2008年07月15日

全国一斉休漁 と 空知農民緊急集会

今日は全国の漁業者(20万隻)による「一斉休漁」が行われ、マスコミが大きく取り上げている。燃油高騰により採算割れしていることのアピールで、現代漁業は石油がなければ成り立たないという現実を突きつけた。

「油は高い! 魚は安い! 私たちに死ねというのか!!」

と叫んでいる女性漁業者代表の鬼気迫る表情と迫力、そしてその言葉が印象に残っている。
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一方、昨日、岩見沢において空知農民連合主催の『生産資材高騰による経営危機を打開する! 農民緊急集会』と『デモ行進』が行われ、全空知から1,500人もの農業者が結集、月形からも約40人、私も参加してきた。
 
この集会では、原油や生産資材等の高騰(特に肥料は昨年比6割強の値上げ)による生産コスト上昇と採算割れをアピールし、以下の点の改善要求を決議した。
◆肥料高騰に対する対策
◆生産者支援策の実施
◆農産物の生産費を価格に転嫁できる販売システムの構築
これらは来る7月16日の『全道農民代表者緊急集会』に提起されるとのことだ。

デモ行進は会場の東山公園から市役所をとおり、駅前の繁華街を抜け空知支庁までの2.5km。時にシュプレヒコールをしながらのデモ行進に、街を歩く人達は「何事か?」と戸惑っている人や、手を振って応援してくれる人、迷惑そうな顔の人など反応は様々だった。
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今回の漁業者と農業者のアピールは、普段の消費社会で置き去りにされている一次産業の抵抗である。最近の物価上昇は日本全国同じように起きているにもかかわらず、農産物の価格(特に農家の売り上げ)には全く反映されていない。常にしわ寄せが来るのは弱い立場のところだ。

また『現代の一次産業は石油なしでは成り立たない』という現実を突きつけた。エネルギー自給率4%は食糧自給率39%以上に深刻な状況かもしれない。今回のアピールでは『支援・援助』を唱っているが、一時的な所得保障より「省エネ」や「脱石油」のための技術導入、あるいは持続可能な生産構造の構築に対する支援と援助であって欲しい。

昨今、食糧自給率を上げることに対して国民の合意形成ができつつあると思うが、現実のものにするためには「痛み」をともない「転換」も必要。国の政策の遅れは最大の問題点であるが、「何処で作られているか(産地)」より「いくらか(価格)」が優先する消費行動では自給率は上げられない。

例えばブロッコリー。国産200円、外国産150円。国産は3割強高い。しかし実質は50円高いだけ。
日本人のエンゲル係数は年々低下しているうえ、昭和の頃に比べ所得が伸び、外食や中食が増えた現代では食材の占める割合も低下している。つまり、純粋に農産物に対して払っているお金はそう多くはないのではないか?

服を1枚買い控えたり、何気なく使うティッシュをやめたり、エアコンをかけたままの車のアイドリングを止めたり・・・。ちょっとした生活の見直しで充分捻出できる金額ではないのか?

私が農業者であるから、こんな風に考えるのかもしれない。しかし、今のままの食糧生産構造が続いていったら消費者のために農産物を作る農業者はいなくなる。(どんな状況下でも自分の食べる分は自分で作ることができるから農業者自身は困らないが・・・)
自給率の向上どころではなく、食料安全保障の問題が出てくるだろう。


国は、消費者は、これでいいのか?

2008年07月14日

平成20年度第2回臨時会

今日の午前、臨時会がありました。

主な議案は「月形町交流センター(新・福祉センター)」の工事入札に関するものでした。
入札の金額は月形町公式HP入札情報をご参照下さい。

今回異例だったのは、交流センター建設主体・電気設備工事が随意契約だったこと。
もともと5社による指名競争入札を予定していたのですが3回も不落札となり、入札参加事業者から「最低価格社と随意契約して欲しい」との申し入れがあり、それを受けて随意契約(落札率:約99.5%)となったとのことです。(地方自治法167条の範囲内)

