2014年10月20日

様々な壁とたくさんの窓。扉を開けるのは自分自身なんですよね〜。【日本女性会議2014札幌/1日目】

20141017a.jpg10月17日(金)〜18日(土)、札幌コンベンションセンターで開催された「日本女性会議2014札幌 未来の景色は、わたしたちが変える。」に初参加してきました。

この「日本女性会議」とは、男女共同参画社会実現のための全国規模の会議で、1984年に第1回が名古屋市で開催されました。その後、毎年全国の都市で持ち回り開催されていて、今年の札幌が第31回。来年は岡山県倉敷市で予定されています。

会場には全国各地から2,000人程の人が集まったとか! 
その多く(たぶん9割以上)は女性で、中高年が中心でしたが若い人の姿も。服装はのびのびとカラフル。そして何より会議に向かう姿勢は真剣そのもので、かぶり付きは当然。積極的なリアクション(拍手や挙手)で参加者と壇上がつなって、エネルギー満タンです。
比較するのも何ですが、同じ会場で行われる「北海道町村議会議長会議員研修会(同じ2,000人規模。参加者のうち女性議員は1割弱で女性事務局職員を入れても、女性と男性との比率は正反対)」とは全く違った雰囲気。コミュニケーションやネットワークづくりが上手い、女性の特長全開です。

会議は1日目に分科会(大小・長短あわせて15分科会)、2日目に記念講演や特別講演、全体シンポジウムという変則的な編成でした。どれもとても興味をひかれるもので、内容も盛りだくさん。会議が終わって帰宅する頃には、私の頭はジンジン。相当な刺激でした。

というわけで、日本女性会議で私の印象に残った点を1日目と2日目に分けて、キーワード的に書き出していきたいと思います。まずは1日目。私は第1分科会を選択しました。
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分科会1/女性の活躍推進 シンポジウム
「働く女のサバイバル 〜女性が社会で活躍するために必要なこと〜」

[コーディネーター] 
■上野千鶴子氏(東京大学名誉教授/認定NPOウィメンズアクションネットワーク理事長)
[シンポジスト]
■伊藤 好美氏(フリーランスフォトグラファー)
■下郷 沙季氏(北海道大学文学部/札幌学生ユニオン共同代表)
■新田 和代氏(社会保険労務士/行政書士)
■山本亜紀子氏(株式会社エルアイズ代表取締役)

[上野千鶴子氏から]
◆「雇用機会均等法」と「労働派遣事業法」、「過剰な配慮」と「差別」は、ウラオモテの関係。
◆ネオリベ改革(=ネオリベラリズム。新自由主義)は女女格差を生む。
◆少子化対策なら、女性に正規雇用を。
◆「3年抱っこしほうだい育休」は、最もコストのかかる1〜3歳児の保育をしないという宣言。本当にほしいのは、育休明けの保育。ただし、育休は正規雇用者のみの制度。
◆「すっぱいぶどう」シンドローム
◆「マミートラック」に塩漬け

◆女性も男性も働きやすくなる処方箋は
 (1)労働時間の短縮(男女とも定時帰宅)
 (2)年功序列制の廃止(新卒一括採用をやめる)
 (3)同一労働、同一賃金

◆「マルチプル・インカム=多様な収入源=小銭をかき集めて生きる」によるリスク・マネジメントを。シングル・インカム(夫の給料のみ)に頼る生活はリスクが高い。


[シンポジストとコーディネーターとのやりとりから]

◆立場が異なる女性間の相互不理解は溝が深い。女女間の状況差による意識の違いがある(例:祖母力)
労働市場では「男性は年功序列的」「女性は能力主義的」な状況が現実。
◆結婚や出産を機に安易に仕事を辞めてしまう風潮や、管理職に就きたがらない女性が多いことも問題。
◆子どもを産まなければ、女性も男性も同じに働ける。
 → 女性の労働問題=出産・育児の問題
130万円の壁(配偶者控除や社会保障に関する年収の壁)は取り払うべきか?
◆学生ユニオンが行っているのは、(単純に)雇用者と戦うことではない。いかに学生が(労働差別や不当労働に対して)戦えない社会であるかを訴えていくこと。
労働法の知識のない人がほとんど。労働法の教育が必要。ワークルール検定などもあるが、もっと行政に頑張って欲しい。また、経営者側への教育として、起業時に労働法を必須にするなどの取り組みがあってもいい。
「出世は楽しい」。決定権もあり、お金も采配できる。自由度が増す。この楽しさを女性は味わっていない。


