2010年10月04日

(社)北海道中小企業家同友会・南空知支部9月・10月例会

今日の午後6時30分から栗山町総合福祉センター「しゃるる」にて、(社)北海道中小企業家同友会・南空知支部の9月・10月例会が開かれました。

今回のテーマは「地域経済を守り、発展させる”下川町中小企業振興基本条例”とは!?」、報告者は下川町議会議員であり、北海道地域づくりアドバイザーでもある(他にも数々の活動を行い、役職に就いている)谷一之氏です。

会場には同友会のメンバーだけでなく近隣の自治体職員や議員の顔もあり、総勢35名程。
まちの実態を把握した上での問題提起とそれを解決するための具体的な方法(条例化等)は、しっかりとした理論に基づいて語られ、非常に説得力がありました。紹介されたことは全て、谷氏が自分の考えを基に納得しながら実践してきたことなので、自信を持って語れるのでしょう。とても明解でした。

内容は多岐にわたりますが、私が心引かれた部分を記します。
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『地域経済を守り、発展させる”下川町中小企業振興基本条例”とは!?』〜地域産業を育むために〜
          報告者:下川町議会議員、北海道地域づくりアドバイザー  谷 一之氏
 
■企業誘致でなく、地場の会社を育てる
・昭和41年に「下川町中小企業振興条例」を新設。その後、一部改正や全部改正を経て
 平成19年に「下川町中小企業振興基本条例」を設置した。
・重点は「事業の承継(後継者育成)」「新事業の創出」「起業化の促進」
・起業時の支援の他、起業後(3年未満)の支援も盛り込まれている

■人口減少(特に生産人口の減少)時代をいかに乗り切るか
・人口減少 → 雇用の場づくり(生産人口確保のため)= 体系的に進めた産業振興
・起業しなければ雇用は増えない(既存の企業だけでは雇用の場の確保には限界がある)
  → 地域における「開業率」が重要
・役場内の横の連携強化 + 企業と行政の連携

■下川町の産業振興に関わる制度(抜粋)
・下川町企業立地促進条例・・・町が建物を建て、企業誘致しリースする(賃貸収入←→固定資産税)
               町にとって収入増になるのはどちらか、検証必要。
・下川町地域材活用住宅建築促進条例・・・新築家屋が対象 → 木材の地域内活用。
・下川町快適住環境整備促進条例・・・改修が対象 → 地域内工務店の事業増
・下川町農業振興基本条例&下川町林業振興基本条例
  ・・・林業が下川町の柱。認識をしっかり持ち、特化することを示すために、あえて別立てに。
・下川町森林(もり)づくり条例・・・森づくりのための精神条例(条例の図式化)

■検証の重要性
・補助を充実させる一方で、ハードルを高く設置(補助金返還もあり得る)
・地元の金融機関とタイアップし、融資&利子補填などによる補助。金融機関の目。
・条例は活用にしやすいものになっているのか? → 現状との相違点の検証&見直し

■シンクタンクの必要性
・ニッチビジネスの開拓・・・その地域に足りないものは?
・勉強会も重要だが限界がある。発足から3〜4年後には衰退 → シンクタンクへ移行
・シンクタンクによる新たな発想の提示
 (町外へ出て新たな発想を得る。業務遂行のための旅費が確保される。)
・キーパーソン必要

■その他
・日本人の素地・・・チャレンジャー3%、保守型13.5%、観察型13.5%、大衆型70%
・産業円卓会議・・・町内各種業界のトップによる会談の場。課題を出し合う。
・地域が一体となった「まちづくり」や相互理解を深めるためには
                   → 話し合う機会を多く作る。相互のアプローチが必要
・条例化そのものは行政主導で進めている。
 ただし条例化前の段階で、町民主体の「審議委員会」で揉む。必要なデータは行政から提供。
 議会は、審議委員会の議論と行政による条例化の途中で適宜チェック。
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報告内容が良かったのは言うまでもありませんが、加えて今回の例会に5人もの月形町職員の参加があったことは非常に喜ばしいことです。同じ話題を共有でき、次なる一歩へ進めるのではという期待が膨らみました。

下川町は「森」に主眼を置いたまちづくりを進め、時代に合った様々な施策を展開しています。過去にも下川町関係者の取り組み発表を聞く機会がありましたが、その都度違った人が発表していました。それぞれが責任者となり、様々な取り組みが同時進行で進められているのでしょう。今日の谷氏の報告からその様子を垣間見ることが出来ました。

「人口減少時代に対する強い危機感」、その対抗策として「データを元にした体系的な展開」

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