2015年02月06日

農村社会・農業経済において、女性は新規参入者なのかも!【2015きたひとネットフォーラム】

2月5日(木)、きたひとネット(北海道女性農業者ネットワーク)の総会とフォーラムが北大でありました。会場には全道各地から120人近くの年齢も農業形態も様々な女性農業者と関係機関のみなさんが、1年に1度の楽しみと情報交換の場として集まっていました。

今年のフォーラムのテーマは「創る」。副題は「農業者である自分の10年後を創るため、今、何をする?」という投げかけ ・・・ はて、私自身は何をすべきなのか? どうしたいのか? ・・・ ここのところ「農業」づいている私は、様々な視点や状況に思いを巡らせながら、2年ぶりに参加してきました。

フォーラムの中心はパネルディスカッション。以下のメンバーで約2時間、会場も交えながら積極的な意見交換がなされました。
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パネルディスカッション 
テーマ「経営にどう参画しているの?」

パネラー  
■江面 暁人さん
 :江面ファーム(畑作/遠軽町/35歳)

・北海道出身の非農家新規就農者。
・大学進学のため東京へ。IT系企業で働くも、将来的な家族の有り様を考えた時、職業としての農業に魅力を感じ就農を決意。30歳から1年間北見で研修。その後、遠軽で2年間研修を行った農場を第三者経営継承で引き継いで独立。
・42haの農地で馬鈴薯、ビート、小麦、スイートコーンを作付け、多くは系統(農協)出荷し、一部をインターネット直販。加工(新商品開発)も行う。
・冬は民宿、夏はボラバイトの受け入れ等、アイデアを事業化。
・会場には奥さんも(子どもさんは会場内託児を利用)。ともに研修をし、事業を展開しているパートナーとしての意見は流石!

■荒川 恵美子さん:(有)オサラッペ牧場(肉牛/旭川市/64歳)
・京都出身。元保育士。結婚相手(非農家)と約40年前に新規就農。旭川へ。
・当初はホルスタイン雄仔牛の哺育育成をしていたが、肉牛(短角牛)に切り替える。こだわって育てた短角牛であっても、サシの有無で等級が決まる今の市場では高値が付かないことから、自分で加工も手がけ、直接販売する。
・その後、ゲストハウス・オサラッペを建て、農家レストラン&ファームインも。自ら全てを行うことで経費を抑え、お客さんに安くて美味しい肉を喜んでもらうために事業展開。

■高木 智美さん:高木農園(畑作/京極町/36歳)
・京極町出身。畑作農家の元に生まれ育つ。
・農業が嫌いで別の道に進もうとしたが就職氷河期。実家に戻り、夏は農業の手伝い、冬は職探しの日々。
・京極町4Hクラブで「楽しい農業」に目覚める(=農業技術や理論を学び、農作業の意味が理解できるようになり、毎日の作業にやりがいが出てくる)。
・その後、幼なじみと結婚、親世帯と同居。結婚3年目には経営移譲され、次の年には家族の役割変更(家事・育児はお義母さん、若夫婦は農業専念)。
・30haで馬鈴薯、ニンジン、小豆、他を作付け。夫も本人もトラクターに乗り農作業をする。農業の様々な面を知ることで興味が増し、農業がおもしろく、意欲も湧いている。

■角倉 円佳さん:(株)マドリン代表取締役(酪農/広尾町/31歳)
・広尾町出身。両親は新規就農者で、大規模な酪農経営(分業スタイル)。
・当初は酪農をする気がなかったが、高校、大学と進み、カナダケベック州の酪農研修先で理想の酪農スタイル(分業でなく、酪農の全サイクルに関わり全てを見ることができる酪農)と理想の経営者に出会う。
・帰国後実家で働いていたが、タイミングよく借舎で自分の牧場を持つことができた。搾乳牛40頭、育成牛と仔牛が40頭。全てを1人で管理。
・女性後継者も農業関係機関や会社で働く女性も増えてはきているが、未だ少数。既存の組織の中では視点が違ったり、理解されないこともあり、時に押しつぶされそうになる。仲間作りのため、同じ状況の人たちと年1回SAKURA会を開催している。
・この春に結婚し、近所に場所を移し全て自前の牧場を持つ。今後は1つの家庭として地域活動の担い手の役割も出てくる。今までとは違う状況だが、家族でがんばりたい。楽しみ。

