2009年09月02日

ニューカントリー9月号に掲載

関東から道東の海沿いを北上した台風が遠ざかると同時に、秋の空気を運んできました。昨日の午後から澄んだ青空と凛とした空気が月形上空を包み、北海道らしい秋を満喫しています。

久しくこんな天気を味わっていなかったので、農作業をする手もはかどり気持ちも晴れやか。農業をしていてよかったと感じるひとときです。また、今朝の気温は放射冷却も手伝って8℃台まで下がりましたが、日中は25℃近くにも。日格差が大きくなって、いよいよ収穫期です。温度変化で甘〜くなったり、熟したり、こんないい天気が今しばらく続きますように。

さて、北海道の農業者向け月刊誌「ニューカントリー」(北海道協同組合通信社)をご存じですか?
昭和29年に創刊された雑誌で、農業に関連した様々な記事が特徴です。また表紙は一般公募の若い女性なのですが、町内に住む私よりちょっとお姉さんの友人も「私も表紙に出たことあるよ。」と言っていたので、長い歴史を感じさせます。

その「ニューカントリー9月号」に意見を書かせていただきました。
「アンケート・このテーマ串刺し」というコーナーで、テーマは「どう進める農村の男女共同参画」。「農業界は男女共同参画が進まない分野の代表例として挙げられるが、どう推進するべきか」という内容です。

私の意見は「農村女性は営農の傍ら家庭や地域の担い手として活躍している。その経験や知識、アイデアは行政分野ですぐにでも生かすことができる。」というもの。

他に、
◆幕別町農業委員会委員 森勤子さん、
◆(社)農産漁村女性・生活活動支援協会 事務理事 齋藤京子さん
◆JA道央理事 宮北栄智子さん
も寄稿しています。

ご興味を持たれた方は、ニューカントリー9月号をご覧ください。

2009年09月01日

月形消防演習(札比内小学校にて)

今年も8月の最終日曜日(今年は年8月30日)に、月形消防演習が開催されました。

例年、月形小学校グランドを使っていたこの演習、今年は数十年ぶりに札比内小学校のグランドで行われました。これは「消防団は地域と共に」という団長さんはじめ関係者の考えと努力で実現したもので、素晴らしい展開だと思います。

会場には消防団員70名と消防職員の他、来賓として消防事務組合関係者、議会、地元行政区役員、札比内小学校校長、庁内企業など数十名、そして子供たちを含むたくさんの地域住民の方々の参加がありました。
今まで開催場所が遠く、間近で「お父さん」の勇姿を見ることができなかった子供たちや奥さん、お婆ちゃんの喜びと誇り満ちた表情と、会場からの「お父さん!」のかけ声に照れながらも微笑むお父さん団員の姿が印象的でした。きっと、いつもより数倍緊張したことでしょう。
また、女性団員の一生懸命走る姿も印象的でした。この演習に参加した全ての団員と職員の気持ちを現した姿だったように思います。

演習は「小隊訓練」「小型ポンプ操法」「ポンプ車操法」が行われましたが、それと平行して会場内では「煙体験ハウス」「消化器体験」「消防車乗車体験」の体験コーナーが設けられ、演習に集まった人達が楽しく参加しました。

私も「煙体験ハウス」に入ったのですが、真っ白な煙は濃霧よりも濃く、手が届く範囲でさえも見えないほど。ハウス内は煙が充満しているので姿勢を低くしても視界は開けません。入り口からほんの1〜2mのところで前の人のお尻が見えなくなると、一瞬パニックを起こしそうになりました。

何とか気持ちを立て直して再度出発! 窓から入る灯りで何となく方向を確認し、壁伝いに手探りで前に進むと「やっと」のことで出口にたどり着きました。しかし、出口が開いていたにもかかわらず煙でわからなかったのも事実。完全に外に出て視界が開けるまでは不安でいっぱいでした。

こんな私の煙ハウス初体験でしたが、実際の火災では熱さが迫り、刺激臭がしたり、有毒ガスが混じっていたり、窓がない部屋で暗かったり、考えただけでも恐怖です。パニックを起こさないで脱出できる自信がありません。
それでも今回体験できたお陰で心構えができました。私と同じように感じた人はたくさんいたようで、とても良い企画だったと思います。

消防団の行事は年に2度(夏の消防演習と年始の出初め式)ですが、いつも「自治と誇り」「清々しさ」を感じさせてくれます。消防団の皆さん、ありがとうございます。

2009年08月30日

地方自治土曜講座「議会は変わるか? ー議会改革の諸問題ー」その2

その1」を報告してから1週間が経ってしまいましたが、つづきとして、私の発表内容(補足も含めて)記します。
なお、「その1」報告後、ご意見や質問が寄せられました。コメント欄で熱く語り合っています。私の考えも記すことができましたので、ぜひそちらもご覧ください。
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◎報告「議員諸氏による現状報告・月形町」 月形町議会議員 宮下裕美子

