2020年04月08日

国の支援策の問題点【新型コロナウイルス対策】

現在の支援策でこぼれ落ちてしまうのは、ここにでてくる個人経営の事業所。日本の多く(特に地方や身近な地域)は、このような小さな個人経営の事業所で成り立っている。
永田町からはとても遠くて見えていないのかもしれないが、今こそここに早急に手を打ってほしい。


持ち帰りに活路 小規模飲食店に決断迫る「補償なき自粛」  広岡 延隆
日経ビジネス電子版 2020年4月7日

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/040601162/?n_cid=nbponb_fbbn&fbclid=IwAR3Sqgz0O_WzfEWfQotk8QrMhjAvbCbqKhrFJNIwNupjalz4Y1ybvSUMHA4
 
《以下、抜粋引用》

 政府は新型コロナウイルスの流行に伴い、雇用調整助成金の支給要件を緩和している。中小企業向けでは日額8330円の範囲内で休業手当の最大9割の支給が受けられる。ある程度の規模で従業員を抱える飲食店は、休業など、経営判断が可能になった。
 
 だが、店主と数人のアルバイトで回すような個人経営の飲食店にとっては、使い勝手が悪いことは否めない。こうした店にとっては人件費よりも家賃や光熱費などの占める割合が大きい。加えて、雇用調整助成金を申請して認められても振り込みは2カ月後などとタイムラグが大きく、その間の資金繰りという意味では役に立たない。
 
 実質無利子となる融資制度も用意されている。だが、継続的に経営が成り立つか分からない中で、借金を増やすことには抵抗があるという経営者は多い。延命しても新型コロナウイルスの流行が収まらなければ経営が再び軌道に乗るかは分からない。その中で、借金を増やすのには勇気がいる。多くの事業者が経営をなんとか成り立たせようと努力しているが、「いつ破綻するか」を現実的な選択肢として視野に入れておくことは必要だ。

緊急事態宣言について思うこと【新型コロナウイルス対策】

昨日、法に基づく緊急事態宣言が発令されました。

対象となる7都府県(東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡)にお住まいのみなさんの不安と不便は相当のものと思います。それでも何とかしてこの1ヶ月間を乗りきっていただきたいです。もちろん私たち「その他」の40道府県住民にとっても自分事として、気を緩めることなく、できることを粛々と進めていきましょう。
 
そして何よりも、新型コロナウイルス対策の最前線で活動されている医療従事者のみなさんや様々な分野の関係者のみなさん、みなさんの努力のお陰で今の私たちの暮らしがあります。ありがとうございます。感謝しています。
 
日本中が、世界中が、「普段の暮らし」を取り戻せるよう、私たちも社会の一員として、自分のできることを精一杯取り組んでいきたいと思います。
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さて、以下は緊急事態宣言について感じたことを。
 
■政府の経済支援
 
中小企業や個人事業者向け(200万円、100万円)、個人向け(1世帯30万円)などの経済支援策が打ちだされたけれど、これらは全て損害が出た人への補塡。それも、支援対象となる条件が厳しいように感じる(←様々な条件を加味するので、解りにくい)。さらに、支給が5〜6月(1〜2ヶ月先!)になるという! 
 
もちろん無いよりはイイ。マスクだってそう。だけど・・・
 
少し体力があって必ず支給されるという見通しが立つ事業者は休業できるけれど、零細やギリギリライン上の人、この金額では到底成り立たない人、すぐに現金が必要な人等は休業できないと思う。新型コロナの影響は既に1ヶ月以上経過していて、体力が弱っている=余裕のない事業者も多い。私は学生時代や新規就農したての頃にとてもお金に困った経験があるので、先にお金の見通しが立たなければ行動変容できないのがすごく解る。
 
今、必要なのは「安心感」そのための「現金」。基準を緩めて多くの人が対象になるような現金支給(一時所得として給付)をした上で、体力のある人達(=コロナの影響が少ない人達=所得としての収入が一定以上ある人達)からは「税金」という形であとから回収する方法はどうなのか? 最初に対象者を絞ると、あぶれるかもしれない不安ばかりが大きくなる。
 
