2020年03月16日

令和2年度予算ダイジェスト【令和2年度第1回定例会/報告2】

報告の2つ目は、3月10日(火)〜12日(木)の予算特別委員会で審議された新年度(令和2年度)予算です。ここでは一般会計の中で私が気になる事業を報告します。(他の5つの特別会計は省略)
 
このダイジェストでは私が気になった事業を取り上げ、私の関心の高い順に事業費とポイントを掲載しました。細かくて解りにくいと思いますが、私の備忘録も兼ねているのでご了承くださいませ。

なお、報告3では予算に対する私の所感を掲載する予定。私の視点で月形町の財政状況や課題を整理してまとめますので、報告3の方が解りやすいと思います。こちらは少々お待ちください。
__。__。__。__。__。

《一般会計補正予算》 総額 37億7600万円

■乳幼児等医療費(給付) 880万8千円
・これまで所得制限を設けて中学3年生までの通院と入院を無料にしていたが、今年度から所得制限を外し高校3年生まで拡大(前年当初予算より +180万円)
・道の施策は「就学前の入院と通院」「小学6年生までの入院」。この部分の経費の1/2は道が補塡(約140万円)。それ以外は全て町費で支出

■乳幼児医療等通院費助成事業 160万円
・対象は、中学3年生までの通院の交通費
・これまでは小児科のみだったものを、対象診療科を広げた(通院の3〜4割は小児科以外)
・1回1000円に減額(これまでは1540円)した

■認定こども園運営経費 1億0430万3千円
・町政策により、令和2年度から0歳〜就学前までの全ての保育料(給食費含む)を無料化
・財源)国施策の3〜5歳児無償化(給食費除く)分の経費は交付税措置(地方交付税の中に含まれて支給)されるので明確な金額は不明。
・財源)子育て支援の一部の事業は国・道から支援される(計1200万円)
・財源)地方債を発行 920万円 ← ソフト事業用過疎債を適用
・財源)保護者負担は0円になったので、無償化以前の利用料約1千万円の収入がなくなった。

■ふるさと公園管理経費=皆楽公園周辺の管理経費 8366万5千円(前年当初予算より−3750万円)
・この中で多くを占めるのは指定管理料(公園の管理部分と、温泉とホテルの管理部分)。
・指定管理者は月形町振興公社。その中で今回、温泉とホテルの指定管理の協定期間(契約期間)を4月1日〜9月30までの半年間とした(異例)。収益が上がる夏期期間を中心にたことから、指定管理料はこれまでの4割程度。

■病院事業会計操出金  2億3222万1千円 
・入院収益が上がっているので、操出金を減らすことができた
・前年当初予算より約1億円減 

■JR札沼線施設調査設計業務  8397万4千円
・廃線後に様々な施設(駅舎・線路・鉄橋、他)を取り外すにあたって、どのような施設があるのかを調査する
・この費用は全てJRから支給される

■夜間送迎業務(JR最終便の代替タクシー) 450万円
・様々な検討をした上で現在の設計になった
・当別のタクシー会社に打診。運転手と車1台増分。見積りでは200万円以下で運行可能
・チラシの通り、4月1日から運行予定。すでに利用登録受付中

■高校教育振興事業 1289万6千円
・これまで月形高校生のみを対象にしていた「資格取得と模擬試験の費用の1/2助成」を、町内在住で町外高校に通学している高校生にも拡大。 拡大分の費用概算 65万円
・月形高校生へは、通学費助成、資格取得等助成金、町内入学者祝い金、大学等進学祝い金など、これまでと同じで 総額1225万円

■防災対策経費 1434万9千円
・防災対策専門員として、フルタイム会計年度任用職員(元自衛官)を配置して強化
・他に、国土強靱化地域計画を策定(コンサルタントに委託+町内関係団体のチェック)

■会計管理費  632万8千円(前年比+370万5千円)
・指定金融機関(北海道銀行)から口座振替手数料の見直し提案あり
・交渉の結果、他行宛て振込手数料や引き落とし手数料が改定される
・この中には、役場に人員派遣している行員人件費の一部も含まれる

