2011年01月21日

北海道中小企業家同友会南空知支部 2011年新年交礼会

昨晩(1月20日)岩見沢市ホテルサンプラザにて開催された「一般財団法人北海道中小企業家同友会南空知支部 2011年新春講演&新年交礼会」に参加してきました。初めて中小企業家同友会に参加させていただいたのは2010年の新年交礼会、ちょうど1年が経ったことになります。

今年の新春講演の講師は、福岡県にある(資)若竹屋酒造場 14代目社長の林田浩暢氏。
社会経験を積んで自社に入社したときには債務超過の状況。会社を守るためには経常利益を出し、資金を調達しなければならない事態に。そこで、現場の実態を詳細に把握した上で様々な分析と実践を重ね、負債を減らしている現在進行形のお話です。

講演内容は経験談だけではなく、その裏にある経営改善の具体的手法や理論が熱く語られ、経営者として何をなすべきかが伝わってきました。また老舗の後継者であることによる家族の問題にも触れ、親近感と共感が湧きました。身につまされた会員の方もいたかもしれません。

林田さんが自ら学び、考え、行動した結果導いた一つ一つの言葉は、まるで魂を持ったように力強く私に入り込んできました。全てが正直であり、ブレる隙などない現実から生まれた言葉だからこその勢いなのだと思います。

以下に、私が記憶に留めておきたいと思った講演内容の一部を記します。
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『創業元禄12年、若竹屋は先祖より預かりしものにあらず・・・!
  〜挑戦!・・・「10年連続赤字・債務超過」からの脱出!〜

 講師:(資)若竹屋酒造場 14代目社長    林田浩暢氏


■入社時(約20年前)の酒業界の状況
・酒販店は免許制だったために、経営に革新のない状態。
 そこに量販店が進出してきた。
・酒販店の衰退にあわせ、蔵元(酒造業)である若竹屋の収益も落ちた。
・「買う気がない人に買わせる技術が営業」と営業セミナー等で教えられるも、商品は動かない。
・資本の違いにより、大手メーカーや量販店の攻勢に負ける。酒販店・酒造業とも追い込まれる。

■若竹屋の実情を知る(約15年前
・既に債務超過の状態。新規借り入れもできない=運転資金を自前で捻出しなければならない。
・利益が出ないのではなく、利益を出さない構造になっていた
・現場(製造、販売、管理)はマンネリ化、意識の低下が顕著

■会社存続に向けた取り組みの始まり
・細かい仕切書を全て見直し実態を把握、綿密な利益計画書(経営計画書)を作った。
 → 初年度僅かに黒字、翌年は黒字幅が大きく伸びる → 更なる経営改善(分析と行動)
・返済に必要な原資の確保が会社存続の絶対条件 = 経常利益の確保 → 下から作る計画

■下から作る計画=必要な経常利益を算出し、そこから固定費や変動費、売り上げを検討していく
・経常利益:返済の原資、将来展望【会社のビジョン】
・固定費 :会社内部の改善で賄えるもの【自助努力】
・変動費(製造原価など):対外的な交渉が必要。お願い。5カ年計画や見通しを語り理解を求める
             【他社との関係性。ビジョンの共有】
・売上げ :お客様が決めること。商品、顧客、地域、流通、営業など様々な要素の影響の結果
◎経営計画書には「会社にかかわるそれぞれのストーリー」が、数字という形を取って現れてくる

■経営改善で見えてきたもの
・企業理念は重要。しかし後継者にとって理念を創出するのは難しい。
 (創業者はやりたいことがあって起業した=理念がある。引き継いだ者との立場の違い)
・まずは「経営計画書(利益計画書)」。実施していくうちに理念や方針が見えてきた。
・理念が浸透していない会社は利益が出ない。
・理念や方針を浸透させたいなら、利益を出すことが最速の方法。

■経営者のやるべきこと
◎経営資源(人・物・金+情報・技術・他)をどこに投入すれば良いのかの決断
         = 会社の強みを活かすところに資源を投入すること
◎何かを削る決断 = 経営資源を捻出すること