コーディネーター
■植田 喜代子さん(酪農/湧別町/64歳)
・京都市出身。
・深川市の牧場で夫と出会い結婚。道内行脚の末、現在地に新規就農。
・北海道指導農業士。認定農業者。
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パネラーのうち、高木さんと角倉さんは地元育ちで経営参画する農業者。もし男性なら、いわゆる「後継者」として一般的な立ち位置なのでしょう。
けれど女性であるが故に農業に対する視点や感覚が違っていて、彼女たちのやりたいことが「今までの経営者」とも「今までの奥さん方」とも違っていました。自分のやりたい農業を既存の雰囲気の中で実現するにはエネルギーが必要で、それはまるで《新規就農者のようだ!!》と私は感じました。

それから彼女たちには理解者・応援者がいました。
高木さんは何度も「とっても良いお義父さんとお義母さんなんです。」「(夫は)やりたいって言ったら、やらしてくれるんです。」と言い、角倉さんも「(お父さんが)おまえやってみるかと言ってくれたので(やりたい酪農ができた。)」と言っています。彼女たちを《理解し、任せる人がいる》からこそ、彼女たちの「農業が好き」という気持ちと意欲がどんどん育っていったのでしょう。そういう支える人の存在もまた《新規就農者みたいだ!!》と思えました。

と、私はここまで《新規就農者みたい!!》と言いましたが、キチンと表現すれば、彼女たちは《開拓者》です。今までと違う側面を切り拓く開拓者。

既に成熟した社会というけれど、モノの見方、考え方をちょっと変えるだけで、開拓されていない分野はたくさんあり、伸びしろも、面白さもそこにはあるんだなあと再認識。そうですよね。そうでなくっちゃ息苦しい世の中しか残ってない。そんなはずないもの。
その切り口を《女性》が持っていることは確か。農業分野だけでなく、社会全体もそう。そう《女性》が切っていかなきゃ。

最初、農業が嫌いだった彼女たちが、今のように意欲的になったプロセスは以下の通り。そのポイントにキーパーソンが出てきたのも共通してて、実におもしろかったです。
嫌い → 知る → 興味 → 好き → 意欲 → ・・・
まちづくりや子育てにも応用したいですね。

2015年01月27日

子供の順応性は高い【花の里保育園・大谷幼稚園の合同保育個人視察】

1月27日午前、花の里保育園で行われている合同保育を個人的な議員活動として視察してきました。

花の里保育園と大谷幼稚園の合同保育は、平成28年4月の認定こども園開設に向けた準備活動の1つで、昨年夏から数回実施されています。前回合同保育が行われたのは10月下旬。11月下旬に予定されていたものがインフルエンザの流行で延期になり、今日の実施となりました。
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【午前10時過ぎ】 大谷幼稚園の園児26人がバスで到着しました。ホールには保育園児(3〜5歳児 31人)がお行儀良く座りお出迎え。幼稚園児は3ヶ月ぶり保育園の雰囲気にちょっと緊張気味に見えましたが、コートを脱ぎ、鞄を置き、靴下を脱いで身支度が整う頃には慣れてきました。

全体で歌を歌ううちに雰囲気はほぐれ、今日の活動の流れを聞くうちに子どもたちのワクワク感が高まっていくのを感じます。これから1時間は年齢別の活動。

◆3歳児:ホールでリズム運動 → 居室で新聞紙遊び(右の写真)

◆4歳児:支援センター内でポップコーン作り(1枚目の写真/夏場に保育園児が育てた爆裂種コーンが原料。コーンを芯から外す作業やポップコーンづくりを体感。その前に、絵本で[生きものの命をいただいて食事ができること]をちょこっとインプット。)

◆5歳児:居室でお集まり → ホールでリズム体操+身体を使った遊び

どの場所でも子どもたちは、リードする先生の言葉にごく自然に耳を傾け、目一杯楽しんでいるように見えました。もちろん時にはマイペースな子供の姿もありましたが、それも日常的な雰囲気。子どもたちは数回の活動で、既に馴染んでいるのがよく解ります。