■会計年度任用職員報酬(各事業ごとに算出)
・法改正によって、これまでの嘱託職員やパート職員が会計年度任用職員に
・会計年度任用職員総数は63人。うち、フルタイム1人、パートタイム62人
・会計年度任用職員は準公務員。正職員と同様に報酬+期末手当+社会保険+費用弁償
 ただし、報酬や手当のバランスをとり、総額では若干増えた程度

■月形町開町140年記念事業  500万円
・7月4日(土)に記念式典、同時に町政功労者表彰
・関連して、交通安全1000人パレードで道警音楽隊の演奏、月形出身彫刻家・本田明二氏作品展

■地域おこし協力隊 
・令和2年度から新たに2人。ミニトマトで新規就農を目指す夫婦
・令和2年度の地域おこし協力隊は合計7人(うち1人は4月30日まで)

2020年03月15日

さすがデンマーク! メッテ・フレデリクセン首相の子ども向け記者会見【北欧ヒュッゲリニュースより/新型コロナウイルス対策】

新型コロナウイルスのパンデミック対応で、各国首相が記者会見を開いています。お国柄とともに首相の個性も現れて、とても勉強になります。
今回はデンマーク首相の子ども向け記者会見の記事。

北欧ヒュッゲリニュース 2020年3月14日
デンマーク首相による、コロナウィルスに関する子供のための「記者会見」
https://hyggelig-news.com/2020/03/14/17404/?fbclid=IwAR2V_ky-JiIGY3iItsyTuqIFwKo2kw7TklkdzjfvT7zLDMrvhgUGswxfFxc

 
「子どもも国を作る一人の国民」とするデンマーク。子どもの純粋な質問に、はぐらかさずに正々堂々と答える首相が素晴らしい! 記者や議員の質問をもはぐらかす日本との違いが際だちます。信頼関係を作るには真摯な態度から。
 
__。__。《以下、抜粋引用》__。__。
 
■学校や公共施設の2週間の閉鎖決定に続き、物資の流通や非常事態を除いた国への出入りを1ヶ月間禁止するなど、素早い決断で実行で非常事態に対応しているのは、首相のメッテ・フレデリクセン率いる政権です。
 
■全国的に2週間学校が休みになり、隔離対策(自宅待機)になったことを受け、デンマーク放送協会(Danmarks Radio、日本でいうNHK)が、7歳から12歳向けに放送しているニュース番組の中で、2分間「子どものための記者会見」という形で放送しました。
コロナウィルスに関する、子どもから送られてきたビデオ形式の質問に、フレデリクセン首相が直接答えます。
 
■パウラ(13歳)
来週の火曜日に(誕生日が近い)友だち4人と、22人の友だちを呼んで屋外で誕生日会をする予定ですが、やってもいいですか? それともキャンセルするべきですか?
フレデリクセン首相
まず始めに誕生日おめでとう。残念ですが、22人が一斉に集まるのは多すぎるので、誕生日会は延期することを勧めます。
 
■「子どもも国を作る一人の国民であること。」
「子どもの疑問や意見を『子どもだから』といって馬鹿にしたり受け流したりせず、きちんと受け止め、真摯に対応すること。」

小中学校臨時休校にIP電話活用【新型コロナウイルス対策・月形町の取組】

新型コロナウイルス対策のため、月形町内小中学校は2月27日(木)〜臨時休校になっています。この間、道や国の方針が定まらない中で(分散登校もできると言ってみたり、できないとなったり・・・)現場は右往左往。
 
そこで町教育委員会が考えついたのが、全戸に設置されているIP電話活用。「小中学校に設置されているIP電話の端末を何台か増やして、先生と生徒がテレビ電話で話をしたらいいんじゃないか。これなら接触を気にせずにすぐにできる」と、議会中に教育長から聴いていました。どうしたかなぁと思っていたものの、実際の活用場面を見に行くこともできなくて・・・と思ってたところで記事掲載。「道新さん、ありがとう!」です。
 
せっかくあるインフラ、アイデア次第で様々に活用できますよね。
 
今にして思えば、議場にIP電話の端末を設置して、自宅療養中の町長と総括質疑ができたかも。ネット接続でのテレワークのような展開や、簡単なところではチャットなんていうのも・・・。
ICT化なんて話題にも出ていない議会で急遽取り組めるかは甚だ疑問(ハードルが高すぎ)ですが、前代未聞の状況だからこそ、この時代の先進的な対応策を提案しても良かったなぁ・・・と。教育委員会のアイデアと行動を見て考えさせられました。
  

