2012年03月23日

意味のある2つの意見書

平成24年第1回定例会で可決された2つの意見案は、内容はもとより、その過程(プロセス)において、月形町議会にとって意味のあるものになりました。

■『月形町豪雪災害に対する要望意見書』(北海道知事と道議会議長宛)
この意見書が全会一致で可決されたのは、会期途中の3月14日(本会議2日目)でした。内容は、今冬の豪雪被害に対し財政支援を求めるものです。

月形町議会では通常、定例会の最終日に意見案を審議しますが、この意見案に限って言えば緊急の課題なので「道議会の開会中に届けたい」と日程を変更して審議しました。慣例より実益のために行動したことになります。
ちょうどその頃、道議会の各党議員団や道庁(空知総合振興局等)職員が月形町内の被害現地を視察に訪れていたこともあり、良いタイミング・良い判断だったと思います。


■『原発からの撤退と自然エネルギーへの転換を求める要望意見書』(国の関係機関宛)
を全会一致で可決しました。

月形町議会の場合、意見案のほとんど全てが団体や組織からの依頼や持ち込みによるもので、その中から議会運営委員会が適当と認めるものが提案され審議の対象になります。
しかしこの意見案は、月形町議会自らが作った意見案です。楠議員が主となり私も多少お手伝いさせていただいた中で最初の案文を作りました。その後2度の議運と全員協議会を経て文言修正し、採決に至ったわけです。

意見案の中身が重要なのはもちろんですが、その作成過程で議員が議論し合意形成いくのは議会の本来の姿。形にできたことも、全会一致で可決したことも私には嬉しい出来事でした。

以下、この意見書の本文を掲載します。
__。__。__。__。__。__。__。__。

    原発からの撤退と自然エネルギーへの転換を求める要望意見書


 東日本大震災における東京電力福島第1原子力発電所の事故の発生から、ほぼ1年が経ったいま、政府の「収束宣言」にもかかわらず原子炉の状態は未だ不安定であり、また時間の経過とともに様々な事実が明らかになるにつれ、原子力発電の持つ危険性と、事故に対する備えの弱さ、さらには事故への対応課程での危機管理の甘さが露呈してきております。このことは、我が国の原発政策を支えてきた「安全神話」が崩壊したことを示しており、原発を柱に据えてきたわが国のエネルギー政策そのものが転換を求められているものと考えます。

 今回の事故現場となった福島第1原子力発電所は太平洋側に立地していたため、事故当時の偏西風の影響により放射性物質の多くが海側へ拡散したにもかかわらず、陸地側の放射能汚染は広範囲に及び、福島の原発立地自治体のみならず周辺自治体においても、住民生活の基盤そのものが失われたばかりか農林漁業にも重大な影響をもたらしています。

 ひるがえって北海道において、泊原発における同様事故を想定すると、その立地から考えて西風の多い条件下では札幌をはじめ道央圏の広い範囲への放射性物質の拡散が予想され、これら人口密集地における道民の放射能被ばくはもとより、広範囲の農地の放射能汚染と、それに伴う風評被害がもたらす北海道農業への打撃は図り知れず、我が国最大の食糧基地を失う危険をはらんでいます。

 我々は、北海道の豊かな自然と基幹産業の農林漁業を何よりもかけがえのないものと認識しており、北海道を「希望の大地」として子々孫々未来へ引き継いでいきたいと念じております。

 そのために、国はエネルギー政策を根本から見直し泊原発をはじめとする原子力発電からの撤退と自然エネルギーへの転換を図るよう要望いたします。

             記

 国は全国の原子力発電所を段階的に廃止し、安全な自然エネルギーへの計画的な転換の道筋を明らかにすること。

comments

こんばんは、長期間の定例会ご苦労様です・・私の所は活発な意見も無く3日半で終了です・・・・毎回読ませて頂いていますが、意欲的な議員が居る所は羨ましいです.北海道もいよいよ、試される大地では無く、立ち上がる大地、その時が来ました。皆で知恵を出していく時代にしなくては・・私の住んでいる此処、日本海は自然エネルギーの宝庫です、又、基幹産業の農林漁業を次の世代に繋ぐ為に今が大事では・・宮下さんの発想の転換で北海道を宜しくお願いします・

  • 2012年03月23日 18:20

  •     

名無しさん(お名前がなかったので、こう呼ばせていただきます)、
コメントありがとうございます。

>北海道もいよいよ、試される大地では無く、立ち上がる大地、その時が来ました。
>皆で知恵を出していく時代にしなくては

私も同感です。特に東日本大震災で豊北地方が打撃を受けただけに、余力と底力のある北海道が頑張って日本を支えないと。これこそ今求められていることだと思います。

今回、月形町議会が活発になったのは、みんな(議員、事務局、町民、協力してくれる方々)の気持ちが同じ方向を向き、それぞれが得意なこと(できること)で参加した成果だと思います。私のブログは私の視点なので、全てを網羅できていないのですが、みんなの力に寄るところが大きいです。

私が議員活動でいつも大事にしているのは「当事者が行動しなければ何も変わらない」ということ。何かに疑問を持ったら、そこで既に当事者です。その疑問を晴らしたり、改善するには、やはり当事者(自分)から動き出さなければなりませんよね。当事者がとことんやるから周りも引っ張られ、ともに価値を見いだして次の展開につながるのでしょう。


名無しさんも現状に問題意識を持っているなら、既に当事者ではないですか?
当事者が動かないと何も始まらないし、当事者が動き出したら何かが変わりますよ。

>日本海は自然エネルギーの宝庫
>幹産業の農林漁業を次の世代に繋ぐ為に今が大事

名無しさんは素晴らしい視点をお持ちですね。それがあれば現状の問題点や改善点も既に浮かんでいるのでは?
ならば当事者として動いてみませんか?
きっとそれを見ている人がいて、次につながっていきますよ。私も応援しています。

ぜひ、またコメントください。待ってます。

  • 宮下ゆみこ
  • 2012年03月24日 02:52

  •     

わざわざ、コメント有難うございます・・

当事者として、頑張ります・・・

月形町の異体同心の姿が素晴らしいです、

新聞に、緒方貞子JICA理事長のインタビューが有りました。

それによると、中東などの途上国への日本の原発輸出に

ついて言及して、自分の国でうまくできなかったものを、

外に持っていっていいのだろうか?日本ほど技術が進んでいる国で、しかも広島、長崎の経験があり、

原子力に慎重なはずなのに、。原発への理解が不十分だ,多様なエネルギー供給のあり方を真剣に考えるべき、当然すぎるともいえる。やはり地方から発信していかなければ、

と思います・日本が原子力協定の締結でトルコと合意した事実を報じ記事によると、福島原発事故以降、日本が原子力協定の締結で実質合意するのは初めて、

トルコでは東芝が原発の受注を目指していますね、、日本政府は何をしてるのか?今の危機管理の無い〇〇党の様です・・

私達は此の素晴らしい、北海道の大地を守って行かなければと思います・・毎回、宮下さんのブログで勉強させて頂いて感謝しています・・

  • 山本仁美です
  • 2012年03月24日 15:20

  •     

コメント・フォーム

(ゆみこの日記 にはじめてコメントされる場合、不適切なコメントを防止するため、掲載前に管理者が内容を確認しています。適切なコメントと判断した場合コメントは直ちに表示されますので、再度コメントを投稿する必要はありません。)

コメント・フォーム

▲TOPへ戻る