[若い女性へのエール]
◆自分への投資を。(起業も投資の1つ)
◆やりたいことがあれば、自分で拓く。
◆視野を広く、諦めないで。
◆いっしょに居場所をつくっていこう。


[行政へ]
◆子育て支援の充実、無料化。
◆女性の働く力を認めてほしい。
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【1日目を終えて】
私の、日本女性会議への参加の目的の1つが上野千鶴子さんの話を直接聞くことでした。私が抱く上野さんのイメージは「意志のハッキリした強い女性」。これまで発表された文章や記事、写真などから、私は勝手に「全てが強烈な人」なのかと思っていたのですが ・・・
実際は超ソフトで柔和な語り口と表情。講演内容以前にビックリしました。やっぱり実際にお会いしないと解らないですね。ただ、話の内容や場を和ますために入れるボケとツッコミは、とても鋭くて厳しい! なるほど〜。女性学などの分野で活躍してきた上野さんの魅力は「ギャップ」にあったんですね。大会参加1つ目の収獲です。
講演終了後には一緒に写真を撮るために並ぶ人や涙を浮かべて握手する人などが列をなしていて、上野さんのカリスマ性や実績を見ることができました。再度なるほど〜。

それからもう1つ。シンポジストの皆さん(20代〜40代/既婚・未婚/経営者・個人事業主・被雇用者)の経験から導かれた話には説得力があり、3時間の長丁場も終始引き込まれました。4人の視点はそれぞれ違うものの、共通しているのは「自らの考えで一歩踏み出していること」。
私は4人の話のどれにも共感できて刺激と希望を受け取ったのですが、この会場に集まった参加者の多くも同様の感覚を持ったようです。それは皆さん「一歩踏み出している人」だから。シンポジウム終了後の会話や参加者の満足感から、そう感じました。

それから新たな発見も。シンポジストの1人で学生ユニオンを作った下郷さんから、たくさんの気づきを与えていただきました。特に「自然体」でいることの重要性 ・・・

私の場合、一個人として社会を渡り合っていくには、まず女性だということを意識し、相当の覚悟と毅然とした態度や言動が必要不可欠と思って、そう努力してきました。ありのままを出すというより、ちょっと背伸びした「外向きの姿」で武装しているようなイメージです。
でも、人と人とが理解し合うためには「自然体」が重要なんですね。それに、今の時代は「自然体」が受け入れられている、というよりむしろ「自然体」の方が良いのかも。女性だからと気を張るのではなく、一個人として評価される時代になってきているのだなあと(少なくとも若い世代は)。ちょっと嬉しい発見であり、意識転換の必要性も感じた次第です。

社会全体を見ると、まだまだ男女共同参画社会にはなっていません。残念ながら。
それでも意識の上での変化は確実に起きていると思います。あとは「自分の置かれている状況を客観的に評価」し、「腐ることなく希望を持ち続けること」「自ら一歩踏み出すこと」ですね。
社会には様々な壁がありますが、その先を見せてくれる窓もたくさん開いています。あとは自ら扉を開け一歩踏み出すかどうか。壁に阻まれ身動きが取れなくなっていると思っても、案外身近なところに隠された扉があるのかもしれません。それを捜し、開けていきましょう。

最後に、素敵なエールを紹介します。
開会式での大会実行委員長/林美枝子さんの言葉です。
「めざす途中の道からはゴールは見えない。見えるのは次の曲がり角だけ。」

2014年10月11日

人間国宝はやっぱり違った!【芸術鑑賞会・中高生の部/一龍斎貞水の立体怪談】

深まりゆく秋・・・ 
今年は気温が低い分、いつもより1ヶ月早く季節が移っているように感じます。

そんな中、【10月8日の午後、月形高校で芸術鑑賞会が開催される】との案内がIP電話から流れてきました(写真)。これは教育委員会社会教育係が主催する芸術鑑賞会で、今回は中高生を対象に、一般にも開放されたもの(他に、幼児や小学生、一般を対象にした催しもある)。
やっぱり芸術の秋。「立体怪談」??? と「人間国宝」!!! の文字にひかれ、足を運んでみました。