■分析手法の活用
◎様々な分析法は決断の根拠、支援になる
◎分析過程・結果を共有することで社内の一体感が醸成 → 理念の浸透、経営方針の確立
・SWOT分析:強みと弱み(内部環境)、ピンチとチャンス(外部環境)を分析
・ABC分析 :何を削るかの指針
・移動年計 :分析対象(商品、顧客等)の状態の把握。変化の理由を分析することで活用。
・ポートフォリオ分析(またはPPM分析):2つの要素(若竹屋の場合は粗利率と売上高)を軸に
       分析対象のゾーン分け。ライフサイクルに当てはまる。資源投資先決定に活用。
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非常に明解で論理的かつ実践的なお話は、大変良質な経営セミナーでした。林田さんが精魂込めて発した言葉(エネルギー)を生きた資源としていかに活かすかが、参加者(経営者)の手腕や器量のような気がします。

これを(予算以外の)自治体経営に応用すると・・・
[経常利益:住民から信頼][固定費:職員のやる気・倫理・行動][変動費:経済状況、社会情勢、国や道からの予算配分、制度変更][売上げ:住民のニーズへの対応・・・]
求めるものも扱うものも数字に換算できないので、ちょっと考えたくらいでは答の出せるものではありませんね。

しかし行政改革の手法としてSWOT分析やABC分析、ポートフォリオ分析は活用できそうです(相当の発想と視点の転換は必要ですが)。またそれらを試行錯誤し検討する中で、行政内の理念も高まり浸透することでしょう。

講師の林田さんも債務超過というピンチに向き合い立ち向かったからこそ、社内の一体感や活力、関係業者や顧客との信頼関係、家族への理解などの結果がついてきたのだと思います。

ピンチはチャンス!  私は当事者です。自ら飛び込んで答えを導き、実践!

2011年01月20日

『空知シーニックバイウェイの可能性』勉強会

1月19日午後、岩見沢市で開かれた『空知シーニックバイウェイの可能性』と題した勉強会に参加してきました。

「シーニックバイウェイ」とは聞き慣れない言葉ですよね!

シーニックバイウェイとは、Scenic(景観のよい)Byway(脇道、寄り道)という造語です。道路(車での移動)からの視点による景観・自然・文化・などを題材にした観光ルートそのものを指したり、ルート上にある地域がそれぞれの魅力を掘り起こす地域活性化の取り組みを指します。

今回の勉強会は「空知フード&ワインロード計画」協議会・ケータリング部会が主催です。この団体は国土交通省の「建設業と地域の元気回復助成事業」からスタートした団体で、空知建設業協会の若手の会が中心とのこと。異業種や地域連携を深めて空知を元気にしようと、シーニックバイウェイの可能性も探っている雰囲気でした。

なので、空知全体から集まった参加者約50名の多くは建設業関係者ですが、他にまちづくり関係の団体、農業や行政関係者なども含まれていました。

以下に勉強会で印象に残った部分を記します。
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空知のヒト、モノ、アイデアを繋いで、新たな空知を創ろう! 空知シーニックバイウェイの可能性

『シーニックバイウェイ北海道の全道的取り組み
            〜着地型観光とシーニックバイウェイ北海道〜』
     一般財団法人シーニックバイウェイ支援センター    原 文宏氏

■現状
シーニックバイウェイ北海道は平成17年からスタート。
・平成22年末現在、9つの指定ルートと3つの候補ルートがあり
 (右の写真:北海道のよりみちドライブ情報[Byway]より)
 約350団体が活動している
・全国組織「日本風景街道」との連携
 (観光資源販売の拡大を目指して)

■シーニックバイウェイには3つの連携要素が必要
 例)大雪・富良野ルート(美瑛・富良野)・・・・・・・・・農業(地域)、農村景観、観光
 例)東オホーツクシーニックバイウェイ(知床)・・・自然遺産、環境保全、観光

■着地型観光のポイント
・着地型観光とは・・・現地集合、現地解散が基本。
           地域がプロデュース。体験・交流・学習が目的になることが多い。
           ボランティアやNPOなども含む、地域住民による企画や「おもてなし」
・きめ細やかで、多様な観光スタイル = マスツーリズムのビジネスモデルでは儲からない
・ニッチ(隙間)、ストーリー性、体験・交流 がキーワード

■着地型観光を進めるための具体策
・潜在的資源の開発(魅力再発見。資源の掘り起こし)
・地産他消(地域で穫れたモノを、他の地域や人に消費してもらう)
・地域住民との交流の場の提供
・まちづくり、地域づくりとしての視点
・環境や自然への配慮
・客観的なデータ収集(開発の基本。重要)

