2017年03月18日

数字を鵜呑みにしてはいけない【平成29年度予算特別委員会/その2】

月形町議会定例会は閉会した。新年度予算は様々な疑問や問題点を含んでいたのに、全会一致で原案通り可決した。

議会初日から予算特別委員会の採決までずっと傍聴してきた私は、いつも以上に重たい気持ちを引きずっている。突っ込みどころ満載なのに発言できないもどかしさ。もう一歩踏み込んで、本質を共有して次の展開に繋げたい・・・ 
と、いつまでもこの話題を引きずるのも楽しくない。
けれど重要なことなので、月形町民にはぜひ読んで欲しい。

今日は予算額の話し。話題にするのは「月形高校への補助金」と「町立病院への赤字補填」

今朝の北海道新聞空知版には写真のような、月形高校の生徒数減少対策(事業名:人づくり振興事業)の記事が掲載されていた。道新への掲載はPRに繫がるので喜ばしいが、予算の中身を知っている者としては、町民への周知の部分でキチンとした報道をして欲しかった。
というのも・・・

この記事を読むと、月形町から月高生徒減少対策事業に840万円の予算が付いたように読める。

町は20年くらい前から同様の目的の補助金を出していた。事業の中身は交通費補助(JR利用促進も兼ねる)に始まって、資格試験の受験料半額補助などへも拡充していって、補助額が年間1000万円を超えたところで議会から見直しの声が上がり減額された。その後、少子化が顕著になって生徒数が減少したことに伴って10年くらい前から徐々に復活し、1000万〜1200万円で推移した。3年前のまち・ひと・仕事創生交付金が引き金になって補助内容が一気に拡充され、平成28年度は1400万円にまでなっている。
そして平成29年度(新年度)予算では、1840万円! 

財源だが、H27年度は国の交付金(まち・ひと・仕事創生交付金/平成26年度補正分)があたったが、平成28年度は地方創生交付金を予定していたものの採択されず全額一般財源、平成29年度は当初から全額一般財源。

話を新年度予算に戻す。

新年度の月高支援の総額は1840万円!これまでにない予算を組んでいる。にもかかわらず、新聞には840万円。行政側が記者に対して、事業の一部内容だけを切り取って説明し、町民感情の「1000万円の壁」以下の金額を示したように見えてならない。

どうして正確な数字を公表しないのか?

月高が月形町にとって必要で、どんなに補助金を出しても守るというならそれを前面に出して町民に訴えればいい。現状の厳しさ、危機感を町民と共有することが何よりも大事だと思うから。新年度には全校生徒数が100人をきる状況とともに、いくらの補助が出ているのかはとても重要。
今のままでは月形町の現状と町民の認識との間の乖離が進んでしまう。

同様のことは町立病院会計でもあった。

町立病院は赤字がかさんでいる。当初予算に一般会計からの赤字補填分として平成27年は8300万円、平成28年で7700万円が計上されてきた。そして、年度末にはさらに上乗せしていて、昨年度は3900万円追加している。つまり、平成28年度は約1億円の赤字補填をしているのだ。
そして新年度予算の赤字補填分は1億1500万円。
これだけ見ると妥当な数字に見える。しかし、これは裏のある数字だ。

昨年秋に2人いる常勤医のうち1人が退職し、入院患者は減少した。にもかかわらず、予算算定の根拠になる「1日平均入院患者数」は30人→32人に増加されていた(これらの数字は全て予算書に記載されている)。常勤医2人がいた状態で30人の見込み数が、常勤医1人になって入院患者が増えるなんて常識的に考えられない。
それに、今残っていてくれている常勤医は、定年を延長して働いていただいている。この状況でこの数字は?? 結局、赤字幅を少なく見せるための調整された数字で、ほんとうはどれくらいの赤字を見込んでいるのか? 

町立病院は体制変更を余儀なくされていて、この秋にも結論を出すという。だったら、現状を町民や議会と共有する必要がある。この危機的状況を! 
実態を表現する正直な数字を示すべきだ。

この数字のからくりに気づいた議員がいなかったので、個別質疑が終わったあとに伝えたが・・・ このことを誰も総括質疑で質さなかった。ほんとうに残念なことだ。

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