【11時10分】 年齢別の活動を終え、全ての子どもたちがホールに集まってきました。4歳児さんたちが作ったポップコーンのキャラメルがけを試食するために。昼食直前ということもあって、ちょっとずつ紙コップに分けてもらって・・・さあ試食! (私もちょこっと分けてもらって)甘くてサクッと、美味しかったです。

【11時30分】 全てのプログラムを終えて幼稚園児が帰り支度。名残惜しそうに言葉を交わし手を振りながらバスに乗り込んで行きました。
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合同保育を見学して、子どもたちの順応性の高さを改めて感じました。認定こども園になることに不安があり準備が必要なのは、実は(やっぱり)大人たちなのです。

それは、幼児の保育・教育環境を整えるのが大人の役目だから。できるだけ良い環境をと思うのは自然なことであり、不安や疑問を持つのは当然。それを解消するためには、手順や合意や共感は大事ですよね。合同保育に限らず、様々なことで保護者も巻き込みながら準備が進められることを願っています。

それにしても、今時の保育(幼児教育)には体系的な知識や意図、相当な準備が必要なんですね。合同保育の様子を見ながら、改めて感じました。自分が子供を預けている頃にそのことに気付けていたら・・・ もっと違った子育てや、もっと理解のある保護者になれたかもしれないのに。その頃は当事者だったからか、ほとんど見えてなかったです。反省。

ところで、保育園の増改築の話はどこまで進んでいるのでしょう?
環境を整える大人の役目として、大変気になるところです。

とはいえ、
合同保育が順調に進んでいることが確認できて、ほっとしました。

2015年01月19日

何だか一方通行。欲しい情報と提供される情報の差。【子ども・子育て新制度説明会と認定こども園講演会】

1月17日(土)午前、「子ども・子育て新制度の説明会(月形町保健福祉課から)」と「講演会 〜認定こども園 0歳から6歳までの連続性のある豊かな育ちを〜(主催:月形町認定こども園開設準備委員会)」があり、参加してきました。

会場の交流センターには約40人。託児もあったことから、小さなお子さんのお父さん・お母さんが連れ立って参加されている姿もあり、関心の高さがうかがえます。
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【子ども・子育て新制度説明会】

子ども・子育て新制度は今年の4月からスタートする制度で、自治体が運営する施設は新制度に移行することが求められているため、認可保育所花の里保育園は新制度の適用施設になります。私立の施設は選択が可能で、大谷幼稚園は平成27年度で閉園することもあって新制度に移行せず、従来通りの中身や保育料となります。平成28年度から始まる認定こども園はもちろん新制度です。

新制度になると何が変わるか・・・ 最も違ってくるのは、保育園に子どもを入れたいと思ったら、入園手続きの前に「支給認定」を受けなければならないことでしょう。親の働き方と子どもの年齢によって、1号認定〜3号認定、保育標準時間(11時間までの保育)か保育短時間(8時間までの保育)に区分されます。

これら、子ども・子育て新制度についての基本的なことを、手続きの担当部署である保健福祉課の職員が資料を基に説明しました。もっとも、対象となる家庭には既に資料が配付されているとのことで、特段新しい情報が提供されたのかは疑問です。

特に保護者の関心の高い「新たに設定される保育料」については、「月形町では保育料を引き下げる(国の基準の30%減という)方針は決定しているものの、基準となる国の保育料(が大幅に変わることはない見込みだが)確定していないので、今の段階でハッキリした金額は示せない。今日それを期待して参加された人には申し訳ない(個別の相談には応じる)。確定するのは3月頃になるだろう。」とのことでした。

「保育料」・・・ 家計にとってはシビアな問題です。この金額によって、幼稚園にするか保育園にするのか(働き方も変えるか)迷っている人がいるのも事実。年が明けたこの段階でも保育料が確定していないなんて、ビックリです。国が基準を示していないのが一番の問題としても、保育料の決定権は自治体にあるのだから、町が決めてしまえば良いのではないかと私は思っています。
(現在、30%減にすることを理解している議会ですが、きっかり30%にこだわっているわけではないと感じます。事情と筋の通った説明があれば納得するでしょう。)

