2011年01月26日

きたひとネットフォーラム2011

kitahito2011b.jpg1月24日と25日、北海道大学・学術交流会館を会場に、きたひとネット(北海道女性農業者ネットワーク)の フォーラム2011 & 研修会 が開催されました。

kitahito2011a.jpgこの「きたひとネット」とは、全道各地で直売所、加工品作り、農業経営、指導農業士等の活動を通して、地域農業と食を育んでいる女性農業者達の集まりです。また、会の趣旨に賛同した一般の方や行政関係者(多くは農業改良普及所員)等の参加もあり、全部で161人が登録しています。当日は報道も含め150人近くが一堂に会しました。

当日のプログラムは以下の通り
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【第1日】
1.第3回定期総会
2.農政報告
(1)農産漁村における男女共同参画の状況
 ○女性の農業委員 ○女性のJA組合員 ○経営参画 ○家族協定
(2)APEC報告・・・女性リーダーズネットワーク(WLN)の
 「女性と経済活動」部門 参加報告(遠軽町・岡田ミナ子さん)

3.パネルディスカッション 
 テーマ「世代・人・地域をつなぐ」〜次世代のためにわたしがすべきこと〜
 ○パネリスト:津島  朗さん(畑作・音更町)指導農業士、手ぶら農業体験
        安丸 千加さん(メロン他・上富良野町)女性農業後継者
        内山 裕史さん(アスパラ・美唄市)こせがれネットワーク
        大庭ひとみさん(酪農・広尾町)体験型民泊
 ○コーディネーター:麻田 信二さん(果樹・長沼町)元副知事、酪農学園理事長
              
4.おやつの紹介・・・女性農業者が手がけている加工品を「おやつ」として配布

5.ひとこと言わせて!・・・会場からの意見発表
 ○千葉 澄子さん(酪農・標茶町)指導農業士。男女経営参画、数字の読める女性に!
 ○溝口めぐみさん(米他・深川市)地域活気作り・・・婚活料理講習会
 ○中村由美子さん(酪農・千歳市)共同経営=情報の共有と分担、決定権

【第2日】kitahito2011e.jpg5.研修会
 ・・・人間関係作り・コミュニケーショントレーニング
   『怖れを手放す』
   家族や地域・仲間たちと
      よりよい関係を作るために
   講師:瀬川真弓さん
     (アティテューデナルヒーリング北海道)
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どの場面でも「自らの考えを自分の言葉で語る女性農業者」の姿があり、歯に衣着せぬ語りは迫力満点。共感を得る部分、示唆に富む部分なども多く、会場全体が一体感に包まれて満足感たっぷりのフォーラムとなりました。

以下に、私が心に留めておきたいと書き留めた内容を記します。

■農業分野における男女共同参画の現状(都府県に比べ、北海道は極端に少ない。遅れている。)
・農業委員会のある道内173自治体のうち、130自治体が女性農業委員0人(女性委員は2.5%)
・道内110のJAうち、103が女性理事0人(女性理事は0.5%)
・家族協定を結んでいる農家は全体の1割程度

■パネルディスカッションより
・男性は、会社を辞めて実家に戻って農家を始めても「後継者」
 女性は、農業大学校を出て、農業がやりたくて実家の農業をしても「お手伝いさん」の扱い
・農政や農家の中で、女性の役割(位置づけ)は今も低い。制度改革も必要。
・道内農業従事者は2万人。うち半数以上が女性。

・民泊や農業体験など、消費者と接することが大切。都市と農村を「つなぐ」
・ネットワークを「つないで」農業が儲かる、楽しいを発信したい。
・農家は親子の仲が悪いことが多く、親の知識や経験がつながらない。「つなぐ」努力
・農家の意識が変わることで未来は明るくなる。未来に「つながる」

■ひとこと言わせて! から
・男女経営参画とは共に歩むこと。夫婦二人で経営計画を立てること。
・農業は一生勉強。経営も時代も日々動いている。
・「農家と農業」の違いを明確に。家を背負うのではなく、業をしよう。

■研修会「怖れを手放す」=コーチング から
・思考は現実化する。
・自分が自分を扱うようにしか、人に扱われない。
・相手は鏡
・「今」「自分の心」「ありのまま」が大事
・自分が与えたものと同じものしか自分に返ってこない。

・コーチングは前に進みたい人にのみ機能する。
・コーチングとは、1)聴くこと 
         2)質問をする(行動を変えてきっかけを見つける)
         3)認める
・人は同じ話を聞いても受け止め方は人それぞれ。思い込みによって変わる。
・相手の思考はコントロールできない。違って当たり前。
・どうしてできなかったんだろう?(×)  どうすればできるんだろう?(○)
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フォーラムが始まってすぐは男女共同参画やAPECなど堅い話題が多く、その後のパネルディスカッションや意見発表は実体験に基づく身近な話題や目標が語られ、合間のおやつ(加工品)紹介では農業の楽しさを生き生きと伝えていました。話題も雰囲気もあまりに幅があり、この会の目指すところはどこなのか、参加者の求めるものに合致しているのか、最初は戸惑いました。

しかし、時間とともに参加者同士で仲間意識が芽生えてくると、不思議とこの混沌とした内容や雰囲気が心地よくなってきました。きっと「農業」の持っている奥深さや魅力と同じなのでしょう。それに私も含めた参加者は「農業が好き」だから理解できるのかも。

設立総会以来2度目の参加でしたが、前回よりスケールもグレードもアップして、素晴らしいフォーラムだったと思います。
企画・運営・発表者・参加者のみなさん、どうもありがとうございました。


私は、女性農業者の人生は選択肢が豊富だとずっと前から感じています。子育て、地域との関わり、嫁姑など世代間の関わり、そして仕事(農作業から経営まで、時には加工など)があります。これらの中から何に力を入れるのか、それぞれの考えで選択できます。ちょっと決断し頑張れば、バラエティーに富んだ中から選ぶことができるのです。

「女性を決定権のある場に」という話しの中で引き合いに出されるのは農業委員やJA組合員ですが、「議員」もぜひ選択肢に入れてください。これだけ幅広く活動している女性農業者ですから、普段の生活で感じたこと、考えたことを活かせる場だと思います。
(もちろん農業者に限らす全ての女性の選択肢に「議員」を入れておいて欲しいと思っています。)


今回たくさんの人がそれぞれの視点で話しをされました。その誰もが、自分の言葉で自分自身のことを語っていたのです。自信にあふれたその人の言葉は、真っ直ぐに私の心に入ってきてプラスの力を与え、新たな種をまいてくれたようです。

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