[月形町の概要と特徴]
・空知管内、札幌から約50km、岩見沢市から約20km、国道275号線沿線
・人口:3,914人(平成21年7月末現在)
・高齢化率(65歳以上人口割合):33.3%   
・基幹産業:農業(米・切花・果菜)
・町財政は比較的健全:平成19年度 実質赤字比率、連結実質赤字比率、将来負担比率はない
                 実質公債費率のみ11.4%
・投票率:町議会銀選挙(2007.4)87.09%、町長選挙(2008.9)84.87%
・歴史:樺戸監獄を基に拓かれた町、空知管内最初の村(平成22年に開町130年)
    = 北海道内では古い町
・各種施設が多い:矯正施設(月形刑務所、月形学園)
         福祉施設(障がい者関連・2法人、高齢者関係・3法人)
    = 国家公務員を含め、人の対流がある。
・新規就農者を受け入れ(ほぼ離農なし)、社会参加も(町議会議員、農協理事、生産組合役員等)
    = 農業や地域の担い手として、新しい風が入っている
  ↓
◆古くからの住民・歴史+新しい住民・文化 が共に存在し、融合している。
◆人口が少ない分、町民が様々な役割(行政、自治、経済、福祉、教育・・)を担っているので、
 住民の行政への関心は高く、情報も届きやすい。
◆住民と顔の見える関係が築ける分、行政や議会等への地域の目は厳しい。

[月形町議会の概要と取り組み、実態]
・定数10、2常任委員会(総務民教・産業建設)
・予算特別委員会(3月)、決算特別委員会(9月)
・一般質問の1問1答方式(反問権はなし)
・会議録および審議内容をHPで公開(広報誌は未発行)
・複数の委員会に所属できる
・全員協議会の設置(原則公開)
・現在「議会活性化」について全員協議会で審議中(随時開催・公開で協議)
 (決定事項:政務調査費は今年度限りで廃止)
  ↓
◆上記のような月形町議会の取り組みは、同じ規模の町村議会が既に取り入れていること。
◆本会議は形式が優先されるために、議論の場としては不十分。事前の全員協議会等(公開)が実質議論の場になり、審議の補完を行っている。(本会議議事録だけでは全ての議論を網羅していない。)
◆全員協議会は公開されているが、議事録は要点筆記のみ。また、情報公開に基づいてのみ公開される(議会が文書として積極的に公開していない)
◆議員間の自由討議により議論が本質へと進み、合意形成に近づけたことがある。

[今後の課題:宮下の考え]
◆今ある会議規則は絶対ではなく改正していける。自分たちの議会にあったものにしていくべき。
◆「議会」という組織として、住民と共にあることが大切。積極的な情報公開と広報公聴の充実を。
◆議会改革には、議長のリーダーシップと事務局の力(情報収集、専門性)が必要。事務局強化のために、事務局員の専属化、独自採用(広域で対応)など検討すべきでは。
◆合意形成のためには多くの議論を要する。もっと自由討論の場を増やせないか。(会議規則の改正)
◆町村議会は住民との距離も近く、世間が問題にしている専業議員による議会より「住民自治」の観点から、実は進んでいるのではないか。町村議会の良さを見なおす必要がある。ただし、情報公開や条例改正など取り組むべき課題もある。

[その他・会場からの質問に対して]

Q 自分の議員報酬額をどのように捉えているのか?

A 私の月額報酬は額面168,000円、手取りで12万円強。町村議会では標準的であり、市議会議員に比べ遙かに安い。市議会と町村議会では扱う金額は違うが、自治体の仕事としてその幅は同程度であり、同じように調査したり、勉強したりする必要がある。正直にいえば、時間的、金銭的余裕から専業の市議会議員をうらやましく思うこともある。
 しかしながら、町民はボランティアで行政や地域活動に参加し「まち」を支えているので、地域のことを考えると妥当か、むしろもう少し下げることも必要かもしれない。
 ただし、議員の活動を目に見えたものにする必要がある。議員活動に伴う必要経費(交通費、講習費、調査費他=政務調査費的なもの)は報酬とは別に議会として議員に支払い、報酬は純粋な「労働対価」「最低保障」として支給する方法が良いのではないか。こうすれば「何もしていない議員に高すぎる報酬」という話にならないのでは。


Q 政務調査費の効用と、その成果として政策にどのように反映させているのか?