今回の説明会では、全体での質問時間が設定されていませんでした(講演会終了後か後日に、担当者まで個別に質問する形式)。また、対象となる家庭には既に新制度の概要(詳しい資料)は配付されていた上、今回の説明会で新たな情報提供がないのであれば、何のための説明会だったのか、私には疑問が残りました。
もし質問時間を設けて疑問点や意見を参加者と行政、あるいは参加者同士が共有できたら、新制度に対する理解がもっと深まったのに、もしくは行政との距離を縮められたのにと感じます。「呼びかけても質問は出ないだろう」と思って質問時間を設けなかったのなら、それも残念。認定こども園に関係するこれまでの流れを見れば、毎回必ず質問や意見が出ていましたから。

どうも一方通行のような雰囲気を感じているのは、私だけなのでしょうか?
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【月形町認定こども園開設準備委員会主催 講演会】

演題「認定こども園 0歳から6歳までの連続性のある豊かな育ちを」
講師   飯沼 美智子氏
(学校法人北海道浅井学園 認定こども園大麻幼稚園まんまる保育園 園長・施設長)

江別市にある、認定こども園大麻幼稚園まんまる保育園の園長(施設長)である飯沼美智子さんが、日頃の子どもたちの様子を中心にお話しくださいました。

認定こども園大麻幼稚園まんまる保育園は、大麻幼稚園が母体となった幼保連携型の認定こども園で、定員は幼稚園部分が200名、保育園部分が21名(0〜2歳は各6人、3〜5歳は各1人)。
0歳〜2歳児は保育所として、3歳〜5歳児は(保育園籍の子どもも合わせて)幼稚園に入園する感覚で保育を行っているとのこと。幼稚園児が帰宅する午後1時半以降は、幼稚園籍の預かり保育と保育園籍の保育を、保育所的に行っているそうです。

認定こども園の良いところは、親の就労体系に関係なく分け隔てなく生活できることで、保育園と幼稚園は「園内での生活時間の違いでしかない」とも。

ただ、平成27年度から始まる子ども・子育て新制度には移行しないとのこと。現状で保育料が確定できず保護者に説明できないことが問題と考えたからだそうで、平成27年度は一旦認定こども園を返上し大麻幼稚園とまんまる保育園という形態にした上で、平成28年度から新制度の認定こども園になるとのことでした。
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今回の講演会、チラシには「講演では、認定こども園について、わかりやすくご説明いたします。」となっていました。確かに、認定こども園大麻幼稚園まんまる保育園については理解できたのですが、月形町がめざしている花の里保育園を母体にした認定こども園の姿は全く理解・想像できませんでした。そもそも、定員が220人以上いる都市部の私立幼稚園が母体となった認定こども園と、少子化で他に選択肢がない地域にある定員80人の保育所を母体とした認定こども園とでは、園の雰囲気も、地域での役割も、子どもたちの時間の使い方も相当違うのではないかと思うのです。

月形町は学校法人北海道浅井学園の北翔大学と包括的連携協定を結んでいることから、その延長線上で認定こども園に関して連携していこうということなのかもしれませんが、それは施設や運営側の研修の中で積極的に活用されればいいのではと思います。現段階で私たちが知りたいのは、花の里保育園がどのような姿の認定こども園になるのかということで、同じような立地で同じような背景の自治体が運営する認定こども園の実態こそ、知りたいのです。

そして、もっとも知りたい情報は「認定こども園開設準備の全体像」です。

そもそも、今回の講演会の主催者である「月形町認定こども園開設準備委員会」は誰が構成員で、どんなことを行う組織なのか、一般向けに説明したことがあるのでしょうか? 
チラシには事務局として教育委員会学務係と書かれていますが、昨年までこの関連の説明会は住民課が主になり、総務課と教育委員会が関わっていました。今年は保健福祉課と教育委員会です。保護者に混乱はないのでしょうか?

それから、認定こども園に関する説明会は昨年2月16日、17日に行われた「月形町の幼児教育についての説明会」が最後。その後の取り進め方や進捗状況など、町側がまとまった形で説明しなくていいのか? (合同保育については、保育園だよりで知らされているが・・・)

これから始まる増改築工事などについても、昨年の説明会の時点とは大きく変更されていることから、説明の時期や状況などの情報を提示しなくてもいいのか?

