2020年06月04日

マスクが全てではないけれど・・・【令和2年第2回定例会/新型コロナウイルス対策】報告①

新型コロナ対策が中心になった令和2年第2回定例会が閉会しました。終わってみれば全ての議案が「原案可決」でしたが、いつもより濃い議論の末に事業の中身が変更になったのが「マスクの全町民配布」でした。まずはそこに絞って報告します。
 
■町の当初提案(全員協議会での説明)
○ 国から配分された新型コロナ対策費(地方創生臨時交付金:6172万円)を使って様々な事業がくまれた。
○ その中で「感染予防」を目的に、《(款)衛生費>(項)保健衛生費>(目)予防費》として約1400万円が計上され、その中に「全町民に1人30枚のマスク(こどもと施設は上乗せ)を郵送する事業=マスク13万4千枚分 702万円+ 郵送・印刷代 73万円=775万円 があった。「新型コロナの第3波、第4波やインフルエンザに備えて住民備蓄を進めるため」との理由
○ 説明を受けて、数名の議員から「町中にマスクが出回っている今、マスクの現物を配るときなのか?」と疑問の声。町側「マスクが足りないという町民の声がある」
○ 宮下の意見と提案(※他議員も賛同)
・現物郵送ではなくマスク券配布で郵送費削減。マスクを必要とする人が地元の商店で引き換え(=地元経済活性化)。
・同時並行して行われる「全町民に3000円の商品券配布」の際に、マスク代金(1人あたり1500円分)も上乗せ。マスクが必要な人はそれを使って町内で買ってもらう。(←予算の組み替え必要)
・町内の入所施設でクラスターが発生する場合にそなえ、マスクや防護服等を町が備蓄して提供する(←予算組み替え不要)
・マスク以外の予防策を。感知式照明、ドアノブの改修等(←予算の組み替え不要)
 
■宮下の一般質問
○一般質問で新型コロナ対策を取り上げた際、全員協議会での提案の根拠と効能等の詳細説明。新型コロナ感染症には、これまでの常識とは別次元の視点で対策する必要があることを強調。
町長は「理解している。しっかり対応する」と答弁。
 
■議案審議
○議案説明で副町長から「全員協議会の意見をふまえ検討した。一般質問での町長答弁にもあるように・・・」として
・マスクは備蓄分も考慮して、困っている人に優先的に渡したい。
・マスクの現物支給は家計の足しにもなることから「高齢者、子育て世帯、障害者、非課税世帯」に配布したい。
○質疑での意見と答弁
・東出議員「今はマスク配布でなく生活支援では? マスク予算を商品券配布に上積みすべき」「備蓄は予備費で」→ 町側「施策には時間のズレがある。今回、商品券を配布するのでそれで対応」「スピーディーに対応できるよう努力する」
・大釜議員「困っている町民の生の声を聴いて実施を」「民生委員や区長等に協力を要請。高齢者等に声かけしながら必要な場合はマスクを手渡すようにしてはどうか」と提案 → 「全員協議会で出たアイデアを含め検討したい」
・宮下「対象者を絞ると言うが、町民の42%が高齢者でそこに子育て世帯や障害者等を加えると、結局町民の半分にマスクの現物を配るのか? 70歳以上としても町民の1/3になる」「全員協議会と一般質問での様々な提案をした。それらを充分検討するとのことなので、そこを信頼する」
・楠議員「先日からの”今更マスク配布かよ!”という議会の雰囲気に意見を言えずにいた。各戸での備蓄も大事。マスクの件に限らす、町は状況に一喜一憂することなく冷静に、長いスパンで政策を考えてほしい」→ 町長「コロナに対峙するには、みんなが協調しなければならない。人を尊敬し、信頼することが土台」
 
■全会一致で原案議決
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《宮下の所感》
 
最終的に「明確な事業内容・予算の明確な使途」は示されなかったものの、議員側の意見や提案を充分汲みとった答弁があったこと、同じ科目《(款)衛生費>(項)保健衛生費>(目)予防費》の中で変更できるアイデアがあったことから、修正案の提出はせずに原案可決になりました。「修正案=町長に恥をかかせる」という認識が強い議会なので、ここが落とし所でした。
 
とはいえ、修正案の準備をしながら他の議員の意見を聴いたり、事務局や議長と事務手続きについて打ち合わせをするなど、議会としての権能を活かす手立てを議会内で再確認できたことは良かったと考えています。

