2008年07月06日

自然エネルギー都市会合(2)特別講演から

基調講演と特別講演はそれぞれ30分の持ち時間(通訳が入るので、実質15分)で行われました。
それぞれの講演の中で、私が特に興味を持った内容について以下に報告します。
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『都市は世界の自然エネルギーの指針となる』
  エリック・マルティノ(REN21/環境エネルギー政策研究所)

◆世界の動向として、自然エネルギーの開発や促進は都市(地方自治体)が中心となって進められている。特にここ3,4年の動きが大きい。
◆自然エネルギーへの投資が大きい国(先導者)はドイツ>中国>アメリカ>スペイン>日本
◆自然エネルギーへの投資内容(世界の動向)は、風力(47%)>太陽電池(30%)>太陽熱温水(9%)
◆全世界のエネルギーのうち、自然エネルギーで賄われているのは、5.5%
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『気候への挑戦ーロンドン』
  チャールズ・セクレット(ロンドン市気候変動アドバイザー)

◆地球温暖化問題は経済的危機ではなくチャンス。ただしそのチャレンジは膨大なもので、国・地方・家庭・個々がそれぞれに立ち向かわなければならない。
◆CO2を含む温室効果ガスを減らすために、国・社会・世代(今と未来)がお互いに公平・公正に負担しあわなければならない。

◆CO2の削減は、無駄を省くことである程度までは簡単に進む。しかしそれ以降は政策等が必要。
 例)・持続不可能な行動を禁止する法の制定
   ・金銭的インセンティブ(罰金、税の優遇)
   ・国際的アクション(協調)
   ・データの提示+説明(動機づけ)

◆ロンドンの取り組み
[渋滞税の導入]環境に配慮しながら、健康や経済にも良い循環ができる
・環境汚染物質(NOx、粒子状物質)、CO2、燃料の消費等を減少させることができる
・渋滞税の税収分を原資に、公共交通網や自転車専用道路の整備に当てる
[グリーン住宅プログラム]CO2削減と社会問題の解決の両方に有効
・貧困層に対して、住宅への断熱材の補助

◆一局発電から分散化へ。
 ・一局発電・・・送電でのロス等考慮すると、投入エネルギーに対し20%程度しか利用できない
 ・分散発電(消費するところで発電する)・・省エネ化とコジェネ化で、80〜90%利用可能
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『ソーラーシティに向けてーテグ市の取り組み』
  ハン・ドンヒ(韓国キョンプク大学)

◆テグ市は韓国内で平均的な太陽エネルギーを受けている
◆ソーラーキャンパス構想:大学や高校がハブとなり、技術革新や普及をしている
◆ソーラーシティにするためには、全てのセクターで社会的変革が必要
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『東京都の再生可能エネルギー政策』
  谷口信雄(東京都環境政策部環境政策課)

◆再生可能エネルギーの5つの価値
・枯渇しない     → 値上がりしない。最も経済的 
・CO2の排出がわずか → 地球温暖化回避
・放射性廃棄物の低減 → 国防上有効
・エネルギー安全保障 → 国防上有効
・防災リスクの軽減  → 国防上有効

◆しくみ作りが行政の役割(エネルギーのグリーン購入、金融のグリーン化・・・)
◆東京のエコロジカルフットプリントは197倍
◆大都市と自然エネルギーが豊かな地域の連携が重要になるであろう
 (東北や北海道との連携。CO2権の売買やグリーン電力証書など)
◆再生可能エネルギーの利用拡大は、ビジネスや地域振興のチャンス
 (民間企業との連携、自治体間連携、都市と地方との連携)
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いずれの講演でも、自然エネルギーの導入が今まさに動き出しているという躍動感が伝わってきました。また政策の重要性も示されていました。

月形町に置き換えてみると、都市部との自治体間連携や、地域振興のチャンス、再生可能エネルギーの導入(ローカル発電で高効率化)、エネルギーを生かすしくみ作りなど、行政の取り組みとしてののヒントがありました。
大都市と同じようにはいきませんが、自然エネルギーは分散型でこそ力を発揮するもの。だとすれば月形のような地方の小さい自治体であっても可能性はあるように思います。世の中が自然エネルギーへ動き出してきている今、乗らない手はないでしょう。

2008年07月05日

自然エネルギー都市会合(1)プログラム

今日は、札幌コンベンションセンターで開催された『自然エネルギー都市会合(Renewable cities' Summit)』に参加してきました。サミットの名にふさわしく、海外や国内各地の最新情報、世の中の動きなどについて盛りだくさんの内容でした。

私にとっては短期集中詰め込み講座のような感じでしたし、午前中の基調講演と特別講演は途中に通訳が入るものだったので、十分理解できているか不安です。しかし、この会合から様々なことを学び、感じてきましたので、これから何回かに分けて報告したいと思います。

まずはプログラム。
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『自然エネルギー都市会合』
主催:北海道グリーンファンド、環境エネルギー政策研究所