A 月形町の政務調査費は年額48,000円なので、そのほとんどを調査研究費(講習会やその交通費など)に充てている。額が少ない分、他に回す余裕はなく、不明瞭な会計はない(領収書は添付、1円から公開。個人的に活動報告書でも公開している)。
 講習会等で得た情報はブログを通じて報告したり、議員間の情報交換、一般質問への応用、議員活動に役立てている。政務調査費があることによって議員活動の幅が広がっているのは事実。
 ただし、現在議会内で進めている「議会活性化」の協議の中で、政務調査費は今年度限りで廃止になってしまった。政務調査費の新たな意義付けを考えていただけに残念だった。

2009年08月23日

地方自治土曜講座「議会は変わるか? ー議会改革の諸問題ー」その1

昨日、北海学園大で開催された北海道地方自治土曜講座に参加してきました。

今回は発表者としての参加だったので最前列に用意された特別席。テーマが身近なもの(普段から問題意識を持って取り組んでいること)だったので、月形町議会の置かれている状況と比較しながら様々にイメージを膨らませ、議会改革の方向性とヒントを見つけることができました。

自分の発表では「田舎の町村議会の置かれている状況」をお伝えしたかったのですが、どの程度できたか・・・。準備はできていたつもりでしたが、もっと簡潔に本質を伝える技術を身につける必要性を感じました。それでも会場との質疑応答では冷静に対応できたのではないかと思っています。

会場には定員(100名)いっぱいの参加者があり、普段の講座以上に議員の参加が多かったとのことです。議員にとって議会改革は、当事者として取り組むべき大きな課題だと言うことでしょう。参加者の中に顔見知りの議員さんが何人もいて嬉しく思いました。今回の講座でどんな感想を持ったのか・・・機会があれば伺いたいと思います。

さて、当日のプログラムは以下の通りです。私の印象に残った内容をあわせて記します。
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2009年度 北海道地方自治土曜講座 第3回「議会は変わるか? ー議会改革の諸問題ー」


◎講演「議会をめぐる近時の法改正と地制調での議論の方向性」
              北海学園大学法学部教授 大西 有二氏

◆行政改革「3つの分権」のうち、「地方への分権」「市場への分権(規制緩和)」は既に進行しているが、最後の「政治への分権(政治の復権)」が地方の場でも求められている。
◆行政が「社会的ネットワーク(=NPO等の民間組織)」を活用する時代。公私協働の流れは続く
◆首長をコントロールするには、実は議会や議員側にも相当の専門能力が必要だ
◆議員になるチャンネル(=議員をリクルートする方法、様々な利害を議会に反映させる方法)の多様化が必要
◆地制調答申や様々な法改正で、議会の制度改革は進んでいる。議会の組織および運営については、議会の自主性・自立性にゆだねられている。
◆選挙制度に関連し、政党化は「政治における中央集権」を進めるのではないか。地方議会政治の政党化を指示しない場合には、議員になるチャンネルの多様化を図る。
◆首長=一般的利益代表、議員=個別的利益代表
◆地方分権に伴い、地方自治体の権限も増大している。首長部局は、より多くの仕事をより少ない職員と予算で処理するという困難な課題に直面している。これを踏まえ、議会もまたこうした時代の要請に応えうる自治組織体制の確立に取り組むべき。



◎講演「議会基本条例の制定など、近時の議会改革の諸相」
          北海学園大学法学部教授 福士 明氏

◆議会改革 → 議会基本条例に行き着く
◆今まで議員は「自分は住民の代表であるから、住民の意見を聞く必要がない」と思っていた(今も思っている)。しかし議員・議会においても住民自治・住民参加の考えは必要になってきている。
◆議会の役割・機能として何を重視するかによって、議会運営の構想はかなり違ってくる。
 「議会=政策形成機関」:議会が立法権を行使して政策立案をしていくべき。
             専門職としての議員像。常勤職化。議会事務局の強化。
 「議会=コントロール機関」:首長の政策決定・実施を関し統制するところに議会の重点を置く。
             素人としての議員像。
             夜間議会・休日議会の開催、兼職禁止の撤廃、報酬の低けん化。
◆「協働型議会」:監視機能・政策立案機能を有する「監視型議会」と、
         それを住民参加で行う「アクティブ議会」の両方の役割を担う議会
    ↓
 議会は、野党的機能=監視機能と同時に、地区や業界などの地域的個別的要望を踏まえつつも全体的長期的視点での「地域デザイン(ビジョン)構想者」の役割を担わなければならない。
 また議会自身も住民参加を取り入れ、議会が「公開の場」で住民の提案あるいはオルタナティブ(既存のものと取って代わる新しいもの。代替案)を「協議=熟議」によって調整し最終決定するという役割を担わなければならない。
◆首長提案の中で明らかにされるべきもの(議員が追求すべき観点)
:政策等の発生源、検討した代替案、他の自治体の政策、総合計画の根拠または位置づけ、
 関係する法令および条例等、財源、将来コストの計算
◆議会基本条例は、議会改革のツール(道具)である