■着地型観光の具体例
・除雪ボランティアツアー:都会の若者が(参加料を払って)田舎で高齢者の除雪ボランティア。
             その後、地元食材を使った食事を地域の人と食し、温泉入浴や
             アートイベントへの立ち寄りなどを含んだバスツアー。
・国道よごさん(453)キャンペーン:洞爺湖の周りのゴミ拾いバスツアー(有料)。
             清掃後にカーボンオフセットとして植樹を実施。
・シーニックワイナリーツアー:浦臼のワイナリーで
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『シーニックバイウェイ活動事例〈支笏洞爺ニセコルート〉』
      えにわシーニックプロジェクト      久保 純一氏

■えにわシーニックプロジェクト
・恵庭市内での地域の魅力掘り起こしてビジネス(ツアー化)まで繋げる
・実質的に企画や活動をしているのは15〜20名
・イベント毎に、市内の高校や大学のボランティアや他の市民団体、観光協会や行政とも連携

■恵庭市の魅力(ガーデニング、渓谷、自然)→ 事業化(以下の3つ)
◎ガーデニングマップ制作
 ・オープンガーデンをしている個人宅(個人名)が掲載されたマップの作成
 ・好評だったが、トラブルもあった(間違いや苦情、他)
 ・改善しながら制作 → 現在は環境協会と行政が資金支援して制作されている

◎ガーデニングツアー(大型バス1台45名で巡る。課題は多いが解決しながら進めている)
 ・人が集まらない → 札幌をターゲットにして解決。手身近だけではムリ
 ・一度に全員が食事を取れる店がない → 2軒に分けて対応。今は大型施設あり
 ・市内ガーデニングイベントとタイアップ
   → 失敗(ガーデナーさんが自宅にいない。イベント参加者が減る)
 ・住宅街に大型バスが乗り入れることによる問題
   → バスを小さくする・・・参加費収入が減り赤字
     大型バスは駐車場に置き、グループで分散ツアー・・・ガイドの人数必要
 ・利益がない → 今も悩むところ

◎紅葉ツアー
 ・渓谷近くの広い場所を利用してスタッフが料理を作り、みんなで一緒に食べる
 ・屋外や大人数での食事は、特に年配の人に喜ばれる
 ・新聞記事による広報・広告活動は強力。メディアの活用重要。
 ・45人の大型バスに対し、スタッフ50名ほど。現状ではとても商品にならない。

■活動のポイント
・食べることは喜び・・・食事のないツアーは魅力半減
・お土産が買えることもバスツアーの魅力
・シーニックは定義がない分、やりたいことが何でもできた
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数年前にもシーニックバイウェイの勉強会に参加したことがあったのですが、その頃より具体的事例が報告され、シーニックバイウェイが目指しているものが少し理解でき、裾野の広がりも感じました。

シーニックバイウェイの要素としての着地型観光が紹介されましたが、着地型観光といえばグリーンツーリズム。空知管内でも既に「そらちDEい〜ね」という組織があり精力的に活動していますし、月形町もその一員として広がりを見せています。
またフットパスも「歩く人の視点」ですが、シーニックバイウェイと同じコンセプトで活動しているように感じます。こちらも道内の様々な地域で進行しています。

シーニックバイウェイ、グリーンツーリズム、フットパス・・・いずれも地域の資源を地域の人が認識し、活用してこそ成り立つもの。その動きは各地で細かな点として始められています。それらが有機的に繋がる(有用に連携する)には、今以上に組織の壁(組織の成り立ち=担当官庁、業界)を超えなければならないでしょう。

しかし発想を転換すると・・・地域の魅力を再発見しさえすれば、様々な手法や媒体を使って広める下準備はできていると言えます。シーニックバイウェイ、グリーンツーリズム、フットパスも、そのツールなのではないでしょうか。

まずは地域資源の掘り起こしが何よりも先決ですね。月形の魅力を掘り起こしましょう。

2011年01月18日

平成23年第1回臨時会

1月14日(金)に、今年最初の臨時会が開かれました。
審議したのは以下の4件です。

(写真は臨時会が開かれた1月14日、役場3階議員控室からの風景。随分と雪が増えました。)
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1.月形町交流センター条例の改正
■交流センターを指定管理者による管理にするための条例改正
・平成23年4月1日〜実施
・現在、交流センターは町長により管理(社会福祉協議会に委託)されている。
・町民サービスの質の向上を目指して、指定管理者制度に移行する。
[質疑応答から]
・指定管理者の選定は、これから選定委員会(役場の内部組織)を開いて決定する。
・選定方針:長期的に管理できる団体。特名による指定を考えている(社会福祉法人等)。