本来、認定こども園開設において最も重要であるべき主権者(乳幼児、保護者、町民)が置き去りにされている感じがして、どうも解せません。情報開示と、共に作り上げる姿勢がなければ、未来に向かった「まちづくり」はできないと私は考えるのですが、どうでしょうか・・・

2015年01月11日

月形町が「税金エンジンのファミリー企業」だと再認識した1週間【消防出初式/世代間交流餅つき/新年交礼会/成人式】

今週は、様々な行事がありました。
1月5日(火) 月形消防出初式
1月8日(木) 世代間交流事業もちつき
1月9日(金) 新年交礼会
1月10日(土) 成人式

普段は会わない人とも毎年の新年行事ということで顔を合わすことができ、ご挨拶や近況報告、情報交換など、実に濃密で貴重な1週間でした。個別に感じたことは後半で書くことにして、1週間を振り返ったら「今の月形町」が見えてきました。

今の月形町は(良くも悪くも)ひとまとまり、町長を代表者としたファミリー企業なんだなあと。それも「税金(地方交付税/刑務所関連資金/農業関連資金/他)」を燃料にしたエンジンで動いている総合企業。強みは「(規模は縮小しても)潰れない」。弱みは「ギアチェンジができない(時代の動きに乗れない)」「活力がない」「ターボが搭載できない(爆発的な発展がない)」。

ファミリー企業の良いところは、家族的だし、安心感もあるし・・・私も好きです。でも、それを魅力として自覚し発信できなければ、これからの時代は難しい。
それより重大なのは「税金エンジン」しかないこと。これだけでは伸びしろがなく、活力も生まれない。案の定、社員の減少=人口減少(特に担い手人口)が顕著で、平成26年は例年の2倍以上(−131人)。人口は3,577人(平成26年12月30日現在)になりました。

地域創成を名目にした地方への税金の投入が決まったようですが、プレミアム商品券にしてしまったら税金エンジンを回す一過性の燃料にしかならない。ここは知恵を絞って、頑張って、新しいエンジンを作らないと! 幸い総合企業なのだから、受け持つ分野の幅は広い。福祉、教育、農業、商業・・・選び放題。ここぞと決めれば、やりようも見えてきそうなもの。

そんな想いに至りました。
では、個別の行事報告です。
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【消防出初式】

吹雪の合間の暖かで穏やかな日、例年通りに消防出初式が行われました。

昨年は全国的な災害が多かったものの月形は平穏な1年だったという報告と、平成27年度に消防職員が消防関連技術の全国大会をめざすというお話を聞きました。平穏な中にあってもモチベーションを高め、訓練を重ねるのは大変なことですよね。消防団員・職員の皆さんのお陰で安心な日常があるということに感謝です。

ところで、現在消防団員は77名で、定員80名をほぼ充足しています。一昔前は農家や自営業者が担っていたものの、今は【協力団体=福祉施設、農協、郵便局、役場】なしには成り立たないほど。出初式当日も農家や自営業者の何人かは副業の除雪作業(町外勤務)で欠席でした。時代は変化し構造が変わっています。


【世代間交流もちつき】

地域福祉ネットワーク、社会福祉協議会、教育委員会(社会教育)が主催する世代間交流事業。毎年の始めにもちつきを行っています。参加者は老人クラブや子供会、乳幼児クラブ、障がい支援センターの利用者の皆さん、ボランティア関係者など。私も個人ボランティアの一人として参加してきました。

数年前までは、行事といえば「もちつき」があり(例えば、小学校の感謝祭、新年交礼会、成人式・・)臼と杵でワイワイやっていたのですが、今はこの世代間交流事業と保育園・幼稚園くらい。珍しさもあって子どもたちは興味津々、そこに「もちつきはお爺ちゃんの腕の見せ場」とばかりに子どもたちと一緒に頑張って、大盛り上がりでした。