会場の月形高校体育館には中高生約200人と、私と同じようにIPの案内で興味を持った一般町民10人程が、開演するのをワクワクしながら待っていると・・・

まずは開口一番として、お弟子さんの一龍斎貞橘さんによる講談のイロハと一節。
講談師は希少種で70人ほどしかいないとか(ちなみに落語家は約1,000人)、講談は長い長い話を何日にも渡って語っていく連続ドラマのようなものだとか、同じ物語(例えば昔話の桃太郎)でも講談と落語ではこんなに違うとか・・・。へ〜 なるほどね。
でも、古典の軍記物を講談の本格的な口調で語ってくれたものは上手く聞き取れなくて・・・。これから先、1時間以上の公演が続くけど大丈夫かなあ、ちょっと心配。


そしていよいよメインの「立体怪談」。舞台には怪談にふさわしい飾り付けがなされ、講談師で人間国宝の一龍斎貞水さんが入場。会場がにわかに暗くなり・・・

あ〜、やっぱり人間国宝の話芸はスゴイ!!

それまでの心配など何もなかったかのように、一龍斎貞水さんから発せられた言葉の一つ一つがスーッと届き、あっという間に物語に引き込まれ・・・ 怪談を聴いている私の顔は心理的恐怖でこわばって、いつの間にか眉間に力が入ってコワ〜イ顔になっていました。


会場を後にして余韻に浸っていると、一緒に聴いていた町民の皆さん(みんな顔見知り)が口々に「やっぱり人間国宝ってスゴイね。来て良かったね〜」と。地元にいながら希少な講談の、それも人間国宝の話芸を堪能できたことはとてもラッキーでした。

が、本当に良かったのは、子ども達が講談界の最高峰に触れられたということ。あの場にいた子ども達の何人かの記憶には「講談」が確実に擦り込まれたことでしょう。そして何かのきっかけで「講談」を話題にし、寄席に足を運ぶ人もいるかもしれない。「講談」というキーワードで誰かと繫がることができるかもしれない。伝統を引き継ぐ当事者になるかもしれない。少なくとも、そういう機会が与えられたことは、地方に住む子ども達にとってとても重要だったと思います。

一龍斎貞水さんのホームページを見ると、この日の前後で北海道内を同様の企画で回っているようですし、全国各地でもそう。生で話芸を伝承するために精力的に活動されている姿に頭が下がりました。

一龍斎貞水さん、ご一門の皆さん、ありがとうございました。
そして、企画運営をしてくださった社会教育係の皆さん、お世話になりました。

2014年09月28日

2極化、格差拡大。進むべき方向は納得できるが、居眠り自治体・議会に必要なのは・・・【北海道自治体学土曜講座 第4回 さらなる自治体・議会改革の必要性〜「いま代表制民主主義が危ない」】

北海道自治体学土曜講座 第4回が、9月27日(土)に北海学園大学で開催されました。今回のテーマは【さらなる自治体・議会改革の必要性〜「いま代表制民主主義が危ない」】、北海道自治体学会との共催です。会場には、いつにもまして議会関係の参加者が多かったように思います。

以下は当日のプログラム。あわせて私の印象に残った点を記します。
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第1講 
■基調講義「代表制民主主義の再構築〜議会が変われば自治体が変わる」
                   神原 勝 氏(北海道大学名誉教授)

[内容メモ]
・「二元代表制」の言葉は、1970年代に造語されたが普及せず。7、8年前から自治基本条例制定や地方分権の流れの中で一般に広まった。今は中学校公民教科書(東京書籍)にも記載されている。
・自治体は「機関対立型」の政治・行政。国は「機関一体型」。原理が違う。
・議会(=合議制)のメリットは、多様な争点・論点の提起。
・議会は「討論の広場」。議会には様々な主体(市民、首長、議員、職員)が登場する。
・過程分立の概念を活用すれば、議会はどの局面に関しても論点・争点を提起できる。
・今までは「議員あって議会なし」。議員間討議の導入で「機関としての議会」になる。
・これまでの議会改革の力点は「議会の見える化」だったが、これからの議会改革の主眼は「議会が変われば自治体が変わる」。総合計画条例。議会改革は決して内部改革ではない。
・常任委員会における個別事業の評価(継続・修正・廃止・新設)が、議会による政策提案となる。常任委員会における政策論議の活性化が重要。
・自治体の政策ルール(首長と議会の緊張)が確立して初めて、市民と議会の双方向性の確立、議員間討議の推進が可能になる。
・議会改革を支える事務局は、自治体職員を鍛える最高の場。

