2010年12月09日

全員協議会(2010.12.7〜8)議会の活性化

以前から進めている「議会活性化」の議論で、まだ結論を出していない項目について協議しました。

※写真は12月8日の昼頃撮影しました。この日は一日曇りの真冬日。前日の雪も屋根や地面では融けていますが、山の木々には霧氷となって木々の枝葉まで綺麗に見せてくれていてウットリ見入ってしまいます。遠くの景色に視線が行って、目を休めるには最高です。
__。__。__。__。__。__。__。__。__。

■常任委員会を1つにすることに伴う条例と会議規則改正事項の確認
・委員の任期:4年(現在は2年任期。申し合わせで4年行うことになっている。
          常任委員会が1つで変更が発生しないことから、議員任期と同じにする。)
・副委員長の数:1人(以前、分野別に複数の副委員長を置く案も出されたが、検討後1人に決定)
・副委員長の報酬:加算なし
        (副委員長の負担が増えることが想定されるので加算も検討されたが、
                               現状のまま、加算無しで決定)
・議会運営委員会の委員数:4人(現行の5人から、1常任委員会委員長分を減らして4人)

■議員報酬と期末手当・・・現状のままで決定
[現状認識および、それぞれの意見]
・現状の報酬は、近隣町村議会と比較すると、議長や副議長では高め、議員は低い方に位置する。
・報酬はそのままで、議員活動が町民に見えるように努力(議会だよりの発行や報告会の開催など)
・人事院勧告の数字が小さな自治体まで関係してくるものなのか疑問。
     自ら規律を持って進める意味で、人事院勧告や他自治体議会に影響されず削減の方向で。
・議会費全体を考慮に入れた上で議員報酬等の見直しも考えてはどうか。
     常任委員会が1つになり、結果として予算減。
     議会だよりや報告会の開催など、活動の幅を広げる場面に予算付けもあるのでは。
・常任委員会の削減は予算削減のために行ったのではない。
     議会だよりも予算をつけないことで進めたはず(予算が必要なら自己負担すべき)。
     議会費全体としても削減の方向で行くべき。
・月形町議会の町予算に対する議会費の割合は、他町村議会費より1%程度高い。
・道外・道内研修費の削減なども検討課題。自費もしくは政務調査費などで対応も。

■議会選出委員の取り扱い・・・検討を加えるも、再度審議
[現在の付属機関への就任状況(法定以外の分)]
・農業委員会     (委員として)  1名
・(株)月形町振興公社(取締役として) 3名
・土地開発公社    (理事として)  3名
・イベント委員会推進団体会議(議長の宛職) 1名
・表彰審議会     (議長・副議長の宛職)2名
・水田農業推進協議会 (議長・副議長・常任委員長の宛職) 3名
・農業推進協議会   (議長・副議長・常任委員長の宛職) 3名
・農業改良協会    (常任委員長の宛職)     1名
・地産地消計画推進協議会(議長・常任委員長の宛職) 2名
・高校教育振興協議会  (議長・常任委員長の宛職) 2名

[意見(課題)]
・振興公社や土地開発公社への派遣は、経営者側になるので問題があるのではないか。
・振興公社の取締役は、今までの流れの中ですぐに引くことができるだろうか。
・任意団体への派遣は情報収集の意味では必要に思うが、
             議会の総意としての発言でなければ控えた方がいいのではないか。
・参加するだけで会議の牽制役になることもある。ただ宛職でなくて良い。
・参加している会議の全てが意見を言える様な会議ではない(伝達機関や決定機関)。
 議員が参加する意味があるのだろうか。
・委員を引き上げる場合は町側の意見も聞かなければならない。
                    議会側の思惑だけで決定できない事項だ。

[今後の対応]
・次回までに法律などの調査を行う。
・町側の考えを確認しながら進めていく。
__。__。__。__。__。__。__。__。__。

議会活性化の議論を始めてから2年近くになります。
当初は[議会活性化]の趣旨が充分伝わらず、ぼけた議論や枝葉末節の議論に終始していた様に思います。それでも回を重ねるうちに本質的なことも議題に上がり、また論点も整理されてきました。

数年来の中で法令や条例、契約形態などが変化してきたにもかかわらず、前例踏襲の元に検討を加えてこなかった事項を、この[議会活性化]の議論の中で再調査しながら確認・検討を加えることができ、とても良い機会になったと思います。議会の仕組みや議会の役割などを再考察した議員も多かったのではないでしょうか。

