2019年12月08日

情熱と寛容/説明理論と実践理論【森啓先生との再会】

この週末、2ヶ月前に横浜のご自宅に戻られた森啓先生が札幌にお越しになっていました。7日(土)は森先生を囲んだ仲間内の懇親会に参加し、8日(日)は森先生と外岡さんの対談を聴いてきました。
 
※1枚目の写真は懇親会後に札幌駅前で。大丸デパートのクリスマスライトアップが綺麗です。雪と月が森先生の来札を歓迎してました。
2枚目の写真は、日曜日の対談風景です。穏やかな雰囲気に見えて核心に迫る濃密で情熱的な対談でした。
 
この2日間、久しぶりに森先生の本質に触れて、全身から力が抜けるような解放感と行く道を照らす灯りを感じることができました。私にとって森先生はメンターなんですね。
 
 
対談「メディアと自治の未来」では、ジャーナリストの外岡秀俊さんと森先生が現在日本の問題点を語り合ったのですが、その中で森先生の考えが示されました。特に私が影響を受けたものを書き留めておきます。
 
■《説明理論》と《実践理論》
《説明理論》事後的、客観的、実証的に分析し、説明する。
《実践理論》
・現実の課題を未来に向かって解決する
・歴史的一回性である実践を普遍認識に至らしめる理論
・経験的直感の言語化
・規範概念を了解し納得するには「実践による自己革新」が不可欠
・職員も市民も絶対的革新をして初めて自治が生まれる(職員力と市民力)
■《知っている》ではなく《解っている》
■一歩前へ:覚悟して一歩前に出た実践の力
■思考の座標軸(時間軸と空間軸)を持つ
■《批判的思考》←→《状況追随思考》
■心理は少数派にあり
・少数側から見ると真理が見える
・第3の道を考える種になる
■少しの傷やヤケドは覚悟の上で行動を!
 
 
森先生を表すとき《情熱》が真っ先に浮かびますが、私はその情熱の中にある《寛容さ》こそが森先生の本質だと思っています。
森先生はいつも私に「(ちょっと背伸びしなければならない)場」と「(自由に本気で議論できる)場」を与えてくれました。意見の違いがあって当然という、寛容と信頼があってこその《場》です。そこの本気度と背伸び加減がちょうど良く、覚悟して一歩前に進もうと実践を繰り返すうちに、今の私が形づくられたのです。
 
今、「歴史的一回性である実践を普遍認識に至らしめる理論」を構築したいと、強く思っています。

2019年12月07日

あら、もう宣言⁉️

今朝の北海道新聞空知面で見つけちゃいました。

12月3日(火)にあった大釜議員の一般質問で、来年9月の町長選に再出馬するのかと問われて「この3年間はタネを蒔いただけ。これから育てて花が咲くのを見てみたい気持ちもある。ただ、立候補するかどうかは、町民や後援会の声を聴いて決めたい」と答弁してたので、3日後の6日(金)にこんな発表をするとは思ってませんでした。選挙日程も決まっていない時期の、こんな素早い決断にビックリ。

2019年12月06日

心づくしがいっぱいの愛光園【月形町赤十字奉仕団研修会】

今日午後は、月形町赤十字奉仕団の研修会・ミニ講話「みんなで老人ホームを考えよう」に参加してきました。
 
会場は町内にある特別養護老人ホーム月形愛光園。愛光園は定員50人の民間の特別養護老人ホームで、要介護3から入所でき、ショートステイやデイサービスも実施しています。
愛光園の開設(昭和59年)以来、月形町赤十字奉仕団はずっとボランティア活動をしているのですが(現在は週1回のエプロン畳み)、「老人ホーム」の詳細は“何となく知ってる”程度だったので、理解を深めるために伺いました。
 
最初に施設見学(←私は途中から参加)のあとには職員さんとのQ&A。介護認定の仕組みや入所基準など専門的なことも。
以下は私の備忘録。
 
■老人ホームの基本
・介護度は《介護にかかる時間》で決まる。
・利用者は必ずしも住所を移さなくていい。
・愛光園では《生活の中でのリハビリ》を取り入れている。
・入所には身元引受人(親族、成年後見人等)が必要。
 
