2015年08月15日

【戦後70年】私の48年間を振り返って、私にできること。

今日、平成27年(2015年)8月15日は、太平洋戦争から70年目の終戦の日です。

戦後生まれの私は、毎年夏の始まりとともに年中行事を迎えるように「戦争・平和」に想いを寄せるのが日常でしたが、今年はまるで違いました。70年目という節目が一つの要因ですが、何より影響があったのは国会審議中の「安全保障関連法案」の存在でしょう。

昭和42年(1967年)生まれの私がふと自分の人生と戦争との関係を考えると、私は戦後22年目に生まれ、それから約50年間生きてきたことになります。今思えば私の子ども時代は今よりももっと戦争が身近な時代だったはずなのです。(今の私にとって20年前は新規就農した頃。昨日のことのように思い出されます。)
それなのに、私の育った記憶に「戦争に対する不安」はありませんでした。日本はもう二度と戦争をしない国であることを誰もが口に出さなくとも肝に銘じていたからなのでしょう。
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そんな私にも中学と高校時代の夏休みに「戦争体験者の話を聞くこと」という社会の宿題が出されました。先生は「戦争を体験した人は年々歳をとり亡くなっていく。お元気なうちにその時の辛いお話を聞くことが、みんなの将来、これからの日本にとって大事になる。身近に戦争を体験した人がいる人は話を聞いて、発表してください。」と。昭和55年〜60年、戦後35年〜40年頃だったでしょう。

私は一緒に暮らしている祖父に話を聴くことにしました。祖父は大正2年生まれ、南方(フィリピン方面)に出兵し帰還していました。
中学生の時(昭和55年頃、祖父65歳頃)、宿題の話しをしても祖父は何も話してくれませんでした。「まあ、色々あったけれど、話したくない。」そんな答えだったと思います。
それから3年後、私が高校生の時に祖父は「裕美子(孫)に何度も聞かれて答えないんじゃダメだな。少しだけ話すよ。」と言ってぽつりぽつりと話し始めました。

「戦争は敵との戦いだと思っているかもしれないけれど、仲間との戦いでもあるんだ。兵隊には国から軍服やら鞄やら色々支給されるんだけれど、それはみんな国から与えられたモノだから大切にしなくちゃならない。無くすなんてとんでもない、大事なモノだ。でも、靴下とか下着とかはすり切れボロボロになって履けなくなる。というより靴下そのものが無いに等しくなる。それでも「与えられたモノ」だから、そこになくちゃならない。

時々隊長が検査をするんだ。その時にもし手元に無かったら、それはもう半殺しになるくらい殴られたり蹴られたり。だから兵隊はみんな、自分のが履けなくなりそうになったり、無くしたら、他の兵隊のを盗むんだ。死んだ人のを取ることもある。寝ている間にそ〜っと。で、盗まれたのに気がついたら、また誰かのを盗むしかない。そうやって、みんながみんな盗んで間に合わせる。とろいのはいつも殴られるんだぞ。だから誰も信用できないし、いつも気を張ってなくちゃならない。そうしないと自分がやられちゃうからな。」

と、静かに話してくれました。その時、私は反射的に「ヨシおじちゃん(祖父)も、そんなことしたの?」と、聞いてしまって・・・。祖父は苦笑いをして、もうそれ以上何も話しませんでした。

祖父は平成11年 86歳で亡くなりましたが、それまでの間に私が聞いた戦争の話しは、そういくつもありません。今なら、戦争の背景を理解した上で祖父の立場に立って話も聴けたでしょうし、人として共感できる、理解できることもたくさんあったと思います。あの時はただ、大好きな祖父である一方で、「戦争に行って悪いことをしてきた人」という感覚が頭の片隅にあったのも事実です。聴けば聴くほどその想いが増すような気がして、積極的に聴くことができなかった・・・本当に申し訳なく、残念な気持ちでいっぱいです。

戦争の現場で傷つき傷つけられる人がたくさんいるのと同時に、戦地から離れても、時間がどれほど経っても、戦争の傷跡が残っているのを今も感じます。戦争がもたらすものの中に、何か良いものがあるのでしょうか? 
私には想像すらできません。私の記憶では、何も良いものなどないのです。
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戦争から70年が経って、戦争を知らない世代が人口の8割を超えたと聞きました。戦争を体験していなくても、もう二度と御免だという気持ちだけは持ち続けたい。