また今後、資材価格が一定割合以上に上昇した場合、契約変更しても良いという道からの指示があり、それに沿って対応していくとのことです。
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日本各地で公共工事の入札が不調に終わっているというニュースを耳にします。全世界的な資材や原油の高騰により、受注期間中に原材料費がどれ程になるか見当がつかないからとのこと、なるほどと思います。
しかしながら事業完成を見越して様々なことが動き出している以上、待ったが効かないのも事実。
経済が停滞しないよう、政治(国の政策)が力を発揮する時代なのかもしれません。
私たち地方議会にも何かできることはないのか・・・

2008年07月11日

空知町村議会議長会議員研修会(平成20年度)

本日午前、秩父別町の北いぶきJA本所において、上記の研修会が開催されました。
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『自治の興廃は地方議会にあり』
講師:大正大学招聘教授(前大和市長) 土屋 候保氏

1.議会とは何か
◆地方議会(二元代表制)と国(議院内閣制)とは制度が違う=議会の役割も違う
◆歴史的に見て、首長公選の前に議会選挙があった。議会の腐敗により首長の公選が生まれた。

2.議会とはなくてはならないものなのか?
◆町村総会(地方自治法第94条)を行う議会があってもよい。
◆現状を打破するため、議会発祥の精神に立ち返り町村総会にする
 → 総会といえども発言するのは代表者となるであろう
 → この代表者による発言が議会の基礎となる
 → 議員定数へと発展し、本来の「議会」の意味を持つようになる
◆町村総会(地方自治法第94条、第95条)は地方自治法第89条、日本国憲法第93条に抵触しない
◆議会改革が行われている自治体
 ・福島県矢祭町(議員日当制)
 ・北海道白老町(通年議会)
 ・北海道栗山町(議会基本条例)

3.執行側と議会はくるまの両輪か?
◆直接民主主義(ルソー型:主権は市民にある・大和市)志向か?
◆間接民主主義(ロック型:信託統治・議会主義・多治見市)志向か?
◆議員が町民の意見を聞き、町政に反映させ、実現していく。   
   
4.議会の果たす役割とは何か?
◆議員が今以上に住民と関わり合い、意見を吸い上げることが大切。自ら動き、地位を築く!
◆本来は町民が行政に要望するのではなく、議員がそれを集めてくるものではないか。
◆北海道が初、多い=歴史が浅く、色々なところから人が集まり、合議制が成り立っているから。
 例)自治基本条例(ニセコ)、議会基本条例(栗山)、行動展示(旭山動物園)・・・

5.まとめ『議会のない民主主義はない』
◆議員任期4年の内1回は議員提案による政策的な条例を提出する
◆決算中心主義へ(必然的に予算もしっかりしたものになる)
◆討論をしっかり(教条主義の見直し) 
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土屋先生のお話しは、普段私が議会の中にいて「何か違う」と感じることをそのまま題材にしたような内容で、共感の持てるおもしろいものでした。

公演後、先生に「北海道には先進地と呼ばれる自治体がある一方、財政破綻する自治体や、公共事業などに依存している自治体もある。何がそれを分けるのか? 本当に北海道に魅力はあるのか?」
と質問しました。先生からは「自主財源があまりにも低いことも要因の一つ。解決するためにグループになって取り組むなど、やり方は色々あるだろう。ただ北海道は潜在能力や可能性が高い。」とのお答えをいただき、『取り組み方』の重要性を考えさせられました。

月形町は空知の中で最も古い町ですが、それでも本州に比べれば歴史は浅く、様々な土地からの移住者で成り立っているのも事実(私もその一人)。私自身も日頃の出来事から、可能性の高さを感じていただけに、先生の言葉には勇気づけられました。私が取り組むべきことはやはり「新風を吹き込むこと」なのだと感じました。

それにしても、議員になってからこのような(議長会等主催の公式な)研修会に幾度となく参加しています。そこでは今回と同じように「現状の打破」「住民主権」「開かれた議会」「行動する議員」などの言葉が投げかけられてきました。しかし、廻りを見ても実際に変革されているところは少ないように思います。
主催者側(議長会)が常にこのような『改革』をうたう講師を呼んで来ているにもかかわらず、実際に実現されていないというのはどういうことなんでしょう? 議長会(つまり議長達)は本気で改革を考えているのか、疑問です。もうそろそろ『総論賛成、各論反対』でなく、自ら行動することを実行に移しても良いのではないかと思うのですが・・・。