■ソフト食 ←他では提供できない食事。写真参照。スゴイ❗️
・調理済みの食材をミキサーにかけ滑らかにし、固形化凝固剤を加えてさらにミキサーにかけた後、形を成形したものが《ソフト食》
・食材単品ごとにソフト食をつくり、最後に盛り付けをするので、見た目は普通の食事のよう。食材それぞれの味を感じることができる。
・全ての食材を一緒にしてミキサーにかけるのとは全く違う。とても手間のかかる食事だが、食べる意欲を湧かせる。
・対象者(現在6、7人)に、これを1日3食提供している‼️(ソフト食に高エネルギー食品などを組み合わせる場合もある)
・職人的厨房スタッフの技術と熱意の賜物。他ではできない。
・食事の形態は様々《常食・粗刻み・超刻み・ミキサー・ソフト食》。利用者の状態を見ながら常に調整。
 
■緊急時・災害時
・緊急時・災害時は要相談で対応。登録者や家族や地元地域等を優先的に受け入れるが、できるだけのことをする。
・町内に福祉避難所の指定はないが、愛光園を代替施設と考えて使ってほしい。困ったときは訪ねてきて。
・愛光園には様々な状態の高齢者に対応した食料や備蓄品や職員がいる。24時間、物や技術が揃っているので活用してほしい。
・昨年のブラックアウト時にデイサービスは休止したが、職員は町内の独居高齢者宅を回って安否確認をしていた。
 
■その他
・介護の補助的アルバイト募集中。短時間、短期間でも可。「もし何かしてみたいと思ったら連絡ください」とのこと。
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研修会に参加して、愛光園のきめ細やかで心づくしの取り組みを知ることができて本当に良かったです。ボランティア活動などは相互理解と信頼と尊敬が必要ですが、今回がとても良い機会になりました。企画してくれた奉仕団役員のみなさん、ありがとうございました。
 
そして何より愛光園の職員のみなさん、大変お世話になりました。職員のみなさんの意欲に満ちたキラキラした目が印象的でした。ありがとうございました。
 
それにしても「ここまでやるの?!」とビックリすることがたくさん。愛光園のみなさんの介護に対する心構えと誇りと使命を感じると同時に、介護保険という制度が確立していることで民間事業として成り立ち、様々な工夫も生まれているのを実感しました。
 
と同時に、先日の「学童保育」とは対照的なのも痛感。背景には制度の弱さがあるんですよね。だからこそ《公》が取り組む課題であるとの想いを一層強くしました。

2019年12月05日

コンパクトで濃密な定例会、終了【令和元年第4回定例会】

昨日、予定どおりに2日間の定例会が終了しました。
外は2日間とも吹雪。定例会が終わった頃に風は落ちつきだし、今朝はシンシンと雪が降っています。
 
今回の定例会、実に濃密で多岐にわたっていました。先に紹介した一般質問と同様の「ココは昭和か?」と感じる場面があったり、「言ってることとやってることが違うでしょ!」と反対討論したり・・・。今の行政が時代に逆行しているのを体感する2日間でした。
 
頭も身体も相当消耗しましたが、逆に意識は鮮明に。この道を進んだ先は「明るい未来」じゃないと私は確信しました。
 
初めての目的地に向かう道中、道を間違ったと気づいたとき(←ココ大事。間違ったかも?ではなく、間違った!と確信したとき)、あなたはどうしますか?
1】(遠回りしてでもいずれ到達できるだろうから)しばらく様子をみる
2】(気づいたときにすぐ対処)別の道を探す
3】(間違ったところに戻るのが1番堅実)引き返す
私は・・・【2】の行動をとります。
 
令和元年最後の定例会、区切りの議会になりました。
 
※ 定例会の詳細は順次更新していきます。

2019年12月03日

💢ココは昭和か⁉️【令和元年第4回定例会/一般質問報告・その1】②臨時休校時の学童保育

本日開会の令和元年第4回定例会、今日は終日一般質問でした。
 
ガッカリ感が半端ない。私が子育てをしていた30代だったら「もうこんな町には住めない」と絶望したことでしょう。52歳の私でも、あまりの無理解と論理破綻に脱力し、時間とともにそれが怒りに変わり始めています。感情的になることがマイナスだとわかっていますが、この気持ちは抑えられません。
 
今日の質問は、①教育の目的 ②学童保育 ③町立病院 ④降雪積雪観測の4つ。この中で教育長との①はお互いの考えを積み上げることができて成果がありました。一方で、町長との②③④はどれも、通告書の段階で決めた答弁をただひたすら繰り返すだけのもの。一般質問を通じて気づきや考えを発展させ、課題解決に結びつける意志を微塵も感じさせない答弁でした。
 
