2020年02月13日

まちづくり常任委員会・所管事務調査報告【2月5日開催/農林建設課・企画振興課】

先日の「まちづくり常任委員会・所管事務調査」の報告です。今回の対象は農林建設課と企画振興課。
 
1)2019年産・農産物の生育生産状況(農林建設課)
■米:春からの好天で生育良好、収量増。ただし8〜9月の高温で高タンパク傾向(品質低下)がみられた。販売単価は同じだったg出荷量増のため、平年よりも販売総額は増えて約10億円。
■小麦:天候に恵まれ生育・登熟とも良好。単価は若干下がったが出荷量が大増。販売総額は一昨年並みの約5500万円。(小麦は隔年で両不良を繰り返し。昨年は不作)
■大豆:好天だったが播種時期で生育にばらつきあり。全体として単価、集荷量とも増だが個人差あり。販売総額は例年並みの約4500万円。(昨年は不作)
■花き:好天に恵まれ出荷量は例年同等だったが、低単価で推移したために販売総額は1割減の約5億円。
■蔬菜:北海カンロは異常果(種苗の問題)があり収量が大きく減少。それ以外(メロン、スイカ、南瓜、トマト、ミニトマト)は好天により収量増。単価が低迷した影響で、売上総額は平年並み。販売総額:メロン5千万円強、南瓜5千万円弱、スイカ・カンロ・トマト約1千6百万円前後、ミニトマト約1億7千万円。
■生産者数:土地利用型は生産戸数横ばい。ミニトマトは増えている。一方で、蔬菜や花きは高齢化と人手不足で生産戸数減少。ミニトマトに作付け変更も増えている。
《所感》
土地利用型は順調だが、施設園芸は厳しい状況が続いている。中山間地の月形町で地域農業を守るなら施設園芸の振興は不可欠。より一層の戦略的で総合的な取り組みが必要と思う。
  
2)地域おこし協力隊の状況(農林建設課・企画振興課)
■現在の地域おこし協力隊員は4人(今年3月〜+1人)
・農業研修員(=新規就農準備)2年目。研修をもう1年延長し就農予定。
・農業支援担当(1年目):JAに派遣。産地づくりやブランド化を推進。2年目は労働力確保を中心に活動予定。
・地域振興担当(3年目:2020年4月30日まで):2年目までは農泊、3年目はJR・イベント・SNS発信担当。
・観光進行担当(1年目):観光協会に派遣。現在はJRラストランに注力。2年目は環境協会関係業務中心に。
・博物館担当(学芸員):2020年3月1日〜。博物館の価値向上やPRに期待。
《所感》
地域おこし協力隊制度の設立趣旨と照らし合わせ、本来の目的が達成できているかのチェックは必要。過大な課題設定をすれば教育や支援も必要になる。安易な配置は誰にとっても良い結果をもたらさないと感じた。
 
3)町営住宅管理状況(農林建設課)
・入居率98.1%
・町営住宅は本来、低所得者の住宅確保が目的。現実には、町内の住宅事情により「入居要件を柔軟に運用」している場合がある
・民業圧迫のないよう配慮していく
《所感》
住宅需要と所得状況などの詳しいデータを元に、月形町で求められている住宅の実態を把握する必要がある。現実には、低所得者向け一般町営住宅より高所得者も入居できる特定公共賃貸住宅が求められているのではないか。そうなれば現在進められている町営住宅長寿命化計画を見直すべき。
 
4)(株)月形町振興公社の運営状況(企画振興課)
・明確な経営改善は図れなかった
・トマトジュース製造販売に不安。昨年の材料不足による製造源で在庫不足。製造作業員の高齢化の材料確保が長年の課題(←解決できていない)
《所感》
・2019年度は「再生の方向性を見極める1年」として出発したが、現実は・・・。経営陣(社長は副町長)の経営判断が待たれる。
・生産者がほとんどいない桃太郎を使ったトマトジュースの製造は限界だと思う。来年度、町が支援してミニトマトの共同選別ラインが拡充される。そこからジュース用に原料調達できるのではないか。冷凍技術の応用など工夫できる余地はある! 
  
 
《全体を通して》
今回の所管事務調査の対象はどれも、これから月形が発展するときに核になるようなもの。お金や人の循環を生む大事な仕掛けの部分。投資と戦略の対象。
上手くいっていれば、夢やアイデアを具現化するための方策を話し合う楽しくて活気のある場になるはずが・・・ 
現実には、課題への対応をするだけで辛い時間だった。自治体の経営に戦略がないのと、近視眼的視点でものを考えているからだと思う。これは担当者というよりも経営者(=理事者=町長・副町長)の問題。明確なビジョンがほしい。

comments

コメント・フォーム

(ゆみこの日記 にはじめてコメントされる場合、不適切なコメントを防止するため、掲載前に管理者が内容を確認しています。適切なコメントと判断した場合コメントは直ちに表示されますので、再度コメントを投稿する必要はありません。)

コメント・フォーム

▲TOPへ戻る