どんなことでも『動き始めれば何かが変わる』ことを、実感しています。

2010年12月08日

全員協議会(2010.12.7〜8)全般

第4回定例会に合わせて随時開かれた全員協議会は、以下の内容が報告・協議されました(順不同)。
__。__。__。__。__。__。__。__。__。

1.議案説明と会議等出席議員報告
・議会運営委員長・議会事務局より定例会の日程と一部議案の説明
・各組織に派遣されている議員から活動報告

2.町側からの協議・報告事項
■平成21年度月形町教育行政事務の管理執行状況点検・評価報告について(教育委員会)

・本来は本会議場で行うべきところ、議事進行の関係から本会議場では書面による報告になる。
 その前に全員協議会で説明と質疑応答を行い、了承。

■し尿処理共同処理計画について
8月30日の全員協議会で説明があったが、不足分を追加説明。
・月形町の生し尿の量 平成21年度:595m3/年
 (合併処理浄化槽の普及と反比例し年々減少。年間30〜40m3程度:補助政策の影響あり)
・スケジュール:平成23年3月 副町長会議(この時期までに基礎資料を揃える)
            5月 石狩川流域下水道構成市町(6市4町)による総会で、
               月形町と雨竜町の加入について審議される
・し尿処理場が現在(美唄市)より遠くなる(奈井江町)ことによる
                   運搬コスト高については、汲み取り料で対応する。
 ※生し尿処理の基本的考え方:運搬費用は家庭の負担(汲み取り料)、処理費は町が負担


3.議会内討議
■月形町職員の公正な職務の執行の確保に関する条例(案)について
 → 別項で報告
■議会活性化について → 別項で報告

2010年12月07日

平成22年第4回定例会(議案)

平成22年第4回定例会は、12月7日のみで終了しました。
これは、一般質問が2件(宮元議員、宮下)であったこと、これまでに臨時会を5回も行っていることで審議議案の本数が少なかったことに寄ります。また、第3回定例会(9月)で宮下の一般質問への町長答弁にあった「月形町職員倫理条例を12月定例会に提案予定」は、11月26日の全員協議会で調整がつかず、今定例会への提案が見送られました。このことも日程短縮の大きな要因です。

それから、月形小学校6年生(19名+担任の先生+校長先生)が授業の一環で、午後からの[平成22年一般会計補正予算]を1時間にわたって傍聴していきました。子ども達は真剣に審議に集中して熱心にメモなどを取っていたそうです(私の真後ろなので、私は全く見ることは出来ませんでした。残念)。もちろん審議している議員や理事者側も、いつもより活気があったのも事実です。やはり傍聴者が多いことは活性化に繋がりますね。

さて、ここでは審議された議案内容を報告します。

※写真は今日の昼前に撮ったもの。しばらく暖かい日が続いて雨ばかりの師走でしたが、今日は久しぶりに雪がうっすら積もっていました。日中もほぼ0℃の気温が続いたため山の上には雲が低くたれ込めています。でもやっぱり冬なんですね。雲の色が白いです。
__。__。__。__。__。__。__。__。__。

【平成22年度各会計補正予算】
1.一般会計補正予算(第3号)

●歳入歳出総額 31億3764万5千円 (ー2408万3千円)
 [増額要因]開町130年に伴う大口寄付
 [減額要因]事業進捗による事業費の精査   
●注目点
・国の補助等のメニューが確定した事による事業名や科目の変更
  例:8月23,24日の大雨災害の復旧工事・・・一般財源 → 災害復旧債
    児童手当負担金 → 子ども手当交付金
・給与費等の減額(人事院勧告に伴うもの、退職や異動によるもの)
・保養センター付属施設貸付料の減額(温泉ホテルの経営形態の変更、業績不振を考慮)
・役場庁舎内の電話機・交換機の変更(IP告知に対応するため)
・一般廃棄物処理基本計画策定の委託料(美唄市との一般ゴミ処理共同事業のため)
・道路新設改良事業の補償費の減額(地権者との話し合いにより、一部次年度で補償)

2.国民健康保険事業特別会計補正予算(第3号)
●歳入歳出総額 5億1792万5千円 (+240万2千円)
・交付金等の確定(増額)、一般会計からの繰入金の減額、過年度返納金の増額

3.農業集落排水事業特別会計補正予算(第2号)
●歳入歳出総額 1億1343万9千円 (+238万8千円)
・市南処理場脱臭設備改修工事 (予算不足分を一般会計から繰り入れ)