2020年06月03日

1日目は超疲れた〜【令和2年第2回定例会】

昨日開会した定例会で一般質問が終わりました。速報するって言ってましたが、ゴメンナサイ。とにかく消耗して、帰宅後すぐ(夕飯の準備もせず)に眠ってしまいました。今朝は早朝から今日の山場に向けて準備を進めています。
 
今日の山場とは・・・ 一般会計補正予算に修正案を出すかもしれないということ。ポイントは、副町長による一般会計補正予算の説明で、「町民全員に1人30枚のマスクを配布する事業」を当初予定通りに実施するのか、変更されたのか。
 
先日の全員協議会でも訴えましたが、一般質問でも伏線を張って修正を促しました。応えてくれることを期待しています。それでも実施されるなら、減額修正案の動議を出さねばなりません。
 
今日、定例会2日目は午前10時開会。
一般会計補正予算は午前中に審議される予定です。

2020年05月31日

私の一般質問は6月2日(火)午後〜【令和2年第2回定例会/新型コロナウイルス対策】一般質問通告内容

6月2日(火)10時から始まる定例会、一般質問は開会後すぐに始まります。今回は4人の議員から7問の通告がありました。ここでは主に私の通告内容をお知らせします。

※ 一般質問を行う全議員の通告書はこちら
http://www.town.tsukigata.hokkaido.jp/secure/13459/一般質問通告書R02年第2回定例会.pdf

なお、今回の定例会は新型コロナ対策をした上で、通常通りの審議を行います。一般質問にも制限はありません。傍聴も可能です(人数制限はありますが、町民サロンでの視聴可能)。
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令和2年第2回定例会 一般質問
 
6月2日(火)10:00〜
●1 東出議員

・月形みかづき商品券の再販売について
●2 松田議員
・JR札沼線廃止後の鉄道跡地利用について
・上坂町政1期目の総括について」
●3 我妻議員
・地域連携特例校」の実施状況と分析、及び月形高校への今後の取り組み体制について
●4 宮下議員 ←午後から
・新型コロナ禍での地域支援について
 (1)民間支援の方針
 (2)感染症対策支援(特に高齢者施設)
 (3)財源と人員の確保
・新型コロナ禍での学校教育支援(ICT環境整備)について
・新型コロナ禍での災害対策(避難所運営と通信環境整備)について

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以下、私の通告内容を記します。
 
《一般質問 宮下裕美子議員》
 
■1.新型コロナ禍での地域支援について《60分/答弁者:町長》

 
 新型コロナウイルスは様々な形で私たちの暮らしに影響を与えている。長期化する中で疲弊しつつある地域社会を守るため、国・道・町が分担しながら支援を行っているのが現状である。
 
(1)民間支援の方針
 現段階で町は、商業者を中心に売上減少率や対策の有無などを基準に支援金支給等を行っている。今後はより広範囲の業種に影響が出ると考えられるが、どの範囲のどの程度まで支援をしていく考えか、伺いたい。(その都度といった場当たり的なものや、詳細具体的なものでなく、町としての方針を伺いたい。)
 
(2)感染症対策支援(特に高齢者施設)
 現在の支援策の多くは経済施策であるが、感染症対策にも支援強化する必要があるのではないか。特に、高齢者施設はクラスター発生と重篤化のリスクが高いために対策に大きな負担を強いられているが、支援はない。月形町は高齢化率42%超という現実からも、高齢者施設が平常通りに運営できることが町民の安心にも繫がる。
 町長の考えを伺いたい。
 
(3)財源と人員の確保
 全国的な緊急事態宣言は解除されたものの影響は今後も続き、少なくとも今年度中は地域支援が必要だと考える。その際の財源は、国や道からの交付金等はもちろんのこと、町独自に確保しなければならない。
 そこで提案したい。新型コロナの影響で延期や保留にした今年度実施予定の事業は基本的に中止の決断をし、即減額補正をして新型コロナ対策基金(新設)に積み上げてはどうか。財源が明確になることで対策規模や範囲を町民と共有できる他、透明性や公平性を担保できると考える。また、事業の再検討に係る事務を減らして人員(職員の余力)を生み出すことができる。
 この提案に対する町長の考えを伺いたい。
 
 
■2.新型コロナ禍での学校教育支援(ICT環境整備)について《30分/答弁者:教育長》

 突然始まった休校が3ヶ月も続いたことで、子どもたちの負担はとても大きかったと推察する。学校と保護者と教育委員会が1つになって対応したと聞いているが、様々な課題が見えたのではないか。私自身は早急なICT環境整備の必要性を痛切に感じた。
 そこで、以下の点について教育長に伺いたい。 
(1)各家庭のICT環境はどうなっているのか。
(2)月形町でICTを活用したオンライン授業を展開しようとしたとき、何が障壁になるのか。
(3)国によるGIGAスクール構想があるが、今後のスケジュールと費用の概算のほか、近隣自治体の動向(新型コロナ対策として導入を急いでいる自治体も多いことから、機材不足等も含めての情報共有)。
 