つき上がった餅はみんなで丸めるのですが、ここではお婆ちゃんたちが子ども達に上手に手ほどきして、とっても良い雰囲気。帰りしなに「美味しかった!」「楽しかったね〜」という言葉があちこちから聞こえてきて、満足感・達成感もいっぱいでした。

家族的な豊かさが残っている月形だからこその行事。おじいちゃん、おばあちゃんの知恵や力をもっと活かせたらいいのに。凄い力を秘めていると感じています。


【新年交礼会】

昨年より参加者が多かったとのこと。たくさんの方と新年のご挨拶もできて有意義でした。

ただ、ちょっと気になったことが1つ。交礼会は「月形町」「農協」「商工会」の主催だからなのだと思いますが、来賓として紹介・挨拶をされたのが「月形刑務所」「月形学園(少年院)」「自衛隊美唄駐屯地」「岩見沢警察」のみなさん。交礼会の来賓が全て「公務員」であることに私は違和感を覚えました。が、月形町を動かしているが「税金エンジン」である以上、これが現実なのでしょう。

私の希望をいえば、月形町の新年交礼会なのだから、もっと暮らしに密着した人(組織)が状況や抱負を語る場面があっていいし、月形町内の最も大きな組織・事業所が刑務所なのだから、刑務所が主催者に加わるのもアリではないか・・・なんて思います。


【成人式】

当日会場に集まったのは29人。新成人の皆さんもご家族の皆さんも、晴れやかな中にも厳かで緊張感のある素敵な成人式でした。

これから先、新成人の皆さんは必ずしも月形で暮らすわけではありませんが、月形で育ったことの価値をじわじわと感じることでしょう。それが故郷です。その想いを大事に、どうぞ暮らしている町のまちづくりに参加してみてください。選挙で意志を示してください。未来を作るのは私たち一人一人ですから。
成人、おめでとうございます。

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2014年12月13日

【平成26年第4回定例会/報告】その2 一般質問つづき

一般質問報告その1の「つづき」です。

※写真は本文と全く関係ありません。強いて言えば、私の気持ち(ブルー)を表しているかな。

ここでは平成28年4月開設の「認定こども園」に関する質問(2つ)です。特に質問5は身近で具体的で喫緊の話題ですので、町内の人には特に読んでいただきたい内容です。
どなたでもコメントを寄せていただければ嬉しいです。よろしくお願いします。
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平成26年第4回定例会 一般質問報告(宮下裕美子)

4.認定こども園の運営形態について【答弁者/町長】

Q)平成26年10月1日現在、道内には認定こども園が75ヶ所あり、そのうち公立は21ヵ所。大部分が直営(公設公営)で、指定管理者制度による運営は1ヶ所しかないが、公募を行い透明性を確保している。
 平成28年度から月形町に開設される認定こども園は、なぜ指定管理者制度をとるのか。幼児1人当たりの保育単価で言えば、花の里保育園(認可保育所)は一般の公立保育園より同等か高い。(現在の水準を維持するなら)直営も可能ではないのか。
 また、認定こども園は新しい条例を制定する必要があり、事業者の資格も違う。なぜ公募を行わないのか。

A)新たに開設される認定こども園は、花の里保育園を母体に幼稚園機能を付加したもの。場所だけでなく環境を変えないことが重要と考えているので、これまで通りの指定管理者制度で。公募は行わず同じ法人にやってもらうことは既に何度も話している。
 現在、花の里保育園の職員給与は福祉ベースなので、月形町職員給与ベースより低い。この点からも直営は難しい。

Q)花の里保育園の運営費は8千万円弱。認定こども園になれば定員も機能も増えることから1億円規模の事業になる。指定管理者制度は自治体に任された制度で透明性を求められる上、公募を行わないのであれば更なる透明性の確保が必要。これから手続きが始まる段階なので対応できるのでは?
A)透明性の部分はしっかりやる。監査もしっかり行う。認定こども園条例を制定していく。

Q)公募を行わず現法人に任せるととのことだが、現法人は認定こども園の資格を有しているのか?
A)資格は認定こども園ができるまでに担保できると(現法人)理事長と約束した。

