2008年09月09日

平成20年度第3回定例会(一般質問)

本日、一般質問を行いました。今回一般質問を行ったのは、私と宮元議員(教育現場の現状〜国旗・国歌の取扱い)で、ともに教育長に対してです。

私の一般質問と答弁の要旨を以下に記します。
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平成20年度第3回定例会 一般質問 (宮下裕美子 → 教育長)

1. 学校給食の運営方針について

【質問】学校給食は、学校給食法の改正により「栄養改善」から「食育(食や文化の大切さ、栄養バランスなどを学ぶこと)」に主要目的が転換した。月形町においては以前から「食育」や「地産地消」に熱心に取り組んでいる印象であるが、設置者として、現在の学校給食の運営方針はどのようになっているのか。

【答弁】月形町のの学校給食運営方針は「安心・安全」「地産地消」である。安心・安全面では食中毒を起こさないよう衛生管理を徹底し、食材も吟味している(問題の起きたマッシュルームや餃子などは使用していない)。また地産地消に関しては、宮下議員の認識のとおり。


【再質問】設置者と保護者とで同じ認識のもと学校給食が運営されていることに安心した。
一方、今年度に入り食材や燃料などあらゆる物が高騰している。今後の学校給食の運営に際し、「安心・安全」「充分な食育」を堅持しようとすればある程度の費用がかかるのは必須。運営方針と給食費のバランスについて、具体的な運営基準はどのようになっているのか。

【再答弁】月形町では食材費分を給食費として保護者に負担してもらっている。現実に物価は高騰しているが、保護者から預かっている大切な給食費はメニューやコストを意識し工夫しながら有効に使っている。しかし、カロリーや栄養が基準を満たせない場合は値上げせざるを得ない。この事については学校給食運営委員会で検討中である。


【再々質問】今の答弁ではカロリーや栄養など給食の栄養改善面のみに着目した運営のように取れる。食育が主要目的であるならば、メニューの数や質を落とさず、行事食なども取り入れた中で運営していく必要があるのではないか。また、そのために給食費が大幅に値上げされるのであれば、町の施策として(子供に対する施策が少ない現実を考慮して)給食費の保護者負担割合の見直しは考えられないのであろうか。

【再々答弁】施策に関しては私の答える範ちゅうにない。
給食の目的には「明るい学校生活のため」というのも含まれる。少ない金額でも工夫をして夢のある給食を目指したい。なお倫理的なことからも、食材費=給食費という方針は続けていきたい。今のところ概算で1食10〜20円の値上げとなるであろう。今後給食費を値上げする際は、その理由と給食の内容を保護者にキチンと説明していきたい。
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2. 栄養教諭の業務について

【質問】栄養教諭とは、学校における「食育」の推進を目的に、H17年にできた制度である。月形町では今年4月から月形小に配置された。今年度の教育執行方針の中にも「各学校の『食』に関する正しい知識と望ましい食習慣を身につけさせることに取り組む」とうたわれている。この事から「食育」への取り組みがより一層強化されるものと思っていたが、現実にはそうはなっていないようだ。
 月形町における栄養教諭の配置目的と業務内容はどのようになっているのか。

【答弁】栄養教諭の配置制度で食育の強化ができると考え、当初良い制度だと思った。しかし実態は「給食センターの栄養師」と「食育を指導する専門教員」の一人二役をこなさなければならない、問題のある制度である。今年は初年度で試行錯誤中であるが、栄養教諭本人の努力と熱意で今まで通りの食育や出前授業も行っていく計画である。


【再質問】では、今年度の教育執行方針を実現させるために、今後どのように取り組むのか。

【再答弁】制度がある以上、形は変えられない。しかし栄養師が栄養教諭になったのであるから、食育の部分の量は同じでも質が向上するであろう。


【再々質問】栄養教諭本人の努力だけでなく、行政や学校側からのサポートはないのか。

【再々答弁】色々な場で「栄養教諭の一人二役制度」から「独立して食育に専念できるような配置」になるよう要望していきたい。また、各学校の校長や先生方にもご理解いただき、応援してもらいたいと考えている。
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今回の一般質問では、教育長から明快な答弁をいただくことができ、質問した側としても満足のいくものでした。