 
■3.新型コロナ禍での災害対策(避難所運営と通信環境整備)について《20分/答弁者:町長》

 新型コロナ対策によって「新しい生活様式」が推奨されている。これまでの避難所運営では3密が避けられないことから、感染症にも対応した新たなマニュアルの作成と備品の準備が求められている。現在、月形町ではどのようになっているのか。
 また、緊急事態宣言による外出自粛によってリモートワークやオンライン会議等が一般化され、有用性も認知され始めている。災害時は移動が困難になることから、避難所に通信環境を整えることで情報収集や意見交換が活発にでき、町は全体像を把握しやすくなり、町民の安心安全にもつながる。
 避難所の通信環境整備について、町長の考えを伺いたい。

2020年05月30日

修正を期待しての大いなる提案【全員協議会/新型コロナウイルス対策】

臨時会後の全員協議会で、町側から「新型コロナウイルス感染症拡大防止対策」についての説明がありました。
 
これは6月2日(火)から始まる第2回定例会で審議される一般会計補正予算の一部に含まれる内容です。国から新型コロナ対策費として配分された地方創生臨時交付金(約6000万円)を使った施策が示されました。通常は「全員協議会では説明のみ、質疑等は本会議で」となるのですが、本会議での質疑時間短縮やスムーズな議事運営が求められるご時世なので、かなり突っ込んだ議論を行いました。
 
というのも、現在計画されている施策の内容に私は問題を感じたからです。既に議案として上げられているので今から金額の修正はできないまでも、使い方については修正可能。本会議の審議が始まる前に修正してもらえたらと期待しています。ですが、もしもこのままの内容で進むとしたら・・・減額修正案を提出しなければなりません。最悪の場合も考えて、修正案についても検討を始めています。
 
さて、今回提示された新型コロナウイルス感染症拡大防止対策は・・・
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《6月議会定例会に上程予定の一般会計補正予算 総額 6839万3千円》
 
■1)緊急経済対策地域振興券交付事業  約1200万円
・全町民に対し、1人3000円の地域振興券(商品券)を配布
・0〜18歳には3000円の上乗せ(合計6000円の商品券)配布
・配布は簡易書留による郵送
・事業費:商品券分1020万円+事務費189万円=1209万円
 
■2)感染予防対策事業 約1500万円
①全町民へのマスク配布❗️(1人30枚 こどもと施設は別枠)
 マスク代 702万円(13万4千枚)+事務費73万円= 775万円

②町内5つの入所型福祉施設への感染症対策資材購入補助
 20万円×5施設= 100万円
③公共施設自動水栓装置設置 119箇所 計538万円
④公共施設足踏み式消毒液スタンド設置 17台 計71万円
⑤町感染予防対策経費(マスク・フェイスシールド等)25万円
 
■3)役場庁舎大会議室窓枠改修事業 約500万円
・窓枠8箇所を開閉式にして網戸をつける 
 
■4)中小企業等経営持続化支援金交付事業 約3000万円
・新型コロナの影響で売り上げが前年同月日20%以上減少している事業所(法人・個人)に、30〜100万円を支給
・適用事業所:100事業所×30万円、事務費6万円
 
■5)休業協力・感染リスク低減延長支援金交付事業 200万円
・道施策の上乗せ分+町独自支給(対象:5/7〜15の休業)
・適用:20事業所
■6)経営持続化休業特別支援金交付事業 30万円
・道施策の上乗せ分+町独自支給(対象:5/19〜31の休業)
・適用:3事業所
 
■7)「うち読」推進事業  約190万円
・休館中の図書の貸し出しを、電話受付し郵送で貸出する事業
・返却図書の消毒機器購入
 
■8)災害時の避難所の感染防止対策 約160万円
・避難所開設時の感染防止策としてマスクや防護服等の備品購入
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《宮下の意見と提案》
 
今回の施策で、一番気になったのはコレ↓
 
■2)①全町民へのマスク配布❗️(1人30枚 こどもと施設は別枠)775万円
・・・既に市中にマスクが出回っている今、なぜ全町民にマスクの現物を配布するのか? 775万円も使って!? 
町としては「町民から〈まだマスクが不足している〉の要望がある。感染の第3波第4波やインフルエンザへの備えとして住民備蓄のために」とのこと。とはいえ、今回予算が通ったとしてもマスクの配布が完了するのは7月になるとのこと!
 
