2012年02月12日
月形町立札比内小学校 90周年記念式典・閉校式典・惜別の会
昨日、平成24年2月11日は、3月末で歴史を閉じる札比内小学校の区切りとなる一日でした。
会場の体育館には、在校生はもとより町内外から同窓生や関係者(総勢約200名)が、札比内小学校の歴史の1ページを共有するために集まりました。
週半ばから大雪や吹雪が断続的に続く月形町にあって、当日は札比内地区だけが穏やかだったようです。朝、月形市街は激しく雪が降り続き道道峰樺線も通行止めになっていましたが、札比内地区に近づくにつれ視界が効くようになり、式典中は晴れ間も覗くほど。何かが守ってくれた・・・そんな気にもさせました。
(ちなみに、今日も朝から吹雪模様で、予定されていた行政区対抗のミニバレーボール大会は中止になりました。札比内地区の昨日の晴れ間は本当に何かに守られていたんですね。)
さて式典は・・・
「90周年記念式典」「閉校式典」「惜別の会」とも、主催や趣旨は違っていても「札比内小学校に想いを寄せ、これから始まる未来に向かって進んで行こう」という気持ちは同じです。関係者の挨拶や祝辞、各種表彰からは「子ども達のために豊かな教育を」とバックアップしてきた先人たちの足跡と、それを引き継ぐ現在の人々の気概がズシンと伝わってきました。
また、各場面で披露された児童発表(器楽合奏、よびかけと歌、よさこい踊り)では「札比内に生まれ育って築いた心の軸を大切にし、これからの未来を拓いていきたい」という子ども達の自信と希望がビンビン響いてきました。
この日の式典中、挨拶のために2度登壇した末吉校長先生は、いつものようにプレートを掲げました。子ども達に(そして保護者や地域の人、私たち関係者にも)伝えたい大事な言葉を、耳だけでなく目にも留めることで、しっかりと心に刻んで欲しいとの願いからだと思います。
このうち【ありがとうの心・あきらめない心】は先生が赴任してからの2年間、事あるごとに示してきた言葉で、「生きていく上で大事にすべきもの・目指すべきところ」を表したものだと私は解釈しています。私自身、この言葉で何度自分を振り返り、何度勇気づけられたことか・・・既に私の中に染み入っているのを再確認しました。きっと子ども達には、心や体の奥深いところにまで浸透していることでしょう。
『閉校記念誌・札比内』によると・・・
札比内小学校は大正11年(1922年)9月に「樺戸郡札比内尋常小学校」としてスタートし、今年90周年を迎えました。が、その前に「月形小学校厚保軽臼内特別分教場」が明治44年(1911年)4月に開設されていたので、その時代を含めれば100年を超える歴史になります。
開校以来、国の学校制度の変更により様々に名称を変えたのち、昭和22年(1947年)4月に札比内小学校に改称、翌5月には札比内中学校も併設されました(札比内中学校は平成13年に閉校=月形中学校へ統合)。現在の全校児童数は20名ですが、過去には小中校あわせて400名程も通学していたそうです。きっと当時は、校舎からあふれんばかりの子ども達の声が聞こえていたのでしょう。
閉校記念誌の裏表紙には「ありがとう札比内小学校 思い出・夢・希望 いつまでも忘れない」と記してあります。この言葉は札比内小学校に関わった多くの人の想いの集大成なのですね。同じ言葉を刻んだ手作りの閉校記念看板が旧正門脇に設置されていますし、記念誌に綴られている数々の寄稿文、写真、名簿の一つ一つからもその想いが感じられました。
閉校記念といえば、『桜の植樹』・・・昨年10月、校庭に30本の桜が植えられました。
「この桜は皆さんと同じように成長を続け、桜並木としてここを通る人たちの心を和ませるでしょう。大人になって、もし札比内を離れたとしても、どこかで満開の桜を見たときに、札比内小学校のこと、故郷のことを思い出して欲しいです。」