2.月形町固定資産評価審査委員会委員の選任
■香西博之氏(市北)の選任に同意
・香西氏は今回の選任で3期目となる(1期目は前任者の残任期間)
・任期:平成23年3月5日〜26年3月4日まで

3.月形町議会委員会条例の一部改正
■現在2つある常任委員会を1つにする。名称は[まちづくり常任委員会]
・10名の議員全員が所属する常任委員会とし、全ての分野を所管する。
・任期は 2年 → 4年
・議会運営委員会の委員数も 5人 → 4人

4.意見案(了承)
■北海道開発の枠組みの堅持と北海道局の存続に関するよう意見書の提出
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交流センターの指定管理者制度への移行は、交流センターが建設されたときから方向付けられていたことです。今回は条例改正だけですが、業者選定や指定管理料など今後も審議に上がってくるので、[町民サービスの質の向上]の観点から注意深く見ていきたいと思います。

来期から、議会の常任委員会が2つ → 1つになります。これに対し
「範囲が広くなることで審議が浅く散漫にならないか?」
と他市町村議員から質問を受けたことがあります。私は
「縦割り行政をチェックする上で、総合的・横断的に協議する方が議会としての機能が果たせる」
「少人数の議会で個々の視点や能力を生かすためにも、全議員が全てを所管し議論することが重要」
と答えています。

月形町議会は本会議よりはむしろ委員会が活動の中心です。
(最近は全員協議会の需要度も増していますが・・・)
常任委員会が1つになって活性化するかどうかは、議員それぞれの取り組みによると考えます。

2011年01月16日

全員協議会(2011.1.14)コンプライアンス条例

 1月14日、平成23年第1回臨時会が開かれ、それにあわせて全員協議会も開催されました。様々な内容の協議・報告されましたが、まずは注目の案件「月形町職員の公正な職務の執行の確保に関する条例(コンプライアンス条例)案」についての協議内容を報告します。

 ※ 写真は今朝(1月16日)の自宅前。月形町も14日〜16日朝にかけて本格的な降雪があり、車もすっぽり雪の中です(車に乗った雪は1.5日分の降雪量。約60cm)。今朝は雪も一息ついたので、車の発掘作業や除雪作業に大わらわ。ご近所でも屋根の雪下ろしが盛んに行われていました。
 積雪はちょうど1m(それでも例年より50cmも少ない)。明日からはまた雪の予報。今しばらく気を引き締めていきましょう。
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この日の協議目標は、「議会としての修正案をまとめる」というもの。
まずは町側法務担当者との質疑応答により条例の中身の確認と技術的な説明を受けた。あわせて正・副議長から(町長ら理事者との)事前調整時の報告もなされた。

■■■ 事前調整の報告・・・正副議長より■■■
●法令遵守委員会委員の人数
 ・・・秘密性保持を徹底するために少人数の必要がある。3人にしたいとの町側の意向。
    また同じ理由で、議員が入ることも控えることになるとのこと。
●公益通報の無記名化
 ・・・無記名もありうる。
    まずは1.2年実験的に無記名とし、その結果(通報数の状況)を踏まえて検討してもいい。
●倫理規則の内容(具体性や業者との癒着防止など)は、修正要望があれば検討する。

■■■ 議員からの質問・確認と、担当者からの説明 ■■■

【法令遵守委員会について】
Q 法令遵守委員会の位置づけをどう考えているか?
A 法令に違反したことに対応する委員会。公益通報があったときのみ活動する。

Q 不正行為に対し内部調査しかしないのか? 懲罰規定は?
A 調査は法令遵守委員会が行い、違反に対しては懲戒処分等審議委員会が行う。

【不当要求行為について】
Q 不当要求行為の対処に、法令遵守委員会が関与しないのはなぜか?
  不当要求行為との判断が難しい場面はどうするのか?
A 不当要求行為には内部で十分対応・処理できると考える。それ以上の場合は警察に通報する。
  法令遵守委員会は法令違反したときにだけ対応するもの。