4.介護保険事業特別会計補正予算(第2号)
●歳入歳出総額 3億7658万6千円 (+1827万5千円)
・介護サービス給付の伸びによる

5.町立病院事業会計補正予算(第1号)
●病院事業収益および費用   7億8872万2千円(ー163万7千円)
●給与費(人事院勧告に伴う) 3億7686万4千円(ー270万2千円)

【その他の議案】
1.町営住宅・高齢者向け住宅条例の一部改正

・札比内町営住宅の一部(老朽化した2棟)を取り壊したことによる

【意見案】
■地域医療と国立病院の充実を求める要望意見書
■道立衛生学院の存続を求める要望意見書
■B型肝炎問題の早期全面解決を求める要望意見書
■EPA基本方針策定に関する要望意見書
■義務教育費国庫負担制度堅持・負担率2分の1への復元、平成23年度国家予算編成における
 教育予算確保・充実に関する要望意見書

【会議案】
●閉会中の所管事務調査の申し出(議会運営委員会、総務民教常任委員会、産業建設常任委員会)

2010年12月06日

広報特別委員会(2010.12.6)

いよいよ「議会だよりNo.2」の発行日を迎えました。

今日は朝9時から、役場大会議室が町報「花の町つきがた12月号」の折り込み作業場になりました。

月形町では毎月5日(休日等の時は後ろにずれる)に町報「花の里つきがた」を、20日(休日等は同様)には「おしらせ号」を発行しています。発行数は約1,700部(町内戸数分)。ここには、役場組織や町内各団体の文書やチラシを折り込んで無料全戸配布することができます。
ただし、誰でもが折り込めるわけではありません。発行1週間前までに原稿の審査(公共性があるか、内容が不適切でないか・・等)があり、広報担当からOKをもらう必要(場合によっては省略)があります。また、発行日当日は折り込み作業要員として、1団体から2名参加しなければなりません。

今回の折り込みは年末という事もあってか数が多く、月形地区で9種類、札比内地区は10種類のチラシや文書が折り込まれました(参加者の顔ぶれは、役場各部署、商工会、消防、札比内駐在所、福祉施設、環境団体、そして議会)。

議会からは笹木議員と私が参加。笹木議員にとっては初めての折り込み作業だったので「こんなふうにやっていたのか。職員も結構でているんだなあ。それにしても思いのほか大変な作業だ。」と、感想を漏らしていました。

私自身は、地球温暖化防止活動団体「地球を愛する会@月形」や「まちづくりNPOふきのとう」の広報誌折り込みなどで何度も経験していたので要領は分かっていましたが、やはり手作業というのはなかなか大変だあと毎回思います。とは言え、機械化できる様な規模でも回数でもないですし、普段顔を合わせない人と会えるのも楽しみの1つですし、何よりこの作業をすることで「議会だより」を確実に全戸配布でき、町民の皆さんのお手元に届けられると思えば、この1〜2時間の作業も良しでしょう。(※)。

来年4月になれば各戸にIP告知端末の供用が開始されますので、多くのチラシや文書がそれで対応できることでしょう。この折り込み作業風景も変わっていくのでしょうね。

皆さん、ぜひ「議会だよりNo.2」の感想やご意見をお寄せ下さい。
今後の議会や、より分かりやすい広報制作にも生かしていきますので、よろしくお願いします。
__。__。__。__。__。__。__。__。__。

(※) 各団体が単独で各戸に配布するとなると多大な経費がかかるので、こうして「手間替え」で確実に全戸配布できることは、小さな団体に取ってはとても有り難いことです。その一方、役場職員の折り込み作業従事はどうなのか・・・一歩下がって考えることも必要に思います。

確かに役場職員が、手間のかかるちょっと大変な手作業を黙々とこなしている姿は美しいでし、頑張っていると共感もできます。ただ役場職員の給与を時給換算すれば、町内では高給ランクでしょう。この作業に割いた約2時間を本来の業務に当てていれば、費用対効果の高い労働をしてくれるかもしれませんし、しないかもしれません。この辺りは職員の姿勢と能力によって違ってくるので一概には言えませんが、それでも行政改革を行う上では頭に入れておかなければならない要素です。

私の考える(理想の)役場職員像は、日常の基本的な業務は一日の半分でこなし、あとの半分はアンテナを広げる事(現在の業務に関連する情報だけでなく、今後に繋がるアイデアを集めること。それを形にするための町内外を問わない人脈を作ること。コミュニケーション能力を磨くこと。)に積極的に取り組んでいる人です。かなり創造性を有する職業だと考えています。

しかし、現実はどうでしょう?