学校給食は教育における一部分ではありますが、全ての子供がかかわり、またその保護者も関係します。私は学校給食をただ単なる『食育』や『栄養』という面だけで捉えるのではなく、行政・保護者・子供・学校をそれぞれ繋ぐ糊のような存在であると考えています。今の教育現場の問題点を『学校給食』という切り口から見直し、新たに発展させていくために、これからも注目していきたいと思います。

平成20年度第3回定例会(日程)

本日から以下の日程で、月形町議会9月定例会が始まりました。

9月9日(火)定例会開会、一般質問、北海道後期高齢者医療広域連合議会議員選挙、
            平成20年度補正予算、各種条例改正、他
 10日(水)平成19年度月形町歳入歳出決算特別委員会
 11日(木) 〃
 12日(木)定例会(発議、意見案、会議案など)閉会予定

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2008年09月07日

北海道自治体学会フォーラム in えにわ(感想)

今回のフォーラムでは、実践例を中心にその問題点と解決策や理論的裏付け等のお話を聞くことができ、普段の行動を一歩進める勇気をもらった気がします。迷いが晴れた分、思い切って、自信を持って、今までのやり方を推し進められます。

それから一つ気付いたことがあります。月形町の議会や行政はまんざらでもないということです。

今回、知事や市長や市議会議員のお話を聞いたわけですが、そこで問題になっていることの多くは月形町ではクリアされています。
人口が少ないため(4,000人)多くの人が何かしらの「役」を持って行政や地域に関わっているということ、地縁・血縁がしっかりと残っているために情報網や監視能力が発達しているということ、過疎・高齢率の高さ・低所得等から協力し合わなければ成り立たない厳しい場面があるということなどから、議員と町民と行政との間に「顔の見える関係」が成立しています。そのために慣習や直感で多くのことが良い方向に解決できていると考えます。

もちろん、月形にも問題点はあります。ただその質が都市部とは違うということを再認識しました。
地方自治であるならば、それぞれの問題をそれぞれの解決策を持って対処していかなければなりません。国や道に期待したり、都市部ばかりを見て参考にするのではなく、自分の町の良いところを充分に認識しながら、独自の取り組みで解決すべきと強く思いました。
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私は議員になって2年目ですが、議員になる前に議会や行政に抱いていた疑問や不満は随分薄れてきました。それは今まで見えていなかったものが見えてきたからだと思います。月形町議会は思いのほか自由(会派はなく、提案・議論・採決も個人に任される)で柔軟であり、問題解決能力を持っていました。行政もしかり。

しかし、これらは議員になってから見えてきたこと。つまり町民には知らされない場面で行われていたということです。活発な議論は非公開の議員協議会が中心、行政からの情報発信もニーズに合っているとは言えません。
知れば、知らせることができれば、議会も行政も信頼を得ることができると確信しました。

そのためには「透明性」です。何も隠すことはないし、今までやって来ていることは充分「透明」に耐えられます。

そこで私の役割は「自分の活動や考えを積極的に公開していくこと」。
私は常に「開拓者」なのです。

北海道自治体学会フォーラム in えにわ(報告・2)

トークセッション 片山善博氏&中島興世氏  司会:片山健也氏(ニセコ町職員)

◆後期高齢者医療制度
・国会議員がキチンと議論しないまま通してしまった(→ 問題発見の遅れ)
・国保救済が主目的だったのに・・・
・現行の健康保険は(職業別)縦割り → 地域ごとに一つにまとめてみては

◆議会
・議会は政策をめぐるセリ(政策闘争)。スムースに通すことが目的ではない。
・(首長も職員も)普段キチンと仕事をしていればだいたいの答弁ができるはず
・議会が成熟すれば、数字を聞くような細かい話は出なくなる(答弁調整しなくても大丈夫)
・地方議会は試行錯誤するところ
  対極:矢祭町(議員日当制)←→ 三重県(通年議会)
・答弁調整しない = 判断を議会にゆだねる → 結論がわからなくなる → 状況対応型に変化
・答弁調整しない = 判断すべき人(議会)に判断をゆだねる → 首長、職員は楽になる