■事例報告「地方自治の分立と議会」勢旗了三氏(北海道町村議会議長会参与)

[内容メモ]
・議会への住民参加は遅れている。まずは「真似る(コピーする)」ことから。
・委員会活動を行うには、最低6人は必要。(正副議長が同時に事故に遭うことがある。残りの4人の委員の中から暫定議長を決めると、審議する委員は3人になるから。2人では議論にならない。)
・議会は2極化している。改革に前向き・後ろ向き、自治体規模の大・小など。


第2講 ■実戦報告「芽室町議会における取り組み〜反問できる議会とは」
                 西科 純 氏(芽室町議会事務局)

[内容メモ]
・西科氏が事務局長に就任してからの4年間の取り組みを紹介。(精力的で様々な取り組みあり。詳しくは芽室町議会のホームページへ。)
・議会事務の継続性担保のための取り組み(議会基本条例や議会活性化計画、ICTの活用、HPでの公開、他)
・議員のモチベーションを持続するために、各常任委員会からの政策提案の競い合いや議員間討議の導入、他。
・議会改革とは、住民参加と、住民が参加の意義を感じられること。


第3講 ■討論「さらなる自治体・議会改革の必要性〜地方分権の成熟に向けて」
 司会:  石井 吉春氏(北海道公共政策大学院教授)
 パネラー:西科 純 氏(芽室町議会事務局長)
      神原 勝 氏(北海道大学名誉教授)
      松山 哲男氏(登別市議会議員)
      勢旗 了三氏(北海道町村議会議長会参与)

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「自治体は機関対立型の政治」「機関としての議会」など、二元代表制の下で議会が機能するには、(議員間討議などで)議会全体の意思を明確にすることが重要であり、目指すべき方向だという内容だった思います。確かにそうだと納得できるのですが、うちの議会や行政の現状を考えると道のりは遙かに遠く、相当に「置いていかれた」感があります。ここでも2極化、格差拡大の現実をたたきつけられたようで途方に暮れました。

先進議会の取り組みは「政策提案する議会」に向けたもので、常に「未来」を視点に置いていると感じました。一方、うちのような「居眠り(時代に遅れている)議会や自治体」は、今議論している案件(現在)、事業が進んでいる=過去に議会が関わった案件(過去)において、間違いや住民視点の欠如などの問題が山積みで、その対応や解決に追われているのが実態です。つまりは「未来」にも増して「現在」「過去」への視点が必須です。そうなると、議員や議会が身につけなければならない視点や資質は、政策提案よりはむしろ「チェック機能の強化」であり、実務的・実践的なものになると思うのです。

討論の最後で「住民の意見を聞く方向に議会はシフトしていくのではないか」というお話しだったのですが、うちの議会の様な極々小さい自治体(人口5000人以下。月形町は3,500人)では暮らしの中で住民との接点も多く、特別な仕組みを持たなくても住民意見が政策に取り入れられる場面があります。よって、議会や議員に求められるのは「広聴性」よりはむしろ「専門性」なのではないかと。


いつも講座が終わると、新しい知識や発想を得られてハツラツとした気持ちが湧いてくるのですが、今回はドンヨリ曇天模様、重たさいっぱいで帰宅しました。(討論最後の貴重な質問時間だったのに、まとまりのない整理のついていない質問をしてしまったことも・・・一因。参加者の皆さん、ゴメンナサイ。)

ドンヨリ曇天模様でも、ちょっとは晴れ間も。久々にお会いできた人との会話と笑顔は励みになりましたし、抱えている課題を専門家に相談することもできました。それに、大学の雰囲気や札幌の街並みは気分転換になりましたよ。

2014年09月19日

基礎自治体教育委員としての活動が出来るのかがポイント【私は教育委員2名の同意案に反対するも、賛成多数で議会は同意】

月形町の教育委員は3名体制ですが、そのうち2名が間もなく任期切れになることから今定例会に【教育委員任命の同意案 2件】が提案されました。いずれも再任で、1人は豊田揺子氏(花の里保育園の園長)、もう1人は松山徹氏(教育長)です。私はこの同意案2件ともに反対をしました。

同意案=人事案件を審議するのはとても重い責任を伴います。その中で【反対=不同意】がどれほど重くて厳しい決断か・・・それでも私は【反対=不同意】しました。それは以下の理由からです。