そのために、私にできることと言えば、少ないながらも聴かせてもらった「戦争の悲惨さ」「戦争のもたらす残忍さ」を伝えること。そして、戦争に繫がりかねない行動や思想、思考に「イヤだ!!」「ダメだ!!」とハッキリと意思表示をすることだと考えます。

写真は、今年の7月18日(土)午後1時、「アベ政治を許さない」全国一斉運動に参加したときのもの。同じ書式のポスターを全国同時刻に一斉に掲げることで意思を示す運動です。私の家の前ではこの日から3日間掲げました。

私が今の安倍政権の「アベ政治を許さない」のは、民主主義も立憲主義も無視していることと、戦争の実態を語らないところです。

「安全保障関連法案」そのもの(=憲法違反、非核三原則との非整合性)と、それを衆議院で「強行採決」したこと(=反民主主義)に対して、多くの国民が様々な形で「反対」の意思を伝えています。これほど大規模で長期間の反対運動はこれまでになかったのに、そんな国民の意思を意思とも思わず無視し続け、法案を再考することもなく進めるやり方。積極的平和主義の名のもとに、平和を脅かす存在となるものに依存するやり方。どちらも言葉と行動が矛盾していて認めるわけにはいきません。

与党議員も同じ。政府の意向=党の意向=議員個人の意思として「国を取り巻く状況が厳しい現在、いつでも対応できる形にすべきだ」と各地で状況説明をしていますが、このこと(世界や日本を取り巻く状況が変化していること)が、法案の合憲性や強行採決したことの正当性を示す事にはなりません。状況変化への理解はあっても、安全保障関連法案の説明には直結しません。

もし全ての状況が政府や与党が主張するとおりだとしても、立憲主義を大事にするなら憲法改正に動くべきだし、民意を大事に考えているなら、(多くの学者が違憲とし、今までにないデモが起きている)この段階で強行採決などせず、一旦取り下げた上で時間をかけて国民を説得すればいいのです。たった数ヶ月(次の臨時国会)、長くて半年(次の通常国会)待てば次の機会は訪れます。それまでの間に全力で国民を説得する。そんなこともできないほど今の「日本を取り巻く状況」が切羽詰まっているとは、私には思えません。
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私がこうして「アベ政治を許さない」と意思表示をしたことに対して、心配をしてくれる人がいます。当初、私も多少の気後れがありました。
けれど、私たちは戦後70年、政治的な問題に意思表示をしなかったがために、民主主義も立憲主義も否定する今の政権を結果的に作り上げてしまったのではないか、そんな反省が行動に繫がりました。もし今まで通り何も言わず、何も行動しなかったら、安倍政権は「私たちは認められた」と勝手に解釈して押し通すでしょう。あなたはそれでいいですか?

高校生や大学生までもがデモをし、たとえネット上で叩かれても屈しないで意思を示しているのに、戦後20年から50年間を生きてきた私たち世代が、何もしなくて耐えられますか?


私は、日本が戦争被爆国であること、戦争を二度と繰り返さないと宣言した平和憲法をもっていること、戦後70年間戦争をしなかったという事実を大事にしたいと考えています。他の国と同じでなくて良い、今の日本だからできること、今の日本にしかできないことを追求すべきだと考えます。

2015年07月16日

今日問われる! 国民に寄り添う衆議院議員は誰か。【安保法案/衆議院採決】

昨日(平成27年7月15日)、衆議院平和安全法制特別委員会で安全保障関連法案が強行可決された。

世論調査では「説明不足」が指摘され、「内閣不支持率」がみるみる上昇、全国各地で「反対デモ」が行われている最中にである。

48歳の私でも、これほど大々的な国民の動きは記憶にない。そんな事態が起きているのにである。

今日、衆議院本会議で、この法案の採決が行われる。
自民党・公明党からなる与党の「数の力」から言えば、間違いなく通過する。


与党議員、
あなたは本当にこの法案に賛成なの?
あなたは政党側につくの? それとも国民側につくの?
あなたは、そもそも何がしたくて議員になったの?