さらに絶望感を感じたのは答弁内容。特に②学童保育。
(以下は私のメモと記憶から書き起こしたもの。)
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令和元年第4回定例会 一般質問/宮下裕美子
■2.臨時休校時における学童保育所の休所規定について/答弁者:町長

●Q 宮下
吹雪予想から学校が前日に臨時休校を決定した11月15日、学童保育所(町立町営)も休所した。学童保育所の根拠法や条例、設置目的から考えて休所することは不適切。同趣旨の「こども園」は通常通り開所している。学童保育も同じ運用にするべき。
「子育て支援の充実」は町内の様々な課題解決の糸口なる(人口減少対策、出生率の上昇、生産人口の確保、女性の社会進出、男女共同参画・・・)。だからこそ総合振興計画の重点プロジェクトや創生総合戦略にも掲載されている。法の趣旨を基礎として、町は上積みの施策を展開する必要があるのでは?
 
■A 上坂町長
朝からの臨時休校時は職員体制が整わないので開所できない。一旦登校したあとに休校になった場合、登録児童は小学校で昼まで待機して学童に行くことにしている。今回のようなケースは(学童保育ではなく)別の支援策で対応すべき。
行政でできることには限界がある。全てをカバーすることはできない。この件はNPO法人や社会福祉法人の協力など、町全体で取り組むべきこと。
私が民間の福祉法人の施設長時代、こういうケースでは職場に子どもを連れてきて仕事をしている職員もいた。そうやって対処してきた。職場とも協力し合うことが必要。
 
●Q 宮下
子ども連れで出勤できる職場ばかりではない。非正規で働いていたらなおさら。さらに休めば収入が減る。休めなければ子どもだけで留守番することになる。このような状況でいいのか。
町立町営の施設であり、指導員は町の嘱託職員なのだから、町長が方針を打ちだせば対応できる。どうしてできないのか? 災害時など緊急事態では役場職員は真っ先に駆けつける。それが公務員や行政の仕事ではないのか? なぜ民間を頼るのか?
 
■A 上坂町長
行政の枠の中では限界がある。狭間を埋めるのがNPOであり社会福祉法人。町が何もやらないで丸投げするつもりはない。当事者の話を聴きながら進めたい。
 
●Q 宮下
当事者の話を聴くことはいいが、それに対処するだけでは現状の枠を広げることは難しい。「子育て支援」を重要課題と位置付けて対策をするのだから、大胆に展開しなければ成果は出ない。
子育て世代の人の中には、学童保育が不十分でファミリーサポート事業もない月形町では子育てできないと、月形町外に移り住んで町内の職場に通ってきている人がいる。最新の人口ビジョンでは30代女性の転出率が高いと問題視しているが、このような背景があるのではないか。そこに力を入れる必要がある。
学童保育の充実もファミリーサポート事業もやらないというなら、重点プロジェクトにある「子育て支援策」はどうやるのか?
 
■A 上坂町長
既存の仕組みと親同士の助け合いで対応する。
なお、学童保育所について現状以上の要望はない。ファミリーサポート事業も「子ども・子育て会議」で検討したが現状必要ないという結論になった。
「子育て支援策」が重要課題だと認識している。限られた予算の中で、今ある計画をふまえた中でやっていきたい。
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今回の一般質問答弁で町長が口癖のように言ったのは
・予算は限られている
・町民の声を聴きながら進める
どちらも結局「やらない理由」として使われてました。
 
「予算は限られる」と言いつつ、何億もかかるハコモノは建てるの?
今回のケースのような臨時休校時に学童保育を開所しても年間10万円もかからないでしょ。
 
「町民の声を聴きながら進める」といつも言うけれど、町民の声を聴く機会は作っているの? 「老人クラブ、行政区長、各種審議会・・・」そこに若い人は何人いるの?
 
学童保育を休所にして、その時に「子どもを職場に連れて行く」選択肢を出すなんて⁉️ それこそ昭和の時代の話しでしょ。平成も終わって令和になっているというのに、未だにそんなことを言う人がいたなんて。それも行政の長だなんて信じられない。
それに「子どもを職場に連れて行く」のは母親だけだとイメージしているでしょ。そこが昭和❗️ 役場に子ども連れで出勤してもいいんですね? 男性職員だって連れてきますよ。連れてこられた子どもは何をしていると思っているの? 子どもの環境としてそれでいいの?
 
「公」の仕事がなんなのか、もう一度考えてほしい。
令和の時代の現実も、ちゃんと見てほしい。
自分が何を言ったのかも認識して欲しい。
 
 
外は1日中、吹雪いていました。私の心を映した鏡のようです。

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