これは式典でどなたかの挨拶にあった言葉です。ジーンと来て、思わず涙がこぼれてしまいました。札比内で咲く桜のことだけでなく、故郷に思いをはせながら何処かで暮らす卒業生の気持ちにも寄り添っていたからなのでしょう。もしかしたら、私自身と重なったからかもしれません。
閉校はやっぱり切ない、でも子供の成長と未来を思ったら・・・苦渋の決断があったことを桜が物語っているようでした。
春になれば花を咲かせる桜、年々大きくなって見事な桜並木になることでしょう。これから先、札比内小学校を知らない世代ばかりになったとしても、「札比内小学校跡地の桜並木の言われ」として語り継いでいきたいと思っています。
これら全ての準備を進めたのは『札比内小学校 閉校記念協賛会』の皆さんです。
同窓生、地域の皆さん、PTAとで組織された協賛会。この日のために1年近く前から様々な準備を進め、行事も行ってきました。式典や惜別の会でも、本当なら一番感無量であるはずの皆さんが主催者として「おもてなし側」に回り、細やかに気を配りながら忙しく動いている姿を眼にして、感謝の気持ちでいっぱいになりました。本当にありがとうございました。
皆さんのおかげで、同窓生でも札比内に住んでもいない私が、札比内小学校の歴史の1ページに立ち会うことができ、心を揺り動かされ、心の栄養をたくさんいただけたのです。ありがとうございました。
この日の表彰者に地域女性の名前はありませんでした。が、表には出なくとも地域を支え、学校を支え、家庭を支えている女性たちの素晴らしい力があったことは紛れもない事実です。また、それぞれに頑張っている女性は札比内出身者だけでなく、他の地域や都市部からお嫁に来られた実に多くの女性たちであることも。
札比内で暮らし続けるうちに地域に溶け込み、地域を愛し、行動につながる・・・
この式典を通して、「札比内の懐の深さ」「地域力」を改めて感じました。
- by 宮下ゆみこ
- at 22:54
comments
川原です
先日はご丁寧に有難うございます
にじいろ広場は如何でした
町民と直接向き合う事はとても大切な事だと思っています
反面 素の自分が出る事で評価を頂いてしまう
聖徳太子までのものが求められる
その中で理解を頂く大変さ!
私も実施しておりご同慶の至りと感ずるところです
4月22日に同じく開催しますので、成功裏に市民へ来て良かったと思われるものへと、後援会役員で会議を継続しているところです
そんな事で、ゆみこさんへの肉筆でのコメントをしたいと思っているのですが、集中出来ず、
しばらく掛かるかと思います
本当に申し訳ございません
言い訳ですが、町内会長や色々な大会長や一般質問や常任委員長の職務や自慢と受け取られるかもしれませんが、即断即決と関係者の意図のくみ上げ、説得、諸々
お互いに 貧乏根性の持ち主なものですから
必ず 返事を出させていただきます
予算議会を真摯に取り組みましょうね
ぼく、札比内小学校最後の卒業生です。札比内小学校がなくなるのはさびしいけど・・・あれ?この後なんて言おうとしたんだっけ?まぁいいや、とりあえずがんばるぜ☆彡
みどる12さん、コメントありがとうございます。
ほんと、札比内小学校がなくなるのは寂しいですね。
でも【前に進むための区切り】だと思うし、卒業式と同じなんじゃないかと思います。
みどる12さん、卒業式の時にどんなことを感じましたか?
寂しさもあったけれど、これからの中学校生活への期待も芽生えたのでは?
札比内小学校はなくなってしまうけれど、
違った形で札比内地区が生まれ変わり、新しい楽しみや、違ったつながりができると思いますよ。
きっと【みどる12さん】は、その中心にもなるし、縁の下で支える側にもなるでしょう。
中学生になって、高校生になって、大人になって・・・
それぞれの場面で大いに力を発揮してくださいね。
【みどる12さん】の生き生きと活動している姿、楽しみです。