与党議員の[議員の本分][議員としての良心][人生をかけた勇気]に期待したい。


私はこの安保法案に反対です。

2015年06月30日

どれも教科書、なのに受ける印象がこんなに違うの?!【平成28年度から使用の中学校用教科書展示会】

今、各自治体では、平成28年度から中学校で使用する教科書の展示会が開かれています。

月形町では、6月19日(土)〜7月4日(土)の午前10時〜午後6時まで、月形町図書館1階の閲覧室で見ることができます。

ここに展示されているのは教科書検定に合格した全教科の教科書で、このあと教育委員会の選定委員会によって(月形町では共同採択方式をとっていて、岩見沢市を除く空知管内23自治体によって採択地区協議会を持ち)、平成28年度から中学校が使用する教科書(採択地区内は同一)を採択します。

教科書検定に合格した教科書が一度に見られる滅多にないチャンス。ということで、先日私も見に行ってきました。
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「こんなに種類があるの!」
というのが第一印象。私が知っているのは、ほぼ全ての教科を手がける大手の出版社くらい。ある教科に特化して制作している出版社がこんなにあったとは!

全てを見るには時間もないので「社会/公民」だけを抜きだしてみたところ、全部で7社。ランダムにぺらぺらとめくっていくと、どの教科書もほぼ同じ順番で内容が展開され、重要な語句は太字になっているのも同じ。出版社によって写真や引用文、デザインなどが違っていても「教科書検定」を通ってきているから本文は同じなんだ・・・ と思っていたら「あれ?」

何気なく開いた「家族の役割」という項目に目が止まりました。(以下、引用部分は私が書き写したもの。コピーや写真撮影ができなかったため、誤字脱字等はご容赦ください。)

【家族の役割】 結婚していない働き盛りの男性や高齢者の単身者からなる単独世帯が増加しています。一方で育児期の家庭では夫が仕事をして妻が専業主婦の夫婦が現在も高い割合を占めています。また、祖父母の育児支援が得られやすい、祖父母・親・子の三世代の同居や近居の価値も見直されつつあります。[育鵬社/P18]

う〜ん、統計的数字を追えばこういうことが言えるのかもしれないけれど、それにしても単独世帯について『結婚していない働き盛りの男性』と、ことさら強調しなくてもいいのに。それに『育児期の家庭では夫が仕事をして妻が専業主婦の夫婦が現在も高い割合を占めています』のところ、今現在を切り取ればそういう数字を示していても、すでに傾向は変わってきているのに・・・

なんか変だなあと感じながら、他の教科書の同じ部分を見てみました。

【家族の変化】 今は「夫婦と子ども」または「夫婦のみ」で構成される核家族世帯が増加し、3世代同居世帯の割合は低下しています。近年は、一人暮らしの単独世帯が増加してきています。[自由社/P22]

【家族形態の変化】 現在では三世代家族は減少し、夫婦のみ、あるいは夫婦と子どもだけなどの核家族に加えて、ひとりで暮らす人も増え、さまざまな家族の形態が見られるようになりました。[帝国書院/P18]

家族形態について項目立ていているのはこの3社しかなくて、それ以外の4社は『家族は社会集団の1つ』という取り上げ方をして、サラッとした記述しかありませんでした。(時間がなくて全ては書き写せなかった。)
その4社の中で多少詳しく書いているとすれば

【家族と社会】 核家族が増え、高齢社会をむかえた今日では、地域の人々が互いに助け合うことが、生活をより豊かなものにしていきます。[日本文教出版/P22]

『家族』のとらえ方1つでも、こんなにも違いがあるとは! 正直驚きました。
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教科書(出版社)によって書き方が違っていると、歴史の教科書が話題になりますが、公民であっても同じ。百聞は一見にしかず、自分の目で確かめることが重要ですね。
(数学など論理的に進める教科はどうなのか、他の教科書にも興味がわいています。)

これだけたくさんの種類の教科書があっても、子供達に提供されるのは1種類。子どもにとってはそれが「全て」になりかねません。慎重に選ぶ必要があるし、私たちも、どんな教科書が選ばれたのか注視する必要があると感じました。

それとあわせて、情報の多様性・透明性は必要だと改めて感じました。特に教育分野においては重要。今現在だけでなく、未来に対しての影響と責任がありますから。
社会には様々な考えがあり、視点もある中で、何か1つをごり押ししたのでは歪みが出てきます。