【倫理規則について】
Q 規則中「多数の者」とあるが、何人からか?
A 判例では50名程度となっている。

Q 関係事業者の絡みや私的な関係の取扱いが難しい。現状では紛らわしい。どうにかできないか?
A 簡単にすることは可能。

【その他】
Q 切手事件を受けてこの条例を立ち上げることになったが、切手事件はなぜ起きたと考えるか?
A 公務員として、してはいけないことをした(倫理観の欠如)による。
  公務員としての規準は持っているものの、基本スタンスを間違えてしまったことによる。

Q コンプライアンス(法令遵守)とは、単に法を守ることだけでなく、説明責任や情報公開も
  含んでいると考える。この条例ではどの部分に含まれているのか?
A この条例では(説明責任や情報公開について)触れていない。

Q この条例をつくるに当たって参考にした条例は?
A 岐阜県御嵩町、旭川市、滝川市、その他道内の町村

■■■ 議員間討議 ■■■

【各議員からの意見】
●コンプライアンス(法令遵守)は不断の改善・改革の積み重ねである。
●日常の訓示など、法令遵守の日々の努力が肝要

●法令遵守委員会は、法令遵守全般に関し、町長に外部の意見を提言する機関にしたい。
●法令遵守委員会を公益通報だけでなく、不法要求に対しても何らかの関与ができるようにしたい。
●法令遵守委員会の活動が見えるように、概要あるいは対応件数だけでも公表は必要。

●この条例は規則4本を有し、体系的に組み上げられたもの。はたして機能するのかは疑問。
●コンプライアンスの要は法令遵守委員会と公益通報。他はそぎ落としてもいのではないか。 
●職員自身が「法令を熟知し、法令を遵守する」規定を入れ、強調することも必要ではないか。
    ↓
【議会修正案】
宮下案(この日に向けて検討を重ねた私個人の案)をたたき台に、上記意見を踏まえ、文言修正・文言整理を行い、これを[議会修正案]とした。

後日、正・副議長が[議会修正案]を町長に提出する。それをもとに町側が検討を加え、1月28日の全員協議会で、議会と理事者による修正案の審議を行うことになった。
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前回の審議から約1ヶ月間、法務に関し素人の私は大学の先生や他自治体議員にもご協力いただき、できうる範囲で「コンプライアンス条例」について調べ学びました。法務はもちろんですが、コンプライアンス(法令遵守)とは何か、を考えさせられた1ヶ月でした。

結果、私の出した結論は以下の通りです。

◆コンプライアンス(法令遵守)はただ単に法令に従い守るのではなく、法令の精神を理解し、
 時代や状況に合わせ、それぞれが公平公正な判断と行動をすること。
◆現代のコンプライアンスは、法令遵守とともに情報公開や説明責任も含む。
◆コンプライアンスを確立するためには、日々の積み重ねが重要。
 個々には研修を積んで法令を理解するとともに、組織として継続的な対応を行う。

この1ヶ月コンプライアンス条例に向き合いましたが、切手事件の検証が充分でないために
「何に重点を置くことで事件が防げるのか」「月形町にとって必要な具体的な再発防止策は何か」
は未だ見えません。もし今また同じような事件が発覚した時に最善の対処ができるのかは疑問です。今後の検証作業後に再考し、対応すべきと考えます。

しかしながら、この学びを通して「切手事件は月形町におけるコンプライアンスを考えるきっかけ」だったことに気付きました。理事者も議会も、言葉ではコンプライアンスを声高に叫んでいても、充分な理解と対応はしてこなかったのも事実です。切手事件に縛られて考えを狭くするより、コンプライアンスという大きな枠の中で将来的に有効な条例を作り上げることが、今は重要である感じました。

一方、議会で議論を重ねていく中で、多くの議員から私と同じ考えの発言がありました。普段は全く違う思考や観点、経験の議員でありながら、コンプライアンスに関しては同じ感覚を持っていたことに正直驚きましたが、嬉しくもありました。議員は十人十色、様々な意見を持つものの本質的に目指すものは同じだと分かったからです。合議体としての機能が果たされているとも感じました。