雑務に追われていては創造的で未来志向の仕事まで、なかなか向かえないでしょう。その一方、自らに創造的思考がなければ時間を有効に使えず「暇そうにしている」との批判を受けかねませんし、かえって非効率な職場になることでしょう。

「ニワトリと卵」の議論に発展していく問題ではありますが、現状を理想に繋げるためには、まず職員の雑務負担を減らすことが重要かと思います。雑務を一手に引き受ける部署(仮称:事務課)があれば・・・それ以外の部署は本来業務に対する「創造性」が常に命題になるのではないでしょうか。そして事務課は、いかに効率的に仕事を進めるかを命題に、創造的な仕事ができるのではないかでしょうか。

これらを実現しようとすれば、大胆な配置と発想の転換が必要です。創造性のない職員は「職員」の枠から外れてもらうこともあるかもしれません。事務課マネジャーのもとでは、事務作業や接客のプロに近い技術が要求される人も出てくるでしょう。臨時職員等の増員も含め全て事務課管理にすることで、業務量や内容に配慮した人材管理もできるのでは。これらは現行の人員配置+αで対応できるのでそれほどの財政負担はないでしょうし、効率化や創造性が確立されれば総合経費は下がることでしょう。

「議会だよりNo.2」の制作・発行作業を終えて、こんな事が浮かんできました。

2010年12月04日

廃棄物資源循環学会北海道支部セミナー(平成22年度)

12月4日(土)午後、北海道大学工学部オープンホールで、今年度の廃棄物資源循環学会北海道支部セミナーが開催されました。今年は事例発表も多岐に渡り数多くあった他、口蹄疫に関する特別講演もあり、例年より広い会場には各方面から120名もの参加者がありました。

ここで全てを紹介出来ませんが、いずれも大変興味深い内容でした。

「廃棄物は資源」という考え方を持って、様々な素材(廃棄物)を経済性のあるモノに変えていこうとするエネルギーがこの廃棄物循環学会にはあります。その考え方で実社会を見ていくと、実に多くの事象が「廃棄物」で繋がり、「業界」「専門」「縦割り」など狭い範疇でおさまりきらない「廃棄物」の姿が見えてきました。
視点と発想が重要、そしてなんと言っても経済性(補助金などの政策投資も含めて経済活動として成り立つのか。環境負荷など将来的な負担も含めた経済性)が鍵になると感じました。

会場で久しぶりに松田從三先生(現ホクレン農業研究所)とお会いし、情報交換させていただきました。松田先生とは月形町内での講演会がご縁で、NEDOの新エネビジョンや一般廃棄物処理の関係でもお世話になりました。専門家の視点や知識は大きな力になります。

以下、プログラム(目次のみ・発表者の氏名省略)と、私の視点での特別講演内容を記します。
__。__。__。__。__。__。__。__。__。

平成22年度 廃棄物資源循環学会北海道支部セミナー
    『北海道における発生抑制・資源循環・廃棄物処理に関する取り組み紹介』

1-01 「北海道グリーン・ビズ認定制度」            北海道環境生活部環境局
1-02 「廃石膏ボードのグラウンド用ライン引き粉としての再生・OEMによる販売」
                                   北清企業株式会社
1-03 「環境と経営の両立、森林保護と廃棄物ゼロへの取り組み」     道栄紙業株式会社
1-04 「北洋大通りセンター新築工事のゼロエミッション化」
     大林・伊藤・岩田地崎・丸彦渡辺・中山・田中共同企業体 北洋大通りJV工事事務所

2-01 「医療廃棄物のリサイクル処理」      空知興産株式会社苫東リサイクルセンター
2-02 「地域環境に配慮した最終処分場計画と跡地利用」         角山開発株式会社
2-03 「北海道における海岸漂着物実態調査」              株式会社ドーコン
2-04 「バイオマス亜臨海肥料化技術研究開発について」
                   (社)日本技術士会北海道支部資源・環境・健康分科会
              (独)北海道農業研究センター・(株)ピーシーエス他道内6企業
                         特定非営利活動法人北海道資源循環研究所