 
■政治家の役割とは
 
緊急事態宣言前日の小池都知事の記者会見を見た。私たちが聞きたいことを伝えていたし答えていた。「宣言の前日」をいう会見の設定も絶妙。事前に知らせるということで内容を落ち着いて聞くことができた。また、内容に関しても数字や根拠を示しながらの説明で納得できた。さらに、元キャスターでもあるから滑舌も表情も訓練されていて聞きやすい。様々な部分で「ザ・政治家」を感じた。
 
一方で、関東の某県知事は「みなさん、ここは心を1つにしてみんなので乗り切りましょう」と精神論。記者会見全てを見たわけではないので実際のところは解らないが、危機的場面での精神論は不安を増大させるように感じた。精神的につながることは重要で理解できるけれど、それが前面にでてくると無策のように感じてしまう。
 
政治家は「想いを形にする」職業。政治家として考えたこと市民に伝え、行動してもらうことで未来を創る。想いをそのまま伝えるのではなく、想い→考え→政策と転換して形にして欲しい。想い→精神論は・・・共感しても行動できない。
 
政治家は全てにおいて「調整役」。政策や方針だけでなく感情も調整することで、目指す方向に人々を導く。
危機的状況の今こそ、政治家の力が試されていると思う。

2020年04月04日

東京のこれから【西浦先生の感染者試算による提言/新型コロナウイルス対策】

先日の専門家会議の会見でも、現状と予測をわかりやすく説明してくださった西浦先生。その西浦先生が東京都の今後を試算し発表した。
 
これから東京がどうなるか、それを踏まえて私たちは何をするか。考えておく必要があると思う。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57610560T00C20A4MM0000/?fbclid=IwAR3dgZBbtiDqd_gnPoTIjcGh3QN2zm55_g8MPf-MrGQvK23Bi8WnaS-8M7Q

「欧米に近い外出制限を」 北大教授、感染者試算で提言 西浦博氏  日本経済新聞 2020/4/3 11:07 (2020/4/3 12:12更新)

新型コロナウイルスの感染者が都市部を中心に急増するなか、「早急に欧米に近い外出制限をしなければ、爆発的な感染者の急増(オーバーシュート)を防げない」との試算を北海道大学の西浦博教授がまとめた。東京都では感染経路不明の患者が急増しており、現状のままでは1日数千人の感染者が出るとした。人の接触を8割減にできれば減少に転じるとしている。
 
西浦教授は感染者数の予測を数理モデルで解析する専門家で、政府の専門家会議のほか、東京や大阪、兵庫などの感染者数の試算をしている。今回の推計は東京都の状況を踏まえて今後の感染者数を試算した。「人の接触」は鉄道の利用状況を目安にした。
 
試算では何も流行対策をしなければ東京都の感染者数は急増し、1日あたり数千人を超えてさらに増加する恐れがあるという。
 
西浦教授によると、JRや都営地下鉄などの利用者は、イベント自粛要請などの影響で3月上旬は2割程度減少していた。だが試算では、2割減程度では流行を数日遅らせることができても、爆発的な患者増は抑えられないという。
 
一方、8割程度減らすことができれば、潜伏期間などを踏まえ、10日~2週間後に1日数千人をピークに急激に減少させることができるとしている。西浦教授は「現在の東京都は爆発的で指数関数的な増殖期に入った可能性がある」とみており、「早急に自粛より強い外出制限をする必要がある」と求めている。
 
小池百合子都知事が週末の外出自粛を要請した後、JRなどの利用者は7割弱減ったという。だが西浦教授は「感染者の急増を減らすのには不十分かもしれない」と指摘している。
米ニューヨーク市では東京都より2週間早く感染が拡大し、1日100人を超えた2日後に1千人、5日後に2千人、さらに10日後に4千人を突破し、爆発的に感染者が増えている。
 