なお、議会の審議では起立採決が行われ、豊田氏の同意案に対しては【賛成7,反対2】、松山氏の同意案に対しては【賛成8,反対1】となり、いずれも賛成多数で原案可決(議会の同意が得られた)となっています。
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豊田揺子氏の教育委員任命に対する【反対=不同意】の理由

[背景]
・町内唯一の認可保育園である町立「花の里保育園」は指定管理者(社会福祉法人 札親会)が運営。豊田氏は札親会の職員であり、花の里保育園の園長(代表者)。札親会は月形町や札幌市などで障がい者福祉事業や高齢者福祉事業などを多数経営しているが、保育園経営は花の里保育園のみ。
・町内唯一の私立幼稚園(月形大谷幼稚園)が閉園することに伴い、町内の幼児教育の場は平成28年4月に開園する認定こども園のみになる。町長は「(指定管理者は)札親会にやってもらう」と公言し、それを前提に準備作業が進んでいる。
・開設準備を行う「開設準備委員会」は教育委員会の所管(事務および予算措置)。
・「開設準備委員会」のメンバーは、教育委員会、保健福祉課、学校法人月形大谷学園(月形大谷幼稚園)と社会福祉法人札親会(花の里保育園の指定管理者)の理事者。その幹事会のメンバーに豊田氏も名前を連ね、実務に関係している。
・認定こども園開設後(実際には認定こども園条例ができてから)の所管は、手続きに関わるもの(認可申請、建物変更計画、入所案内、他)は保健福祉課が担当し、教育内容などの中身に関するものは教育委員会が担当するとのこと。

[理由]
■そもそも豊田氏は「認定こども園開設」に直接関わっている。指揮・監督する立場と実際に運営あるいは従事するのが同一人物で、公平公正な業務が行えるのか?

■教育委員会で「認定こども園」「幼児教育」の議題で、豊田氏は除斥の対象となる。
→ 3人しかいない教育委員のうち、1人は除斥、1人は教育長で議案の提案者、もう1人は教育委員長で会議を統括する立場・・・これで十分な審議が行えるのか?

■教育行政における幼児教育は一分野に過ぎないが、「認定こども園」は教育内容などが全く決まっていない段階で、これから重要な局面を迎え検討すべき課題は山程ある。今の教育行政の中でも大きなウエイトを占めている重要視すべき課題。


※なお、【賛成討論】で楠議員からは以下のような内容の発言がありました。
・豊田氏は教育委員1期4年の経験があり、現場をよく知っている。
・教育行政における幼児教育は部分に過ぎない。幼児教育だけが肥大化していないか。
・月形町は人口が少なく、行政と全く利害関係のない人はほとんどいない。利害があったとしても問題が起きないように除斥制度がある。除斥制度を上手く活用して業務を進めるべき。
・社会福祉法人の職員であるので、個人利益を追求するようないかがわしさは考えられない。

※反対の立場の平田議員からは、質疑の際に以下のような意見がありました。
・同意案に反対が出ることも、質疑が多く疑念があることも今までにはほとんどない。このような人物で本当に問題はないのか?

[結果]原案可決=同意
賛成7:大釜議員、楠議員、堀副議長、鳥潟議員、金子議員、金澤議員、宮元議員
反対2:宮下議員、平田議員
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松山徹氏の教育委員任命に対する【反対=不同意】の理由

[理由]
■基礎自治体(町)教育委員会の業務に対する認識の違い

・地方分権により基礎自治体の教育委員会には、地域特性にあった独自の特色ある教育の推進が求められている。しかし、松山氏はこれまでの教育長としての答弁で「文部科学省 → 道教委 → 町教委 → 学校というの流れが教育システム」「町教育委員会は、道教委から来たものを実行し、指揮監督すること」と発言している。学校教育において、独自に取り組む姿勢が感じられなかった。

■教育長として事務全般を取り仕切る立場だが、充分に役目を果たしているのか疑問
・言葉では「進めている」と言っているが実際には後退していると感じることがある。(例)地域に開かれた学校、学校施設の管理、教育情報の公開(全国学力テスト結果等)

■大谷幼稚園閉園までの経緯と幼児教育への対応に問題がある
・これらの対応に、事務方のトップとしてもう少しできることがあったのではないか。町民との信頼関係においても重要な場面だったのではないか。