2015年06月18日

【お知らせ】北海道自治体学土曜講座 第2回「メディアの現状と日本の民主主義」は6月20日(土)13:00〜

今週の土曜日、北海道自治体学土曜講座 第2回が開催されます。内容は以下の通りです。

今まさに起きているメディアの問題を題材に、現場を知る講師が問題提起。その後のパネルディスカッションでは会場も交えた熱い議論が交わされることでしょう。会場に集った人による生の議論が土曜講座の醍醐味。あなたも「場」の空気を吸い、議論に参加してみませんか。私も実行委員の一人として参加します。

興味を持たれた方、ぜひ、お越しください。

※ 写真はオオデマリ。お隣の庭先にあるのですが、スゴイ迫力。どうしてこんなにたくさんの花を咲かせるのか? 生命力に惹きつけられます。
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北海道自治体学土曜講座 第2回「メディアの現状と日本の民主主義」

 報道の自由は民主主義の基盤である。だが現状は、政権党の「メデイア監視」と「番組への介入」によって、ラジオ・テレビの「政権批判番組」は萎縮し減少している。ニュース解説は論点を避け、コメンテーターは「腰の引けた言説」になっている。とりわけNHKは籾井会長が就任して「ニュース番組の原稿」にも「政治部」が修正変更するという「凄まじい事態」になっている。
 メデイアの役割は「政権の監視」にある。民主主義の基盤は「言論・言説の自由」である。
 世界のジャーナリストから、日本のメデイアは「政権監視をしていない」と指摘・批判されているのである。
 現在の状況は、メデイアが競い合って戦争を煽動した「満州事変の前夜」にも似てきたと言われている。本講座は「メデイアと民主主義」の論点を「問題提起」と「会場討論」によって明らかにする。

第1講 問題提起(13:00~15:10)
「メデイアの現状とNHKの変貌」
          永田浩三(元NHK番組ディレクター/武蔵大学メディア社会学科教授)
「特定秘密保護法とメデイアの現状」
          菅原 淳(北海道新聞編集局解説委員)
「言論の自由とジャーナリストの責務」 
          徃住嘉文(日本ジャーナリスト会議北海道支部)

第2講 パネルディスカッション(15:20~17:30)
【パネリスト】◆永田浩二 
       ◆菅原 淳
       ◆徃住嘉文
       ◆林 炳澤 (イムピョンテク・自由学校「遊」共同代表) 
【司 会】  ◆森 啓  (北海学園大学開発研究所特別研究員)
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《会 場》 北海学園大学34番教室(札幌市豊平区旭町4 丁目1-40)
      地下鉄東豊線「学園前駅」下車。3番出口直結。駐車場は利用できません。

《参加費》 1回分    :1,500円/学生無料
      平成27年度通し:5,000円(第5回まで)
      ※会場受付でお支払いください。

《お問い合わせ》
北海道自治体学土曜講座実行委員会(共同代表:森啓、神原勝、小坂直人、内田和浩)
Eメール jichi_doyokoza2015@yahoo.co.jp(事務局:北海学園大内/斎藤、和田)

2015年06月16日

高齢者の買い物問題は悠長に構えている場合ではない。町長、決断を!【平成27年第2回定例会/一般質問】

6月10日開催の平成27年第2回定例会、一般質問の報告です。

今回取り上げたのは「元気な高齢者の買い物問題」。福祉の側面と商工振興の側面を関連づけ、提案も含めて質問したつもりでしたが・・・。
町長からの答弁は「第4次振興計画通りに進める。計画は今年4月に始まったばかり。これから具体化したい。」というもの。

何とも悠長な。現実は刻一刻と変わっているのに。

「元気な高齢者の買い物問題」は過去から指摘・懸念されていたこと。今春に閉店が相次ぎ、いよいよ現実問題となっただけのこと。実際の動きはないものの危機意識は共有できていると思っていたのですが・・・。それに、今、手を打ったとしても実際の動きになるのは数ヶ月先。雪に閉ざされた冬になってしまう・・・。

その間に人は歳を重ね、生活環境に不安を募らせていきます。また、2年後の4月には消費税が10%に上がります。[8%に上がったのは昨年4月。その前年度に例年の2〜3倍の人口流失があった。消費増税前の住宅建設(=便利な都市部に終の棲家を求める)が一つの要因という見方もある。消費増税は生活環境を見直すきっかけになる。]

このままでは、不便な田舎には住めないという雰囲気が、同じ地域で住み続けたいという想いを越えてしまうかもしれないのに。


■ 一般質問は事務方(職員)ではなく、
  決定権を持っている町長に聞いています。
■ 計画や実態ではなく、
  これからの月形町をどうするのかを聞いています。
■ できない理由ではなく、
  実行するためにどう対処するのかを聞いています。