[感想]
公募をしないで現法人に任せることの説明を何度聞いても、私は納得できない。同じ施設を使うとは言っても、認可保育所(花の里保育園)と認定こども園は別の目的の別の施設で、条例も新たに作るのだから。指定管理者制度の手続き条例施行規則「第3条(5)その他町長が特に必要と認める場合」を適用して可能だというのだろうが、この規則は1年前の議論真っ直中に追加されたもので、どうも釈然としない。
 しかし事業は進んでいる上、他の議員からの疑義の声もないので経過を見守るしかないのが歯がゆい。あとは、いかに透明性が確保されるのか。手続きを含め、しっかり見極めていきたい。
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5.保育所増設事業(花の里保育園増改築工事実施設計業務)について
                              【答弁者/町長】

Q)昨年度末の町側の説明は「保育園の床面積は(定員を80人にしても)ほぼ基準を満たしているので、大がかりな増築工事は必要ないだろう。ただ保育室が不足しているので、仕切りなどを変更する工事は必要かもしれない。工事は保育に配慮し、日曜・祭日・夜間に行う。」であった。この点は議会も保護者も納得している。
 しかし、11月27日臨時会に提案された実施設計補正予算の説明は、当初の話とかけ離れた印象を受けた。課題を整理するため以下の3項目に分け質問する。

(1)手順
Q)
基本設計などの増築内容が全く示されないまま、実施設計の補正予算が提出されたことは、議会や保護者との協議手順をないがしろにしているのではないか。実施設計を議会に提案するまでに、どのような手順で進めてきたのか。今後のスケジュールも。

A)経過は以下の通り
7月30日 開設準備委員会/幹事会(保健福祉課と教育委員会の担当者、保育園園長、大谷幼稚園教諭)で妹背牛町と奈井江町の認定こども園を視察。
8月20日 教育委員会・産業課(建設)・保健福祉課で花の里保育園の要望を聞く。
8月26日 花の里保育園と大谷幼稚園の合同保育を観察
10月20日 幹事会から改修案
10月30日 認定こども園大麻幼稚園まんまる保育園を視察
10月31日 副町長と工事の概要を協議
11月14日 総合振興計画ヒヤリング 
11月27日 臨時会(実施計画の補正予算 → 可決)
12月5日 入札修了

今回の工事は増改築なので、基本設計は行わず実施設計になった。そのため事前に説明できる図面はない。保護者には実施設計が出来上がってから説明する。

Q)(実施設計前の)計画段階で保護者と協議すれば、当事者の視点で施設や工事を点検でき、保護者の不安も取り除ける。議会と協議することで全体的な問題の洗い出しや財源・資金計画の検討ができる。(今まで協議をしていないが)実施設計が出来上がった段階で設計変更ができるのか? 

A)設計変更はかなり厳しいが、もう一度意見をいただきたい。


(2)本体工事   
Q)概算で1億円という数字が出されたが、平成10年の保育園開設時の建設費(予算)は2億7千万円だった。なぜこれほど高額になるのか。どこが当初と違っているのか。また、建設費を抑えるためにどのような検討をしてきたのか。

A)平成10年に2億7千万円なら資材費の高騰などを考えればそれほど高額と言えないのでは。
 保育環境を整えることは、これからの人口減少対策にも通じる。認定こども園の施設の充実は大きな条件。今よりも良いものを作りたい。経年劣化への対応も含め、10年20年先を考えて今改修をしていくことが大事。
 一時保育用保育室やトイレの増設、駐車場やグラウンドの拡張は当初の予定と違っている。幹事会が、合同保育の状況や他の認定こども園を見学して必要と判断し決めた。

Q)幹事会の要求を丸呑みでは? 
 10年・20年後と言うが、人口減少と少子化が進行している時代、今がピークで子どもの数は減少する。定員も80人でなく70人に設定し、2割増し枠での対応もできる。施設を増築すればその分の光熱費もかかり固定費(ランニングコスト)が増える。
 来年度以降、保育料を30%減額することは既に議会も了承している。この上1億円の工事費そしてランニングコストの増大。認定こども園が開設されれば運営費も1億円。限られた財源を活かすならハードよりソフトでは?

