2014年12月11日

町長の“まちづくり”は、その視点、そのやり方なの!?【平成26年第4回定例会/報告】その1 一般質問

一般質問が終わりました。

議員になって8年目、毎回一般質問を重ねて早31回目となる今回ですが、相変わらず上手く話を展開できず、堂々巡りだったり、とっちらかったり。なかなか進歩できません。
とはいえ、今回ほど「町長・町(行政)側」と「私」の意識・認識の違いがハッキリと現れた回はなかったしょう。一般質問を終えた今、反発、焦燥感、落胆・・・とも違う不思議な感情・・・昔、同じ夢を持っていたじゃないか、なのに今は・・・みたいな、懐古的な感情が芽生えています。

では、報告。以下に各質問ごとに私の印象に残った議論内容(要旨)と感想を。

※一般質問をしながら私が取ったメモを元に書いています。ニュアンスの違いや正確さに欠ける部分があるかもしれません。その点はご了承ください。
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平成26年第4回定例会 一般質問報告(宮下裕美子)

1.月形町における受動喫煙防止法について【答弁者/町長】

Q)国や世界での受動喫煙防止強化の流れの中、町としても「取り組まなければならない」状況である。その中で、受動喫煙防止が明記された健康増進計画「健康つきがた21」の進捗状況と、国が求める公共施設の全面禁煙への対応はどうなっているのか?

A)「健康つきがた21」の中で、たばこは後期(平成29年度〜)の取り組み事項になっている。現在は妊婦への指導や住民健診時の個別指導など。今後も取り組んでいく。
 公共施設は現在、建物内全面禁煙になっている。役場庁舎内は分煙で対応し、現在喫煙できるのは、役場庁舎3階(本会議場傍聴席入口近くの角部屋)に最近設置した簡易喫煙ブースと外部出入口横(玄関、通用口)。

Q)庁舎内に喫煙所を新設することは「少なくとも官公庁は全面禁煙が望ましい」という国の方向性に反していないか。また、交流センターにある最新設備を有した喫煙室は「公共施設内」という理由で使用禁止にしていながら、役場庁舎内では(基準を満たしていない状態の)喫煙所を新設し、使用するとはいかがなものか。町民の理解が得られないのでは。
 また、玄関先に灰皿を置き喫煙所としているのはいかがなものか。受動喫煙防止法の趣旨からいえば入場する人に煙の影響がある場所で喫煙させることこそ問題。他の自治体では、駐車場など人通りの少ないところに喫煙ブースを設けて喫煙場所を確保している。

A)町民が公共施設を利用するのは一時的・短時間であるが、役場庁舎内では職員が一日8時間仕事をしている。一般公共施設と使い方が違う。役場職員は59人中14人の喫煙者がいる。全面禁煙にしてしまうのはどうなのか。
 他の自治体の例は参考にする。もう一度検討する。

[感想] 
私は「月形町の公共施設の設置者」あるいは「月形町国民健康保険の設置者」という立場の月形町長に質問をしたつもりでしたが、返ってくる答えは「役場職員喫煙者の代表」のような発言ばかり。どうしてこうなっちゃうの?
喫煙者を擁護するのならば、受動喫煙の害を理解した上で、適切な環境を整えることこそが設置者の役割では。今の状況はあまりにも中途半端。
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2.指定管理者制度の運用(公募によらない選定)について【答弁者/町長】

Q)指定管理者制度は、自治体が決めた条例や規則によって運用することができる(=自治体の裁量でいかようにも運用できる)制度であるが、原則は「公募」であり条例にも明記されている。しかし、月形町で公募が行われたのは「月形町保養センター等」のみで、他の施設は公募によらない選定だった。その理由と根拠は?

A)6つの指定管理者のうち、公募によらない選定(非公募)の5つについて。
 非公募の理由はそれぞれの施設により違う(個別に理由説明アリ。ほとんどの場合、過去の実績や適正な住民サービスが提供されているなど。いずれの施設も、指定管理者制度に移行する前に業務委託していた事業者がそのまま非公募により選定されているので、指定管理者制度の下では一度も公募されていない。)
 非公募規定は法でも認められていること。また手続き条例にも明記されている上、それぞれの施設の指定管理者の指定のさいも議会が議決しているのだから、理解・承諾されていると考えている。

Q)条例には「公募しなければならない。ただし、緊急の場合その他規則で定める場合は、公募によらず」とある。その規則はこれまでに2回改正(非公募が可能になる要件の追加)がされているが、その時期は指定期間満了の直前であったり、1年前の認定こども園の議論が始まった時期。何らかの意図を感じた。それに、規則は町側が勝手に改正できるものであり、議会は改正を知らされていない。
 2度の改正の結果、現在はどんな場合でも非公募で選定できる規則になっているし、非公募の理由を公表する必要もない。私は道内自治体の条例と規則を独自に調査したが、これほど突出しているものはなかった。この点からも疑問がある。なぜこのような改正をしたのか? 

