2013年12月22日

議会は千差万別【当別町議会・妹背牛町議会の一般質問を傍聴】

今日は冬至。
人間の感覚にかかわらず、時間は着実に積み重なって過ぎていきますね。もう冬至かあ〜。

クリスマスの商戦、駅伝、有馬記念、年賀状の〆切、年末商戦・・・
人の暮らしは年末年始の区切りに向けて追い立ててきます。

と、今日はそんな情緒的な話しでなく、先日行った他の議会のこと。12月13日(金)にはお隣の石狩管内当別町議会を、12月17日(火)には同じ空知管内の妹背牛町議会を傍聴してきました。どちらも一般質問です。

前々から他の議会の様子を見てみたいと思っていたのですが、定例会はほぼ同じ頃に開催されるのでなかなか機会がありませんでした。が、今回はドンピシャ! それも一般質問を傍聴できたのは良かったです。ちなみに、今まで傍聴したことがあるのは、岩見沢市議会の常任委員会くらいです。
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【当別町議会/一般質問】

当別町議会の一般質問は「一括質問方式」。そして、質問者は議長席のすぐ下にある演台で議員に向かって質問を行うやり方。これは“一番古い方式”で、私は初めて見ました。

※ ちなみに月形町議会は、回数制限(4回)と時間制限(質問・答弁を含めた制限時間を議員が設設定して通告)のある1問1答方式。質問者は議員側中央に一般質問の時だけ設置される「質問席」で、行政側と対峙する形で質問を行います。

「一括質問方式」は、議員が様々な分野の質問を最初の質問で一気に話します。傍聴者には通告書(細かな内容まで記載されている)が配布されているので、話題が飛んでも着いていくことはできましたが、ずっと質問者の話ばかりを聞いていたので、いざ町長が答弁し始めた時は話しの細かな内容を忘れてしまい、結局通告書を読み直して思い出す・・・みたいな感じでした。

それから質問者が演台の脇に並んで座っている町長に話しかけるので、時に訴えかける場面では身体を横向きによじるようにして言葉を発していました。それを受ける町長は時々質問者側に向き合うように振り返る体制をとりますが、基本は正面を向いています。語気の強い議員もいましたが、対峙できていないのは残念。もし議員席側に質問席があれば常に町長と視線を捉えて対峙できるのにと思いました。(あっ、でもこれは国会の本会議と同じ形でした!)

当別町議会では1回目の質問を終えた議員は、議員席側に設置された「質問席」に移り、行政側(主に町長)の答弁を聴きます。その後、その場で再質問/再々質問を行いますが、再質問/再々質問は少なく、再質問をしない議員もいました。また、再質問の形をとっていても「要望」ということで答弁を求めない議員も多数。ここも月形町議会とは違っていました。
なお、質問時間は「質問と答弁をあわせて1人30分以内」です。

※ 月形町議会では「要望」は御法度。私が議員成り立ての頃、質問の語尾に「お願いします」や「ありがとうございます」と言っただけで後から注意を受けました。議員に考えがあるのなら、要望でなく提案をするようにと。「○○ということが考えられるが、町長はどう対応するか?」みたいな感じです。

そしてもう一つ。傍聴席にはテレビモニターが2台設置されていました。当別町議会は議場が2階、傍聴席は3階の作りなので、傍聴席の最前列に座っても議員席はのぞき込まなければ見えない状態です(後部座席なら議場の天井しか見えない)。なので、傍聴席全体に議場の様子を伝えるためにモニターがあると思われます。
この映像が庁舎内に流れているのかは分かりませんでしたが、議会中継として町民向けの配信はされていないようです。

この日の傍聴者は私も含めて16人(女性は私1人)。結構な傍聴者の数です。聞いたところによると毎回このくらいの傍聴があるとかで、羨ましく思いました。当別町の人口は約17,600人で、月形町の約3,700人の約5倍。それを鑑みても、毎回傍聴者がいるというのは良いことですね。

余談ですが、当別町議会は「議会報告会」を平成25年3月から実施していて、これまで2回開催されていますし、報告書はインターネットで公開されています。これもまた月形町議会とは違い、相当進んでいます。
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【妹背牛町議会/一般質問】

こちらも「一括質問方式」。ただし、質問席は(月形町議会と同じ方式で)議員席側に設置され、行政側と対峙するようになっていました。

一括質問方式ですが、傍聴者に配付される資料は質問の項目のみの簡単なもの。メモをしっかり取りながら傍聴しなければならず、答弁との整合性を図るのはなかなか大変でした。

1人あたりの質問時間は、「質問と答弁を含めておおむね2時間以内」というのが暗黙のルールとのこと。6項目を質問した議員もほぼ2時間で終えていました。きっとちょうど良い時間のなのでしょう。私も毎回2時間以内をめざして時間設定をしている(最大3問、1問40分が限界だと思っている)ので、感覚として納得できます。

※ 各議会の質問時間の違いは議員定数(当別町議会:定数17/妹背牛町議会:定数10/月形町議会:定数10)や、質問者数と質問項目数(今定例会における数=当別町:6人16項目/妹背牛町:6人14項目、月形町:4人7項目)と質問項目数の違いもあるのでしょう。

妹背牛町議会で特徴的だったのは、行政側の答弁。再質問、再々質問がフルに行われていて論点が深まっているのを感じましたが、その答弁者が基本的に担当課長というもの(農業系の質問では、農業委員会の会長や事務長も答弁していました)。「考え方」や「私見」等にも踏み込んだ発言があり、行政職員というより政治家的にも見えて驚きました。
あとで聞いたのですが、町長答弁は再々質問で行われ、時にはないこともあるとか。これこそ文化なのでしょう。議会運営は様々です。

傍聴者は私も含め10名(妹背牛町人口 約3,300人)。この日、一般質問に先駆けて町長2期目(選挙後初議会。無投票当選)の所信表明があったこともあり、いつもよりは多いとのこと。毎回傍聴に来ているという年配の男性とお話しができたことも良かったです。

それから、妹背牛町議会の本会議場(3階)はコンパクトで機能的。傍聴席も議員席のすぐ後ろで臨場感たっぷりです。ここに2台のカメラが設置され、議会の様子が庁舎1階の町民ロビーにテレビ中継されています。

この日、私が妹背牛町役場に到着した時は既に本会議が始まっていたのですが、ロビーのテレビ前には数人(職員らしき人も)集まり、一般質問と答弁に聞き入っていました。音声と画像でここでも臨場感はバッチリ。情報の共有に良い取り組みだと、改めて感じました。

ちなみに、議場のカメラは庁舎を建てた時(昭和60年頃)に設置したとのこと。スゴイ! 
それに妹背牛町議会の「議会だより」はNo.157にもなり、相当早い時期から広報に力を入れていたのが分かります。議会報告会が行われているのかはわからなかったのですが、日常の様々な取り組みで「開かれた議会」を実践しているのを感じました。
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2つの議会を傍聴しただけですが、その取り組みや雰囲気はそれぞれ。月形町議会とも違っていました。その町の歴史や文化が議場の規則や雰囲気をつくっているのでしょう。やはり地方議会は千差万別ですね。

だからこそ、自分たちの議会がどうあるべきか、議員自らが考えて実践していく必要がありますね。改めて認識させられた傍聴でした。

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