コンプライアンス条例については一歩進んだだけで、完成していません。今後もひき続き注力していきます。

なお、コンプライアンス条例(宮下案)を創るに当たって特に参考にしたのは、以下の自治体の条例や規則、要綱及びその解説等です。

◎滋賀県近江八幡市「近江八幡市コンプライアンス条例」
◎京都府長岡京市「長岡京市における法令遵守に関する条例」
◎東京都千代田区「千代田区職員等公益通報条例」
実践・条例法務(7) 公益通報条例の考え方 札幌大学教授 福士明氏
                          (フロンティア180 秋季号55号)

2011年01月12日

今後のゴミ処理について

今朝の北海道新聞朝刊・空知版に

『月形町とのゴミ中間処理 美唄市先送り表明へ』

という記事を見つけ、やっぱり! 計画通りに進んでいないことの報告は受けていましたが、1年先送りとなると話は別です。大きい自治体に振り回されている現状にガッカリしました。

月形町では一昨年来、美唄市と共同でゴミ処理を行うことを検討し、進めてきました。
(経過は、2009.11.27全員協議会2009.12.9全員協議会2010.11.26全員協議会
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ですが、そもそもは『月形町の今後のゴミ処理をどうするか』が原点です。

私は平成20年(2008年)3月定例会で一般質問をしました。内容は、最終処分場の状況を踏まえ、当時検討が進められていた「全量焼却処分」に対し、高齢化や人口減に伴う影響、環境問題も含めた将来的コスト、現行政策との矛盾点などを上げて反対。町長の方針を聞くと共に、新たな展開についての提案をしました。

その後、平成20年12月発行の「ゆみこの活動報告書4(PDF・2ページ目)」、「ゆみこの活動報告書6(PDF・道外視察研修)」で、町や議会が新しい処理方法を調査していることをお伝えしました。

焼却以外のゴミ処理方法検討過程の中で、最有力となったのが白老町で取り組んでいた「高温高圧処理方式」。私自身も平成21年(2009年)11月に、廃棄物資源循環学会技術セミナーでの視察に参加し、直接現場を見てきました。

「高温高圧処理」の良さも理解しながらもその課題を感じていて、まずは最終処分場の延命を最大限図って時間を稼ぎ、その間に、月形町の実情にあった最善の処理方法を探すのが得策ではないかと考えていました。幸いにも月形町の最終処分場にはまだ余裕がありますし、町民のゴミへの意識が高く、分別減量化も功を奏しているという背景があるからです。

※ ゴミ処理方法は、近年の環境問題から様々な方法が編み出され、それぞれに一長一短のところはありますが、めざましい技術革新によって日々改良されていますし、新たな問題も浮かび上がってきています。時間があればあるほど検討できる要素は増えますし、コストも下がってきます。(もちろんどこかで結論は出さねばならないので、その時点での最善策を選択することに変わりはありません。)

という検討中の一昨年・・・(ここで最初の部分に戻ります)・・・美唄市と共同でゴミの処分を行うと、【月形町内では】一気に進められました(上記の全員協議会の報告参照)。細かな検討課題はさておき「広域で処理を進めなければ補助金が下りない」というのが町側の主な理由でした。
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もちろん町側の事情もよく分かります。理解します。
けれどこうなった以上、じっくり検討をしませんか? 

【誰と組む、どんな処理方法をする】ということではなく、
            【月形町のゴミをどうしていくか】ということをです。

今後ますます進む高齢化で、詳細なゴミの分別はできなくなるでしょう。
高齢化や人口減、意識の高まりで、ゴミそのものの量は減るでしょう。
環境規制が厳しくなり、ゴミ処理方法はより高度化することを求められるでしょう。
最終処分場周辺のみなさんとの約束事や環境保持・改善も必要でしょう。
ゴミ処理にかけるコストは高くならざるを得ません。どこまでなら町民は納得するのでしょう。

自分(月形町)から出たゴミは自分(月形町)で処理した方がいいのですか? それとも
         ゴミは厄介者だから誰か(他の自治体)にやってもらえたらいいですか?

他町村との議論の前に、月形町としてはどうしたいのか、どうすべきかの方針が十分検討されていないと感じています。【ゴミ】は町民誰もが等しくかかわる重要な問題です。また今住んでいる人だけでなく、将来の町民にも関係することでもあります。

この1年間、月形町は「待っている」だけで、事の本質は考えてこなかったように思います。せっかく時間ができた今、町民の話題に乗るくらいにはなって欲しいし、そうしていきたいと思っています。

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