2013年01月29日

北海道の女性農業委員の割合は2.7%、全国46位【きたひとネット研修会】

前回に続き「きたひとネット」、今回は研修会の報告です。

今年は北海道農業会議との共済で「女性農業委員登用促進研修会」と題されていました。

ちなみに、事前案内には『農業委員って?? どんな仕事してるの? どうして女性に求められてるの?』とありました。こちらの方が親しみやすい上に、研修内容も分かりやすいです。色々調整していくうちに上記のような標題になったのだと思いますが・・・ こういうところから意識改革されなければ、46位は返上できないだろうなあ・・・なんて思って帰ってきました。


研修会では、講師の3人から話があり、続いて会場との質疑応答がありました。以下に要点を記します。

1.農業委員会組織の説明や現状
   (全国農業会議所 考査役 阿久津 正氏)
2.女性農業委員自身の取り組み事例報告
   (幕別町農業委員会 委員 森 勤子氏)
3.旭川市農業委員会の取り組み事例報告
   (旭川市農業委員会 会長 谷口達夫氏)



■市町村組織が[農業委員会]、都道府県組織[農業会議]、全国組織[農業会議所]

■「農業委員会」は市町村に1つづつ設置が義務づけられている。
 ただし規定より農地が少ない場合は置かなくても可。広い場合は複数置くことも可
 平成23年10月1日現在、全国に1713の農業委員会が設置されている。

■「農業委員」には、選挙により選出される選挙委員と、
 農業団体等や議会が推薦する選任委員がいる。任期は3年。
 ちなみに、月形町の農業委員は11人(うち女性は0)。
 選挙委員7人と選任委員4人(農協、農業共済組合、土地改良区、議会から各1名)

■全国の農業委員数は36,034人。そのうち女性は2,070人で全体の5.7%。
 北海道の場合、全農業委員数は2,412人、うち女性は64人で2.7%。

■平成23年7月、全国7割の農業委員会で改選期を迎え、女性農業委員が増。
 約280人増え、割合も 4.9% → 5.7% に。
 一方、北海道は女性委員の増加は極わずか(60人 → 64人。2.5% → 2.7%)。
 女性委員が増加した都府県との相対的な関係で、
 北海道の女性農業委員割合ランクは、37位 → 46位に!

■農業委員会の仕事は、
 農地売買や転用時の許可、賃借料などの情報収集と提供、農業者年金の加入促進、
 農業政策に対する建議や答申、農地のあっせん、家族経営協定の推進、
 農地利用や相続の相談、担い手の育成や確保、「婚活」の推進、他
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農業委員会は行政機関の一つとは言え、農業者や農地にしか関連しないので一般の方には馴染みの薄い機関でしょう。それに、農地売買やあっせんなど個人の財産に直接関係する業務が中心のため、秘密主義になりがちなのも馴染みが薄い理由かもしれません。

しかし、今回の研修会をきっかけに農業委員会の業務を調べてみたところ、農業委員会に求められる業務は多岐にわたっていることが分かりました。特に、高齢化した農業現場では相談業務も多く、情報の収集と公開、提案なども必要で、今までの「農業委員会=農地の番人」という感覚では対応できない状況になっていると思います。

それにしても女性農業委員割合ランクで北海道が46位とは!! 
少ないのは分かっていましたが、全国的にこれほど下位とは驚きでした。
研修会の中で「北海道農業は男性最後の砦」という言葉も聞きました。性別による仕事区分が今も残っていることや、男性上位の感覚や経営体質などがそれを表しているようです。

TPPも含め、農業のあり方や進むべき方向が問われている時代にあって、旧態依然とした感覚や組織体制では今ある課題も解決できないのではないでしょうか。今ある「体制に女性をはめ込む」のではなく、今まで活かされていなかった女性の感覚や力を活かすように「体制を実態に合わせる」必要があるのではないかと思うのです。(具体的には、誰もが同じ業務をこなすのではなく専門性や特性を活かした業務分担、など)

研修会の最後に、きたひとネットの高村洋子会長(様似町)から
「女性が一歩踏みださなければ状況は変えられない。もし『農業委員をやってみないか』と誘いを受けたなら、『私で良ければ』と引き受けて欲しい。ここに集まっている人はきっと『私で良ければ』と受けてくれると信じている。」

私も同じ言葉を全ての女性に贈ります。

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