2011年01月30日

北海道立文学館『吉村昭と北海道』特別展

1月30日(日)に北海道立文学館で開催中の『吉村昭と北海道 歴史を旅する作家のまなざし』特別展に行ってきました。

吉村昭氏は著名な歴史小説家ですが、その作品「赤い人」は月形町の樺戸集治監が舞台になっています。

私は月形町に移住してすぐの頃、月形町の成り立ちを知るために「赤い人」を読みました。生々しさと過酷さに驚き、先人の境遇や苦労を身近に感じることができたのも、この小説のお陰です。その結果、毎年9月の樺戸監獄物故者追悼式でも心からの哀悼を捧げられているのではないでしょうか。

そんな「赤い人」も紹介されている特別展。取材旅行で親交を深めた町内歴史研究家・熊谷正吉さんとの書簡や写真なども展示されています。

また、吉村昭氏の作家としての歴史を丹念に追っていて、歴史小説に主軸を移す前の(私の知らなかった)死をテーマにした時代のものも紹介され、興味をそそられました。

会場には直筆の原稿も数多く展示され、とても丁寧で綺麗な文字が原稿用紙のマス目にキチンと納められているのを見て、吉村昭氏の生真面目さが伝わってきました。

原稿用紙5枚ほどの直筆エッセイを読み進めると、そこから情景や物が浮かび上がってくるようで、目の前で吉村昭氏が話しかけてきたのではないかと思うほど。話の展開に感動し、吉村昭作品を今すぐ読んでみたいと思わせてくれます。

この特別展、残念ながら2月6日(日)までの開催です。
あと1週間しかありませんが、もしお時間がありましたら、どうぞ。おすすめです。

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