2017年12月10日

【町長他特別職と職員と議員の同時引き上げ(給与・ボーナス・報酬) & 不祥事による減額】傍聴記(3)

月形町では毎年、職員と特別職(町長・副町長・教育長)は人事院勧告に従った給与等の改定をしている。今年の人事院勧告は「給与を0.15%、ボーナスを0.1ヶ月引き上げ」なので、給与は4月に遡って、ボーナスは12月分で実施するという議案が定例会に上がった。

さらに議員からは、ボーナス0.1ヶ月分を上げる発議があった。(私が議員時代は「議員は地域水準で決めるべき」という主張をしていたせいか全く引き上げなかったが、辞めてすぐに同水準に引き上げられ、今年も同時に上げる提案をした。)

これらに加え、今回は町長・副町長の給与減額(ともに10%・1ヶ月)も同時に議案提出されていた。これは10月に発覚した以下の不祥事の管理責任をとってのこと。
●町立病院出張医師の源泉徴収誤算定+追徴税=1,308万円(町が全額納付/一般会計から負担)
●固定資産税の過大徴収 174万円(還付/一般会計から負担)
全て1つの質疑もなく、すんなりと可決された。

“ちょっと待ったーーーー!”

傍聴席で叫びたかった。本当に質疑もないの???!!!

今年度、月形町では税関係の不祥事が相次いで発覚している。10月分は上記のとおりだが、7月には
●下水道(=農業集落排水)使用料の20年にわたる徴収漏れ(2件)推定総額750万円あり、そのうち請求できたのは115万円。635万円が徴収不能。→この管理責任をとって、町長と副町長は減給10%・3ヶ月の処分(7月の臨時会で決定)
議会に諮られたのは町長と副町長の減給処分の部分だけだが、職員の懲戒処分も並行して行われている。
7月の件では戒告2人、厳重注意4人、注意3人。
10月の件では戒告3人、訓告5人、厳重注意2人、注意5人。
現時点で月形町の一般職は69人。その中でこの処分人数は・・・


疑問1)町に与えた損害額も、処分の人数も7月より10月の方が多いのに、なぜ町長と副町長の処分は7月より軽いのか?
疑問2)一般会計から総額2000万円以上の損失を出している(血税が不用な支出に充てられる)のに、慣例といって給与や報酬の引き上げを通常通りに行うのか?

私の感覚では、給与や報酬を引き上げるよりも先に再発防止策の実施だと思う(副町長からの説明では今月13日にも全職員一斉の研修会を開くとのこと。処分もしたし、再発防止の計画はできた=対策防止策をとっている、だからOKという意識なのかもしれないけれど)。でも、これだけの処分者をだし、これだけの損失を出した「反省」は必要なんじゃないだろうか?

民間の給与水準が上がったというが、それは「日本国」のお話しであって、月形町民は相変わらず苦しい。そこから捻出して支払っている税金である。

町民の代弁者の議員なら、そこを一言言って欲しかった。もし、議員のボーナスを同時に上げることで発言できないのだとしたら情けない。

2017年12月08日

【月ヶ岡農村公園の指定管理者確定】傍聴記(2)

9月定例会で月ヶ岡農村公園(JR月ヶ岡駅周辺施設)の管理を来年度から指定管理者で行うことが決まり、公募を経て今定例会でその指定管理者に「社会福祉法人 雪の聖母園」が決定した。応募の際の指定管理料は、上限と同額の150万円/年とのこと。

月ヶ岡農村公園は、JR月ヶ岡駅に隣接した待合所・トイレ・駐輪場・公園で構成されている。これまでの管理は町が直接行い、そのうち清掃等は委託していた。年間の管理経費は総額166万円(うち委託料は121万円/平成28年度予算)。ただし、冬期間は使用できなくなっていた(つまり、冬期間の管理は不用だった)。

今年度大規模改修を行い、台所を新設して簡単な飲食が提供できるようにし、トイレも24時間年中使えるようにして、来年度から「月形町を発信する拠点」として運営できる指定管理者を公募した。

公募の際の仕様書には、月形をPRするイベント等の開催(収入は事業者が受け取れる)と、清掃などの管理業務を行うこと、契約金額の上限は150万円/年と示されていた。
応募したのは「福祉法人 雪の聖母園」ただ1者とのことで、決定に至った。

質疑応答で明らかになったのは、町が契約金額の上限額を設定する際、清掃と管理業務をあわせて年間70万円と算出したということ。これまで委託料として120万円かかっていた業務を、冬も仕事がプラスされ、飲食の提供でトイレ等の清掃も頻繁にする必要がある条件で、50万円も減らしていたのだ。

飲食業の経験がある笹木議員から「飲食を提供するとなると清掃等にも時間がかかる。この金額で本当にやれるのか?」との問いに、「雪の聖母園(障がい者支援施設)は就労継続支援B型事業所なので賃金が安い。応募の際、この条件でも作業人員を確保できるということだったので問題ない」と担当課長から答弁があった。

“えっ!”