3-01 「ホタテ貝柱の堆肥化による資源化」について              枝幸町農林課
3-02 「廃石こう品リサイクル事業化WGの活動報告」 廃石こう品リサイクル事業化WG事務局
3-03 「石炭灰利用人工海底マウンド技術と北海道における事業化可能性」 株式会社エコニクス
3-04 「資源循環型社会におけるセメント産業の動向」         日鐵セメント株式会社
3-05 「産業界のインフラを活用した可燃性廃棄物の化石燃料代替化」
                      広域北海道有機素材循環利用ネットワーク協議会
__。__。__。__。__。__。__。__。__。

特別講演『宮崎県の口蹄疫による家畜埋却処理と海外の事例』  
              宮崎大学工学部土木環境工学科 助教 関戸知雄氏

■口蹄疫とは
・口蹄疫そのもので死ぬのではなく、家畜の価値が下がることが問題
・様々な型(type)が存在し、相互にワクチンが効かない。抗原は著しく多様。容易に変異。
・酸性またはアルカリ性に振ることで防除できる
  例:低温条件 pH7.0〜9.0で安定。pH4で15秒間、pH6で2分間で死滅
・現段階の口蹄疫対策や対応は、経験的にやっていかなければならない状況。研究途上。

■口蹄疫防疫措置の実態
・マニュアルでは「異常家畜が疑似家畜と決定後原則として24時間以内に殺処分。
     ↓               疑似患畜と判定後72時間以内に埋却を完了」
  現場では時間的余裕がなく、不眠不休で対応しなければならなかった。
  今後、大規模農家は埋却方法まで考えて営農するようになる。
        (宮崎の集約的営農ならではの問題)

・焼却処理は時間的な問題でできなかった。
  また、発生地が住宅地と隣接しているので、家畜を動かすリスクを考え埋却処分した。
・当初、法律だけでは防ぎきれず。
  新たな対処[半径10km圏内の家畜全島にワクチン接種
                  →殺処分]で終息した
・感染ルートは現在調査中
・埋設方法は試行錯誤の末にたどり着いたもの(右図)

■埋却により発生した問題
・悪臭
・体液の噴出
 (シートの隙間から地上に噴出。雨などの自然圧もある)
・礫による農地の荒廃(埋却のはほとんどが自前の農地。深さ4mも掘り返すことで礫が出てくる。
           それを短時間でうめ戻すため、上下転地され良質な表土がない状態)
・3年は発掘禁止(法律による)
・環境汚染への不安(ガスや汚水の問題 → モニタリング実施中)
・多量の石灰散布による粉じんと臭い
 (一般人では2、3日間の作業後には休まざるを得ない状況になる)

■イギリスの事例
・2001年発生、約600万頭を殺処分、主に羊
・家畜、トラック、人の異動によって伝搬。風による伝搬も確認されている。
・約30%は焼却された(多くは野積み焼却)
・結果的に大規模な環境汚染はなかったのではないか
 (文献等あたってもあまり資料が見あたらない。現在も調査中)
・埋め立て地からの浸出液調査で、
  COD(化学的酸素要求量、水質の指標の1つ)は急速に濃度が減少。
  アンモニア態窒素は、5年経過しても濃度が上昇したまま → 長期化の可能性
__。__。__。__。__。__。__。__。__。

この特別講演で「現場」を知ることができました。
当時の報道やインターネット情報で、現地の悲惨さや非常さを多少なりとも知っていたつもりでしたが、現場そのままの声は響きました。画面や紙面からは「臭い」は解りませんし、本当の惨状も写してなかったのは当然でしょう。その中で、いかに現実の課題を想像できるか・・・その手だてとなる情報が盛りだくさんで、貴重なお話でした。ありがとうございました。

口蹄疫の惨事は二度と起こしてはならないと、あの時も、今も思っています。ただ感染ルートが未だ解明されていないことや、アジア大陸でまたも発生したこと、現状では有効な手だてが確立されていないことなど、研究途上であることが不安の種ですが、同時に研究が日夜進められているのもわかりました。

行政の役割として、今回の経験とこれからの研究成果を生かし、いつ非常事態が起きても対処できるような体制作りが求められるでしょう。これは宮崎県下だけの問題ではなく、北海道や月形町にも当てはまります。そのためにはまず今回の行動検証が重要ではないでしょうか。
どんな問題もツボは一緒の様な気がします。

関係者の方々、研究者の皆さん、今も日夜努力されていることでしょう。
どうかよろしくお願いします。

<<前の5件 1234

▲TOPへ戻る