         
◎講演「NPO活動と議会」
         北海学園大学法学部教授 樽見 弘紀氏

◆日本の議会では、根回しすることが議員仕事としてまかり通ってきた
◆市民ニーズはロングテールの時代。議会を頼らず市民が意思表示、活動する時代。
◆足による投票:住民が、満足のいく公共サービスを求めて住居を変える。
 → 住民ニーズを的確に捉えられない(提供できない)自治体は人口が減少する。
◆自治体はNPOと同じ構造、同じ組織ではないのか。
◆参考図書:岡部一明著『市民団体としての自治体』お茶の水書房(2009年7月)



◎報告「政務調査費など」
     NPO法人リンカーンフォーラム北海道代表理事 山下 浩氏

◆札幌市議会の政務調査費使途についての詳細報告
 (リンカーンフォーラム北海道HP・市民監査報告書に掲載)
◆政務調査費は政策立案のためにあるもの。議員広報は本来の目的から外れるのでは。
◆議員とは自己犠牲のもと、住民の利益を守るものではないか



◎報告「議員諸氏による現状報告」
     北海道議会 原田  裕氏
     江別市議会 林 かづき氏
     月形町議会 宮下 裕美子
     登別市議会 松山 哲男氏
     白老町議会 大渕 紀夫氏

◆各議員10分で、各議会の現状と取り組み、問題点などを報告
・原田氏からは、北海道議会基本条例の制定経過と内容の報告
・林氏からは、江別市議会での林氏の議会改革に関する取り組みとその経過報告
・宮下からは、月形町議会の現状報告とこれからの改革の方向性について
・松山氏からは、登別市議会の「議会フォーラム」「議会基本条例制定」の報告
・大渕氏からは、白老町議会の「通年議会」の経過と広報公聴常任委員会についての報告



◎質疑・会場討議 司会:大西有二氏(地方自治土曜講座実行委員)

Q 樽見先生の「足による投票」について、
  日本のような比較的均一な公共サービスの状況ではありえないのでは?
Q リンカーンフォーラム北海道・山下氏は「議員は自己犠牲・・・」と言っていたが、
  現職議員は「住民と議員の関係」をどのように捉えているのか?
Q 各議員とも、自分の議員報酬額をどのように捉えているのか?
Q 各議員にとって政務調査費の効用と、その成果として政策にどのように反映させているのか?
Q 議員がどのような仕事をしているのか示す必要(広報の充実)があるのではないか?
Q 道議会における一般質問の事前するあわせについて
Q 道議会における政務調査費の使途について

2009年07月03日

平成21年度 月形町戦没者追悼式

今日の午前、町内樺戸神社内忠魂碑前にて追悼式が行われました。

参加者(遺族、来賓、役場職員、一般)総数はほぼ例年並みの50名程度だったと思いますが、遺族の方々がぐっと少なくなったことが気にかかりました。月形町遺族会会長のご挨拶に「戦後64年を迎え、遺族会会員も年々減少の一途であり、また高齢化も進んで会の存続も危ぶまれています。」とあり、時間の経過が「戦争」を遠いものにしているのを目の当たりにしました。

私は現在42歳、昭和42年生まれです。終戦からたった22年後に生まれた私でさえ、人生において「戦争」は非現実的な遠い世界であり、日常生活の中で「戦争」を考える機会は滅多にありません。そう考えると、平成生まれの我が子にとっては・・・ゲームの中の物語か、地球の裏側の全く関与しない話でしかないのかも・・・と思え、不安になってきました。

遺族会会長のご挨拶の中にもう一点、気になることがありました。
「(北海道新聞の記事から)子供たちに戦争に関するアンケートをとったところ、『日本と戦争をしたことがない国はどこ? アメリカ』と答えたそう。」
今の日米関係だけを見ていると、そう思えても無理はないかもしれません。それくらい歴史が風化しているし、教育が欠けているのだと思いました。

昨年初めて参列し、記憶の彼方にあった「戦争に関する思い出」が呼び起こされたのですが、今年は今ある記憶を受け継ぎ、「戦争は決して起こしてはいけない」という強い気持ちが芽生えました。

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