A)規則の改正は不備があったために行ったのであって、意図的ではない。
 指定管理者の手続きに関しては、選定委員会で検討をしているし、条例や規則にも反していない。また指定管理者は監査の対象になっている。行政側として、透明性は確保できるいる。
 
[感想]
町側は「透明性は確保できている」と言うが、この状況に疑義を持たないと本気で思っているのだろうか? 何も裏がないのなら迫られて説明するより、手続きを透明化して疑義を持たれないようにすることが先決だと思う。なぜ手続きを省く方向、隠す方向に向かうのかが私には理解できない。
多くの自治体が公募をしたり理由を公表するのは、原則に従った方が、あるいは情報公開した方が、信頼失墜のリスクが低いことを知っているから。町民が主権者だと理解しているから。
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3.指定管理者制度における指定管理料について(答弁者/町長)

Q)非公募で選定したとき、指定管理料が発生する施設での指定管理料の設定はどのように進められているのか。また、金額の妥当性はどのように検討されているのか。さらに、手続き過程の透明性はどのように担保されているのか。

A)非公募(=月形町の場合、引き続き同じ事業者が指定管理者になる)場合の指定管理料設定手順は、まずそれまでの仕様書(業者との契約書)を元に事業者から収支予算書と事務計画書を提出してもらい、選定委員会で実績と計画、5年分の物価上昇分などを合わせて検討。事業者側に再度予算書を提出してもらって指定管理料を決定している。
施設の管理経費や見積内容を参考に指定管理料は積算している。選定委員会(副町長+全課長+財政担当者、当該施設の担当部署:全て役場職員)で検討する上、監査委員による定例監査や行政監査も受けている。金額は妥当であり、透明性も確保できている。

Q)指定管理者を決めるとき、公募・非公募にかかわらず、まずは町側が「その施設を使って業者に何をして欲しいのか」を定めた要求水準書を作るのが一般的。要求水準書をホームページで公開している自治体も多い。要求水準書が基準となり、それと事業者からの提案を比較して金額の妥当性を決めていく。先ほどの説明では要求水準書がない上、金額の比較もできていない。非公募の場合、業者間の比較ができないのであるから近隣自治体や類似施設等との調査や比較が必要では?

A)指定管理料は単価だけでなく内容も審査して決める。経費を下げられないこともある。非公募の施設は、誰が考えても非公募(公募する必要がない)と判断できる。
類似施設との比較と言うが、全く同じモノがあるのか。施設の規模も人口も違うし、地域性もある。(類似施設との比較は)現実的でない。
指定管理料は議会の議決案件である(議会は既に承認している)。

[感想]
今回の説明を聞いて、全ての基本となる要求水準書がないこと、金額は常に「積算」されるだけで業者からの「言い値」が基本になっていることがハッキリしました。
要求水準書がないということは軸を持っていないことと同じ。比較したくても何と比較すればいいのか解らないはず。それまでの仕様書(業者との契約内容)を基本にして同じ業者とまた協定(契約)を結んでいるようでは、自治体運営の基本原則「最少の経費で最大の効果をあげること」は到底達成できないと感じました。

指定管理者制度は確かに金額の安さだけで物事を決めるわけではありません。ただ、税金を使って公共のものを調達する以上、金額の精査は必須です。それは監査委員が見るからOKなのではなく、最初の契約(協定締結)段階が最も重要で、行政の役割だと私は考えます。
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あと2つ質問が残っているのですが、長くなりましたので《つづき》は次に。

comments

ご無沙汰しております。いつも情報の発信ありがとうございます。
なんだか、唖然という感じです。町長自身が、町長としての立場ではなく自分が責められているように感じたのでしょうか(質問1)。
また、積算ではなく言い値になってしまうのも、町の経営というよりも指定管理者の(という一部の町民?)利益代弁者みたいな側面が見え隠れしていますね(質問3)

選挙で選ばれればなんでも信託されたつもりになっている大阪の首長や日本の首相も困り者ですが、長期的観点のない一部の町民の利益代弁も明らかに昔の政治家らしくてマインドや政治文化が20年前で止まっているのではと思わされるやり取りでした。

話は変わりますが、月形に限らず「地域性の違い」という言葉が、余りに自分の立場を擁護する際に使われ過ぎていて、魔法の言葉だなあと思わされます。逆に積極的に他地域との違いを普段から意識しているようには見えないんですが、この溝の乗り越えが難しいです。

  • 名無しの権兵衛
  • 2014年12月12日 07:43

  •     

名無しの権兵衛さん、コメントありがとうございます。

質問3)に関して、私の書き方がわかりにくかったですね。スイマセン。少し誤解があるようなので説明します。
指定管理料を決定する際「積算」は行われています。ただ、その根拠となる数字の基準を町側が持っていないことから、業者側が提示した数字を信じて頼ることになっているので「言い値」のように私は感じました。今回の場合、積算という行為よりも数字の出所の方が重要だと思います。

政治は時代にあわせることが大事だと私も思います。20年前に通用していたことが今成り立たないのは、中央集権から地方分権へという制度要因、少子化・高齢化・地方の人口流出など社会的要因、国や地方の借金の増大という財政的要因など、明らかにこの20年で変化しているからです。環境が変化しているのに、自分を変えられなければ取り残され、あげくには絶滅(消滅)してしまいます。だからこそ、変化せねば。

ただし、その変化が大衆迎合(ポピュリズム)であってはならないと私は考えています。大衆迎合は一見良いように見えて、今の使われ方は堂々巡りの入口に思えるから。「地域性の違い」と同じ使われ方かもしれません。

名無しの権兵衛さん、よかったら、またコメントをお寄せください。お待ちしています。

  • 宮下ゆみこ
  • 2014年12月12日 11:42

  •     

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