余談ですが・・・
月形中学校では3月12日(木)に卒業式が行われました。卒業式には卒業生と保護者と先生方(+教育長)のみ。飛沫飛散防止のためにマスク着用や校歌等はテープ演奏(合唱なし)などの他、時短などの工夫でいつもとは違った雰囲気だったそうですが、1学級しかない小規模校なので保護者の参加も可能だったことが幸いでした。
非常事態の中でも心づくしの卒業式ができたことは本当に良かった。関係する方々の努力に感謝です。

2020年03月14日

ボリス・ジョンソン英首相、見直しちゃったわ♪【在英国際ジャーナリスト木村正人氏の記事から/新型コロナウイルス対策】

3月14日(土)午後6時からの安倍首相の記者会見を最後まで見たけれど、全然響かなくて。集中して聴いてるはずなのに、いつの間にかBGMみたいになっちゃう。きっと文字で読んでもそうだろうなあ。
 
それに対して、ボリス・ジョンソン英首相! 
専門家と一緒に会見して明確な方針とわかりやすいメッセージを伝えてる! 

※Yahooニュース:在英国際ジャーナリスト木村正人氏 3/13(金)11:23
「新型コロナ なぜ一斉休校しないのか? 英国の首席科学顧問がお答えします イランでは長さ90mの墓穴」
https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20200313-00167569/?fbclid=IwAR3YyeafODzbWRDy_47IihU2QP22pvW-SkCODs5K9GQKYKfaKVN6Yvx6_5k

何度も読み返して、しっかり理解しようと思わされる内容。 
今、私たちがほしいのは、こういう方針、こういう内容、こういう見通しなのよ〜
 
この危機的状況にあたって、世界中の、日本中の、それぞれの首長の能力や姿勢が白昼の下にさらされている。安心できる、信頼できる首長のもとで暮らしたい。国でも、町でも。
 
__。__。《以下、記事の抜粋引用》__。__。
 
[ロンドン発]新型コロナウイルスの流行で、ボリス・ジョンソン英首相は12日、イングランド主席医務官と政府首席科学顧問と並んで会見し「私たちの世代が経験する公衆衛生上最悪の危機だ」と宣言。「熱や咳のみられる人は1週間自宅で自己隔離して下さい」と呼びかけました。
 
■イギリスは「封じ込め」フェーズから感染のピークを遅らせて山を低くする「遅延」フェーズに移行します。ピークは10~14週間後にやってくるとみています。
 
■パトリック・ヴァランス政府首席科学顧問は「イギリスの実際の感染者は他国の検査数と陽性率を見ると5000人から1万人いるとみられます」と分析。もはや感染を止めるのは不可能なのでゆっくり感染して集団免疫を獲得すると明言しました。
 
■今封じ込めすぎて感染のピークがNHS(国民医療サービス)の繁忙期である冬にやって来ると大変なので一番暇な夏に来るようにコントロールする目標まではっきり示しました。
 
■ヴァランス顧問によると、スポーツイベントなど大規模な集会より感染リスクが高いのは密閉空間での密接な会合だそうです。今、一斉休校をしない理由についてヴァランス顧問はユーモアを交えてこう説明しました。
「休校の効果はあるものの最小限です。効果を上げるのは13~16週間以上の休校が必要になります。しかし子供に友達と会ってもダメ、おしゃべりしてもダメと言っても実行できる可能性はゼロであることぐらい最先端の数学者でなくても分かるでしょう」
 
■この日の記者会見によると「イギリスの感染はイタリアより4週間遅れて進んでいる。イタリアのようなカーブを描いて感染が拡大するのか否かは今後の取り組みにかかっている」そうです。イギリスの基本戦略は次の通りです。
(1)ハッピーバースデーを2回歌いながら石鹸と温水で手を洗う
(2)熱や咳の症状がある人は1週間、自宅で自己隔離→ピークを20~25%削減
(3)家族全員を自宅で隔離→ピークを25%削減(未実施)
(4)新型コロナウイルスに脆弱なお年寄りをケア→死亡率を20~30%削減
集団免疫を獲得するまで先は長いので今からあまり頑張りすぎないようにというアドバイスもありました。