全ての答は、決定権者の【決断】でなければならないと、私は考えています。

以下、般質問の議論内容(要旨)です。一般質問をしながら私が取ったメモを元に書いているので、ニュアンスの違いや正確さに欠ける部分があるかもしれません。その点はご了承ください。

※ 写真は野茨[ノイバラ]です。風とともに漂う芳醇な香り(まるでバラの香水!)で、今が盛りだと存在感を示しています。茎には小さいトゲがびっしりと生え、何者をも阻むかのよう。そのせいで雑草を取ることもできず、辺りは藪。花言葉は「素朴な愛」「孤独」。人間味を感じる花です。

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平成27年第2回定例会 一般質問報告(宮下裕美子)

1.元気な高齢者が町内で暮らし続けるための施策(特に、福祉と商工の連携)について【答弁者/町長】

Q)月形町は人口減少や高齢化が進行、人口3,500人代、町民の3人に1人が65歳以上(高齢化率37.7%)である。身内が町外・遠方の高齢者夫婦や高齢者独居の世帯も多い。商圏人口減と高齢化による消費減により小売店は苦戦。後継者がないこともあって廃業が相次ぎ、この春には町内の衣料品店が無くなり、札比内地区の食料品店も無くなった。
 一方、70代・80代でも現役で自力生活をしている元気な高齢者も多い。自動車を運転し、JRやバスで岩見沢市や札幌市まで買い物に行っている。しかし年々衰え、運転免許返納や長距離移動が難しくなるなど、身の回りのことができても生活(特に買い物)ができるのか不安が募っている。
 月形町では地域福祉に力を入れていて介護や見守りの対象になれば支援が受けられる。しかし元気な高齢者は対象外である。身近なところに最低限が揃っていて日常生活が成り立つが、このままでは元気な高齢者が地域で住めなくなり、遠方の親族を頼って転出してしまう。
 町はこのような状況をどのように捉え、どう対処していくのか?


A)買い物難民の状況は理解している。この件は「未来を考える委員会」からも意見があり、第4次総合振興計画にも盛り込んだ。しかし、基本的には経済活動であり、行政は事態の趨勢(すうせい)を見守るしかない。
 現状として、Aコープは月1回の催事で日用品や衣料品を提供しているし、食料品等の配達も行っている。町外戸配業者(コープさっぽろのトドック)利用も増えている。様々に対応されている。
 なお、過去にAコープが移動販売車を検討したが採算ラインを達成できず断念した。商工会はカタログ販売を検討するも難しいようだ。町としては、それぞれの事業者の対応に期待するしかない。
 福祉的には、月形町は地域支援に力を入れている。実態として福祉の対象であるかないかは関係ない。


Q)第4次総合振興計画の高齢者支援の項には「医療・福祉・介護の連携・生きがいづくり(=心身のサポート)」、地域福祉の項には「見守り活動・安全安心な暮らし(=危機管理)」が謳われているが、日常の暮らしそのものを維持する視点は感じられない。また、商工業の項には「経営安定・企業誘致・商品開発(=事業者側の目線)」だけである。
 商工業者の取り組みに高齢者側の視点を取り入れる必要がある。例えば、催事会場が2階では階段を上がれないし、下着売り場が店先にあっても買いにくい。町が仲介役となってニーズに合わせる必要がある。高齢者の行きつけの場所(福祉の店や古くからある商店、病院など)に日用品を置けるよう支援する方法もある。
 また、単独の事業者任せでは限界がある。移動販売車を町が用意して支援をすれば、町内商業者の様々な商品を載せ販売できる。小規模事業者の商工振興にもつながる。
 現実的な問題として、札比内地区では食料品店廃業後すでに他町の移動販売車が来ているし、戸配業者(トドック)の利用も増えている。このままでは町内商店の商圏人口が減り、衰退の一途ではないのか。

A)「町は何もやっていない」と言っているように聞こえる。第4次総合振興計画は策定したばかりで実施はこれからだ。これまでにもプレミアム商品券、ぬくもり福祉券を発行しているし、高齢者サロン、地域包括支援も実施している。
 各種アンケート結果等から実態を踏まえた上で、しっかり検討していきたい。

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