◆市町村合併
・更なる合併の強要はあり得ない
・それぞれの自治体の考えで進む方向が決まる

◆地方分権
・地方分権には2つの方向性がある
  団体自治(自治体と国の関係)・・・今まで力を入れてきた
  住民自治(自治体と住民の関係)・・ここがなければ住民の関心は呼べない
・住民自治を進めると議会の決定力が増す→議会の質が問われる=議会改革の必要性
・大きな起債をするときには住民投票をしてみては
  (住民=主権者に聞く、住民投票の制度化)
・道・国に「気兼ね」「遠慮」「恐れ」があっては自立できない
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第3分科会『自治体議会のこれからの役割
              〜市民に開かれた議会へ〜』
 コーディネーター:森  啓氏
          (北海学園大学法科大学院客員教授)
 パネリスト   :中尾 修氏(栗山町議会事務局長)
         :林かづき氏(江別市議会議員)
         :田中芳憲氏(恵庭市議会議員)

◆議会改革
・議員数を減らすことと議会改革は直接関係ない。民意の把握こそが重要。
・なぜ「議員定数を減らせ」という流れになるのか? → 議員の仕事が見えないから
・議会改革 = 住民との回路を沢山持つこと。住民との向き合い方。
・質問に答える側になること(議会報告会などの場面)で、議員もまた成長する

◆会派のメリット、デメリット
・会派による縛り ←→ 個人の考え・自由な評決

◆自治法は壁か
・法の解釈権

◆情報の提供方法
・インエターネットの利用、ビデオ中継
・議会の夜間・休日開催

2008年09月06日

北海道自治体学会フォーラム in えにわ(報告・1)

今日は表題のフォーラムに参加し、様々な情報を吸収・発想を充電・新たな繋がりを得て、議員として向かうべき光(方向性)を見いだしてきました。これ程までの充実感を味わったのは久しぶりです。講演をしてくださった先生方、スタッフの方々、参加した皆さん、そして私に参加する時間を与えてくれた家族に感謝です。

以下に、フォーラムの内容(私の受け取ったエッセンス)を記します。感想と「議員として向かうべき光」については別の項で。
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北海道自治体学会フォーラム in えにわ 
 テーマ『ひとが動く、まちが変わる』  会場:北海道文教大学

◎特別講演『逆境が育む まちづくり戦略』
               恵庭市長 中島興世氏

◆地盤・看板・鞄(=組織力)←→ 政策・志
・組織力を持たない者が選挙に勝つためには、政策と志
・政策を力に替えるには、市民にとってわかりやすいモノにする
 1) 感動、共感を呼ぶ表現(→ 絵本仕立てのマニフェスト)
 2) 政策のポイントを絞る(= 商品の差別化)

◆歴史に残る仕事とは
・大きな障害、反対を乗り越えて始めて歴史に残る
・抵抗や障害は良い仕事をするための必要条件

◆自治体の役割とは
・政策をつくり、実施していくこと
・住んでいる人(= 地域に根ざした人 = 女性や子供)のためになる政策
・政策の実現には、市民一人ひとりの問題解決能力と、市民との信頼と共感のアプローチが必要

◆本を介在した教育
・ブックスタート事業、読み聞かせ
・図書館司書の充実
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◎基調講演『自治体の日常から真の地方自治を考える』
    慶應義塾大学大学院法学研究科教授(前鳥取県知事) 片山善博氏

◆自治体改革にあたって
・改革というが、今ある「しくみ」を充分に活用しているのか?
・日常生活(現在の行政スタイル)を見直す必要があるのでは?

◆教育
・自治体行政で最も重要。
・教育現場が上手くいっている=自治体運営も上手くいっている
・経営のマネージメントができていない
 例)教育委員会=経営者、モンスターペアレント=クレーマー
  ○ 会社にクレーマーが来た場合、会社全体(組織)として対応する
  × 学校にモンスターペアレントが来た場合、担任(個人)のみの対応になっていないか
・学校教育の充実は、公共事業を削ればすぐにでもできる(予算は数分の1で対応可)
・学校図書館の充実による教育の向上

◆行政
・仕事量と人員配置はマネージメントの問題
・仕事量が増えたら、それを処理する税率もアップする「しくみ」(負担分任=地方自治の原則)
 → 税金が上がらないように、歯止めがきく。議会が機能する。

◆その他
・税務署長の経験 = 徴税の辛さ、大変さ → 無駄遣いしない → 透明化

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