基調講演「都市は世界の自然エネルギー促進の指針となる」
      エリック・マルティノ(REN21/環境エネルギー政策研究所)
特別講演「気候への挑戦ーロンドン」
      チャールズ・セクレット(ロンドン市気候変動アドバイザー)
特別講演「ソーラーシティに向けてーテグ市のとりくみ」
      ハン・ドンヒ(韓国キョンクプ大学)
講演  「東京都の再生可能エネルギー政策」
      谷口信雄(東京都環境政策部環境政策課)


市長セッション
◆阿部守一 (横浜副市長)
◆志賀幸弘 (北九州副市長)
◆曽禰純一郎(川崎副市長)
◆上田文雄 (札幌市長)
都市・自然エネルギー政策ディスカッション
◆講演者4名+市長セッション参加者4名+飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)


「国会における自然エネルギーの推進」フロアーとのディスカッション
◆小杉 隆 (衆議院議員・自民党):自然エネルギー推進議員連盟
◆川田龍平 (参議院議員・無所属):自然エネルギー推進議員連盟
◆福島みずほ(参議院議員・社民党):自然エネルギー推進議員連盟
◆近藤正道 (参議院議員・社民党):会場内から飛び入り参加
◆鈴木 亨 (北海道グリーンファンド事務局長)
◆飯田哲也 (環境エネルギー政策研究所所長)
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2008年07月02日

平成20年度 月形町戦没者追悼式

  
今日の午前中、町内赤川にある樺戸神社境内の忠魂碑前にて、戦没者追悼式が行われました。

追悼式には、遺族の方々の他、北海道知事(代理)、町内宗教関係者、町議会、各種団体の代表者など50余人が参列し、130人の戦没者に追悼の気持ち現しました。普段はひっそりとした忠魂碑の前に祭壇が設けられ、ひときわ華やかだったのが印象的でした。

式典中「式辞」や「追悼のことば」で戦後の大変な状況が幾度となく語られました。戦後63年を経た今でも遺族の方々にとっては「戦後」は続いているのだと感じ、このことに無頓着になっていた自分を恥ずかしく思いました。
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私事ですが、既に他界した私の祖父は太平洋戦争時、南方へ出兵しました。
私が通っていた中学と高校では、夏休みに「戦争体験者の話を聞いてレポートにまとめる」という宿題が必ず出され、その時は普段戦争の話をしたがらない祖父も、思い出したように少しずつ語ってくれました。子供だった私にとって戦争の話は暗く恐ろしく、「宿題でなければ聞きたくない」ものでした。それでも聞かせてもらった体験談は、20年以上経った今も心に残っています。

もし今の私があの時の祖父に会って話を聞けたなら、また別の見方ができたでしょうし、多くのことを吸収できたと思うと、残念です。ただ、訳が分からなくても、イヤであっても、「戦争体験者の話を聞く」という機会を与えてくれた中学と高校の先生には感謝しています。本やテレビではわからない「全身に伝わるもの」を与えてくれたのですから。
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戦争や戦没者追悼に関しては様々なイデオロギーがあり、単純にはいかない大人の事情が存在します。しかし、今日の追悼式に参列して「体感」することの大切さを再確認しました。事情は色々あるのでしょうが、事実として
◆過去に日本では戦争があり多くの人がその犠牲になったこと、
◆そして戦後63年経った今でもその傷が残っていること、
◆さらにその実体験を語れる人が年々少なくなっているということ、
をしっかり受けとめ、伝えていかなければならないと思いました。

今日はこの夏一番の暑さでした。夏の陽射しで忠魂碑を囲む濃緑の木々からは「樹の香り」が立ち上り、それを乾いた爽やかな空気が私のもとまで運んできました。この香りを嗅ぐ度に、今日のこの気持ちを思い出すかもしれません。

2008年07月01日

平成20年度 北海道町村議会議員研修会

本日午後、札幌コンベンションセンターにて上記の研修会が開催されました。これは毎年この時期に開催されるもので、全道から町村議会議員が一堂に会します。

この研修会、私は2度目の参加なので(2,000人もの人がいても)冷静に落ち着いて講演を聴くことができました。また去年は同僚以外に知り合いの議員や事務局員はなく、ただただ席について講演を聴くだけでしたが、この1年間で多くの繋がりができ、会場内のあちらこちらで顔見知りの方とお会いすることができました。1年間の重みと経過を実感する場にもなりました。

さて研修会は、以下の2人の講師による講演で、いずれも普段私の考えていることを言葉にしてくださったような内容でした。共感でき勇気づけられるとともに、今の私の立場で実践できることも多くありました。ただ現状では力も知識も不足しているので、もっと学び取り組む必要があると思いました。
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『分権改革と地方議会のこれから』 朝日新聞編集委員 坪井ゆづる氏


朝日新聞が全国の地方議会や国民に取ったアンケート結果を基に、現状と今後について様々な分析と解説、展望をお話しされました。

◆全国の町村議員数は46,000人(1995年)→16,000人(2006年)
 平成の大合併の影響で町村が減少したのに加え、議員定数削減により大幅に減少している。