東京都では2日に97人の感染が確認され、感染者の拡大が広がっている。西浦教授は「東京都も週末にかけて感染者数がさらに増える恐れがある」として、遅くとも来週前半までには自粛要請より強い外出制限を出す必要性を訴えている。
 
感染症対策に詳しい国際医療福祉大の和田耕治教授は「外出制限などで人の接触を8割減らしても、残り2割で医療やインフラなどの社会・行政機能を維持しなければならない」と指摘。「感染爆発を防ぐため緊急事態宣言が出ても必要な企業活動や市民生活を行えるよう至急備えてほしい」と求めている。

2020年04月02日

私は専門家会議を信頼する【2020年4月1日 専門家会議記者会見/新型コロナウイルス対策】

昨日の午後6時30分〜2時間にわたって行われた専門家会議の記者会見。2時間ととても長いけれど、声を聴くだけでもいいから見てほしい。私はネットでリアルタイムで見たけれど、惹きつけられて離れられなかった。

記者会見では最初に説明があったが、現状分析もこれからの予測も理路整然としていて納得できた。その後の質疑応答では、次々と記者から発せられる質問に即答。補足の質問にも真摯に答える上、要所要所で「(聴かれていないけれど)伝えたいこと」を積極的に発言。その真剣さと本気度がヒシヒシと伝わってきた。
刻一刻と変化する状況や時間の経過とともに集まるデータに、寝る間も惜しむように取り組んでいる専門家のみなさん。きっと疲れているでしょうに、そんな気配も見せないで2時間にわたって誠心誠意の説明をし続けてくれた。本当に素晴らしくて、有り難くて、涙が出そうになった。
 
今回の記者会見、日本の現状と予測を明確に伝えてくれた専門家会議。私は専門家会議を信頼する!
 
そして極めつきは
「これまでも、多くの市民の皆様が、自発的な行動自粛に取り組んでいただいているが、法律で義務化されていなくとも、3つの密が重なる場を徹底して避けるなど、社会を構成する一員として自分、そして社会を守るために、それぞれが役割を果たしていきましょう。」
と呼びかけたこと。まるで政治家からのメッセージ。心に届いた。
 
 
■参考資料■ 
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議 「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020 年4月1日)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000617992.pdf

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専門家は自分の職責を果たそうとこれほどまでに頑張っている。
政治はそれに応えているのか?
政治は自分の職責を果たしているのか?

2020年04月01日

これは愚策【全世帯に1世帯2枚の布マスク配布/新型コロナウイルス対策】

どうしてこうなるの?

我が家はマスクを手作りして間に合っているから、政府からのは布マスクは不要。
そんな費用は別のところに使って欲しい。
品薄のマスクも必要な人に届けて欲しい。

この期に及んで、どうして全国一律の対応をするんだろう。
あ〜もどかしい。

1住所当たり2枚の布マスクを配布の方針 安倍首相/2020年4月1日 20時23分新型コロナウイルス/NHK NEWS WEB

新型コロナウイルスの感染拡大でマスクの品薄状態が続いていることから、安倍総理大臣は政府の対策本部で、全国のすべての世帯を対象に1つの住所当たり2枚ずつ、布マスクを配布する方針を明らかにしました。

この中で、安倍総理大臣は国内の感染状況について「新規感染者数は都市部を中心に急増しており、爆発的感染拡大、いわゆるオーバーシュートが見られている諸外国に比べ、感染者数の拡大スピードは緩慢なものの、すでに医療提供体制がひっ迫しつつある地域もある」と述べました。

そして、品薄状態が続くマスクについて、「布マスクは洗剤で洗うことで、再利用が可能なことから、急激に拡大しているマスク需要に対応するうえで、極めて有効だ」と述べました。

そのうえで、全国すべての世帯を対象に日本郵政のシステムを活用し、1つの住所当たり2枚ずつ、布マスクを配布する方針を明らかにしました。

再来週以降、感染者数の多い都道府県から順次、配布するとしています。また、必要な経費は今年度の補正予算案に盛り込むとしています。



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