令和元年度補正予算ダイジェスト【令和2年度第1回定例会/報告1】

3月3日(火)〜12日(金)に開催された令和2年度第1回定例会の審議内容を報告します。
まずは、令和元年度の補正予算(一般会計の他、計6会計)の概要と所感。
__。__。__。__。__。

《一般会計補正予算》 +3億5297万7千円 → 総額 50億385万8千円

ほとんどの事業が年度末の事業精算で少額減額。いくつかの事業で大きく増減があり、その中でも私が気になるものを紹介。
■一般職員の時間外勤務手当の増加(+383万7千円)
・当初予算で「通常勤務の6%」を時間外勤務として見込んでいたが、今年は以下の理由で大幅増。
・時間外勤務手当の算出方法の変更による  +70万円
・町の課題(各種計画策定、JR代替バス、拠点化施設整備、ふるさと納税、職員のメンタル不調)が重なったことによる対応で +310万円(当初予算は1100万円なので3割増)

■ふるさと納税推進事業(+2億3032万9千円)
・ふるさと納税取次サイトを増やしたことで、ふるさと納税が大幅増。(これまで1億円を超えたことはない)
・返礼品の増加対応、収益分の基金積み立て。
・令和元年度の最終的な ふるさと納税額は 2億7200万円の見込み。返礼品の2/3は米。

■公有財産基金積立金 (+2億0831万円)
・公用地の先行取得を目的に昭和46年に「土地開発基金」を作ったが、平成7年度を最後に動きがなくなったので「土地開発基金」を廃止 → 全額を「公有財産基金」に積み立てる

■病院事業会計操出金 (-6346万7千円)
・入院収益増により病院への操出大幅減。
・当初予算時の操出金 3億0450万8千円 → 2億4103万5千円

■債務負担行為・・・詳細は別項目で説明
・(JR代替バスに関連した)夜間送迎業務:450万円 ←新年度予算で説明
・月形町民保養センター等指定管理料:2750万円 ←条例改正と新年度予算で説明


《国民健康保険事業特別会計補正予算》   +11万6千円 → 総額 4億7445万5千円
《介護保険事業特別会計補正予算》   −2997万3千円 → 総額 4億4558万1千円
《後期高齢者医療特別会計補正予算》   −217万3千円 → 総額   5825万9千円
《農業集落排水事業特別会計補正予算》  −262万7千円 → 総額   8579万9千円 
《国民健康保険月形町立病院事業会計補正予算》収益的収入・支出  5億7589万6千円

__。__。__。__。__。

《所感》
例年36億円程の月形町の年間予算が、令和元年度は最終的に50億円! ちょっとビックリ。
町の会計では「お金の流れ」や「管理場所」を変えると全体の金額が増えてしまう仕組みなので、実際にはこれほど「大きなお財布」になったわけではないです。

とはいえ、大きな動きのあった要因は
・IP電話の更新改良(町内全戸配布のIP電話を新しくした。約2億3000万円)
・橋や道路の改良(約2億7500万円)
・JR札沼線廃線に対する対策や補助金(これを含む企画費は約10億円←当初予算は約8千万円)
・ふるさと納税の増加(これも企画費を大きく押し上げた要因)
・基金の積み替え
・町立病院への繰出し

JR廃線(令和2年5月6日)が月形町の財政やまちづくりに大きく影響したのは紛れもない事実。お金も役場職員の時間もエネルギーも費やされています。の一方で、町民の暮らしとは結びついていないようにも感じられて・・・ 
令和元年度は各種計画(総合振興計画後期計画、創生総合戦略、子ども・子育て支援計画)の策定年(+地域拠点施設整備等の検討)で数多くの協議の場があったわけで、その成果が確認できるのは今後になります。

なお、令和元年度予算は例年に比べて変動が大きく、この補正予算が組まれた1月末の段階からも変動している模様。最終的には9月の決算特別委員会までハッキリした数字が出てこない感じです。

<<前の5件 2021222324252627282930

▲TOPへ戻る