つまり賃金が安いことを前提に上限金額を設定していたのか?

公募のときに仕様書を見たが「こんなに業務をしなくちゃならないのに150万円じゃあ割に合わないな〜」と、私も正直思った。そう、一般事業者は同じように感じたのではないか。それで結果的に雪の聖母園しか応募しなかったのではないか?

指定管理者制度を使うなら、PR効果が上がるアイデアを持った事業所がたくさん参入しやすくするよう、業務内容に見合った上限額を設定して公募し、応募のあった中から最適な事業者を選定することが必要だったのではないか?

上坂町長は「雪の聖母園」の元施設長である。この一連の経過を見ていると、そのことも気にならないではない。

2017年12月07日

【月形町地域交通活性化協議会設置条例とJR札沼線問題】議会傍聴記(1)+ラジオ情報

月形町地域公共交通活性化協議会が設置されることになった。

議案審議の際の説明と質疑で明らかになったのは
・交通弱者のための地域交通網を作るための計画を平成30年度中に作りたい。そのための協議会を平成29年度中に設置したい。
・この計画は国の補助対象。
・協議会メンバーは「公共交通事業者/道路管理者/公安委員/地域公共交通の利用者/学識経験者/商工・福祉・教育・その他関係団体の代表者(またはその推薦を受けた者)/行政区長(同じ)/町の職員/その他町長が必要と認める者」計30人以内。幅広い分野から参加してもらう。
・まちづくりに関係する他の計画とリンクさせる予定。近隣自治体との関わりも含まれる。
・道や関係者の指導を受けながら作成する。
・この協議会を設置したからといってJR札沼線廃止やバス転換を容認したわけではない。それとは別に、地域の足を守るための効率的な交通網を構築することがねらい。

一気に仰々しいことになってきたという印象。

11月上旬の町政懇談会で町長からこの話を聞いたときは、町民の実態や意見を活かす場ができると期待したけれど、蓋を開けてみれば国の補助がらみの協議会とは・・・。補助要件に合致した協議会で、町民の生の意見や感覚を吸い上げることができるのだろうか?

メンバー構成も専門家が多い上に、町民は「いつもの人」になりがち。さらに公募もない。そしてメンバーには「守秘義務」が課せられる。

月形町が設置する法定協議会のほとんどは、「会議は公開」としながらメンバーには「委員その他会議に出席した者は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする」という守秘義務が課せられる。これだからメンバーは一般町民と自由に意見など交わせない。広聴などお題目に過ぎなくなる。私が議員時代に、笹木議員とともにこの守秘義務を問題にしたことがあったが、結局何も変わらないまま。

地域公共交通という暮らしに密着したことを検討する時に、自由な議論の場が設定されていないのは致命的だと感じた。

《追記》大事なことを書き忘れてました。
今朝のHBCラジオ朝刊さくらい「ニュース三面チェック!」の中で、「(読売新聞から)JR札沼線廃止容認へ。沿線4町が路線廃止を前提とした協議会を年明けに設置することを、22日に月形町で開催する協議会で決定する予定」と流れました(タイムフリーで聞くことができます。7:20直前から1分間程度)。新聞記事を探したのですが見つからなかったので、どなたか知っていたら教えてください。
この報道が本当なら、一般質問で上坂町長が答弁した「維持・存続姿勢は変わらない」というのはどういうことだったのか?! 混乱しています。

2日目のまとめ【月形町議会定例会・議案審議/傍聴】

強力な寒気が入ってますね〜。完全に冷凍庫です。

寒気が入るときは月形で雪が降る! 
一昨日夜から昨日の夕方までホワイトアウト状態で、積雪も一時107cmまでに。昨夜からは落ち着いて、今朝はうっすら太陽が顔を出しました。
12月7日(木)午前7時の積雪は99cm。