A)これは必要最小限のプラン。今の状況を考え、今後の期待に添う工事にしたい。


(3)工事の影響
Q)これだけ大規模な工事を行うとなれば、果たして夜間等の工事だけで間に合うのか? また、工事期間中も保育園で保育を続けると言っているが、工事現場と保育現場が混在する状態で、園児の安全や健全な保育環境を維持・確保できるのか? さらに、夜間工事の祭に、隣接する愛光園(特別養護老人ホーム)利用者への影響は十分検討されているのか?

A)全ては実施設計が出来上がってから。
工事の規模から夜間等の工事だけでは済まないだろう。公共施設を使うことも考える。

Q)この工事規模なら積極的に代替施設を使い、園児と工事現場を分けるべき。安全が確保できる上、工期を短縮し、工事費を低減できる。
代替施設の案として、3歳児以上は大谷幼稚園を使用(夏休み等に借り上げ)してはどうか。乳幼児は総合体育館の旧教育長室を改装し対応しては。施設内にシャワーなどもあり、多少手を入れるだけで使える。

A)工事の時期との関係もあるので、全ては実施設計ができてから。

[感想]
「全ては実施設計ができてから」と言いながら、「実施設計を変更するのは厳しい」と言う。これでは、行政側の案を「何も言わずに飲め」と言っているようなもの。果たしてこれで効率的な予算の執行と、町民参加のまちづくりができるのだろうか? 

保育園の駐車場は狭いかもしれないが、すぐ脇の多目的研修センターには最近増設した駐車場がある。入口を保育園側に新設すれば供用できる。三人寄れば文殊の知恵。予算を低減するアイデアはいくらでも出てきそうだ。

そういえば、通園バスの運行はどう考えているのだろう? 
今まで保育園に通園バスはなかったが、幼稚園の保護者から通園バスの強い要望があった。経費がネックになっていたが・・・。
保護者は立派な建物と通園バスのどちらを選ぶのだろう? 少子化対策のため、両方を選択することになるのか? その時、財源は? 議会は? 

質問の最後に私が「これでは夢のある保育園は作れない。夢を共に語れるようなやり方を」と言ったことに対して、町長は「私がまさにめざしているのは夢のある保育園だ」との答弁。やっぱり感覚が違っている。

私の描く「夢のある保育園」は立派な箱ではない。改築過程から保育園に関わる人みんなで完成像を想像し話題にしていくことであり、そこで遊ぶ子ども達の満足した姿である。そういうプロセスを楽しむことであり、保育や教育の中身そのもの=ソフトの充実だと思っている。
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[最後に]
5番目の質問は、本来、実施設計の補正予算が提出された臨時会で行うべきものでした。臨時会当時、宮元議員と私が質疑を行いましたが、そもそも町側からの最初の説明が少なかったことに加え、質問回数3回までの決まりの中で十分な説明が得られなかったことが第1の問題。その状況で可決してしまったことが第2の問題。この部分だけを議決から外す修正案も出せなかったことが第3の問題。議員としての力の無さを痛感しています。

議会が可決したことで予算は執行され、既に入札も修了しています。今さら何を言っても後の祭りであり、それを良しとしたのは議会で、議決の重さを感じています。

今回の一般質問全般を通して感じたのは、まさしく「議決の重さ」です。町長が随所で口にした「既に議会は議決をしている。承認をいただいているのだから問題ない。」の言葉は胸に刺さりました。それぞれの議決時、質疑や反対討論で問題箇所を指摘したとしても、多数決で議決されれば、そんな小さな意見は何の力も持たないんだなあと、改めて数の力を感じたからです。

あわせて、私たち議員一人一人にはそれだけ重大な議決権が与えられているのです。そして、その議員を選んでいるのは町民の皆さんです。巡り巡って、全ての責任と結果は自分自身(町民)に返ってきてしまうと言うことも、再認識させられました。

これから先は町側の良心に頼るしかありません。(本体工事予算の修正・否決という手段もないことはないですが、これまでの経過を考えると、かなり高い絶壁! 私はロッククライミングも好きですから、問題があれば果敢に一人でも挑戦します。)

町民からみて、町側の独断専行でなく、共に歩み、共に理解が進むよう、事を進めて欲しいと思います。地方自治の時代であり、主権在民の時代ですから。

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