■教育的な模範となるべき行動が求められる立場だが、必ずしも充分でない


【賛成討論】で楠議員からは以下のような内容の発言がありました。
・人事権は首長にある。よほど不適格でなければ、首長の人事権への介入は慎重であるべき。

[結果]原案可決=同意
賛成8:大釜議員、楠議員、堀副議長、鳥潟議員、金子議員、金澤議員、宮元議員、平田議員
反対1:宮下議員
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今回の同意案の審議にあたって、私は【無記名投票による採決】を提案しました。本来なら議員は個人の意見を正々堂々と発することが求められているのですが、こと人事案件に関しては、月形町のような小さな自治体で誰もが顔見知りの状況からくる「しがらみ」や「議会内での力関係」などによって、正当な判断ができにくいと考えたからです。このことは月形町に限ったことではなく、検索すればたくさんの事例が出てきます。

議長が慣例に従い「起立採決」としたところで私から「無記名投票」の動議を出し平田議員の賛同を得られたことでいったんは成立したのですが、その後、堀副議長から「起立採決」の動議があり鳥潟議員の賛同で成立。全議員による裁決で「起立採決」を行うことに決定しました。

私も起立採決によって全てが「見える化」することはとても良いことだと思います。が、それは一人一人の議員が確固たる考えと立場を持って審議に臨んでいる時に初めて有効に働きます。月形町議会議員がそうでないと言っているのではなく、人事という心理的にも対外的にも微妙な案件には配慮も必要かと・・・

もっとも、私自身は全てをさらけ出して反対討論を行っているのですから、採決方法がどうであれ、今後の軋轢は避けられそうにありませんね。それも含めて、私は自分の行動に迷いはありません。

2014年09月17日

積み重ねた月日の重みと想い・・・【月形大谷幼稚園 創立60周年記念うんどうかい】

20140913a.jpg
9月も半ばとなり、随分日が短くなりましたね。来週は秋分の日です。

ここのところ不安定な天気が続いていますが、一雨毎に空気が冷えていくのを肌で感じます。今朝の月形町の最低気温は9.2℃、しっとりと冷えた空気と雨上がりの虹が綺麗でした。そうそう、昨日、北海道最高峰の大雪山・旭岳は初冠雪! 平年より9日も早かったそうですよ。

気づけば風景も秋色。田んぼは黄金色の稲穂が頭を垂れ、晴れた日には風に乗って稲藁の香ばしい香りが漂っています。町内は稲刈り真っ最中。この時ばかりはあちこちの農道をせわしなく走る車や絶え間ないコンバイン(稲刈り機)の音で、町中に精気があふれています。収穫期は安堵と期待の時ですね。

さて、定例会は予定を位置に残し、9月11日(木)に終了しました。今回も濃い内容・・・この報告は別の機会に。

今日は9月13日(土)に開催された月形大谷幼稚園の運動会の話題です。
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月形大谷幼稚園は町内唯一の私立幼稚園。今年創立60周年を迎え、記念の大運動会が開催されました。例年なら園児と保護者の運動会ですが、今年は卒園生や一般町民にも大々的な呼びかけがあり、20数名の園児と保護者、OB、一般町民など、100名以上が集まったでしょうか。(普段幼稚園に縁のない)私も初めて見学させていただきました。

当日は抜けるような青空と爽やかな秋の空気。前日までの雨の影響は全くなく、素晴らしい運動会日和。プログラムには一般やOBの参加できる種目もたくさん盛り込まれ、園児達を中心にアットホームな和やかな雰囲気となりました。

会場には「60歳、おめでとう!」の文字。そう、月形大谷幼稚園は還暦なのですね。

同僚議員は第1期生だったのだと、この日初めて知りました。そればかりか、顔見知りの役場職員や町内のあの人も、あの人も、み〜んなこの幼稚園の卒園生。それもそのはず、60年も前から月形町内で幼児教育に取り組んでいたのは、この月形大谷幼稚園しかなかったのですから。
月形町が開かれてから130余年。その短い町史の中で60年もの歴史を持つ幼稚園は「町民の心のよりどころ」だったんだと改めて認識できました。

その月形大谷幼稚園も、あと1年半後には閉園することになっています。その決断を下すまで、どれほどの努力や想いが積み重なったことか・・・。今さらながら、その重みを強く感じた運動会でした。

幼稚園は閉園しても、「子ども達にきちんとした幼児教育を受けさせたい」という創設当時から続く「大人の想い」は全く変わりません。その想いを引き継ぐためにも、認定こども園開設に向けて、精力的に取り組みたいと強く心に描いた一日でした。

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