◆個人の採決時の賛否を議会便りやホームページで公開しているのは、5.4%にすぎない。議員は住民から負託を受けているのであるから、どのような判断をしたのかは公開するのが当然ではないのか。(先進例)三重県伊賀市では賛否と反対理由を議会便りで公開している。

◆議会は首長のサポート役ではない。チェックを行い緊張感を保たなければならない。
 現状は首長のサポーターになっている議会が多いでは。

◆議会と住民全体と距離を近づけることが重要。住民主権を形にすること。
(先進例)栗山町の議会基本条例、岩手県宮古市の住民投票条例、千葉県我孫子市の自治基本条例

◆今後、地方分権が進めば議会の権限や責任は大きくなり、力を持つことになる。この時に住民との距離を近づけることが最も重要。そのためには報酬や定数(プロ化とボランティア化)の検討だけでなく、顔ぶれを換える必要がある(現在の地方議会は「老男」→これを「老若男女」へ)。

◆町村議員にしめる女性の割合は6.9%(2008年5月)
 女性を増やさなければならない。すぐにでも取り組める方法として「後継者を女性」にする。

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『混迷する政局と日本の進路』  政治評論家 三宅久之氏


話術に長けた三宅氏は、政界との交流による情報や自身の経験を交えながら現政権について批評していきました。また、今後もっとも重要な問題として『人口問題』をあげ、最需要課題として取り組むべきとのこと。

◆国立人口問題研究所のデータによると、2050年には日本の人口は1億人を切り、65歳以上の高齢者が40%を超えると予測している。(=人口の逆ピラミッド化)

◆日本の社会保障制度は、人口がピラミッド型であることを前提に作られているので、近い将来立ち行かなくなる(あるいは既に破綻している)。

◆30歳前半の未婚率40%。年収200万円以下の労働者は、全労働者の1/3にもなっている。

◆円ブリオ基金によるデータでは、近年「中絶された胎児の数(推計)」が「出生数」を上回ったとのこと。
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2008年06月04日

国保運営協議会(H20年度第1回)

本日午後、平成20年度第1回月形町国民健康保険運営協議会が開かれました。
なお委員の変更があり、保険医代表として工藤宏之さんが平成20年4月1日から就任しています(任期は前任者の残任期間である平成21年7月9日まで)。

本日の会議では以下の報告がありました。
・平成19年度国民健康保険医療給付の状況について
・平成19年度国民健康保険特別会計収支決算見込みについて
・平成19年度国保ヘルスアップ事業の実績報告について
・特定検診等実施計画の状況報告について

また議件として
・平成20年度国民健康保険税賦課諸率について
等があげられ審議されました。

【報告から】
 前回の運営協議会で予測されたとおり、平成19年度は10月以降ずっと高い水準で医療費給付があり、特別会計全体を押し上げています。一方、国民健康保険税の徴収は、滞納分の収納率(一般医療分)が16.65%と1月末11.00%を大幅に上回り、滞納対策(年末・年度末を強化期間として、道と町が一帯となって対応。町税全般で収納率が上昇)が功を奏したとのことです。
 平成19年度の健康診断受診率は、特定検診の対象者(40〜74歳)が38%と、平成24年度の目標値65%にほど遠く、今後一層の努力と工夫が必要です。特に50歳代の受診率が低い。

【議件から】
 月形町国保特別会計は
・単年度の歳入歳出でバランスをとる。
・一般会計からの繰り入れは国保関連分のみ。
と言う考え方の基に予算組みされています。よって医療費が増えれば保険税も上げざるを得ません。
 平成20年度は後期高齢者医療制度の関係で収支総額は減ったものの、被保険者数も減少しました(全体で集めるお金の額は減ったものの、それ以上に払う人数が減ったので、保険税を上げなければ収支が合わない)。また構成員のバランスも変わったので、応能応益バランスを適正なもの(所得割+資産割:均等割+平等割≒50:50)にする必要が出てきました。
 運営協議会ではこれらの事情を加味し、様々な観点から賦課率を検討しました。新しい税率は6月の定例議会にかけられ決定します。
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 国民健康保険運営協議会で議論をする度、保険制度の複雑さと不公平さを感じずにはいられません。国民健康保険に加入している人は自営業や農業、年金生活者等、現在の日本の所得層の中では下層に分類される人達です。その中で収支を合わせるためには少しでも収入のある人から保険税を徴収しなければならず、心が痛みます。
(例)夫婦と子供2人(学生)世帯・・・総所得293万円、固定資産税額5万1800円の場合
           国民健康保険税は年間 42万2287円(平成19年度の賦課率で計算)

 年収が300万円もないにもかかわらず健康保険税として42万円も徴収されたら(現実には徴収されているのですが)あなたはどう思いますか?
 会社員や公務員の方、その家族の方、どうですか? 
 現在自分の負担している保険料と比較してみてください。

 今の保険制度は「職種」で分けてあるために非常に不公平になっていると思います。今回、後期高齢者医療制度で始めて「年齢」で分けたがために様々な問題が噴出してきました。が、・・・この件に関しては別に書きたいと思います。

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