2008年07月08日

平成20年度 南空知町村議会議員親睦パークゴルフ大会

今日の午後は上記の大会でした。今回は月形町が当番なので、町内の皆楽公園内になるパークゴルフ場で開催され、私は開会式で「宣誓」をさせていただきました。

結果は昨年と同様。今年はハッキリした順位は覚えていませんが、パー66のところを80で廻り、先輩議員から「もっと練習を!」と言われたのはいうまでもありません。いつかは平均(月形町議会の平均は68だったと思います)までと思っています・・・が、いつのことになるやら。

その後の懇親会では他町の議員さんや事務局の方々と情報交換し、今後の活動のヒントや最新情報をいただき、有意義な時間を過ごすことができました。1年前はご挨拶するだけで名前も覚えられない状況でしたが、今回は顔見知りの方も多く、また議会や議員活動などについて共通の話題でお話しすることもできて、自分自身「進歩」を感じることもできました。

私にとってパークゴルフ大会は苦手で気が重い一面もありますが、こうして多くの議員仲間とざっくばらんに情報交換できる数少ない機会ですので大事にしていきたいと思います。

最後になりましたが、今回の月形開催に関し、ご協力いただいた議会事務局と役場総務課の方々に感謝いたします。ありがとうございました。(私のプレー中の写真があるのも総務課の方のお陰です。)

2008年07月07日

第56回北海道女性議員協議会の第3回実行委員会

本日午後から岩見沢市役所において上記の会議がありました。

今回から実行委員=役員(会長、副会長、理事)と名称を変え、新たに役員として参加する方も加え、大きな組織になってきました。
開催地から役員として名を連ねているのは、岩見沢市議(山田さん、酒井さん)、江別市議(鈴木さん、高橋さん、吉本さん)、砂川市議(中江さん、吉浦さん)、滝川市議(大谷さん、窪之内さん)、美唄市議(吉岡さん)、三笠市議(岩崎さん)、栗山町議(重山さん)、長沼町議(吉本さん)、南幌町議(熊木さん)、奈井江町議(笹木さん)、そして月形町議(宮下)の合計16名です。

今日は、日程の確認やサブテーマの決定などの他、大会2日目(10月17日)に行われる講義と演習についての状況説明がありました。講義と演習について詳しくは以下に記しますが、大変興味深く、また地元に持ち帰って応用することができる内容で、ここに参加するだけでも価値のあるものだと思います。

7月末ごろ、全道の女性議員(道議、市議、町村議)にこの案内を郵送しますが、多くの女性議員が集い、活発な議論と、将来へ繋がる実践ができればと思います。そのために開催地の役員として活動していきたいと思います。
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大会2日目に開催する講義と演習は以下の通りです。

『災害図上訓練(DIG)を用いたまち育て人育て(仮題)』
  講師 北海道教育大札幌校 准教授 佐々木貴子氏

【災害図上訓練(DIG)とは】・・・自分達の住む街に災害が発生したと想定し、危険箇所を書き込むなどの作業により、災害に対する意識を高め、地域の防災力を向上させることを目的にしている。
DIGには、議論の中から街の抱える問題が明らかになるなど、自分たちの街を見つめ直すというメリットがある。最近あちこちの地域で開催されている。

【今回の大会での実施方法は】・・・全道各地から参加者が集まるので、参加者の出身支庁ごとにグループ分け(1班5〜6人)をし、市庁舎のある場所をモデルにして演習を行う。
市庁舎を中心に、住宅地図(A3版)を6枚接ぎ合わせたものを用意し、その上にビニールシートを乗せ、病院や公共施設、避難所などをマークして準備完了。
先生からの状況指示(例)震度6強の地震発生。震源は市庁舎から南へ500m・・・)に合わせマジックで書き込むなどして展開していく。  
※以上は、DIGを体験した人からの報告です。当日もこのような流れになるとのこと。

【地元での応用】・・・DIGは町内会単位や学校などでも盛んに行われています。先生も各地の招きに応じ、各地で現地の地図を用いて実践しています。今大会をきっかけに地元に先生をお招きして演習することもできます。また地元の防災体制を見直すこともできるのではないかと思います。
災害に強いまち→福祉のまち。

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