴミを受け入れて処理するのだから、営業として割高な処理料金を設定
 しても良いのではないか。(一部市議の発言)との認識
 ←→ 広域ゴミ処理の出発点は、国の補助金を受けるためではなかったか?
    (現行制度では、単独自治体で処理施設を建設しても補助金は出ない。)
    広域ゴミ処理組織が「一部事務組合」でなく「業務委託」になったのは、岩見沢市の事情
    (最終処分場問題から平成27年4月供用開始せざるを得ない状況。時間がない)から。
    各自治体(特に議会)との議論の場が持てなくなった以上、充分な配慮が必要では?

■岩見沢市がゴミ減量化を推進すると美唄市・月形町の負担割合が増え、新たな負担を必要とする。
 その理解が得られるかが心配(一部市議の発言)との認識
 ←→ 当初計画(平成27年度のゴミ量推計)による負担割合は、岩見沢市:89%、
    美唄市:8%、月形町:3%。全体の9割を占める岩見沢市のゴミ量が減れば処理経費全体が
    軽減される。結果、負担割合が変わったとしても月形町の実質負担額は減るのではないか?
    経費負担軽減のカギは岩見沢市の減量化(ゴミ処理行政)にかかっているのではないか?
    【参考資料:費用負担割合についてのブログ(平成24年1月18日 全員協議会)

発言の揚げ足をとるつもりはありませんが、あまりにも認識が甘いと言わざるを得ません。民生常任委員であっても現状を理解していないようですし、それ以外の議員の中には「あまり詳しくない」「専門外なので」と発言している議員もいました。議決をするときには一人一人の議員が議決権を持ち、判断するのにです。大きな議会の会派制の歪みを感じました。

確かに月形町は極少ない処理量(3%)で全体から見れば「鼻クソ」のような存在かも知れません。しかし、岩見沢市と月形町そして美唄市は、同じ事業を進めるパートナーです。同じように、市民も市議会も行政も、ゴミ処理を進めるパートナーです。同じ方向に進むためには協力が必要で、そのためには相互理解と信頼が必要なのではないでしょうか。

今回の主催者である「岩見沢市のゴミ処理を見守る会」は、自ら実践し考え、問題提起し、課題解決のための行動もできる素晴らしい団体だと思います。
ゴミ処理は市民全てが将来にわたって関係する問題であり、市民の実践なくして改善されない問題。つまり、市民の中に核になる団体が必要です。「岩見沢市のゴミ処理を見守る会」のような市民団体と協働することが、ゴミ行政の最初の一歩のような気がします。

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