であるならば・・・
●提案1● マスクの現物支給ではなく「マスク券」を町民に配布し、必要な人は町内のお店でマスクに交換。費用はあとから町がお店に支払う。
もしくは
●提案2● 全町民に3000円の商品券を配布するのだからそれで買ってもらうか、マスク分として上乗せ配布。
 
〈意見〉
マスク不足でどこにも売っていないならいざ知らず、既にお金さえ払えばどこでも買える状況なのだから、マスクを必要とする人には、マスクを買えるように手立てすればいい。さらに言えば、充分なマスクを確保している人や布マスク派の人への現物支給はムダを生むだけ。アベノマスクの轍を踏まないでほしい。
  ↓
 
できるなら
●提案3● この予算を使って町の備蓄を増やす。万が一町内の入所施設でクラスターが発生した場合、発生初期は施設で対応できたとしてもすぐに底をつく。次の入荷までの当座をしのぐために、町の備蓄品を供給してサポートする体制を。マスクや防護服など新型コロナに対応した数と種類が必要。これまでの想定以上数の確保を。(←一般質問で取り上げる内容を前倒しで提案)
 
この予算の一部と今後の展開として
●提案4● 感染予防対策としての施設改修を行う。新型コロナウイルスの感染経路として〈スイッチ〉〈ドアノブ〉があるので、不特定多数が利用する場所(役場や公共施設や学校)のトイレや廊下を感知式のスイッチに変更する。ドアノブをドアレバーにして肘で開閉ができるように。引き戸には取っ手をつける。など〈触れない〉視点で点検して改善していく。(町内事業所や施設に改修補助もいい。)
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新型コロナ対策で気になることは他にもある(非正規労働者やひとり親家庭の収入減少対策・雇用保険の問題、商業者以外の支援・・・)が、今、動かないと戻れなくなるのはマスクの件。
 
全員協議会で問題点の指摘と提案を行った。6月3日に予定されている議案審議のときに施策内容が変更になっているのであれば賛成するが、もしもこのまま町民全員へのマスク現物支給というのであれば、775万円の減額補正修正案を提出する予定。

※ 写真は臨時閉館中の樺戸博物館。開館は6月1日。

自治立志塾もZoomで

昨日は、1日で1ヶ月分くらいの会話をしました。早朝のご近所会話に始まり、午前中の臨時会と全員協議会、午後からの一般質問調査と自治立志塾(Zoom開催)で。刺激が強すぎて(たぶん午後9時頃に)寝落ち。このまま溜め込むと詰まるので、体調を整えるためにも情報を吐き出していきますネ。
 
まずは自治立志塾。3ヶ月に1回の開催の道内地方議員を中心にした勉強会で、今回は初のZoom開催でした。オンラインの利点を活かして、全道各地から初参加を含めていつもより多い参加者+ストックホルムから川崎先生、もちろん山﨑幹根先生も。とても有意義な時間でした。
 
新型コロナ禍によって議会も行政も新たな動きをしています。各地の議員から状況報告を受けました。新型コロナ禍は、自治体の規模や位置づけに関係なく等しく降りかかった危機状態のため、自治体(行政も議会も)その対応の違いが如実に表れています。
その違いを私なりに分析したところ
1)新型コロナ禍を自分事として捉えられているのか
2)行政や議会の本来の役割を理解しているか
3)議論と行動が連動しているか(アイデアを出し合い、課題に照らし合わせ十分検討し、行動しているか)
の違いのような気がしてきました。現状では恵庭市議会の動きに注目です。
 
今回、ストックホルム(スウェーデン)から川崎先生が参加され、スウェーデンの特異的な新型コロナ対策とそれを高く指示する国民の様子などを伺いました。幼少期から自ら考える教育をしている国で、なぜ国民は一致して政府を信頼するのか、何がポイントなのか・・・もっともっと深く知りたいです。
 
山﨑幹根先生からの「民主主義とは何か」についても、深く考えさせられました。題材として「クマと民主主義」「デモと民主主義」が身近な話題だからこそ、考えを広げる/深めることができます。
 
みなさん、ありがとうございました。
 
添付の写真は、終了段階での記念写真。それぞれの都合に合わせて出入りしたり、接続環境の関係で画面だけ音声だけの人もいて、いつも以上に自由な雰囲気が出ています。オンラインもよし、リアルもよし、集える仲間がいることが何よりも大事。

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