2011年02月09日

ボランティア交流・研修のつどい

2月7日午後、交流センターで「ボランティア交流・研修のつどい」がありました。

日頃ボランティア活動をされているみなさんですが、月形町のような小さな町であっても所属団体や活動分野が違っていると顔を合わせる機会がなかったり、お互いの活動を知らなかったり。そこで「ボランティア」仲間として一堂に会し、研修を行いながら交流を深めようと、今回初めて開催されました。

主催は月形町社会福祉協議会と、月形町ボランティアセンター運営委員会です。

ちなみに「月形町ボランティアセンター」とは、社会福祉協議会の中に設置されていた組織で、昨年の組織再編以来積極的な活動を展開しています。福祉分野のボランティア全体を調整・統合(コーディネート)して月形町全体の福祉を向上させることが目的です。今年度は小中学校での福祉体験授業の実施、多世代交流の餅つき大会、映画の上映会や各種研修会などを企画・運営しています。

この日の参加者は、ボランティアセンターに登録している各種ボランティア組織(月形町更生保護女性会、月形町赤十字奉仕団、あけぼの婦人会、JA月形町女性部、新田婦人会)と個人登録者、一般参加者(民生・児童委員も含む)それに主催者などで、総勢50名ほどでした。

研修(講演)は講師の長谷川先生が実際に行っているボランティア活動の紹介を中心に、そこから導き出されたボランティアのポイントとアイデアが示されました。交流会ではお茶とお菓子を囲んで和やかな雰囲気の中、それぞれの活動の紹介や悩み、解決法など、本音の話しもできて有意義な時間を過ごすことが出来ました。
以下、書き留めておきたいことを記します。
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講演「楽しく続けるボランティア活動のコツ」
講師 北海道医療大学看護福祉学部 准教授 長谷川 聡氏

■視点を変える
・どんなこともボランティアになる
・ボランティア活動とは、自分たちの楽しみが、人のため、誰かのためになること。
 ボランティア活動=(する方・受ける方)お互いのためになる

■公費で運営される「生涯学習講座」にボランティアの要素を取り入れる仕組み
・趣味で行う「カルチャースクール」と、公費運営の「生涯学習講座」とでは本来の目的・到達点が
 違うのではないか。
・生涯学習講座にボランティアの要素を取り入れることで、より自主的で、達成感のある
 楽しい講座になる
 例)「合唱講座」・・・1〜4回は通常のレッスン。5回目に福祉施設での発表会。
          1回目に講座開設の目的と目標を伝えることで、やる気が変わる

■ボランティア活動が続くコツ
・自分が「楽しめること」「やりたいこと」をボランティア活動にすることが基本
・目標を設定、それに向かう途中に小さな楽しみを確認できる場を持つ
 例)「生きがい探偵団」市民劇団・・・やりたいことを演目にし、慰問活動をする劇団
  明日への希望・・・次の公演(目標)を設定することで、やりがいが出来る
  楽しい今 ・・・・・稽古や会議と称し寄り合う。会話や食事、話しができることが楽しい
・仲間の絆が深いこと・・・生きる上での安心感になる
・出来るだけ「手作り」で・・・手作りは人の輪を広げる

■文化活動=福祉活動
・文化活動に関わる中で、人と人とが繋がる。地域を知る。→ 福祉活動に繋がる

■その他(交流会から)
・ボランティアは余裕のある人がするもの。義務でするものではない。
・ボランティアはやりたいことをするのが基本。相手(派遣先)の要求で動いてはパンクする
・組織の場合、時代を重ねるうちに理念や内容も変化する。ボランティア組織も同じ。
・組織加入者も減っている。最大人数の時と同じ活動は出来ない。現実を見つめる。
・身の丈にあった活動は何か、組織内で議論する必要がある。
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一般に、ボランティア=福祉分野の印象が強く、またボランティア組織に加入している人にとっては、「義務」「福祉の担い手」というイメージが強かったようです。この日の講演と交流会で「少し気持ちが楽になった」と感想を述べられていたのが印象的でした。

しかし現実には、(特に福祉分野で)ボランティアが行政の下請的な役割を担わされているのも事実です。人口の少ない地方の自治体では、限られた「やれる人」が自己犠牲でこなしている事例も多くあります。本来は制度を整え、労働の中で消化すべき仕事なのに。
ボランティアをする側だけでなく、関係機関や国も意識改革が必要でしょう。私たち議会にとっても再認識すべき課題です。

文化活動と福祉活動の関連性も興味深かったです。
福祉ボランティアが福祉分野だけにとどまっていると、やはり窮屈。町内にも教育や環境分野のボランティア活動や組織がありますが、事務を受け持っている行政機関の影響で別々に運用されています。どの組織も人員不足が課題で、負担感が増している面も見受けられます。「ボランティア」という枠で一つに統合できれば、する側も受ける側も事務局も、ともに余裕と楽しみが生まれるのではないでしょうか。

行政の縦割りから脱却できるのも末端のサービスを担う地方自治体だからこそ。
一歩踏み込んで、町民の福祉の向上、文化の向上に寄与できれば・・・
月形町ボランティアセンターがその受け皿になれればいいですね。
そのためには、また(別の)支援も必要です。社会は全てが繋がっているんですよね。

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