2020年02月17日

大流行を防ぎましょう【医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド(第1版)】

以下を読めば「新型コロナウイルス感染症」を知ることができます。ぜひご一読を!
※Facebookで滋賀県湖南市の谷畑市長からシェアした情報です。

パニックになる必要はありませんが、楽観できる状況でもありません。
正しい知識を持って適切な対応をし、大流行を防ぎましょう。
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『医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド(第1版)』(一般社団法人 日本環境感染学会)2020 年 2 月 13 日(抜粋)

[ウイルスの特徴 ]
 ヒトに感染するコロナウイルスは従来、風邪のウイルス4種類と重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)、中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)の合わせて6種類が知られていました。新型コロナウイルス(COVID-19)はこれらとは異なるウイルスであり、主に呼吸器感染を起こし、病原性は MERS や SARS より低いレベルと考えられています。中国湖北省において致死率は2%超という数字が示されていますが、中国湖北省以外および国外では実際にはそれよりも低い数値となっています。
 新型コロナウイルスは、飛沫および接触でヒト−ヒト感染を起こすと考えられていますが、空気感染は否定的です。感染力は一人の感染者から2〜3人程度に感染させると言われています。

[臨床的特徴(病態、症状) ]
 新型コロナウイルスは呼吸器系の感染が主体です。ウイルスの主な感染部位によって上気道炎、気管支炎、および肺炎を発症すると考えられます。本ウイルスに感染した方全員が発症するわけではなく、無症状で経過してウイルスが排除される例も存在すると考えられます。
 感染者の症状としては、発熱、咳、筋肉痛、倦怠感、呼吸困難などが比較的多くみられ、頭痛、喀痰、血痰、下痢などを伴う例も認められます。一般的に呼吸困難を認める場合は肺炎を発症しているものと推測されますが、上気道炎の症状が主体であっても肺炎の存在が確認される例や、1週間以上の上気道炎症状が続いた後に肺炎が出現する例もあります。
 少数ながらみられる重症例は肺炎を発症していると考えられますが、さらに死亡例ではARDS や敗血症、敗血症性ショックなどの合併が考えられます。
 なお、新型コロナウイルス感染症の重症化のリスク因子ならびに、どの程度、細菌感染症が合併しやすいかについては、明確なデータは認められません。

[治療・予防(ワクチン) ]
 新型コロナウイルス感染症に対して、現在、有効性が証明された治療法はありません。ただし、抗 HIV 薬などの投与が有効であったという報告があり、特にロピナビル/リトナビル
については今後さらに治療効果が検証されれば治療薬としての可能性が期待できるものと思われます。
 現時点における治療の基本は対症療法です。肺炎を認める症例などでは、必要に応じて輸液や酸素投与、昇圧剤等の全身管理を行います。細菌性肺炎の合併が考えられる場合は、細菌学的検査の実施とともに抗菌薬の投与が必要と思われます。肺炎例や重症例に対して、副腎皮質ステロイドの投与については、現時点では有効性を示すデータは無く、推奨されません。
 新型コロナウイルスのワクチンは存在しません。

[感染対策]
1)標準予防策の徹底

 新型コロナウイルス感染症に対して、感染対策上重要なのは、まず呼吸器衛生/咳エチケットを含む標準予防策の徹底です。ウイルスを検出する検査を行わなければ感染例と非感染例を明確に区別することはできませんので、全ての患者の診療において、状況に応じて必要な個人防護具(PPE; Personal Protective Equipment)を選択して適切に着用してください。
 コロナウイルスはエンべロープを有するため、擦式アルコール手指消毒薬は新型コロナウイルスの消毒にも有効です。手指衛生は適切なタイミングで実施してください。

2)感染経路別予防策
 新型コロナウイルスの感染確定例および疑い例に対しては、飛沫感染予防策と接触感染予防策の適応となります。気道吸引、気管挿管などエアロゾルが発生しやすい状況においては、医療スタッフはゴーグル、ガウン、手袋に加えて N95 マスクの装着が推奨されます。
 なお、N95 マスクの使用に際しては、事前にどのサイズの N95 レスピレータが自分の顔に合うかを調べるフィットテスト、および着用の際に正しく着用できていることを毎回確認
するシールチェックを行うことが重要です。
 一般的にタイベックⓇスーツの着用は必須ではありません。

6)環境消毒
 新型コロナウイルスはアルコールに感受性を有します。高頻度接触部位、聴診器や体温計、血圧計等の器材などは、アルコールや抗ウイルス作用のある消毒剤含有のクロスでの清拭消毒を行います。病室内の環境清掃を行うスタッフは手袋、サージカルマスク、ガウン、フェイスシールドまたはゴーグルを着用します。

7)換気
 現在のところ、新型コロナウイルス感染症患者について、陰圧空調管理された個室に入室させることは必須ではありません。外来ならびにCT検査室、入院病棟などについては、部屋の換気条件(例. 6回転/時間など)を考慮して、再使用にあたり適切な換気を行うことを検討します。

8)職員の健康管理
 新型コロナウイルス感染症は、院内感染事例や医療従事者の職業感染は少ないものの、伝播性を有することから、医療従事者の健康管理は重要です。診療した医療従事者ならびにその際の個人防護具の着用状況、その後の健康状況を把握します。

[国内における患者の診療体制]
1)帰国者・接触者外来

 新型コロナウイルス感染症の疑い例を、診療体制等の整った医療機関に確実につなぐため、2月上旬を目途に、二次医療圏ごとに1箇所以上、帰国者・接触者外来が設置されることになりました。帰国者・接触者外来は新型コロナウイルス感染症の疑い例の診察を目的としたものであり、疑い例と他の患者と動線を分け、必要な検査体制を確保し、医療従事者の十分な感染対策を行うことが必要とされています。

2)感染者の受診調整
 帰国者・接触者相談センターが2月上旬を目途に各保健所に設置され、帰国者・接触者外来へと受診調整を行うことになりました。そのため、新型コロナウイルス感染症の可能性のある患者は、受診前に帰国者・接触者相談センターに連絡し、受診する時刻及び入口等について問い合わせる必要があります。もし疑い例に該当しない場合は、必要に応じて一般の医療機関を受診するよう指導されます。

3)一般の医療機関における診療
 一般の医療機関においては、患者が本来帰国者・接触者外来を受診すべき疑い例であることが受付等で判明した場合は、帰国者・接触者相談センターへ連絡の上で、帰国者・接触者外来の受診を案内することになっています。そのため、帰国者・接触者外来を有しない一般の医療機関では、疑い例は診療の対象外となります。

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