さて、昨日は定例会の2日目の議案審議で、議案11件(一般会計補正予算/他)、発議1件(議員の報酬改定)、意見案1件(農業関係)、同意案1件(固定資産税評価審議委員)を1日かけて審議、全てを原案可決して閉会になりました。

※ 相変わらず議案書等の資料は閲覧のみです。事前案内でホームページに公開されていた議事日程や一般質問通告書一覧でさえ閉会とともに削除されて見ることができません。情報が確認出来ないのはとても不便(←議会事務局に確認したところ、議会のホームページで公開しているとのこと。現在、見ることができています)。以下は私のメモ書きから。

昨日も色々あったんですよねー。発言できない立場にヤキモキしながら一部始終を傍聴してきました。慣れたせいか1日目のような体調不良にはなりませんでしたが(笑)、頭の中を吐き出さないとやりきれない、そんな感じです。
私が気になったのは以下の内容

1)月形町地域交通活性化協議会設置条例とJR札沼線問題
2)月ヶ岡農村公園の指定管理者確定
3)不祥事による町長・副町長の減給処分と、町長等と職員、議員そろっての報酬(給与)アップ
4)債務負担行為

どれも私には“えっ”と思うことばかりだったので、このあと個別に詳細を書きたいと思っています。町内の話題ではありますが、「自分なら」という頭の体操と考えてコメントを寄せてくれると嬉しいです。

2017年12月05日

吐き気と腹痛に襲われた現実・・・【月形町議会第4回定例会・一般質問/傍聴】

札幌や道東方面はヒドイ雪のようですが、月形はここ2日程、穏やかです。雪はサラッと降った程度で、11月5日(火)朝7時の積雪は77cmでした。

さて、本題。
今日明日(11月5〜6日)の日程で開催される月形町議会。今日は一般質問(3議員・6件)があり、傍聴してきました。

松田議員)1.JR札沼線の維持・存続について
     2.月形温泉ホテルのあり方について
我妻議員)1.人口減少社会に立ち向かう取り組みについて
金子議員)1.火葬場待合所の改修について
     2.図書館の建替えについて
     3.町立病院の体制について

何と報告していいのか・・・ 実は、議会の傍聴を終えて帰宅したら吐き気と腹痛に襲われ、2時間程眠ってしまいました。相当なストレスがかかったのだと思います。というのも・・・

町長は「(JR問題は)今もこれからも維持・存続に変わりはない」「(町立病院は)現状維持。医師確保に努める」と、判断を先送りするような答弁に終始。人口減少対策の具体策について問われても抽象的で感情的な答弁に終始。
さらに議員からは「温泉の宿泊施設(はな工房)の大規模修繕要望」「火葬場待合所の大規模改修要望」「図書館の立替要望」などがあり、それに対して「議員から指摘があったので(前向きに)検討する」というような答弁でした。

JR問題も病院経営も、私の感覚では「待ったなしの危機的状況」であり、方向性の判断に一刻の猶予もないと考えていたので、先送り答弁にショックを受けましたし、さらに追い打ちをかけたのは議員からハコモノを求める要望が出て、それに町長が応えてしまいそうな答弁をしたこと。

人口減少は予想以上に進んでいるのに、今からハコモノを建てるなんて! 
小学校の空き教室など活用できる資産があるのに! 
公共施設マネジメントはどうなっているのか? 
月形の将来がとてつもなく不安になりました。

そしてとどめは行政報告。町長の公務を記した「行政報告」を何気なく開いたら、そこには「○月○日 葬儀出席(△△家)」の文字がズラリ。

月形町では慣習として、町長もしくは代理者が町民全ての通夜と葬儀に出席しているのですが、そのことを「公務」として標記している感覚に驚きました。こんなこと以前はなかったのにと思って調べてみたら、今年度分(6月定例会での報告分)からで、上坂町長の指示で記載するようになったとのこと。

「公務」って何なんでしょう? 
それに△△家という表示はプライバシーの観点で問題ないんでしょうか。お悔やみとして町報に載せるのだって不掲載を望む遺族もいる中で、行政報告として知らないうちに強制的に公開されているなんて。調べているうちに吐きそうになりました。
久しぶりに上がった役場3階。以前はここが仕事場だったんですよね〜。ストレスフルな場所だったことを思い出しました。

明日は議案審議です。身体は嫌がっていますが、行きます。

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