2018年03月23日

月形町立病院の経営【月形町H30年度予算詳細/その2】

月形町予算の話題に戻ってきました。今日は町立病院の話し。
※写真は2012年7月に撮影

月形町立病院の経営が厳しい話しは何度となくしてきました。

1年程前に整形外科の常勤医であった副院長が退職し、常勤医は内科の院長だけに。診療科目と救急診療はそのままに、派遣医をやりくりしながらしのいでいたものの「患者の数がめっきり減ったね」と心配する声が大きくなり・・・。町長は経営形態の見直しを昨年秋までに行うとしたものの遅れに遅れて、結局、何も手をつけないで「現状を維持する」と言ったような言わないような雰囲気に。

そうこうしているうちに、もう何十年も院長を務めてきた唯一の常勤医師がこの3月末で退職することに(定年を2年延長して働いていただいた)。しかし、その後任医師がなかなか決まらず、常勤医師がいなくなる事態も想定されたのが、この3月定例会が始まる頃の状況です。

町長の平成30年度執行方針で何か方向性が打ちだされるのかと思っていたら、「現体制の維持と円滑な運営に努めてまいります。また、引き続き経営体制の見直しを進め、さらなる経営の効率化や医療提供体制の確保について検討してまいります。」と、例年と同じトーンの文言が並んでいるだけ。

はて? 
結局、病院はどうなるんだろう?
医師の確保はできたのだろうか?

予算審査で明らかにされるだろうと聴き耳を立てていたら・・・

信じられないことに、私が最も聴きたかった病院経営に対する赤字補填の部分が読み飛ばされ、それに対して議員の誰一人も指摘することなく進み、さらに驚いたのは、何1つの質疑もなく町立病院の予算審査が終了したのです!!! そして、最後の総括質疑でも(笹木議員が若干触れた程度で)真正面から問い質す議員はいませんでした。

新しい医師は? 病院の赤字は? これからの病院経営は?

議会でのやり取りは、議員が納得することだけが目的ではありません。公の場で議論することで課題や問題点を町民と共有することができ、ともに考え答えを導き出す「合意形成」の一助になるのです。たとえ事前に全員協議会で説明したり、説明を受けていたとしても、広く広報される本会議や予算特別委員会の場で情報をオープンにすることは必要です。それが全くなかったことに(町長にも議員にも)心底ガッカリしました。
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そんな状況だったので、私が独自に調べました。

■町立病院の経営
平成30年度国民健康保険月形町立病院事業予算の事業収支は総額6億1128万9千円。そのうち一般会計からの繰出総額は2億6570万円。ここには特別交付金や約束で繰出すもの(←これらをまとめて「ルール分」と呼ぶ)を含みますが、赤字補填も入っています。
・一般会計からの赤字補填額 1億4123万3千円

ちなみに、予算段階での赤字補填額は
 平成29年度 1億1460万円(これに年度末に3818万円追加)
 平成28年度   7667万円(これに年度末に2737万円追加)

毎年度、患者数が見込みより少ないことから追加補填が必要になっています。
平成30年度予算の基礎数値をチェックしたところ、患者数の見込みが今年度予算時とほぼ同じで甘い見積であることから、「(病院体勢の)現状維持」では、更なる赤字補填が必要になると予想されます。

病院全体の予算が6億円の中で、1億5千万円が赤字補填とは!
一般会計35億円の中で、病院の赤字補填に1億5千万円を出すなんて!

こんなにも赤字になっていることを町民は全く知りません。キチンとした数字を知らせていないからです。でも、その負担を負っているのは町民です。現状維持でで本当に良いのか、問う必要があります。

現状の病院体制を維持するために、
・どこまでも青天井で赤字補填をするのか? 
・何か歯止めとなる基準を設けないのか? 
・経営改善のために、取捨選択することはないのか? ・・・

議員に質して欲しいことがいっぱいありましたし、町長に答えて欲しいこともいっぱいありました。それなのに、何1つの質疑がないなんて!!! この予算を提出したのは町長で、承認したのは議会議員なのですよ。その重大性を認識して欲しいです。

■常勤医師の確保
定例会では何も語られませんでしたが、3月16日発表(17日朝刊に掲載)された人事異動で、4月1日付けで医師が赴任するとの記載がありました。常勤医師の不在は防げたようです。
ですが、それなら、もっとキチンと、堂々と、正式な場で発表があればいいのにと思いました。町民の想いが届いていない印象です。

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